有価証券報告書-第6期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 15:09
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151項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略
2013年度から2017年度に実施した第5次連結中期経営計画は「成長の基礎を固め、盤石な経営基盤を確立する5年」と位置づけ、石油精製・販売事業の収益力回復を筆頭に、供給部門の合理化等の構造改善を進めてまいりました。
2018年度より開始した第6次連結中期経営計画では、『Oil & New 石油のすべてを。次の「エネルギー」を。』をスローガンに、前連結中期経営計画で収益基盤の中心であった石油精製・販売を強化しながら、風力発電事業や石油化学事業への成長投資を進め、脱化石燃料の動きが加速することを見据えて事業ポートフォリオの拡充を目指しております。
石油製品の需要減少が想定される中、当社グループが持続的に成長するためには将来に向けた新しい事業の柱を作ることが必要不可欠です。第6次連結中期経営計画では「再投資可能な収益力の確保」「将来に向けた成長ドライバーの強化」「財務体質の健全化」「グループ経営基盤の強化」を基本方針として、事業ポートフォリオを拡充させつつ、石油開発事業や石油事業で収益力を強化し、さらに強固な財務基盤を確立してまいります。
<第6次連結中期経営計画の基本方針>0102010_001.png
下の図は当社グループの長期的な事業ポートフォリオの移行イメージを示しております。脱化石燃料の動きを睨みながらも、石油関連事業の競争力を強化することで一定規模の収益力を維持しつつ、積極的な投資により成長が見込まれる再生可能エネルギー事業や石油化学事業を新たな柱にしてまいります。
<事業ポートフォリオ移行のイメージ>0102010_002.png
なお、以下の通り、第6次連結中期経営計画の重点施策は、着実に進捗しております。
《各事業セグメントの重点施策》
(石油事業)
石油事業においては、2020年1月から国際海事機関(IMO)の船舶燃料向け硫黄分規制が強化され、全海域で高硫黄C重油が使えなくなりました。当社グループでは、規制の導入よりも前倒しでコスモ石油㈱堺製油所の重質油熱分解装置(コーカー)を増強し、高硫黄C重油を生産しない体制を構築しました。また、当期は千葉製油所及び四日市製油所において、流動接触分解装置から生産されるスラリー油に含まれる不純物の除去設備を設置いたしました。今後、高硫黄C重油から中間留分(灯油・軽油・A重油)や低硫黄C重油といった収益油種へ効率的に生産構成をシフトさせていきます。
また、当期は2019年度より開始したキグナス石油㈱への燃料油供給をさらに拡大しており、今後も収益改善効果を見込んでおります。
カーライフ事業につきましては、世界的な脱炭素社会へのシフトをはじめ持続可能な社会の実現に向け、電気自動車(以下、EV)の普及が加速するとの長期的な環境認識に基づき、EVを軸とした新たなモビリティサービスの創出を進めております。㈱e-Mobility Powerとの連携により、当社系列サービスステーションへのEV用急速充電器の設置及び関連サービスの開発を推進しております。
(石油化学事業)
石油化学事業は、成長ドライバーのひとつとして位置づけ、石油事業とのシナジーを追求しながら積極的な投資を行っております。国内最大規模のエチレン生産能力を持つ丸善石油化学㈱は、環境に左右されにくい機能品等の生産を拡大しております。荒川化学工業㈱と当社グループによる水素化石油樹脂の事業化については、2020年12月に設置工事が完了し、2021年度の商業化を計画しております。また、基礎化学品の高付加価値化を目的として丸善石油化学㈱と共同で建設しているプロピレン精留塔は2021年度の稼働開始を計画しております。
韓国のHyundai Oilbank Co., Ltd.とコスモ石油㈱との合弁会社であるHyundai Cosmo Petrochemical Co., Ltd.につきましては、当社グループ各社から安定的にミックスキシレンの供給を受け、パラキシレン製造装置の安定稼働を維持しました。外部環境の変化には十分留意しながら、中長期的にアジア地域を中心として見込まれるポリエステル需要の増大に対応するべく、競争力強化に努めてまいります。
(石油開発事業)
石油開発事業では、2017年度よりヘイル油田において生産を開始しておりますが、当初想定よりも油層の圧力低下が見られるため、生産を意図的に抑制しております。今後、油層圧回復の施策を実行し、生産量の回復・最大化を目指してまいります。このほかの既存油田(ムバラス油田、ウム・アル・アンバー油田、ニーワット・アル・ギャラン油田)につきましても、安定した生産を継続しました。
また、アブダビ国営石油会社がアブダビ首長国にて実施した探鉱鉱区公開ラウンドに参加し、海上の探鉱鉱区(Offshore Block 4)を落札しました。脱化石燃料の流れの中でも、必要とされるエネルギーを継続して供給することは当社グループの責任であると考えており、今後石油需要の減退が進行していく過程でも、その責任を果たすべく本鉱区を取得しております。本鉱区は、豊富な石油・天然ガスの資源量が賦存するだけでなく、単位数量あたり操業費がその他の地域と比べて低いとされるアラビア湾の浅海に位置し、かつ商業生産に至った場合には隣接するアブダビ石油㈱が保有する油田施設を共同で活用できるため、開発・操業コストの大幅な低減が期待されます。今後、探鉱作業を行い、本鉱区における石油及び天然ガスの商業生産の可能性を調査してまいります。
(その他の事業)
再生可能エネルギー事業で中心となるのが、風力発電事業です。コスモエコパワー㈱は、風力発電業界におけるパイオニア的企業で、国内シェアは第3位です。陸上風力発電事業に関しては、稼働している発電設備(総発電出力26.1万kW)は順調な稼働を継続しており、また新規サイト開発も進めています。2020年度は、2021年3月に五島八朔鼻サイト(長崎県)が運転を開始し、中紀ウィンドファーム(和歌山県・2021年4月運転開始)、上勇知ウィンドファーム(北海道・2023年3月運転開始予定)及び大分ウィンドファーム(大分県・2023年3月運転開始予定)の建設工事を進めました。2030年度には50万kW規模の設備容量について固定価格買取制度(FIT)の認定を取得しております。洋上風力発電事業は、FIT制から入札制に移行する中で大企業の参入が予想されますが、当社グループは、他の大手企業に先駆けて、複数のエリアでプロジェクトを進めており、競争優位にあると考えております。秋田港・能代港、秋田県由利本荘市沖、青森西北沖、秋田中央海域等のプロジェクトを進め、洋上風力発電のリーディングカンパニーとしての地位を確立し、2030年には150万kW超の設備容量を目指します。
《その他の重点施策》
(業務改革(ダイバーシティー・働き方改革)の取り組み)
今後、中期的に労働人口減少が予想される中、業務改革として属人的な仕事を大幅に削減し、BPOの推進、RPA及びAIといった新しいIT技術の投資が必要であると考えております。今よりももっと短時間かつフレキシブルな働き方ができる体制に変革させ、生産性の向上、ダイバーシティの推進を目指しております。
当社グループの主要各社では従前より、育児や介護支援のための在宅勤務制度を設けておりましたが、2019年度に制度を拡充し、場所を問わずテレワークができる体制を整えました。回数については、テレワークの事由を問わず週2日、育児や介護の突発事由であれば回数制限なく利用できるようになっております。また、新型コロナウイルス感染症対策として、臨時的に週5日テレワークを可能としました。2020年度以前から多くの社員が一斉にテレワークできる体制を事前に構築していたため、緊急事態宣言が発出された2020年5月には本社部門の出社率を10%程度に抑えることができました。テレワークは新たな社会様式として定着していくものであり、今後もこの変化した社会様式の中で、「働き方の多様性」「働き方改革」の一つとして継続していくものと考えております。
(サステナブル経営の推進について)
当社グループは、第6次連結中期経営計画における重点施策の一つとして、ESGを重視し持続的な企業成長と企業価値向上を図るサステナブル経営を推進しております。「地球と人間と社会の調和と共生を図り、無限に広がる未来に向けての持続的発展をめざす」というグループ理念の原点に改めて向き合い、当社グループのサステナビリティの基本的な考え方を整理しました。このグループ理念と、理念に包含されるサステナビリティの基本的な考え方に基づき、サステナブル経営のアウトカムを定義し、そのアウトカムを実現するための制度設計を進めています。具体的な取り組みとしては、方針類の整備、会議体の再編成、マテリアリティの特定とKPIの設定、従業員のチェンジマネージメント、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)のシナリオ分析などを行っています。顧客・株主・地域住民・従業員等すべてのステークホルダーを含む社会の持続的発展に、サステナブル経営によって貢献してまいります。
・マテリアリティの特定
サステナブル経営推進の一環として、当社グループと社会の持続的な発展と中長期的な企業価値に影響を与える重要なESG課題(マテリアリティ)を以下のプロセスで特定しました。
0102010_003.png環境分野のマテリアリティは「気候変動対策」「製品仕様とクリーンな燃料ブレンド」「クリーン技術の機会」、社会分野では「労働安全衛生」「ダイバーシティと機会均等」、ガバナンス分野では「収益基盤事業の構造改革」「安全操業・安定供給」「リスクマネジメント」「コンプライアンス」「倫理と誠実性」をそれぞれ特定しました。
これらのプロセスを経て特定した最重要マテリアリティ10項目と、連結中期経営計画のスローガンである「Oil & New」との関係性を示したのが以下の図です。
0102010_004.pngマテリアリティの特定に合わせ、各マテリアリティのリスク及び機会の特定を実施しました。リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすため、様々な取り組みを行っております。当社グループ及び社会の持続可能な発展を目指し、これらマテリアリティのリスクと機会を的確に捉え、経営に反映させていくことが重要と考えております。なお、事業等のリスクについては「第2 事業等のリスク」を参照ください。

マテリアリティリスクと機会
(●リスク、○機会)
主な取り組み内容
気候変動対策●異常気象(台風、洪水等)の影響による製油所、工場、油槽所の操業または入出荷の停止、給油所の営業停止及びその発生確率の増加
●風水害による装置、機器の故障及びその発生確率の増加
●気候変動の物理リスク対策への多額の費用負担または投資コスト増(中・長期)
●炭素税導入による費用負担の増加
●脱炭素社会への対応遅れによる企業価値の低下
●脱化石燃料の進展による燃料油需要の減退
○強じん化対策による災害時のエネルギー(石油製品)の安定供給によるステークホルダーからの信頼の獲得
・2050年温室効果ガス(GHG)ネットゼロ宣言、2050年ネットゼロ宣言達成に向けたロードマップの策定、2030年削減目標の見直しを検討
・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同及びシナリオ分析の実施
・サプライチェーン供給体制の強じん化
・内部炭素価格の導入検討
クリーン技術の機会●技術進展等に伴う低価格代替燃料の普及による石油製品の競争力低下
●〇電気自動車(EV)技術の進展によるガソリン需要の減少及びEVステーションの拡大
○再生可能エネルギー(風力発電事業)の事業機会の増大
・新規クリーン技術の開発検討(研究所)
・風力発電事業の拡大、洋上風力発電事業への参入
製品仕様とクリーンな燃料ブレンド●規制強化によるコスト増
●〇石油製品の脱炭素化
・バイオガソリン(ETBE)の供給への取り組み
・バイオジェット燃料(SAF:Sustainable aviation fuel)の供給への取り組みの検討
労働安全衛生●従業員及び協力会社の労働災害被害
●製油所、物流基地及び油槽所等の操業停止
●人的や機械的なエラーによる事故の発生
●労働紛争
〇従業員の離職防止、定着化
・グループ全体の労災件数、製油所等の度数率・強度率の実績管理
・再発防止策や労災件数低減に関する取り組みをグループ各社に共有
・労災の定義と責任所在の明確化
・全国安全週間に、社長メッセージをグループ内に発信
ダイバーシティと機会均等●労働人口減少に伴う人材不足に対する採用コストの上昇
●多様な人材不足による競争力の低下
○モチベーション向上による企業成長
○イノベーションが起きやすい環境の醸成
○優秀な人材確保、定着化を促進
・女性活躍を優先課題とし女性管理職比率、採用女性比率をKPIとして管理
・育児、介護支援制度の充実
・健康診断受診率と総労働時間をKPIとして管理
・公平かつ透明性のある評価制度
倫理と誠実性●社員のモラル低下による信頼の失墜
●法令違反による行政処分
●顧客からの信頼の失墜、ブランドイメージの低下
〇健全な企業風土の醸成
・企業行動指針の浸透
・社員向けメールマガジンの発行による企業行動指針の浸透
・倫理意識の醸成を目的とした企業倫理研修を実施
・従業員意識調査による現況把握

リスクマネジメント●予期せぬ障害、損失、組織の機能不全
●事故、災害時の被害の拡大、復旧の遅れ
〇適切なリスクテイクによる競争力の向上
・グループ各社のリスク管理
・グループ全体に係る全社リスクの選定と対応
・リスクマネジメント研修の実施
収益基盤事業の構造改革●金融不安、政情不安、景気の急変動等による既存事業の強靭性の低下
●市場変化や政策への対応の遅れによる事業採算性の低下
●技術革新への対応の遅れによる主要事業の競争力低下
〇新規事業の収益化による事業基盤のアジリティ確保
〇技術変化への早期対応による競争優位の獲得
・再生可能エネルギー事業等、次代の成長を担う投資の実施
・㈱e-Mobility Powerと共同で給油所へのEV用急速充電器の設置
・再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業の参画
・「スマートシティ会津若松」におけるICT・環境技術等を活用した地域モデルの創出。地域創生、地域との協創における事業の機会の検討
・グリーン成長戦略14分野における事業機会の検討
コンプライアンス●コンプライアンス違反による信頼の失墜
●損害賠償責任や罰金の課金
●法令違反による行政処分
・企業行動指針と規定類の整備
・内部統制システムの整備、運用及び強化
・ヘルプライン(内部通報制度)の整備
安全操業・安定供給●事故や労働災害による製油所、物流基地及び油槽所等が操業停止
●給油所、タンカー及びローリーでの事故及び地震等の災害による事業継続障害
〇企業価値の向上
〇いかなる時にも安定供給を実現することによるレピュテーションの向上
・安全を企業行動指針の第1章に掲げ、安全文化を醸成
・グループ各社の重大事故発生防止を目的に、事故発生率や不具合件数など世界標準のプロセス安全管理指標で評価
・操業マネジメントシステムの導入、高度化
・千葉製油所の高圧ガス保安法における特定認定事業者(スーパー認定)の取得
・災害時の石油製品の安定供給を目的に、系列サプライチェーンBCPを構築、高度化
・「コスモ石油安全の日」を設定し、事故風化防止と再発防止の教育を徹底

(2)経営環境
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が停滞し、2020年4月の緊急事態宣言の発令を受け、消費の低迷、雇用情勢の悪化等がみられました。その後、感染拡大防止策を講じるなかで各種政策の効果により、生産や消費活動等にも持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念は依然として続いており先行きは不透明な状況です。
原油価格は、期初に1バレル21ドル台であったドバイ原油が、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大と、2020年3月に開かれたOPECとOPEC非加盟国で構成される「OPECプラス」における協調減産の延長協議が決裂した影響から、4月下旬には一時13ドル台まで落ち込みました。その後はOPECプラスによる協調減産の合意等により需給バランスは改善し、6月以降は30ドルから40ドル台のレンジで推移しました。11月以降は新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発と普及への期待等が高まり上昇基調に転じ、2021年1月にはOPECプラスにてサウジアラビアが自主減産を発表したことから原油価格の上昇をさらに促すこととなり、期末は63ドル台で終えました。
為替相場は、期初は1ドル107円台から始まり、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大にともない緩やかに円高が進行し、2021年1月には一時102円台まで円高が進行したものの、米国新政権による大型の追加経済対策への期待から米国国債金利が上昇するとともに円安傾向となり、期末は110円台で終えました。
石油製品の国内需要は、依然として減退傾向が続きました。灯油及びA重油は前期を上回ったものの、その他の油種は前期を下回り、特に航空燃料については新型コロナウイルス感染症の影響による移動の制約の影響を受けて大幅に縮小し、燃料油全体では前期を下回りました。
石油化学製品は、海外のプラント新増設の影響等により、主要製品であるパラキシレン等の市況が低調に推移し、厳しいマーケット環境となりました。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化が見込まれますが、経済状況は徐々に回復することが予想され、石油需要も回復が見込まれます。一方で、中長期的には世界的に脱化石燃料への流れが加速し、エネルギー分野においても再生可能エネルギーへのシフトの重要性が高まると予想され、また国内における燃料転換や人口減少等の構造的要因による石油需要の減少傾向も継続するものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは、前連結中期経営計画から全社を挙げて懸命に進めてきた構造改革により、燃料油の中期的な需要減少に備えた体制構築が完了していたため、新型コロナウイルス感染症の影響で全国的な需要が低迷する環境下においても、当社グループでは製油所の稼働率を低下させることなく対応することができました。
今後も長期的な大きな潮流を捉えつつ、短期的な変化に柔軟に対応しながら、石油関連事業の競争力の強化と再生可能エネルギーへのシフトを同時に進める「Oil & New」の基本方針を着実に、かつスピード感をもって実行することで、企業価値の向上を目指してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは第6次連結中期経営計画において、足元の経営環境を注視しながら長期的な方向性を見据え、事業ポートフォリオを拡充し、石油開発や石油事業で収益力を強化してまいります。第6次連結中期経営計画を実行する上で、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
《各事業セグメントにおける課題》
(石油事業(石油精製事業))
中長期的に石油需要の減退が予想されるなか、収益油種への集中及び石油化学事業へのシフト、製油所のIT化等を推進してまいります。またキグナス石油㈱向けの供給を引き続き実施するほか、他社とのアライアンスを活かした競争力の強化、石油化学事業とのシナジーの創出を目指してまいります。
(石油事業(石油販売・カーライフ事業))
カーライフの変化に対応したビジネスモデルへの変革により事業領域を確保しつつ、石油精製と併せて競争力を確保してまいります。また、カーライフ事業の拡大を志向しつつ長期的な事業環境を見据え、カーシェア事業や電力小売り販売等の新規ビジネスの拡大を進めてまいります。
(石油化学事業)
長期的には石油化学製品は世界の人口増加を背景に国際市場が拡大していくことが予想されるため、燃料油から石化原料へのシフトを推進してまいります。エチレン・パラキシレン生産での競争優位性を最大限活用しながら、石油精製と石油化学のシナジー享受(未利用分の活用等)や、環境に左右されにくい機能化学品の事業拡大を目指してまいります。2021年度は千葉アルコン製造㈱による水素化石油樹脂製造事業の商業化や、丸善石油化学㈱による高純度のポリマーグレードのプロピレン精製設備導入を計画しております。
(石油開発事業)
半世紀にわたるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国での安定した海上油田の生産実績による強固な信頼関係と自社操業を強みとして、既存油田の安定的な生産の継続と操業コストの削減を行ってまいります。また、新たに取得した鉱区(Offshore Block 4)からの生産により生産量規模の維持を図り、低油価環境でも利益を出せる事業ポートフォリオの構築を目指してまいります。
(その他事業)
世界的な脱炭素化の潮流のなか、わが国においても今後大きな成長が期待される風力発電事業を中心に、引き続き積極的な開発を行ってまいります。陸上風力発電においては、2021年4月に運転を開始した中紀ウィンドファーム(和歌山県)につづき、建設中の上勇知ウィンドファーム(北海道)と大分ウィンドファーム(大分県)の工事を完了させ、また青森県、福島県、和歌山県等での開発案件を着実に推進して、風力発電出力50万kW体制の早期達成を目指します。今後、事業環境の整備・投資機会の拡大が見込まれる洋上風力発電においては、公募入札に向けた検討をさらに推し進め、日本における同分野のリーディングカンパニーを目指してまいります。具体的には、秋田県の秋田港及び能代港における洋上風力発電プロジェクト、秋田県由利本荘市沖洋上風力発電事業及び青森西北沖洋上風力発電事業をはじめとし、次の有望区域となる地域での事業計画についても実現に向けた検討を進めてまいります。
《気候変動への取り組み》
当社グループは、2020年12月に、気候変動関連情報の開示を検討するための一つとして、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に対する賛同を表明する署名を行い、TCFDコンソーシアムに参画いたしました。またそれを契機として、気候変動に関わる情報の適切かつ積極的な開示に取り組むとともに、2021年5月には、グループ事業から排出する温室効果ガス(GHG(注))を2050年までにネットゼロにすることを宣言しました。今後、TCFDにおけるシナリオ分析を実施し、長期的な目標達成に向けたロードマップを策定します。次期第7次連結中期経営計画においては、財務・非財務を融合した経営計画を策定し、コスモエネルギーグループとしてサステナブルな成長を目指してまいります。
(注)GHG:Greenhouse Gasの略称。当社グループはScope1(直接排出)及びScope2(エネルギー起源間接排出(購入電力等))を対象としています。
《財務体質の健全化》
第6次連結中期経営計画では「財務体質の健全化」を最重要課題の一つとして認識し、“稼ぐ力”と“財務体質”を強化し、原油価格下落等の環境変化に耐えうる自己資本の厚みを目指しております。財務体質強化の施策の一つとして2022年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行、劣後ローンのリファイナンスを行っております。
当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは828億円となり、着実に稼ぐ力が強化されています。親会社株主に帰属する当期純利益の計上も過去最高となり、また有利子負債の削減に取り組んだ結果、財務体質は大きく改善しました。2020年度末で自己資本は3,249億円(自己資本比率19.0%)、ネットD/Eレシオは1.59倍となりました。引き続き、連結中期経営計画を進め、稼ぐ力を強化し、財務体質の健全化を進めます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、“稼ぐ力”と“財務体質”を強化することで、市場環境変化に耐え得る自己資本の厚みとネットD/Eレシオ1倍台前半を早期に実現すべく第6次連結中期経営計画を策定し、下記を経営目標として掲げております。
0102010_005.png※ 2020年3月31日実行のハイブリッドローン300億円について、50%を資本とみなして算出

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