有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 当社グループの経営理念及び経営方針
(a) グループ経営理念
郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。
(b) グループ経営方針
・ お客さまの生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。
・ 企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します。
・ 適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します。
・ グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
・ 働く人、事業を支えるパートナー、社会と地域の人々、みんながお互い協力し、社員一人ひとりが成長できる機会を創出します。
② 当社グループの経営戦略等
当社グループは、平成30年5月に、平成30年度から平成32年度(2020年度)を計画期間とする「日本郵政グループ中期経営計画2020」(以下「新中期経営計画」といいます。)を発表いたしました。
新中期経営計画においては、①お客さまの生活をトータルにサポートする事業の展開、②安定的なグループ利益の確保、③社員の力を最大限に発揮するための環境の整備、④将来にわたる成長に向けた新たな事業展開の4点を中期的なグループ基本方針としています。
平成30年度からの3年間を、厳しい経営環境の中での安定的利益の確保と、持続的成長に向けたスタートを図る期間と位置づけ、郵便局ネットワークを中心にグループ一体となって、チームJPとして、ユニバーサルサービスを確保しつつ、トータル生活サポート企業グループを引き続き目指してまいります。
新中期経営計画の初年度となる平成30年度におきましても、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保並びに郵便局ネットワークの一層の活用・維持による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ各社の経営の基本方針の策定及び実施の確保に努めてまいります。
また、必要に応じて、政府による当社の株式の処分を可能とするための所要の準備を行います。
そして、当社グループの企業価値向上を目指し、上記方針を踏まえたグループ各社の収益力強化策やさらなる経営効率化等が着実に進展するよう、グループ運営を行ってまいります。
あわせて、当社グループが抱える経営課題については、持株会社として、グループ各社と連携を深めながら必要な支援を行い、その解消に努めてまいります。
まず、業務の適正を確保するため、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向け、引き続き、グループ全体の内部統制の強化を推進し、コンプライアンス水準の向上を重点課題として、グループ各社に必要となる支援・指導を行います。
特に、不祥事再発防止等については、最重要課題の一つとして取組みを一層推進・管理していきます。
また、適正な事業運営に向けて、お客さま本位の業務運営の実践に努めていきます。
さらに、引き続き、グループ各社が提供するサービスの公益性及び公共性の確保や、お客さま満足度の向上に取り組むとともに、当社グループの社会的責任を踏まえたCSR活動や災害復興支援に、グループ各社とともに取り組んでまいります。
このほか、人的依存度の高いサービスを提供する当社グループにとって、人材は最も重要な経営資源との認識に立ち、働き方改革やダイバーシティ・マネジメントの推進に取り組みます。
金融2社株式の売却については、当社としましては、郵政民営化法に従い、最終的には当社が保有するすべての金融2社株式を売却する方針ですが、その前提として、金融2社株式の売却に伴う当社と金融2社との資本関係の変化が、金融2社の経営状況並びに当社及び日本郵便に課されているユニバーサルサービス確保の責務の履行に与える影響を見極める必要があります。そこで、当社としましては、まずは、金融2社の経営状況及びユニバーサルサービス確保の責務の履行への影響が軽微と考えられる、当社の保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却を進めることとしております。なお、金融2社株式の2分の1以上を処分することにより、郵政民営化法により課せられている新規業務に係る規制が認可制から届出制へと緩和されることになります。
また、政府も当社株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源に充てることを目的として、当社株式の売却を段階的に進めていくことが予想されますが、当社及び金融2社の企業規模に鑑みれば、3社の時価総額は相当程度の規模になることが想定されるため、3社の株式を短期間で大規模に売却することは、株式市場の需給の観点からは容易ではないと考えられます。従って、当社としましては、金融2社株式をいつまでに売却するかを明確に示すことはできませんが、株式市場の動向等の条件が許す限り、まずは、保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却を進めてまいります。
金融2社株式の売却に伴う手取金については、上場時の売却においては、その売却手取金を平成27年12月に実施した自己株式の取得の資金に充てましたが、今後の売却においては、その売却手取金を適切な投資機会に対して投下し、企業価値の向上を図るとともに、必要に応じ、自己株式の取得を行うことにより資本効率の維持・向上を図ります。
金融2社株式の売却を見据えた事業ポートフォリオ移行手段として、当社グループ・グループ各社の企業価値向上に資する幅広い分野での資本提携やM&Aも、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施してまいります。
なお、当社グループは様々な異なる業種からなるグループであることから、一般的な評価指標である連結利益の水準を経営目標としております。新中期経営計画においては、政府による当社株式の売出しが進められている中で、国以外の一般の株主が増加していることを踏まえ、企業価値を評価する指標である1株当たり当期純利益を主要な経営目標として採用しています。
(2) 経営環境
当連結会計年度の国内経済は、個人消費の持ち直しが続くなか、輸出・生産が増加したことや雇用情勢の着実な改善などを背景に、緩やかな回復が続きました。
世界経済は、総じてみれば緩やかな成長が続きました。
金融資本市場では、国内の10年国債利回りは、北朝鮮情勢への警戒から、一時マイナス圏となったものの、量的・質的金融緩和政策のもと概ね0.0~0.1%で推移しました。日経平均株価は、北朝鮮情勢の緊迫化等があったものの、概ね20,000円前後で推移しておりましたが、平成29年10月以降、好調な企業業績等を受け上昇し、平成30年1月に約26年ぶりとなる24,000円台を回復しました。その後、世界的な株安や円高が進む中、下落に転じ、21,000円台を割る場面も見られました。
物流業界におきましては、eコマース市場の拡大に伴い、宅配便市場が拡大する一方、受取人の不在などによる再配達の増加により、労働力不足への対応が必要となっているほか、サービス品質に対するお客さまニーズの高まりに対応し、各社がサービスの向上に努めるなど厳しい競争下にあります。郵便事業におきましては、インターネットの普及等により、引き続き郵便物の減少傾向が続いております。なお、労働市場の逼迫等を背景に、人件費単価の上昇等も進んでおります。
銀行業界におきましては、当連結会計年度は、全国の銀行における預金が対前期比増加となり、貸出金も7年連続で増加しました。金融システムは全体として安定性を維持しており、金融緩和の環境下で金融機関の資金調達に大きな問題は生じておりません。
生命保険業界におきましては、少子高齢化や単身世帯化の進展、ライフスタイルの変化等を背景としたお客さまニーズの多様化や選別志向の高まりなどが見られる中、それらに対応する販売チャネルの強化や商品の開発等を行うことで、お客さまの自助努力を支援するという当業界の役割は、ますます大きくなってきていると考えています。
(3) 対処すべき課題
各事業セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
日本郵便の郵便・物流事業におきましては、次の収益力の強化及び生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組みを行います。
(a) 収益力の強化に向けた取組み
郵便・物流事業につきましては、年賀状をはじめとしたスマートフォン等を使ったSNS連携サービスや手紙の楽しさを伝える活動の展開等により、郵便の利用の維持・拡大を図るとともに、中小口のお客さまに対する営業の強化、お客さまの幅広いニーズに一元的に対応できる営業体制の構築に取り組みます。
平成31年用以降の年賀葉書の料金については、お客さまからのご意見や平成30年用年賀葉書の販売状況等を勘案し、通常葉書の料金と同じ62円に統一します。
また、eコマース市場が拡大し、個人のお客さまが宅配便を利用する機会が増えている中で、共働き世帯や単身世帯の増加などライフスタイルや社会の変化に対応するため、「身近で差し出し、身近で受け取り」をコンセプトに、Web決済型ゆうパックの導入や、指定場所配送サービス等、ゆうパックのサービス改善を実施します。
なお、過去5事業年度の郵便、ゆうメール及びゆうパックの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。
(注) ゆうメールに含めていたゆうパケットの物数については、平成28年10月より、ゆうパックに含めて表示する方法に変更しました。これに伴い、平成27年3月期については平成26年10月以降の物数に、平成28年3月期及び平成29年3月期については全ての期間の物数に当該変更を反映しております。
(b) 生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組み
郵便局の業務効率の向上を目指し、集配局の内務作業の集中・機械化や、集配業務の生産性の向上、輸送効率の向上に取り組むほか、業務運行に必要な労働力を確保できるよう、地域ごとの状況を踏まえた効果的な募集活動及び定着に向けた取組みを行います。
また、荷物の増加に対応した施設・輸送・集配の態勢の整備に取り組みます。
② 金融窓口事業
日本郵便の金融窓口事業におきましては、次の収益力の強化及び生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組みを行います。
(a) 収益力の強化に向けた取組み
銀行窓口業務及び保険窓口業務をはじめとする金融サービスにつきましては、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険と連携した研修を通じた社員の営業力強化や、投資信託の販売を通じ、金融預かり資産重視の営業スタイルのさらなる浸透や新契約拡大、新規利用顧客の拡大を図ります。
また、がん保険等の提携金融サービスにつきましても、研修等を通じ、社員の営業力強化に取り組みます。
加えて、物販事業につきましては、他社との提携等により、商品の拡充・開発を行うとともに、販売チャネルの多様化を推進します。
あわせて、不動産事業につきましては、JPタワー等による事務所、商業施設、住宅や保育施設などの賃貸事業等を推進します。
また、地域住民の利便性の向上に資することを目的とした「郵便局のみまもりサービス」を提供します。
(b) 生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組み
郵便局ネットワークに関しては、郵便局の新規出店、店舗配置の見直し等を通じた郵便局ネットワークの最適化に引き続き取り組みます。また、郵便局の現金取扱いに関して、機器の増配備により資金管理体制の充実を図るとともに、郵便局への訪問支援や関連ツールの充実等による業務品質の向上に取り組みます。
③ 国際物流事業
日本郵便の国際物流事業におきましては、トール社における経営改善策の確実な実施に努めているところですが、引き続き、成長分野への進出といった成長戦略のほか、日本郵便とトール社の連携強化により、アジア・太平洋地域の日系企業をはじめとした新規ビジネスの獲得等に取り組み、事業の拡大を図ります。
④ 銀行業
ゆうちょ銀行は、低金利環境の継続等、厳しい経営環境が見込まれる中、安定的な収益を確保しつつ、新サービスの展開に向けた基盤を構築するため、以下の諸施策に注力します。
(a) お客さま本位の良質な金融サービスの提供
お客さま本位の業務運営のもと、資産形成のお役に立てるよう、お客さまのニーズや投資経験に応じた商品提案を通じ、投資信託等の資産運用商品を提供します。
資産運用コンサルタントの増員・育成やタブレット等の販売活動ツールを充実させるほか、「投資信託取扱局」の拡大により、コンサルティング営業を推進します。
また、お客さまのニーズに応じた商品ラインアップや「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、多様な資産形成ニーズに応えます。
さらに、即時振替サービス等の既存のサービスの利用拡大に取り組むとともに、口座貸越サービス・スマートフォン決済等の新たな送金決済サービスの導入に向けて準備を進めます。
利便性が高い場所への小型ATMの設置拡大やATMの効果的配置を継続します。
加えて、電子マネーの現金チャージの提携を拡大するなどATMの機能向上に努めます。
(b) 運用の高度化・多様化
国内の低金利の長期化により、運用を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるものの、資本の有効活用による国際分散投資の推進、リスク性資産への投資拡大、デリバティブ取引等の活用による収益性向上を通じて、安定的な収益の確保を目指します。
リスク性資産への投資では、外国証券投資とオルタナティブ投資を引き続き推進します。
オルタナティブ投資のうち、プライベートエクイティファンドへの投資では、JPインベストメント株式会社を通じた投資機会も活用し、国内産業へリスクマネーを供給することで、産業育成に貢献していきます。
運用の高度化・多様化を推進していく中で、国際金融規制の段階的な厳格化も加わり、自己資本比率の低下が見込まれますが、財務健全性の観点から必要十分な自己資本比率を確保し、安定的な収益と財務健全性を両立します。
また、ALM(資産・負債の総合管理)・運用業務においてリスクアペタイト・フレームワーク※を導入し、管理態勢を高度化します。
※ リスクアペタイト・フレームワークとは収益確保と財務健全性の両立のために必要となるリスクの種類・水準を明確化し、「執行(経営陣)」の説明責任と「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組みのことです。
(c) 地域への資金の循環
引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。
地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。
さらなる貢献に向けて、案件選定・投資判断などを行うファンド運営(GP:General Partner)への参入を目指します。
(d) 経営管理態勢の強化
コーポレートガバナンスの強化に向けて、リスクガバナンスの中核となるリスクアペタイト・フレームワークを段階的に導入し、経営管理態勢の高度化を図ります。
コンプライアンス意識のさらなる浸透や資産運用商品販売におけるお客さま保護に引き続き努めるとともに、マネー・ローンダリング、テロ資金供与防止の対応を強化して、社会的責任を果たします。
また、投資信託の販売拡大、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。
さらに、Fintech・デジタル技術を活用した業務効率化・生産性向上により、コストマネジメントを徹底します。
経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務に再配分し、人的資源の有効活用等を進めることで、お客さまサービスの充実に努めます。
加えて、お客さまの利便性の向上のため、ゆうちょ銀行システムとゆうちょ銀行外のシステムとの連携強化に必要なシステム基盤(外部連携基盤:API※)の整備・拡大等を進めます。
※ APIとは、Application Programming Interfaceの略語で、あるアプリケーションの機能や管理するデータ等を他のアプリケーションから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みのことです。
⑤ 生命保険業
かんぽ生命保険は、「お客さま本位の業務運営の徹底」、「持続的な成長の実現」、「事業経営における健全性の確保」を柱に、お客さま本位の募集活動を徹底しつつ、超低金利環境における販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料の反転・成長を目指します。
具体的には、以下の主要施策に取り組むこととしております。
(a) 保障重視の販売の強化、募集品質の向上、新たな顧客層の開拓、新商品開発、営業基盤の整備
お客さま本位の募集活動の徹底により、お客さまのご意向に適切にお応えし、真にお客さまにご満足いただける商品・サービスを提供してまいります。
募集人に対する研修等を通じて、お客さまの保障ニーズに対応した販売スキルの向上に取り組みます。あわせて、未加入者・青壮年層の開拓等を通じて、新契約を確保してまいります。
同時に、募集資料の分かりやすさの徹底、契約維持の評価の導入等による募集品質向上の総合的な対策に取り組みます。
加えて、第三分野など新商品開発による保障性商品の多様化、新営業用携帯端末の導入などの営業基盤の整備を通じて、引き続きお客さまニーズに沿った商品・サービスの提供に努めてまいります。
これらの取組みにより、保有契約年換算保険料の反転・成長を目指してまいります。
(b) ICT活用によるサービス向上・事務の効率化
ICT※1の活用により、お客さまにご満足いただける、質の高いサービスの提供に取り組んでまいります。
募集人が携行している営業用携帯端末による自動告知システムの導入や、Web等を通じた各種請求の受付など、さらなるお客さまサービスの向上を目指してまいります。
加えて、サービスセンターにおける紙ベースの帳票の電子化、RPA※2の段階的導入等による入力作業の省力化等を進めることにより、事務量の削減に取り組んでまいります。
※1 ICTとは、Information and Communication Technologyの略語で、情報・通信に関する技術の総称です。
※2 RPAとは、Robotic Process Automationの略語で、ロボットによる業務の自動化のことです。
(c) 資産運用の多様化・リスク管理の高度化
ERM※の推進により、財務の健全性を確保しつつ、適切なリスク管理の下で収益を向上させることで、ステークホルダーの皆さまの信頼と期待に応えてまいります。
ALMを基本としつつ、リスクバッファーの範囲で収益追求資産のウェイトを向上させるとともに、外債運用・オルタナティブ運用の多様化や株式自家運用の拡大等を通じ、資産運用の多様化を推進してまいります。
加えて、リスク管理の高度化に取り組み、ERMのフレームワークの下で、リスク対比リターンの向上を目指してまいります。
※ ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、統合的リスク管理のことです。
(参考)
過去の新契約、保有契約の件数の推移は下記のようになります。
(注) 平成19年10月1日の民営化時の簡易生命保険契約は5,517万件でした。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
当社は、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。
また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。なお、その業務の運営に当たっては、日本郵政株式会社法第5条第1項に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たすとともに、郵便局ネットワークの一層の活用を図ってまいります。
(1) 経営方針
① 当社グループの経営理念及び経営方針
(a) グループ経営理念
郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献します。
(b) グループ経営方針
・ お客さまの生活を最優先し、創造性を発揮しお客さまの人生のあらゆるステージで必要とされる商品・サービスを全国ネットワークで提供します。
・ 企業としてのガバナンス、監査・内部統制を確立しコンプライアンスを徹底します。
・ 適切な情報開示、グループ内取引の適正な推進などグループとしての経営の透明性を実現します。
・ グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
・ 働く人、事業を支えるパートナー、社会と地域の人々、みんながお互い協力し、社員一人ひとりが成長できる機会を創出します。
② 当社グループの経営戦略等
当社グループは、平成30年5月に、平成30年度から平成32年度(2020年度)を計画期間とする「日本郵政グループ中期経営計画2020」(以下「新中期経営計画」といいます。)を発表いたしました。
新中期経営計画においては、①お客さまの生活をトータルにサポートする事業の展開、②安定的なグループ利益の確保、③社員の力を最大限に発揮するための環境の整備、④将来にわたる成長に向けた新たな事業展開の4点を中期的なグループ基本方針としています。
平成30年度からの3年間を、厳しい経営環境の中での安定的利益の確保と、持続的成長に向けたスタートを図る期間と位置づけ、郵便局ネットワークを中心にグループ一体となって、チームJPとして、ユニバーサルサービスを確保しつつ、トータル生活サポート企業グループを引き続き目指してまいります。
新中期経営計画の初年度となる平成30年度におきましても、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保並びに郵便局ネットワークの一層の活用・維持による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ各社の経営の基本方針の策定及び実施の確保に努めてまいります。
また、必要に応じて、政府による当社の株式の処分を可能とするための所要の準備を行います。
そして、当社グループの企業価値向上を目指し、上記方針を踏まえたグループ各社の収益力強化策やさらなる経営効率化等が着実に進展するよう、グループ運営を行ってまいります。
あわせて、当社グループが抱える経営課題については、持株会社として、グループ各社と連携を深めながら必要な支援を行い、その解消に努めてまいります。
まず、業務の適正を確保するため、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向け、引き続き、グループ全体の内部統制の強化を推進し、コンプライアンス水準の向上を重点課題として、グループ各社に必要となる支援・指導を行います。
特に、不祥事再発防止等については、最重要課題の一つとして取組みを一層推進・管理していきます。
また、適正な事業運営に向けて、お客さま本位の業務運営の実践に努めていきます。
さらに、引き続き、グループ各社が提供するサービスの公益性及び公共性の確保や、お客さま満足度の向上に取り組むとともに、当社グループの社会的責任を踏まえたCSR活動や災害復興支援に、グループ各社とともに取り組んでまいります。
このほか、人的依存度の高いサービスを提供する当社グループにとって、人材は最も重要な経営資源との認識に立ち、働き方改革やダイバーシティ・マネジメントの推進に取り組みます。
金融2社株式の売却については、当社としましては、郵政民営化法に従い、最終的には当社が保有するすべての金融2社株式を売却する方針ですが、その前提として、金融2社株式の売却に伴う当社と金融2社との資本関係の変化が、金融2社の経営状況並びに当社及び日本郵便に課されているユニバーサルサービス確保の責務の履行に与える影響を見極める必要があります。そこで、当社としましては、まずは、金融2社の経営状況及びユニバーサルサービス確保の責務の履行への影響が軽微と考えられる、当社の保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却を進めることとしております。なお、金融2社株式の2分の1以上を処分することにより、郵政民営化法により課せられている新規業務に係る規制が認可制から届出制へと緩和されることになります。
また、政府も当社株式の売却収入を東日本大震災に係る復興債の償還費用の財源に充てることを目的として、当社株式の売却を段階的に進めていくことが予想されますが、当社及び金融2社の企業規模に鑑みれば、3社の時価総額は相当程度の規模になることが想定されるため、3社の株式を短期間で大規模に売却することは、株式市場の需給の観点からは容易ではないと考えられます。従って、当社としましては、金融2社株式をいつまでに売却するかを明確に示すことはできませんが、株式市場の動向等の条件が許す限り、まずは、保有割合が50%程度となるまで、段階的に売却を進めてまいります。
金融2社株式の売却に伴う手取金については、上場時の売却においては、その売却手取金を平成27年12月に実施した自己株式の取得の資金に充てましたが、今後の売却においては、その売却手取金を適切な投資機会に対して投下し、企業価値の向上を図るとともに、必要に応じ、自己株式の取得を行うことにより資本効率の維持・向上を図ります。
金融2社株式の売却を見据えた事業ポートフォリオ移行手段として、当社グループ・グループ各社の企業価値向上に資する幅広い分野での資本提携やM&Aも、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施してまいります。
なお、当社グループは様々な異なる業種からなるグループであることから、一般的な評価指標である連結利益の水準を経営目標としております。新中期経営計画においては、政府による当社株式の売出しが進められている中で、国以外の一般の株主が増加していることを踏まえ、企業価値を評価する指標である1株当たり当期純利益を主要な経営目標として採用しています。
(2) 経営環境
当連結会計年度の国内経済は、個人消費の持ち直しが続くなか、輸出・生産が増加したことや雇用情勢の着実な改善などを背景に、緩やかな回復が続きました。
世界経済は、総じてみれば緩やかな成長が続きました。
金融資本市場では、国内の10年国債利回りは、北朝鮮情勢への警戒から、一時マイナス圏となったものの、量的・質的金融緩和政策のもと概ね0.0~0.1%で推移しました。日経平均株価は、北朝鮮情勢の緊迫化等があったものの、概ね20,000円前後で推移しておりましたが、平成29年10月以降、好調な企業業績等を受け上昇し、平成30年1月に約26年ぶりとなる24,000円台を回復しました。その後、世界的な株安や円高が進む中、下落に転じ、21,000円台を割る場面も見られました。
物流業界におきましては、eコマース市場の拡大に伴い、宅配便市場が拡大する一方、受取人の不在などによる再配達の増加により、労働力不足への対応が必要となっているほか、サービス品質に対するお客さまニーズの高まりに対応し、各社がサービスの向上に努めるなど厳しい競争下にあります。郵便事業におきましては、インターネットの普及等により、引き続き郵便物の減少傾向が続いております。なお、労働市場の逼迫等を背景に、人件費単価の上昇等も進んでおります。
銀行業界におきましては、当連結会計年度は、全国の銀行における預金が対前期比増加となり、貸出金も7年連続で増加しました。金融システムは全体として安定性を維持しており、金融緩和の環境下で金融機関の資金調達に大きな問題は生じておりません。
生命保険業界におきましては、少子高齢化や単身世帯化の進展、ライフスタイルの変化等を背景としたお客さまニーズの多様化や選別志向の高まりなどが見られる中、それらに対応する販売チャネルの強化や商品の開発等を行うことで、お客さまの自助努力を支援するという当業界の役割は、ますます大きくなってきていると考えています。
(3) 対処すべき課題
各事業セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
日本郵便の郵便・物流事業におきましては、次の収益力の強化及び生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組みを行います。
(a) 収益力の強化に向けた取組み
郵便・物流事業につきましては、年賀状をはじめとしたスマートフォン等を使ったSNS連携サービスや手紙の楽しさを伝える活動の展開等により、郵便の利用の維持・拡大を図るとともに、中小口のお客さまに対する営業の強化、お客さまの幅広いニーズに一元的に対応できる営業体制の構築に取り組みます。
平成31年用以降の年賀葉書の料金については、お客さまからのご意見や平成30年用年賀葉書の販売状況等を勘案し、通常葉書の料金と同じ62円に統一します。
また、eコマース市場が拡大し、個人のお客さまが宅配便を利用する機会が増えている中で、共働き世帯や単身世帯の増加などライフスタイルや社会の変化に対応するため、「身近で差し出し、身近で受け取り」をコンセプトに、Web決済型ゆうパックの導入や、指定場所配送サービス等、ゆうパックのサービス改善を実施します。
なお、過去5事業年度の郵便、ゆうメール及びゆうパックの取扱物数の推移は以下のとおりとなります。
| (単位:百万通・百万個) | |||||
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | |
| 郵便 | 18,572 | 18,189 | 18,030 | 17,730 | 17,222 |
| ゆうメール | 3,324 | 3,320 | 3,416 | 3,498 | 3,637 |
| ゆうパック | 428 | 527 | 636 | 697 | 876 |
(注) ゆうメールに含めていたゆうパケットの物数については、平成28年10月より、ゆうパックに含めて表示する方法に変更しました。これに伴い、平成27年3月期については平成26年10月以降の物数に、平成28年3月期及び平成29年3月期については全ての期間の物数に当該変更を反映しております。
(b) 生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組み
郵便局の業務効率の向上を目指し、集配局の内務作業の集中・機械化や、集配業務の生産性の向上、輸送効率の向上に取り組むほか、業務運行に必要な労働力を確保できるよう、地域ごとの状況を踏まえた効果的な募集活動及び定着に向けた取組みを行います。
また、荷物の増加に対応した施設・輸送・集配の態勢の整備に取り組みます。
② 金融窓口事業
日本郵便の金融窓口事業におきましては、次の収益力の強化及び生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組みを行います。
(a) 収益力の強化に向けた取組み
銀行窓口業務及び保険窓口業務をはじめとする金融サービスにつきましては、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険と連携した研修を通じた社員の営業力強化や、投資信託の販売を通じ、金融預かり資産重視の営業スタイルのさらなる浸透や新契約拡大、新規利用顧客の拡大を図ります。
また、がん保険等の提携金融サービスにつきましても、研修等を通じ、社員の営業力強化に取り組みます。
加えて、物販事業につきましては、他社との提携等により、商品の拡充・開発を行うとともに、販売チャネルの多様化を推進します。
あわせて、不動産事業につきましては、JPタワー等による事務所、商業施設、住宅や保育施設などの賃貸事業等を推進します。
また、地域住民の利便性の向上に資することを目的とした「郵便局のみまもりサービス」を提供します。
(b) 生産性の向上・ネットワーク価値向上に向けた取組み
郵便局ネットワークに関しては、郵便局の新規出店、店舗配置の見直し等を通じた郵便局ネットワークの最適化に引き続き取り組みます。また、郵便局の現金取扱いに関して、機器の増配備により資金管理体制の充実を図るとともに、郵便局への訪問支援や関連ツールの充実等による業務品質の向上に取り組みます。
③ 国際物流事業
日本郵便の国際物流事業におきましては、トール社における経営改善策の確実な実施に努めているところですが、引き続き、成長分野への進出といった成長戦略のほか、日本郵便とトール社の連携強化により、アジア・太平洋地域の日系企業をはじめとした新規ビジネスの獲得等に取り組み、事業の拡大を図ります。
④ 銀行業
ゆうちょ銀行は、低金利環境の継続等、厳しい経営環境が見込まれる中、安定的な収益を確保しつつ、新サービスの展開に向けた基盤を構築するため、以下の諸施策に注力します。
(a) お客さま本位の良質な金融サービスの提供
お客さま本位の業務運営のもと、資産形成のお役に立てるよう、お客さまのニーズや投資経験に応じた商品提案を通じ、投資信託等の資産運用商品を提供します。
資産運用コンサルタントの増員・育成やタブレット等の販売活動ツールを充実させるほか、「投資信託取扱局」の拡大により、コンサルティング営業を推進します。
また、お客さまのニーズに応じた商品ラインアップや「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、多様な資産形成ニーズに応えます。
さらに、即時振替サービス等の既存のサービスの利用拡大に取り組むとともに、口座貸越サービス・スマートフォン決済等の新たな送金決済サービスの導入に向けて準備を進めます。
利便性が高い場所への小型ATMの設置拡大やATMの効果的配置を継続します。
加えて、電子マネーの現金チャージの提携を拡大するなどATMの機能向上に努めます。
(b) 運用の高度化・多様化
国内の低金利の長期化により、運用を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあるものの、資本の有効活用による国際分散投資の推進、リスク性資産への投資拡大、デリバティブ取引等の活用による収益性向上を通じて、安定的な収益の確保を目指します。
リスク性資産への投資では、外国証券投資とオルタナティブ投資を引き続き推進します。
オルタナティブ投資のうち、プライベートエクイティファンドへの投資では、JPインベストメント株式会社を通じた投資機会も活用し、国内産業へリスクマネーを供給することで、産業育成に貢献していきます。
運用の高度化・多様化を推進していく中で、国際金融規制の段階的な厳格化も加わり、自己資本比率の低下が見込まれますが、財務健全性の観点から必要十分な自己資本比率を確保し、安定的な収益と財務健全性を両立します。
また、ALM(資産・負債の総合管理)・運用業務においてリスクアペタイト・フレームワーク※を導入し、管理態勢を高度化します。
※ リスクアペタイト・フレームワークとは収益確保と財務健全性の両立のために必要となるリスクの種類・水準を明確化し、「執行(経営陣)」の説明責任と「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組みのことです。
(c) 地域への資金の循環
引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。
地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。
さらなる貢献に向けて、案件選定・投資判断などを行うファンド運営(GP:General Partner)への参入を目指します。
(d) 経営管理態勢の強化
コーポレートガバナンスの強化に向けて、リスクガバナンスの中核となるリスクアペタイト・フレームワークを段階的に導入し、経営管理態勢の高度化を図ります。
コンプライアンス意識のさらなる浸透や資産運用商品販売におけるお客さま保護に引き続き努めるとともに、マネー・ローンダリング、テロ資金供与防止の対応を強化して、社会的責任を果たします。
また、投資信託の販売拡大、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。
さらに、Fintech・デジタル技術を活用した業務効率化・生産性向上により、コストマネジメントを徹底します。
経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務に再配分し、人的資源の有効活用等を進めることで、お客さまサービスの充実に努めます。
加えて、お客さまの利便性の向上のため、ゆうちょ銀行システムとゆうちょ銀行外のシステムとの連携強化に必要なシステム基盤(外部連携基盤:API※)の整備・拡大等を進めます。
※ APIとは、Application Programming Interfaceの略語で、あるアプリケーションの機能や管理するデータ等を他のアプリケーションから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みのことです。
⑤ 生命保険業
かんぽ生命保険は、「お客さま本位の業務運営の徹底」、「持続的な成長の実現」、「事業経営における健全性の確保」を柱に、お客さま本位の募集活動を徹底しつつ、超低金利環境における販売・資産運用両面での収益向上と保有契約年換算保険料の反転・成長を目指します。
具体的には、以下の主要施策に取り組むこととしております。
(a) 保障重視の販売の強化、募集品質の向上、新たな顧客層の開拓、新商品開発、営業基盤の整備
お客さま本位の募集活動の徹底により、お客さまのご意向に適切にお応えし、真にお客さまにご満足いただける商品・サービスを提供してまいります。
募集人に対する研修等を通じて、お客さまの保障ニーズに対応した販売スキルの向上に取り組みます。あわせて、未加入者・青壮年層の開拓等を通じて、新契約を確保してまいります。
同時に、募集資料の分かりやすさの徹底、契約維持の評価の導入等による募集品質向上の総合的な対策に取り組みます。
加えて、第三分野など新商品開発による保障性商品の多様化、新営業用携帯端末の導入などの営業基盤の整備を通じて、引き続きお客さまニーズに沿った商品・サービスの提供に努めてまいります。
これらの取組みにより、保有契約年換算保険料の反転・成長を目指してまいります。
(b) ICT活用によるサービス向上・事務の効率化
ICT※1の活用により、お客さまにご満足いただける、質の高いサービスの提供に取り組んでまいります。
募集人が携行している営業用携帯端末による自動告知システムの導入や、Web等を通じた各種請求の受付など、さらなるお客さまサービスの向上を目指してまいります。
加えて、サービスセンターにおける紙ベースの帳票の電子化、RPA※2の段階的導入等による入力作業の省力化等を進めることにより、事務量の削減に取り組んでまいります。
※1 ICTとは、Information and Communication Technologyの略語で、情報・通信に関する技術の総称です。
※2 RPAとは、Robotic Process Automationの略語で、ロボットによる業務の自動化のことです。
(c) 資産運用の多様化・リスク管理の高度化
ERM※の推進により、財務の健全性を確保しつつ、適切なリスク管理の下で収益を向上させることで、ステークホルダーの皆さまの信頼と期待に応えてまいります。
ALMを基本としつつ、リスクバッファーの範囲で収益追求資産のウェイトを向上させるとともに、外債運用・オルタナティブ運用の多様化や株式自家運用の拡大等を通じ、資産運用の多様化を推進してまいります。
加えて、リスク管理の高度化に取り組み、ERMのフレームワークの下で、リスク対比リターンの向上を目指してまいります。
※ ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、統合的リスク管理のことです。
(参考)
過去の新契約、保有契約の件数の推移は下記のようになります。
| (単位:万件) | |||||
| 契約の種類 | 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 |
| 新契約(個人保険) | 223 | 238 | 239 | 244 | 173 |
| 簡易生命保険 | 2,319 | 1,995 | 1,697 | 1,441 | 1,248 |
| かんぽ生命保険 | 1,166 | 1,353 | 1,535 | 1,715 | 1,792 |
(注) 平成19年10月1日の民営化時の簡易生命保険契約は5,517万件でした。
(4) 経営者の問題意識と今後の方針
当社は、日本郵便、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の経営の基本方針の策定及び実施の確保並びに株主としての権利の行使を行うとともに、グループ各社が個別に実施するよりもグループ内で1ヶ所に集約したほうが効率的な実施が見込まれる間接業務を事業子会社等から受託して実施することにより事業子会社等の業務を支援するほか、病院及び宿泊施設の運営等を行うことにより、郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します。
また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献できるよう努めていくことを基本として会社経営を行っていきます。なお、その業務の運営に当たっては、日本郵政株式会社法第5条第1項に規定される、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務の決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を果たすとともに、郵便局ネットワークの一層の活用を図ってまいります。