有価証券報告書-第5期(平成29年2月1日-平成30年1月31日)

【提出】
2018/04/27 15:16
【資料】
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【項目】
96項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
会社の経営の基本方針
再生医療医薬品の研究開発および製造を営む当社グループは、「再生医療の開発を通して、患者様をはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供いたします。」を企業理念に掲げ、再生医療分野でのグローバルリーダーを目指し、再生医療医薬品の研究開発に取り組んでいます。早期に開発品の上市を実現することにより、一日も早く患者さんのQOL(Quality of Life)向上に寄与し、豊かで幸せな社会の実現に貢献してまいります。
(2) 経営戦略等
① 目標とする経営指標
当社グループでは、一日も早い再生医療医薬品の上市を実現するため、研究開発から臨床開発、そして市販後を見据えた製造販売体制の樹立まで一連のプロセスを確実かつスピーディに推進していくことが、最も重要な経営課題と考えております。現在、当社独自の再生細胞薬であるSB623については、慢性期脳梗塞および外傷性脳損傷を対象とした開発プログラムを進めておりますが、今後、パイプラインの拡充を図っていくことも、経営の安定化及び企業価値の増大に不可欠であります。従いまして、研究開発段階にある現在の当社グループにおいては、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、開発プログラムの進捗及びパイプラインの拡充に目標をおき事業活動を推進しております。
② 中長期的な経営戦略
当社グループの中長期における最重要課題としては、まずは慢性期脳梗塞及び外傷性脳損傷を対象とした再生細胞薬SB623の販売承認取得を早期に実現し患者の皆さまへ提供することでありますが、SB623は慢性期脳梗塞及び外傷性脳損傷以外にも、網膜疾患、パーキンソン病及び脊髄損傷といった他の中枢神経疾患へ適応拡大できるものと考えており、中長期的にはそれらの疾患へ開発プログラムを拡大していく予定です。また、現在治験を実施している米国と日本以外の欧州やアジアといった他の地域への拡大も重要な経営戦略の一つであり、開発の進捗にあわせて適宜取り組んでまいります。また、SB623に続く再生細胞薬として、多発性硬化症疾患に対する候補薬等も保有しており、長期的にそれらの開発にも取り組む予定です。再生医療のグルーバルリーダーを目指す当社グループは、当社独自の再生細胞薬SB623の適応拡大および地域の拡大、並びに新しい細胞医薬品のパイプライン拡充を通して、企業価値最大化を図ってまいります。
(3) 経営環境
当社グループを取り巻く再生医療業界については、日本では平成26年11月に施行された再生医療安全性確保法及び改正薬事法によって、再生医療の産業促進化が進むなか、平成27年9月には、新制度の早期承認制度下で初めてとなる国内の再生医療等製品に対しての条件・期限付き販売の承認がされるなど、再生医療等製品の実用化が現実となりつつあります。また、米国においても平成28年12月に、21st Century Cures Act(21世紀治療法)が可決され、新制度のもと、再生医療が先進治療として新たなカテゴリー(RMAT:Regenerative Medicine Advanced Therapy)として識別され、今後、再生医療関連製品に係る承認制度の整備や新薬承認のスピードアップが図られていくことが予想されます。当社グループはこうした、再生医療業界の変化を積極的に活用し、当社グループ独自の再生医薬品の早期の販売承認取得並びに販売開始を目指してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループが、日米における再生細胞薬SB623の製造及び販売の開始を目指すなか、国内においては、再生医療が政府の掲げる成長戦略のひとつに取り上げられました。これにより、再生医療分野における科学・基礎研究に手厚い支援及び助成金の実施がされるとともに、薬事法が改正され再生医療等製品が新たに規定される等法制度の見直しもあり、再生医療産業促進化が現実のものとなりつつあります。このような環境のなかで、当社グループは、次の対処課題に取り組んでまいります。
① SB623脳梗塞及び外傷性脳損傷プログラムの日米における承認取得、及び販売開始
現在、SB623の慢性期脳梗塞プログラムについては、米国において大日本住友製薬株式会社と共同開発契約のもと開発を進めており、平成27年12月にフェーズ2b臨床試験(被験者156人規模、二重盲検試験)の被験者募集を開始し、平成29年12月に最終的に163人の被験者の組み入れを終了しました。組み入れ完了後は、12か月の経過観察期間を経て、平成32年1月期前半に結果が公表される予定です。同プログラムの日本における開発については、平成21年に帝人株式会社と共同開発及び販売権ライセンスアウトに関する契約を締結しておりましたが、平成30年2月14日付で同契約について合意解約し、当該契約の対象としていたすべての権利は当社グループへ返還されました。今後、当社グループは、日本における同プログラムの承認取得に向け、当社単独での開発に着手し、早期の販売を目指してまいります。一方、当社グループが単独で進めている外傷性脳損傷プログラムについては、米国において平成28年7月にフェーズ2臨床試験(被験者52人規模、二重盲検試験)の最初の被験者の組み入れを開始しておりますが、日本においても、平成28年4月に医薬品医療機器総合機構(PMDA)より治験実施許可がおりたことから、同年10月には日本からも被験者の組み入れを開始し、現在、日米2か国のグローバル治験として実施しております。本試験については、平成30年4月に予定組み入れ被験者数52人のところ最終的に61人の被験者の組み入れを終了しました。今後は、6か月の経過観察期間を経て、日本における条件・期限付き早期承認制度を活用することにより当社SB623プログラムの中では最も早い販売を目指してまいります。具体的には平成31年1月期中の結果公表と平成32年1月期中の承認申請を目指します。
② 市販後の製造・物流・販売体制の構築
上述した現状の日米におけるSB623脳梗塞及び外傷性脳損傷プログラムの開発状況を踏まえると、SB623市販後の製造・物流・販売体制を見据えた準備の必要があります。そのため、グローバルな対応が可能な製造体制及び品質管理体制の構築(特に日本での市販が可能になった際に、相当量の細胞薬を安定して医療機関に供給する製造体制及び製造能力の構築及び医療機関にスムーズに製品を供給するための物流・販売体制の構築)を図ってまいります。
③ SB623の適応拡大及びそれ以外のパイプラインの進捗
当社グループは、SB623の対象疾患を現在の慢性期脳梗塞及び外傷性脳損傷から、網膜変性疾患(加齢黄斑変性等)、パーキンソン病、脊髄損傷及びアルツハイマー病へと順次適応拡大を図る予定であります。
現在、網膜変性疾患、脊髄損傷、パーキンソン病を対象としたプログラムについては非臨床試験段階であり、引き続きフェーズ1臨床試験開始に向けて準備を進めてまいります。さらに、SB623以外では、再生細胞薬SB618(機能強化型・間葉系幹細胞)及び再生細胞薬SB308(筋肉幹細胞)を、次の新薬候補として保有しており、これらのパイプラインについても早期に研究開発に着手してまいります。
④ SB623の販売エリア拡大
当社グループは、SB623の慢性期脳梗塞プログラムについては、大日本住友製薬株式会社と米国・カナダ地域における共同開発及び販売権ライセンスアウトに関する契約を締結しており、北米(カナダ含む。)での慢性期脳梗塞を対象とした販売に向けて取り組んでおります。今後、欧州、アジア、南米などの地域においても販売ができるように、それら地域をカバーしている製薬会社との提携を模索する等してエリアの拡大を図ってまいります。
また、外傷性脳損傷プログラムについても、同様にエリアの拡大のための施策等を検討してまいります。
⑤ 資金調達
当社グループは、上記のとおり、慢性期脳梗塞及び外傷性脳損傷を対象疾患としたSB623の開発を加速するために、また SB623の適応拡大、エリア拡大及びSB623以外のパイプラインを進捗させるために、資金調達を確実に行っていく必要があります。そのため、当社は、資金調達手段の確保・拡充に向けて、株式市場からの必要な資金の獲得や銀行からの融資、補助金等を通して、開発に必要な資金調達の多様化を図ってまいります。
⑥ 人材の獲得
当社グループの研究開発体制は、コア・コンピタンスとなる研究開発や試薬製造プロセスのデザイン等は自社で行い、臨床試験及び試薬製造等の業務は外部協力業者を活用するなど効率的に行っております。現在は小規模組織での運営を行っておりますが、開発の加速、市販後体制の構築、適応疾患の拡大、パイプラインの進捗等に応じて、今後、適切かつ十分な人材確保に努めてまいります。

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