有価証券報告書-第81期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、当社の事業は投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、セグメントごとの分析については記載を省略しております。
(1) 財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ5億13百万円増加し、153億69百万円となりました。
現金・預金が9億62百万円、預託金が3億79百万円それぞれ増加し、信用取引資産が7億1百万円減少したこと等により流動資産は6億29百万円増加し、120億5百万円となりました。固定資産は1億16百万円減少し、33億64百万円となりました。
② 負債
預り金が5億39百万円、受入保証金が1億55百万円、未払法人税等が1億49百万円、未払金が43百万円それぞれ増加し、信用取引負債が6億29百万円、繰延税金負債が50百万円それぞれ減少したこと等により負債合計は2億73百万円増加し、67億89百万円となりました。
③ 純資産
利益剰余金が3億7百万円増加し、その他有価証券評価差額金が67百万円減少したことにより純資産は2億40百万円増加し、85億80百万円となりました。
当社は、金融機関等からの借入れは、信用取引にかかる借入れ及び一時的な資金繰りに必要な借入れを除いて行わない方針であります。信用取引での顧客への金銭等の貸付は、証券金融会社から借り入れる他、自己資金を充てています。固定資産の取得についても自己資金で賄っており、前事業年度は一部の店舗の改修等に伴って固定資産が42百万円増加しました。当事業年度は投資有価証券の値下がり等により固定資産は1億16百万円の減少となっております。
また、利益剰余金の増加等により純資産は85億80百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
当事業年度におけるわが国の景気は緩やかに回復しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により大幅に下押しされ厳しい状況が続いております。
国内の株式市場では21,500円から始まった4月の日経平均株価は、米中貿易摩擦の激化等を受けて、4月の高値22,362円から6月の安値20,289円まで、新元号「令和」初の取引からの6日連続安を含め2,000円を超す下落となりました。その後は21,000円台を回復しましたが、消費税増税等を背景に上値は重く、米国による対中関税第4弾の公表や米国の長短金利の逆転を受けて再び投資家心理が悪化し、8月には20,100円台まで下値の水準を切り下げました。米中通商協議が再開されることが伝わると上昇に転じ、米中貿易協議の部分合意や英国総選挙の結果を受けて上げ幅を広げ、12月には1年2か月ぶりに24,000円を突破しました。年明け後も24,000円台を回復する場面があり、2月中旬までは底堅い動きとなりましたが、中国で発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に市場環境は一変し、日経平均株価は連日で大幅安となり、更には原油価格の急落や急速な円高・ドル安も加わり、3月には3年4か月ぶりに17,000円を割り込みました。急落前の水準から3月19日の安値16,358円までおよそ1か月で7,000円を超す大幅な下落となりました。感染拡大の勢いは衰えず、世界各国で人やモノの移動が制限され世界経済の悪化が懸念される中で、各国の打ち出す経済対策に注目が集まり反発する場面もあり当事業年度を18,917円で終えました。
このような状況の中、当社は地域密着型の対面営業を行う証券会社として、株式営業や債券販売、投資信託販売を中心に営業を展開しました。株式営業においては、「情報シャトル特急便」、「Imamura Report」等当社作成の情報誌に加え、専門調査機関の作成するレポートによる情報提供等、お客様のニーズにお応えする提案・サポートを積極的に行いました。債券販売においては、他社株転換条項付円建社債や日経平均株価連動円建社債の販売を継続的に推進するとともに、福井県債、北陸電力債や、投資を通じてSDGsの実現に貢献することができる外貨建てグリーンボンドも取り扱いました。投資信託販売においては、米国株式配当貴族(年4回決算型)をはじめ多種類の投資信託を取り扱いました。また、ホームページの当社取扱い投資信託の基準価額一覧ページをリニューアルして利便性の向上を図ったほか、投資信託分析ツールの導入によりお客様へのサービス拡充に努めました。新型コロナウイルスの感染拡大により株価が急激に下落する中、お客様へのアフターフォローを引き続き丁寧に行い、安心してお取引いただけるよう尽力してまいりました。
その結果、当事業年度の営業収益は32億99百万円(前年同期比13.3%増)、純営業収益は32億75百万円(同13.3%増)、経常利益は5億67百万円(同62.0%増)、当期純利益は3億40百万円(同65.5%増)となりました。
当事業年度における主な収益及び費用の状況は次のとおりであります。
① 受入手数料
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となりました。その内訳は次のとおりであります。
イ 委託手数料
株券に係る委託手数料は13億13百万円(同11.9%増)となり、受益証券を含めた委託手数料の合計は13億37百万円(同12.0%増)となりました。
ロ 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は16億64百万円(同22.0%増)となりました。
ハ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は66百万円(同5.1%減)となりました。
ニ その他の受入手数料
その他の受入手数料は1億58百万円(同22.1%減)となりました。
② トレーディング損益
トレーディング損益は28百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
③ 金融収支
金融収益が43百万円(前年同期比16.6%減)、金融費用が23百万円(同16.0%増)となった結果、差し引き金融収支は19百万円(同37.8%減)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は27億21百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等22百万円(前年同期比19.9%増)、営業外費用は、為替差損等9百万円(同50.0%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等3百万円(前年同期は0百万円)、特別損失は、投資有価証券評価損等8百万円(前年同期比83.7%増)となりました。
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となり、その商品別内訳は、株券13億17百万円(同11.7%増)、債券16億64百万円(同22.1%増)、受益証券1億82百万円(同15.4%減)、その他62百万円(同14.2%減)であります。株券部門と債券部門においては前年同期に比べ手数料が増加したものの、受益証券部門とその他の部門においては前年同期に比べ手数料が減少しました。その結果、当社が目標とする経営指標である経費カバー率は73.4%(前事業年度は67.5%)と目標とする80%には届きませんでした。また、当社は経営戦略の一つとして「新規顧客の獲得」を掲げており、その指標として5年間で15,000口座の新規顧客の獲得を目指しております。前事業年度の開設口座数は単年度の目安となる3,000口座を15.8%上回り3,475口座となり、当事業年度は3,553口座となり目標を18.4%上回りました。
また、2017年4月の富山支店開設により、北陸3県で10店舗体制となり3年が経過し、顧客からの信頼も一層高まり営業力もついてきたと自負しております。引き続き、情報提供の充実及び商品の多様性を図り、新規の顧客開拓と顧客からの預り資産の増加に注力する所存です。なお、富山支店につきましては、開設当初に設定した収益目標を当事業年度下半期において達成いたしました。当社のビジネスモデルが通用する証であり、来期以降もさらなる収益の拡大を図ってまいります。
なお、当社は引き続き、顧客の資産形成に資するためニーズに沿った金融商品の提案や資産管理におけるサポートを行っていきますが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社においても、新たな生活様式に対応した営業活動を推進してまいります。新型コロナウイルス感染拡大予防策の徹底や感染拡大の第2波に備えた事業運営は勿論のこと、先端的なBIツールやAI機能等を営業支援ツールに活用し業務の効率化を模索します。また、電話を一層活用しながら移動時間を減少させるアポイントメントとなるよう取り組みを進め、対面営業の強みを活かしつつ、資産形成のアドバイザーとしてこれからも顧客にとって身近な存在であり続けられるようサービスの向上を図ってまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ9億62百万円増加し、57億43百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億40百万円の資金増加(前事業年度は、13億90百万円の資金増加)となりました。これは、税引前当期純利益5億62百万円、減価償却費1億30百万円を計上したこと等に加え、信用取引資産の減少7億1百万円、預り金の増加5億39百万円、受入保証金の増加1億55百万円等により資金が増加する一方、信用取引負債の減少6億29百万円、顧客分別金信託の増加3億80百万円、法人税等の支払額1億円等により資金が減少した結果であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出92百万円等により1億21百万円の資金減少(前事業年度は、2億7百万円の資金減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いにより33百万円の資金減少(前事業年度は、66百万円の資金減少)となりました。
当事業年度の上半期は日経平均株価の上値が重く、下半期は順調に上昇した後、大きく急落し、その後は反発したものの伸び悩みました。この結果、税引前当期純利益、減価償却費に加え、預り金や受入保証金の増加、信用取引残高の縮小、法人税の支払い等により、営業活動によるキャッシュ・フローでの資金増加額は1,140百万円となりましたが、前事業年度に比べ縮小しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度には大規模な設備投資がなかったこと等から資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の期末配当金が1株当たり12.5円と半減したため、資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
これらの結果、当事業年度末の資金は期首に比べ増加し57億43百万円となり、依然として高水準を維持しております。また、当社では資金を手許現金及び要求払預金に限定しているため、その流動性に懸念はありません。なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社の業績は経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けることから、将来に対する予測が困難であります。そのような状況のもと、当社は、一時的な業績不振に陥った場合にも柔軟な営業戦略の推進を維持できるよう、内部留保の充実が重要であると考えております。今回、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という予測困難な事態が発生し、企業の手元流動性が注目されました。当社は普段から内部留保の充実に努めており、当事業年度及び本書提出日現在において、信用取引にかかる借入金以外の金融機関等からの借入金による資金調達は行っておりません。なお、引き続き、内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様への継続的かつ安定的な利益還元を目指してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を必要とします。経営者は、過去の実績やそれぞれの状況等を勘案し合理的と考えられる仮定を用いて見積りを行っておりますが、見積り及び仮定については特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定の内、重要なものは以下のとおりであります。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。2020年度中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、過去の実績値の平均で継続するとの仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、当社の事業は投資・金融サービス業という単一セグメントであるため、セグメントごとの分析については記載を省略しております。
(1) 財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ5億13百万円増加し、153億69百万円となりました。
現金・預金が9億62百万円、預託金が3億79百万円それぞれ増加し、信用取引資産が7億1百万円減少したこと等により流動資産は6億29百万円増加し、120億5百万円となりました。固定資産は1億16百万円減少し、33億64百万円となりました。
② 負債
預り金が5億39百万円、受入保証金が1億55百万円、未払法人税等が1億49百万円、未払金が43百万円それぞれ増加し、信用取引負債が6億29百万円、繰延税金負債が50百万円それぞれ減少したこと等により負債合計は2億73百万円増加し、67億89百万円となりました。
③ 純資産
利益剰余金が3億7百万円増加し、その他有価証券評価差額金が67百万円減少したことにより純資産は2億40百万円増加し、85億80百万円となりました。
当社は、金融機関等からの借入れは、信用取引にかかる借入れ及び一時的な資金繰りに必要な借入れを除いて行わない方針であります。信用取引での顧客への金銭等の貸付は、証券金融会社から借り入れる他、自己資金を充てています。固定資産の取得についても自己資金で賄っており、前事業年度は一部の店舗の改修等に伴って固定資産が42百万円増加しました。当事業年度は投資有価証券の値下がり等により固定資産は1億16百万円の減少となっております。
また、利益剰余金の増加等により純資産は85億80百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
当事業年度におけるわが国の景気は緩やかに回復しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により大幅に下押しされ厳しい状況が続いております。
国内の株式市場では21,500円から始まった4月の日経平均株価は、米中貿易摩擦の激化等を受けて、4月の高値22,362円から6月の安値20,289円まで、新元号「令和」初の取引からの6日連続安を含め2,000円を超す下落となりました。その後は21,000円台を回復しましたが、消費税増税等を背景に上値は重く、米国による対中関税第4弾の公表や米国の長短金利の逆転を受けて再び投資家心理が悪化し、8月には20,100円台まで下値の水準を切り下げました。米中通商協議が再開されることが伝わると上昇に転じ、米中貿易協議の部分合意や英国総選挙の結果を受けて上げ幅を広げ、12月には1年2か月ぶりに24,000円を突破しました。年明け後も24,000円台を回復する場面があり、2月中旬までは底堅い動きとなりましたが、中国で発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に市場環境は一変し、日経平均株価は連日で大幅安となり、更には原油価格の急落や急速な円高・ドル安も加わり、3月には3年4か月ぶりに17,000円を割り込みました。急落前の水準から3月19日の安値16,358円までおよそ1か月で7,000円を超す大幅な下落となりました。感染拡大の勢いは衰えず、世界各国で人やモノの移動が制限され世界経済の悪化が懸念される中で、各国の打ち出す経済対策に注目が集まり反発する場面もあり当事業年度を18,917円で終えました。
このような状況の中、当社は地域密着型の対面営業を行う証券会社として、株式営業や債券販売、投資信託販売を中心に営業を展開しました。株式営業においては、「情報シャトル特急便」、「Imamura Report」等当社作成の情報誌に加え、専門調査機関の作成するレポートによる情報提供等、お客様のニーズにお応えする提案・サポートを積極的に行いました。債券販売においては、他社株転換条項付円建社債や日経平均株価連動円建社債の販売を継続的に推進するとともに、福井県債、北陸電力債や、投資を通じてSDGsの実現に貢献することができる外貨建てグリーンボンドも取り扱いました。投資信託販売においては、米国株式配当貴族(年4回決算型)をはじめ多種類の投資信託を取り扱いました。また、ホームページの当社取扱い投資信託の基準価額一覧ページをリニューアルして利便性の向上を図ったほか、投資信託分析ツールの導入によりお客様へのサービス拡充に努めました。新型コロナウイルスの感染拡大により株価が急激に下落する中、お客様へのアフターフォローを引き続き丁寧に行い、安心してお取引いただけるよう尽力してまいりました。
その結果、当事業年度の営業収益は32億99百万円(前年同期比13.3%増)、純営業収益は32億75百万円(同13.3%増)、経常利益は5億67百万円(同62.0%増)、当期純利益は3億40百万円(同65.5%増)となりました。
当事業年度における主な収益及び費用の状況は次のとおりであります。
① 受入手数料
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となりました。その内訳は次のとおりであります。
イ 委託手数料
株券に係る委託手数料は13億13百万円(同11.9%増)となり、受益証券を含めた委託手数料の合計は13億37百万円(同12.0%増)となりました。
ロ 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は16億64百万円(同22.0%増)となりました。
ハ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は66百万円(同5.1%減)となりました。
ニ その他の受入手数料
その他の受入手数料は1億58百万円(同22.1%減)となりました。
② トレーディング損益
トレーディング損益は28百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
③ 金融収支
金融収益が43百万円(前年同期比16.6%減)、金融費用が23百万円(同16.0%増)となった結果、差し引き金融収支は19百万円(同37.8%減)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は27億21百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、受取配当金等22百万円(前年同期比19.9%増)、営業外費用は、為替差損等9百万円(同50.0%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等3百万円(前年同期は0百万円)、特別損失は、投資有価証券評価損等8百万円(前年同期比83.7%増)となりました。
当事業年度の受入手数料の合計は32億28百万円(前年同期比14.0%増)となり、その商品別内訳は、株券13億17百万円(同11.7%増)、債券16億64百万円(同22.1%増)、受益証券1億82百万円(同15.4%減)、その他62百万円(同14.2%減)であります。株券部門と債券部門においては前年同期に比べ手数料が増加したものの、受益証券部門とその他の部門においては前年同期に比べ手数料が減少しました。その結果、当社が目標とする経営指標である経費カバー率は73.4%(前事業年度は67.5%)と目標とする80%には届きませんでした。また、当社は経営戦略の一つとして「新規顧客の獲得」を掲げており、その指標として5年間で15,000口座の新規顧客の獲得を目指しております。前事業年度の開設口座数は単年度の目安となる3,000口座を15.8%上回り3,475口座となり、当事業年度は3,553口座となり目標を18.4%上回りました。
また、2017年4月の富山支店開設により、北陸3県で10店舗体制となり3年が経過し、顧客からの信頼も一層高まり営業力もついてきたと自負しております。引き続き、情報提供の充実及び商品の多様性を図り、新規の顧客開拓と顧客からの預り資産の増加に注力する所存です。なお、富山支店につきましては、開設当初に設定した収益目標を当事業年度下半期において達成いたしました。当社のビジネスモデルが通用する証であり、来期以降もさらなる収益の拡大を図ってまいります。
なお、当社は引き続き、顧客の資産形成に資するためニーズに沿った金融商品の提案や資産管理におけるサポートを行っていきますが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社においても、新たな生活様式に対応した営業活動を推進してまいります。新型コロナウイルス感染拡大予防策の徹底や感染拡大の第2波に備えた事業運営は勿論のこと、先端的なBIツールやAI機能等を営業支援ツールに活用し業務の効率化を模索します。また、電話を一層活用しながら移動時間を減少させるアポイントメントとなるよう取り組みを進め、対面営業の強みを活かしつつ、資産形成のアドバイザーとしてこれからも顧客にとって身近な存在であり続けられるようサービスの向上を図ってまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ9億62百万円増加し、57億43百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億40百万円の資金増加(前事業年度は、13億90百万円の資金増加)となりました。これは、税引前当期純利益5億62百万円、減価償却費1億30百万円を計上したこと等に加え、信用取引資産の減少7億1百万円、預り金の増加5億39百万円、受入保証金の増加1億55百万円等により資金が増加する一方、信用取引負債の減少6億29百万円、顧客分別金信託の増加3億80百万円、法人税等の支払額1億円等により資金が減少した結果であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出92百万円等により1億21百万円の資金減少(前事業年度は、2億7百万円の資金減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いにより33百万円の資金減少(前事業年度は、66百万円の資金減少)となりました。
当事業年度の上半期は日経平均株価の上値が重く、下半期は順調に上昇した後、大きく急落し、その後は反発したものの伸び悩みました。この結果、税引前当期純利益、減価償却費に加え、預り金や受入保証金の増加、信用取引残高の縮小、法人税の支払い等により、営業活動によるキャッシュ・フローでの資金増加額は1,140百万円となりましたが、前事業年度に比べ縮小しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当事業年度には大規模な設備投資がなかったこと等から資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度の期末配当金が1株当たり12.5円と半減したため、資金減少額が前事業年度に比べ縮小しました。
これらの結果、当事業年度末の資金は期首に比べ増加し57億43百万円となり、依然として高水準を維持しております。また、当社では資金を手許現金及び要求払預金に限定しているため、その流動性に懸念はありません。なお、現時点においては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社の業績は経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けることから、将来に対する予測が困難であります。そのような状況のもと、当社は、一時的な業績不振に陥った場合にも柔軟な営業戦略の推進を維持できるよう、内部留保の充実が重要であると考えております。今回、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という予測困難な事態が発生し、企業の手元流動性が注目されました。当社は普段から内部留保の充実に努めており、当事業年度及び本書提出日現在において、信用取引にかかる借入金以外の金融機関等からの借入金による資金調達は行っておりません。なお、引き続き、内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様への継続的かつ安定的な利益還元を目指してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積り及び仮定の設定を必要とします。経営者は、過去の実績やそれぞれの状況等を勘案し合理的と考えられる仮定を用いて見積りを行っておりますが、見積り及び仮定については特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定の内、重要なものは以下のとおりであります。
(a)繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b)減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、2020年度中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、営業収益に影響する東京証券取引所の株式売買代金の見込、GDP年間成長率、金利動向などの仮定に新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込み、見積りを行っております。2020年度中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、過去の実績値の平均で継続するとの仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。