有価証券報告書-第6期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1)経営成績等の概要
① 経営成績及び財政状態
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きがみられる状況となりました。先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直してゆくことが期待されます。
インターネット業界においては、総務省の令和元年「通信利用動向調査」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は64.7%と前年度から6.0ポイント上昇しており、クラウドサービス利用の効果について、「効果があった」とする企業の割合は85.5%となりました。働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、セキュリティ対策への関心の高まり等、当社グループにとって追い風とも言える事業環境が継続しております。
当社グループは、令和2年3月より「未来に最適を」という経営理念を新たに掲げ、当社グループのIT事業によって、お客様の仕事や生活の未来をより良くすることを目指して事業に取組んでおります。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループのお客様において在宅勤務の実施や企業活動の自粛が相次ぎました。当社グループでは、案件の失注、商談の長期化、キャンペーンの中止、広告の出稿停止等、マイナスの影響が出た一方、ITを用いた顧客接点の強化や、ITを用いた業務効率化等、ITへの需要の高まりを受け、問い合わせ件数が増加しました。特に情報資産プラットフォーム事業において、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種やウェビナー申込等、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件を多数受注し、業績面で想定よりもプラスの影響が大きい結果となりました。また、緊急事態宣言中は9割以上の従業員を在宅勤務させる対策を講じましたが、在宅勤務の制度を整えた上で、緊急事態宣言解除後も多くの従業員の在宅勤務を継続させ、お客様等に約束している事業の品質や情報セキュリティを確保しながら、通勤や移動時間の削減等による業務効率化と感染症拡大リスクの低減の両立を目指した取組みを推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は6,524百万円(前期比5.1%増)、営業利益は1,427百万円(同2.6%増)、経常利益は1,455百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,226百万円(同78.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(機能別事業群)
クラウドやSNS等のIT基盤の利活用により、CRM、販売促進、EC等の業務効率化に大きな伸びしろが期待される企業・団体全般をターゲットとした事業セグメント群です。各セグメントの詳細は以下のとおりです。
ⅰ)情報資産プラットフォーム事業
昨今の人手不足社会における課題解決の一助として、顧客企業・団体のコスト低減・業務効率化に資するシステムの開発・提供等を行っております。売上高は4,522百万円(前期比6.4%増)、営業利益は1,551百万円(同9.3%増)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)情報資産プラットフォーム「スパイラル®」
当連結会計年度を通じて、操作画面のリニューアル、二段階認証やFIDO認証等の高セキュリティな会員サイトをローコードで構築可能な機能の追加等、プラットフォーム開発によるプロダクト強化を実施しました。また、令和2年11月にグローバル案件にも対応可能な多言語機能を実装した新たなローコード開発プラットフォーム「SPIRAL® ver.2」を提供開始しました。
この結果、「スパイラル®」の有効アカウント数は3,772件となりました。
ロ)その他の主な情報資産プラットフォーム
・アパレル特化型ECプラットフォーム「スパイラルEC®」
・クラウド型グループウェア×CMS×SNS連携プラットフォーム「スパイラルプレース®」
・コールセンタープラットフォーム「BizBase®」
・現場に最適なマイナンバー管理を実現する「スパイラル®マイナンバートータルソリューション」
・クラウド型ストレスチェックサービス「こころの健診センター®」
ⅱ)販促CRMソリューション事業
顧客企業・団体におけるITを活用した業務最適化や顧客との接点機会創出及び強化を支援するサービスの提供や、顧客に応じた最適なITシステムの開発請負等を行っております。売上高は965百万円(前期比0.2%増)、営業利益は32百万円(同61.5%減)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)デジタルCRM事業及び伴走型インサイドセールス代行「TIMELY」
ロ)Webシステムの開発業務等の請負
ハ)アパレル・ファッションに特化したECサイト・アプリの構築、運営及びコンサルティング
ⅲ)広告事業
顧客サービスの認知度、集客力、ブランド力の向上等を目的としたプロモーション設計や広告コンテンツの制作・開発・運用、インターネット広告の代理販売等を行っております。株式会社電通の「2020年日本の広告費」によると、令和2年の総広告費は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け6兆1,594億円(前年比11.2%減)と大きく減少しましたが、インターネット広告市場は、社会のデジタル化加速の追い風を受け2兆2,290億円(前年比5.9%増)と引き続きプラス成長が続いております。当社グループの広告事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費活動の自粛等による影響を受けた一方、新規案件の獲得に励んだ結果、売上高は768百万円(前期比5.6%増)、営業利益は319百万円(同3.4%増)となりました。なお、広告事業の売上高については、広告枠の仕入高を売上高から控除する純額で表示(ネット表示)しており、広告枠の仕入高控除前の総額で表示(グロス表示)した場合の売上高は4,806百万円となります。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)インターネット広告の代理販売
ロ)アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト®」
(分野別事業群)
クラウドやSNS等のIT基盤を活用した新たな情報共有モデルの実現によってイノベーションが期待される業界・分野をターゲットとした事業セグメント群です。各セグメントの詳細は以下のとおりです。
ⅳ)xTech事業
IT技術の利活用により企業や団体の垣根を越えて情報を共有することで、業界に革新的なサービスを創出することが期待できる事業を行っております。売上高は180百万円(前期比4.5%減)、営業利益は7百万円(前期の営業損失は34百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)ArchiTech:BIM建築情報プラットフォーム「ArchiSymphony®」
ロ)BeauTech:お客様と美容師のための電子カルテアプリ「美歴®」
主要顧客の美容院で休業が相次ぐ等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けました。
ハ)FinTech:電子地域通貨プラットフォーム「エルコイン®」
ⅴ)社会イノベーション事業
個々の企業や業界の内部にある問題の解決でなく、それらの枠を超えて存在する社会的課題の解決を図ることを目的とした公益性の高い事業を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により下北沢地域の店舗は大きな痛手を受けており、当社グループの「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」事業、並びに「シモキタコイン®」事業もマイナスの影響を受けました。一方で、インターネット投票の機運が高まる等、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした事業機会拡大の向きもあります。売上高は86百万円(前期比9.3%増)、営業損失は22百万円(前期の営業損失は41百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)自治体広報紙プラットフォーム「マイ広報紙®」
令和3年2月に掲載自治体数が国内の自治体数の5割を超える931となりました。
ロ)インターネット投票関連事業及び政治・選挙プラットフォーム「政治山®」
令和2年9月にxID株式会社が提供する「xID」と連携したネット投票システムをつくば市へ導入し、スマホ投票による投票数増加、海外を含む投票場所の自由化、マイナンバーカードとの連携を実証しました。
また、同11月に町田市が実施した投票企画にネット投票システムを提供しました。
ハ)地域密着型Webサイト「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」の提供並びにネット社会における地域・商店街の活性化支援事業
令和2年5月に「I LOVE 下北沢アプリ」のテイクアウト予約サービスを開始しました。また、新型コロナウイルス感染症対策を十分にした上で、同10月に「下北沢カレーフェスティバル®2020」や「下北沢古着マーケット」を開催しました。
ニ)下北沢地域で還流する電子地域通貨「シモキタコイン®」
下北沢地域の「シモキタコイン®」加盟店は令和3年2月に150店舗になり、徐々に拡大しております。
(グループ共通)
各セグメントの事業とは直接結びつかない純粋持株会社の管理費用、グループ採用及び育成に係る費用、投資損益等で構成されるセグメントです。
グループ採用及び育成面では、育成枠として令和2年4月に37人を新卒採用、同4月から令和3年2月までに24人を中途採用する等、前期では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等が増加しております。
投資面では、令和2年3月にダブルシャープ・パートナーズ株式会社を、同4月にダブルシャープ・パートナーズ株式会社を業務執行組合員とするダブルシャープ・パートナーズ・ファンド1号投資事業組合を設立し、いずれも連結の範囲に含めております。
この結果、営業損失は461百万円(前期の営業損失は346百万円)となりました。
なお、上記ファンドを通じて先進的、革新的なIT事業やサービスを提供する優良なスタートアップ企業へ積極的な投資を実施しており、当連結会計年度は5社へ約130百万円を出資しました。また、米国のSprinklr, Inc.株式の売却により投資有価証券売却益293百万円を特別利益に計上し、グループ全体の親会社株主に帰属する当期純利益の積み増しに寄与しました。加えて、資本効率の向上及び今後の資本政策の実施に備えるため、当連結会計年度において約500百万円で334,300株(期末発行済株式数の4.1%)の自己株式を取得しました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、8,074百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ356百万円増加し、3,582百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ589百万円増加し、4,491百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比で1,510百万円増加し、5,049百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、891百万円(前期は1,272百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,735百万円、減価償却費163百万円、投資有価証券売却益293百万円、売上債権の増加額269百万円、未払消費税等の減少額70百万円、未払金の増加額289百万円、前払費用の増加額34百万円、法人税等の支払額727百万円、法人税等の還付額158百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、950百万円(前期は175百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出107百万円、投資有価証券の取得による支出154百万円、投資有価証券の売却による収入1,201百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、337百万円(前期は17百万円の収入)となりました。これは主に、借入れによる収入1,155百万円、借入金の返済による支出825百万円、配当金の支払額168百万円、自己株式の取得による支出501百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ)生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ⅱ)受注実績
当社グループの商品・サービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。
ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しており、主な内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
ⅰ)ソフトウェアの会計処理
当社グループは、開発したソフトウェアのうち、将来にわたって収益獲得または費用削減が見込まれる等資産性が高いと判断したソフトウェアについて、開発に要した労務費等の一部を費用計上せず、ソフトウェアとして無形固定資産に計上しております。当該資産性の判断に際して、当社グループは可能な限り客観的かつ入念に回収可能性等を評価いたしますが、見積り特有の不確実性があるため、当該資産に追加的な損失が発生する可能性があります。
ⅱ)貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ⅲ)賞与引当金
従業員に対する賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しておりますが、当社グループの支給対象期間の業績等の状況等により、実際の支給額が引当額を超える可能性があります。
ⅳ)繰延税金資産
当社グループは、連結貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積っておりますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ)経営成績等の分析
イ)経営成績
a. 売上の状況
売上高は、前連結会計年度と比べ316百万円増加(5.1%増)し、6,524百万円となりました。
情報資産プラットフォーム事業は、新型コロナウイルス関連の急を要するシステム案件を多数受注したことから、前連結会計年度と比べ273百万円増加(6.4%増)し、4,522百万円となりました。
販促CRMソリューション事業は、コロナ禍でWebシステムの開発業務等の請負は増加した一方、販促支援であるデジタルCRM事業及び伴走型インサイドセールス代行「TIMELY」は稼働が減少し、前連結会計年度と比べ2百万円増加(0.2%増)し、965百万円となりました。
広告事業は、コロナ禍で消費活動の自粛等による影響を受けましたが、新規案件の獲得に注力した結果、前連結会計年度と比べ40百万円増加(5.6%増)し、768百万円となりました。
xTech事業は、BIM事業を中心に既存事業が伸長しましたが、前期の「オーダーメイド人材育成代行事業」撤退の影響により、前連結会計年度と比べ8百万円減少(4.5%減)し、180百万円となりました。
社会イノベーション事業は、コロナ禍で下北沢地域の店舗は大きな痛手を受けており、「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」事業、並びに「シモキタコイン®」事業にマイナスの影響が出た一方、ITを活用した自治体の広報公聴機能の強化需要の取り込みやインターネット投票関連事業にプラスの影響が出ました。その結果、前連結会計年度と比べ7百万円増加(9.3%増)し、86百万円となりました。
b. 営業利益の状況
営業利益は、売上が増加した一方、前連結会計年度では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等の先行投資により費用が増加した結果、前連結会計年度と比べ36百万円増加(2.6%増)し、1,427百万円となりました。営業利益率は21.9%となり、前年度の22.4%より0.5ポイント減少しております。
c. 経常利益の状況
経常利益は、前連結会計年度と比べ52百万円増加(3.7%増)し、1,455百万円となりました。経常利益率は22.3%となり、前年度の22.6%より0.3ポイント減少しております。
d. 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度は投資有価証券評価損193百万円が発生した一方、当連結会計年度は有価証券売却益を293百万円計上した結果、前連結会計年度と比べ538百万円増加(78.2%増)し、1,226百万円となりました。当期純利益率は18.8%となり、前年度の11.1%に対して7.7ポイント増加しております。
ロ)財政状態
a. 資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で945百万円増加し、8,074百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,510百万円、受取手形及び売掛金の増加269百万円、ソフトウェア仮勘定の減少59百万円、投資有価証券の減少744百万円によるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比で356百万円増加し、3,582百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加602百万円、未払金の増加286百万円、賞与引当金の増加27百万円、未払法人税等の減少253百万円、未払消費税等の減少70百万円、長期借入金の減少272百万円によるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比で589百万円増加し、4,491百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,226百万円及び剰余金の配当による利益剰余金の減少168百万円、自己株式の取得による減少500百万円によるものです。
ハ)キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ⅱ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
当社グループの主要事業である情報資産プラットフォーム事業の営業活動を通して安定的なキャッシュ・イン・フローがあります。また、当社グループ内の事業会社に必要な運転資金の確保及び債務の返済等に備えるため、金融機関からの借入による資金調達も行っております。近年は、政府等の政策により、借り手にとっては比較的有利な条件が提示される金融環境であることを踏まえての判断です。さらに、緊急の資金需要に備えるため、複数の金融機関において借入枠を確保し、長期・短期のバランスを考慮しつつ安定的な資金調達に備えております。
ⅲ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症対策に終始した1年となりました。社会全体としてIT活用の重要性をより強く認識することになり、当社グループがIT事業によって、お客様の生産性向上やDX推進を支援する機会が増えました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響が不透明なことから、当初、売上高56億円〜62億円、営業利益7億円〜12億円の見通しを公表しておりました。
売上高は6,524百万円となり、当初見通しの上限である62億円を超えました。新型コロナウイルス感染症によりプラスの影響とマイナスの影響それぞれございましたが、情報資産プラットフォーム事業において、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件を多数受注したこと、その他のセグメントにおいてマイナスの影響が概ね想定内に収まったことから、プラスの影響が大きい結果となりました。
営業利益は1,427百万円となり、当初見通しの上限である12億円を超えました。前述のとおり情報資産プラットフォーム事業が上振れしており、また、前連結会計年度では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等の先行投資により費用が前連結会計年度より増加しましたが、当初想定していた範囲内に収まったことから、営業利益でも当初見通しを上回る結果となりました。
ⅳ)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績及び財政状態、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ⅰ)経営成績等の分析 イ)経営成績 a. 売上の状況、ⅲ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
① 経営成績及び財政状態
当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きがみられる状況となりました。先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直してゆくことが期待されます。
インターネット業界においては、総務省の令和元年「通信利用動向調査」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は64.7%と前年度から6.0ポイント上昇しており、クラウドサービス利用の効果について、「効果があった」とする企業の割合は85.5%となりました。働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、セキュリティ対策への関心の高まり等、当社グループにとって追い風とも言える事業環境が継続しております。
当社グループは、令和2年3月より「未来に最適を」という経営理念を新たに掲げ、当社グループのIT事業によって、お客様の仕事や生活の未来をより良くすることを目指して事業に取組んでおります。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループのお客様において在宅勤務の実施や企業活動の自粛が相次ぎました。当社グループでは、案件の失注、商談の長期化、キャンペーンの中止、広告の出稿停止等、マイナスの影響が出た一方、ITを用いた顧客接点の強化や、ITを用いた業務効率化等、ITへの需要の高まりを受け、問い合わせ件数が増加しました。特に情報資産プラットフォーム事業において、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種やウェビナー申込等、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件を多数受注し、業績面で想定よりもプラスの影響が大きい結果となりました。また、緊急事態宣言中は9割以上の従業員を在宅勤務させる対策を講じましたが、在宅勤務の制度を整えた上で、緊急事態宣言解除後も多くの従業員の在宅勤務を継続させ、お客様等に約束している事業の品質や情報セキュリティを確保しながら、通勤や移動時間の削減等による業務効率化と感染症拡大リスクの低減の両立を目指した取組みを推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は6,524百万円(前期比5.1%増)、営業利益は1,427百万円(同2.6%増)、経常利益は1,455百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,226百万円(同78.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(機能別事業群)
クラウドやSNS等のIT基盤の利活用により、CRM、販売促進、EC等の業務効率化に大きな伸びしろが期待される企業・団体全般をターゲットとした事業セグメント群です。各セグメントの詳細は以下のとおりです。
ⅰ)情報資産プラットフォーム事業
昨今の人手不足社会における課題解決の一助として、顧客企業・団体のコスト低減・業務効率化に資するシステムの開発・提供等を行っております。売上高は4,522百万円(前期比6.4%増)、営業利益は1,551百万円(同9.3%増)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)情報資産プラットフォーム「スパイラル®」
当連結会計年度を通じて、操作画面のリニューアル、二段階認証やFIDO認証等の高セキュリティな会員サイトをローコードで構築可能な機能の追加等、プラットフォーム開発によるプロダクト強化を実施しました。また、令和2年11月にグローバル案件にも対応可能な多言語機能を実装した新たなローコード開発プラットフォーム「SPIRAL® ver.2」を提供開始しました。
この結果、「スパイラル®」の有効アカウント数は3,772件となりました。
ロ)その他の主な情報資産プラットフォーム
・アパレル特化型ECプラットフォーム「スパイラルEC®」
・クラウド型グループウェア×CMS×SNS連携プラットフォーム「スパイラルプレース®」
・コールセンタープラットフォーム「BizBase®」
・現場に最適なマイナンバー管理を実現する「スパイラル®マイナンバートータルソリューション」
・クラウド型ストレスチェックサービス「こころの健診センター®」
ⅱ)販促CRMソリューション事業
顧客企業・団体におけるITを活用した業務最適化や顧客との接点機会創出及び強化を支援するサービスの提供や、顧客に応じた最適なITシステムの開発請負等を行っております。売上高は965百万円(前期比0.2%増)、営業利益は32百万円(同61.5%減)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)デジタルCRM事業及び伴走型インサイドセールス代行「TIMELY」
ロ)Webシステムの開発業務等の請負
ハ)アパレル・ファッションに特化したECサイト・アプリの構築、運営及びコンサルティング
ⅲ)広告事業
顧客サービスの認知度、集客力、ブランド力の向上等を目的としたプロモーション設計や広告コンテンツの制作・開発・運用、インターネット広告の代理販売等を行っております。株式会社電通の「2020年日本の広告費」によると、令和2年の総広告費は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け6兆1,594億円(前年比11.2%減)と大きく減少しましたが、インターネット広告市場は、社会のデジタル化加速の追い風を受け2兆2,290億円(前年比5.9%増)と引き続きプラス成長が続いております。当社グループの広告事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費活動の自粛等による影響を受けた一方、新規案件の獲得に励んだ結果、売上高は768百万円(前期比5.6%増)、営業利益は319百万円(同3.4%増)となりました。なお、広告事業の売上高については、広告枠の仕入高を売上高から控除する純額で表示(ネット表示)しており、広告枠の仕入高控除前の総額で表示(グロス表示)した場合の売上高は4,806百万円となります。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)インターネット広告の代理販売
ロ)アフィリエイトASP一括管理サービス「スパイラルアフィリエイト®」
(分野別事業群)
クラウドやSNS等のIT基盤を活用した新たな情報共有モデルの実現によってイノベーションが期待される業界・分野をターゲットとした事業セグメント群です。各セグメントの詳細は以下のとおりです。
ⅳ)xTech事業
IT技術の利活用により企業や団体の垣根を越えて情報を共有することで、業界に革新的なサービスを創出することが期待できる事業を行っております。売上高は180百万円(前期比4.5%減)、営業利益は7百万円(前期の営業損失は34百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)ArchiTech:BIM建築情報プラットフォーム「ArchiSymphony®」
ロ)BeauTech:お客様と美容師のための電子カルテアプリ「美歴®」
主要顧客の美容院で休業が相次ぐ等、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けました。
ハ)FinTech:電子地域通貨プラットフォーム「エルコイン®」
ⅴ)社会イノベーション事業
個々の企業や業界の内部にある問題の解決でなく、それらの枠を超えて存在する社会的課題の解決を図ることを目的とした公益性の高い事業を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により下北沢地域の店舗は大きな痛手を受けており、当社グループの「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」事業、並びに「シモキタコイン®」事業もマイナスの影響を受けました。一方で、インターネット投票の機運が高まる等、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした事業機会拡大の向きもあります。売上高は86百万円(前期比9.3%増)、営業損失は22百万円(前期の営業損失は41百万円)となりました。その主なサービスは以下のとおりです。
イ)自治体広報紙プラットフォーム「マイ広報紙®」
令和3年2月に掲載自治体数が国内の自治体数の5割を超える931となりました。
ロ)インターネット投票関連事業及び政治・選挙プラットフォーム「政治山®」
令和2年9月にxID株式会社が提供する「xID」と連携したネット投票システムをつくば市へ導入し、スマホ投票による投票数増加、海外を含む投票場所の自由化、マイナンバーカードとの連携を実証しました。
また、同11月に町田市が実施した投票企画にネット投票システムを提供しました。
ハ)地域密着型Webサイト「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」の提供並びにネット社会における地域・商店街の活性化支援事業
令和2年5月に「I LOVE 下北沢アプリ」のテイクアウト予約サービスを開始しました。また、新型コロナウイルス感染症対策を十分にした上で、同10月に「下北沢カレーフェスティバル®2020」や「下北沢古着マーケット」を開催しました。
ニ)下北沢地域で還流する電子地域通貨「シモキタコイン®」
下北沢地域の「シモキタコイン®」加盟店は令和3年2月に150店舗になり、徐々に拡大しております。
(グループ共通)
各セグメントの事業とは直接結びつかない純粋持株会社の管理費用、グループ採用及び育成に係る費用、投資損益等で構成されるセグメントです。
グループ採用及び育成面では、育成枠として令和2年4月に37人を新卒採用、同4月から令和3年2月までに24人を中途採用する等、前期では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等が増加しております。
投資面では、令和2年3月にダブルシャープ・パートナーズ株式会社を、同4月にダブルシャープ・パートナーズ株式会社を業務執行組合員とするダブルシャープ・パートナーズ・ファンド1号投資事業組合を設立し、いずれも連結の範囲に含めております。
この結果、営業損失は461百万円(前期の営業損失は346百万円)となりました。
なお、上記ファンドを通じて先進的、革新的なIT事業やサービスを提供する優良なスタートアップ企業へ積極的な投資を実施しており、当連結会計年度は5社へ約130百万円を出資しました。また、米国のSprinklr, Inc.株式の売却により投資有価証券売却益293百万円を特別利益に計上し、グループ全体の親会社株主に帰属する当期純利益の積み増しに寄与しました。加えて、資本効率の向上及び今後の資本政策の実施に備えるため、当連結会計年度において約500百万円で334,300株(期末発行済株式数の4.1%)の自己株式を取得しました。
財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、8,074百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ356百万円増加し、3,582百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ589百万円増加し、4,491百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比で1,510百万円増加し、5,049百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、891百万円(前期は1,272百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,735百万円、減価償却費163百万円、投資有価証券売却益293百万円、売上債権の増加額269百万円、未払消費税等の減少額70百万円、未払金の増加額289百万円、前払費用の増加額34百万円、法人税等の支払額727百万円、法人税等の還付額158百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、950百万円(前期は175百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出107百万円、投資有価証券の取得による支出154百万円、投資有価証券の売却による収入1,201百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、337百万円(前期は17百万円の収入)となりました。これは主に、借入れによる収入1,155百万円、借入金の返済による支出825百万円、配当金の支払額168百万円、自己株式の取得による支出501百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ)生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ⅱ)受注実績
当社グループの商品・サービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。
ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 令和2年3月1日 至 令和3年2月28日) (千円) | 前期比(%) |
| 情報資産プラットフォーム事業 | 4,522,955 | 6.4 |
| 販促CRMソリューション事業 | 965,776 | 0.2 |
| 広告事業 | 768,581 | 5.6 |
| xTech事業 | 180,087 | △4.5 |
| 社会イノベーション事業 | 86,755 | 9.3 |
| 合計 | 6,524,156 | 5.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しており、主な内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたり、当社グループは期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社グループは過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り根拠となる仮定あるいは条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
ⅰ)ソフトウェアの会計処理
当社グループは、開発したソフトウェアのうち、将来にわたって収益獲得または費用削減が見込まれる等資産性が高いと判断したソフトウェアについて、開発に要した労務費等の一部を費用計上せず、ソフトウェアとして無形固定資産に計上しております。当該資産性の判断に際して、当社グループは可能な限り客観的かつ入念に回収可能性等を評価いたしますが、見積り特有の不確実性があるため、当該資産に追加的な損失が発生する可能性があります。
ⅱ)貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ⅲ)賞与引当金
従業員に対する賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しておりますが、当社グループの支給対象期間の業績等の状況等により、実際の支給額が引当額を超える可能性があります。
ⅳ)繰延税金資産
当社グループは、連結貸借対照表上の資産・負債の計上額と課税所得の計算上の資産・負債との一時差異に関して法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。また、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的に見積っておりますが、将来の課税所得が予想を下回った場合は、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ)経営成績等の分析
イ)経営成績
a. 売上の状況
売上高は、前連結会計年度と比べ316百万円増加(5.1%増)し、6,524百万円となりました。
情報資産プラットフォーム事業は、新型コロナウイルス関連の急を要するシステム案件を多数受注したことから、前連結会計年度と比べ273百万円増加(6.4%増)し、4,522百万円となりました。
販促CRMソリューション事業は、コロナ禍でWebシステムの開発業務等の請負は増加した一方、販促支援であるデジタルCRM事業及び伴走型インサイドセールス代行「TIMELY」は稼働が減少し、前連結会計年度と比べ2百万円増加(0.2%増)し、965百万円となりました。
広告事業は、コロナ禍で消費活動の自粛等による影響を受けましたが、新規案件の獲得に注力した結果、前連結会計年度と比べ40百万円増加(5.6%増)し、768百万円となりました。
xTech事業は、BIM事業を中心に既存事業が伸長しましたが、前期の「オーダーメイド人材育成代行事業」撤退の影響により、前連結会計年度と比べ8百万円減少(4.5%減)し、180百万円となりました。
社会イノベーション事業は、コロナ禍で下北沢地域の店舗は大きな痛手を受けており、「I LOVE 下北沢」及び「I LOVE 下北沢アプリ」事業、並びに「シモキタコイン®」事業にマイナスの影響が出た一方、ITを活用した自治体の広報公聴機能の強化需要の取り込みやインターネット投票関連事業にプラスの影響が出ました。その結果、前連結会計年度と比べ7百万円増加(9.3%増)し、86百万円となりました。
b. 営業利益の状況
営業利益は、売上が増加した一方、前連結会計年度では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等の先行投資により費用が増加した結果、前連結会計年度と比べ36百万円増加(2.6%増)し、1,427百万円となりました。営業利益率は21.9%となり、前年度の22.4%より0.5ポイント減少しております。
c. 経常利益の状況
経常利益は、前連結会計年度と比べ52百万円増加(3.7%増)し、1,455百万円となりました。経常利益率は22.3%となり、前年度の22.6%より0.3ポイント減少しております。
d. 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度は投資有価証券評価損193百万円が発生した一方、当連結会計年度は有価証券売却益を293百万円計上した結果、前連結会計年度と比べ538百万円増加(78.2%増)し、1,226百万円となりました。当期純利益率は18.8%となり、前年度の11.1%に対して7.7ポイント増加しております。
ロ)財政状態
a. 資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末比で945百万円増加し、8,074百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,510百万円、受取手形及び売掛金の増加269百万円、ソフトウェア仮勘定の減少59百万円、投資有価証券の減少744百万円によるものです。
b. 負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末比で356百万円増加し、3,582百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加602百万円、未払金の増加286百万円、賞与引当金の増加27百万円、未払法人税等の減少253百万円、未払消費税等の減少70百万円、長期借入金の減少272百万円によるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比で589百万円増加し、4,491百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,226百万円及び剰余金の配当による利益剰余金の減少168百万円、自己株式の取得による減少500百万円によるものです。
ハ)キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ⅱ)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
当社グループの主要事業である情報資産プラットフォーム事業の営業活動を通して安定的なキャッシュ・イン・フローがあります。また、当社グループ内の事業会社に必要な運転資金の確保及び債務の返済等に備えるため、金融機関からの借入による資金調達も行っております。近年は、政府等の政策により、借り手にとっては比較的有利な条件が提示される金融環境であることを踏まえての判断です。さらに、緊急の資金需要に備えるため、複数の金融機関において借入枠を確保し、長期・短期のバランスを考慮しつつ安定的な資金調達に備えております。
ⅲ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症対策に終始した1年となりました。社会全体としてIT活用の重要性をより強く認識することになり、当社グループがIT事業によって、お客様の生産性向上やDX推進を支援する機会が増えました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症が当社グループに与える影響が不透明なことから、当初、売上高56億円〜62億円、営業利益7億円〜12億円の見通しを公表しておりました。
売上高は6,524百万円となり、当初見通しの上限である62億円を超えました。新型コロナウイルス感染症によりプラスの影響とマイナスの影響それぞれございましたが、情報資産プラットフォーム事業において、新型コロナウイルス感染症対策に関連する急を要するシステム案件を多数受注したこと、その他のセグメントにおいてマイナスの影響が概ね想定内に収まったことから、プラスの影響が大きい結果となりました。
営業利益は1,427百万円となり、当初見通しの上限である12億円を超えました。前述のとおり情報資産プラットフォーム事業が上振れしており、また、前連結会計年度では抑制していた人員の採用、育成による戦力の増強を再開し、採用費、人件費、研修費等の先行投資により費用が前連結会計年度より増加しましたが、当初想定していた範囲内に収まったことから、営業利益でも当初見通しを上回る結果となりました。
ⅳ)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績及び財政状態、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ⅰ)経営成績等の分析 イ)経営成績 a. 売上の状況、ⅲ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。