訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/03/20 14:22
【資料】
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【項目】
89項目

対処すべき課題

当社グループが、日米において慢性期脳梗塞細胞医薬品「SB623」の製造及び販売の開始を目指すなか、国内においては、再生医療が政府の掲げる成長戦略のひとつに取り上げられました。これにより、再生医療分野における科学・基礎研究に手厚い支援及び助成金が実施されるとともに、薬事法が改正されて再生医療等製品が新たに規定される等法制度の見直しも始まり、再生医療に産業促進化の期待が高まっております。このような環境のなかで、当社グループは、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。
(1) SB623の日米における承認、取得、及び販売開始
SB623は、現在大日本住友製薬株式会社とライセンスアウトに関するオプション契約を終結しており、同社と共同開発を行えるよう事業を進めております。当社グループは、SB623の日米における販売開始を目標に、まずはフェーズⅡb臨床試験を被験者150人規模で行う準備に取り掛かっております。今後も、早期に医薬品の承認が得られるように、当該臨床試験の進捗管理を木目細かく行ってまいります。
(2) SB623の適応拡大及びそれ以外のパイプラインの進捗
当社グループは、SB623の対象疾患を現在の慢性期脳梗塞から、外傷性脳損傷、網膜疾患、パーキンソン病、脊髄損傷及びアルツハイマー病等へと順次適応拡大を図る予定であります。現在、外傷性脳損傷については、被験者50人規模で第Ⅱ相臨床試験を行う準備をしております。今後は、加齢黄斑変性症の第Ⅰ相臨床試験も始められるように着実に準備を行ってまいります。さらに、SB623以外に再生細胞薬SB618(機能強化型・間葉系幹細胞)及び再生細胞薬SB308(筋肉幹細胞)を、次の新薬開発候補として保有しており(詳しくは、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。)、これらのパイプラインについても早期に研究開発を着手してまいります。これに伴い、これらに必要な資金の調達を増資や借入などで賄っていく予定であります。
(3) SB623の販売エリア拡大
当社グループは、現在大日本住友製薬株式会社及び帝人株式会社とライセンスアウトに関する契約をそれぞれに締結したことにより、北米(カナダ含む。)及び日本での販売実施に目処をつけておりますが、さらに欧州、アジア、南米などの地域においても販売が実施できるように、地域をカバーしている製薬会社との提携を模索する等してエリアの拡大を図ってまいります。
(4) 資金調達
当社グループは、上記のとおり、慢性期脳梗塞を対象疾患としたSB623の開発を加速するために、またSB623の適応拡大及びSB623以外のパイプラインを進捗させるために、資金調達を確実に行っていく必要があります。そのため、当社は、資金調達手段の確保・拡充に向けて、株式上場により必要な資金を獲得するとともに、資金調達の多様化を図ってまいります。
(5) 人材の獲得
当社グループの研究開発体制は、コア・コンピタンスとなる研究開発や試薬製造プロセスのデザイン等は自社で行い、臨床試験及び試薬製造等の業務は外注により行っております。従いまして、現在は小規模組織での運営を行っておりますが、上記のとおり、今後適応拡大や複数のパイプラインを進捗させるためには、適切な人材を確保していく必要があります。
具体的には、株式上場などを通じ知名度を向上させ、新卒採用・中途採用を問わず積極的な採用活動を推進してまいります。また、長期的な雇用を確保するため、新卒採用については有望な若手を採用し、社内において教育・研修を充実させて人材を育成していく方針であります。