有価証券報告書-第13期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 15:14
【資料】
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【項目】
79項目

事業内容

当社は、ブラジル連邦共和国パラ州のトメアス総合農業協同組合(以下、「CAMTA」(注)1という。)の日本総代理店として、アサイー(注)2をはじめとするアマゾンフルーツ冷凍パルプ(注)3を輸入し、加工販売しております。当社は、「健康・本物」を基本に据えて、主力商品であるアサイーを中心に、まさに天然のサプリメントといえるアマゾンフルーツをわが国に普及、拡大すべく事業を展開しております。
また、当社の取り扱うアマゾンフルーツ原料の一部は、アグロフォレストリー(注)4という農法を使用したもので、アマゾンの森林荒廃地を再生させる効果があることから、直接的に熱帯雨林再生へ貢献することができます。当社は、『自然と共に生きる』を企業理念とし、地球温暖化対策に貢献するべく、“経済が環境を復元させる事業モデルの構築~グリーンエコノミーの実現~”を企業コンセプトとして推し進めております。
(注)1.CAMTAは、ブラジル・アマゾン川の河口の町でパラ州の州都であるベレンから約230km離れたトメアス地区にあり、日本人移住者によって作られた農協です。
アマゾンフルーツを安定的に供給するには、持続的農業と加工設備の両立が不可欠で、それを実現させているのがCAMTAです。CAMTAは、アマゾン地域で持続的農業を行うためにアグロフォレストリー農法を独自に確立し、実践しております。
また、アサイーをはじめとしたアマゾンフルーツは、品質の劣化や移送コストの問題等により果実そのものを地域外へ持ち出すことが困難で、搾汁加工及び冷凍処理をして初めて域外移動が容易となります。CAMTAは、品質管理が行き届き、かつ地域有数のフルーツ搾汁加工工場及び冷凍倉庫を有しております。酸化が早いアサイーを上質な状態で保持・販売するため、当社は冷凍果肉を直輸入し、ジュース加工・製造・販売を国内で行っています。
2.アサイーは、ブラジル連邦共和国・アマゾン地帯の水べりに生育するヤシ科の植物で、その果実は、ポリフェノール、食物繊維、カルシウム、鉄分、アミノ酸及び不飽和脂肪酸等を豊富に含み、栄養価の高さから「スーパーフルーツ」とも言われています。
スーパーフルーツとは、一般的にORAC(オラック)値の高いフルーツを指します。ORACとは、日本では「サビないチカラ」とも言われている「抗酸化力」、つまり「活性酸素吸収能力」を数値化したものです。アメリカでは、パッケージにその数値を記載しアイキャッチにしている商品もあるほど、普及している「指標」の一つです。
アサイーはブラジル農務省にて、固形分比率ごとに3グレードに規格化されています。当社は最上級グレードのグロッソのみを使用しています。
3.パルプとは、フルーツを搾汁加工しパックした製品を言います。
4.アグロフォレストリーとは、一般的な単一栽培ではなく、荒廃した土地に様々な種類の樹木や果樹を植え、草原が遷移して森になる自然のシステムを模倣するように農場を構成していく農法(生産システム)です。世界では東南アジア、中南米、アフリカなどで多くの事例があり、それらの多くは伝統農法として地域に根付いています。その中でも、CAMTAが実践しているアグロフォレストリーは、商業的に成り立っている数少ない成功例であり、持続可能な農業として世界から注目されています。
なお、当社は、セグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。事業部門は、ナショナル・ブランド事業部門、アグロフォレストリー・マーケティング事業部門、ダイレクト・マーケティング事業部門の3つの事業部門を柱としております。
(1)ナショナル・ブランド事業部門(以下、「NB事業部門」という。)
NB事業は、量販店、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等リテール向けに、アサイー等のアマゾンフルーツを主原料とした自社ブランド等の製品を販売する事業です。主な製品は、カートカン製品「フルッタアサイー エナジー」「フルッタアサイー ビューティー」「フルッタアサイー ベーシック」、ゲーブルトップタイプ「フルッタアサイー エナジー1000g」「フルッタアサイー ビューティー1000g」、「フルッタアサイー ベーシック1000g」、冷凍商品「アサイーボウルミックス」、「ピタヤボウルミックス」、アイス「アサイーボウルアイス」、菓子「アサイートリュフ」、ドライ商品「アサイーフリーズドライパウダー」「アサイー&フルーツドリンクビネガー」等であります。
当社の製品は、他の飲料に比べて高価格帯となりますが、アマゾンフルーツの持つ高い栄養価と砂糖・保存料・香料・着色料不使用の特徴をもち、健康・本物志向の高い消費者を中心に高い評価を受けております。
また、最近は流通や商社等からのPB商品等の引き合いも増えております。
なお、テレビショッピングによる製品「ダイエッタシリーズ」の販売も、NB事業部門に含んでおります。
(2)アグロフォレストリー・マーケティング事業部門(以下、「AFM事業部門」という。)
AFM事業は、外食店や食品メーカー等に対して冷凍フルーツパルプやその加工品等を販売する事業と、アグロフォレストリーの畑でできる冷凍フルーツパルプ以外の産物を原料として種々の企業に販売する事業に区分されます。
① 外食店、食品メーカー等向け
外食チェーン、カフェ、レストラン等の外食店向けにアサイー等の冷凍フルーツパルプや業務用製品等を販売しております。外食店は、大手チェーン店から個人経営の小規模飲食店までカバーしており、小規模飲食店向けには、業務用通販サイト「FRUTA BIZ WEB」を立ち上げ、取引先の拡大と業務の効率化に努めております。
ここ数年、アサイーとフルーツをスムージー状にミックスし、グラノーラとフルーツを盛り付けた“食べるアサイー”の「アサイーボウル」がハワイで人気化しており、日本でも観光客の口コミやメディアを通じて知られるようになり、外食店での導入事例が続々と増えています。
また、飲料用原料、乳製品用原料、製菓用原料、サプリメント用原料として、食品メーカー等にアサイー等を提供しております。当ビジネスを展開するために、冷凍フルーツパルプをそのまま販売するだけでなく、濃縮エキスやフリーズドライ等の加工品も取り扱っております。
NB小売商品のブランディング確立によるシナジー効果を狙い、アサイーのトップブランドである当社のロゴを商品パッケージに記載するIN-Branding戦略を推進し、多くのメーカーが採用したことにより、ブランド認知が飛躍的に向上しております。
その他に、スポーツジム向けに冷凍フルーツパルプや自社ブランド製品等を販売しております。
② 上記以外のAFM事業(カカオ豆事業等)
アグロフォレストリーの畑では、アマゾンフルーツのほか、木材、香辛料、樹脂、油脂等が生産されております。菓子メーカー、化粧品メーカー、建材・紙材メーカー、香辛料メーカー、自動車メーカー等が、既存商品の原材料をアグロフォレストリー産の原材料に切り替えることで、企業としてCSR的効果が期待できるというメリットがあります。
このアグロフォレストリー・マーケティングの一環として、当社は、大手食品メーカーに対してCAMTAの生産するカカオ豆を販売しております。アグロフォレストリーの森で育つ多種多様な植物のなかでも、カカオは代表的な植物です。そのカカオをチョコレート原料として使用することで、アマゾンの森の再生に貢献します。消費が環境に好影響を及ぼす、「グリーンエコノミー」の一例です。
(3)ダイレクト・マーケティング事業部門(以下、「DM事業部門」という。)
DM事業は、「フルッタフルッタアサイーカフェ」、「フルッタフルッタアサイーファクトリー」等の直営店舗の運営、及び自社WEB等を利用した通信販売を行う事業です。
店舗事業は、「FRUTA FRUTA」のブランド力を向上させるための情報発信源としての位置づけがあるとともに、中長期的に多店舗化を見据えた重要な事業として捉えております。現在は、「アサイーカフェ 渋谷ヒカリエ ShinQs 店」、「アサイーカフェ 玉川高島屋S・C店」、「アサイーファクトリー イオン幕張新都心店」の3店舗を展開しております。直営店では、フレッシュジュースとアサイーボウルを主力商品とし、あわせてNB製品、グラノーラ、ソフトクリームなどの商品も取り扱っております。
通販事業は、アサイードリンクシリーズ等のアサイージュースや冷凍フルーツパルプ等に加えて、直営店舗との連携を活かした「アサイーカフェシリーズ」を展開しております。
[事業系統図]
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