有価証券報告書-第14期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
以下の記載における将来に関する事項は、明示がある場合又は文脈上明らかな場合を除き、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当行グループは、以下の経営理念の下、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。
「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。
「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。
「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。
「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。
(2) 経営戦略等
当行グループは、2018年度から2020年度までを計画期間とする中期経営計画を策定しております。中期経営計画は、2018年度からの3年間を、厳しい経営環境の中、安定的な収益を確保しつつ、将来の持続的成長に向けて、経営基盤を固めるための期間と位置づけております。その上で、郵便局ネットワークを通じて、全国の幅広い個人のお客さま、小さなお子様からご高齢の方まで、お一人おひとりの長い人生をしっかりサポートしていくことで、これからもお客さまや地域社会と共に歩んで行くことを目指しております。「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、各種施策に取り組むとともに、中期経営計画で掲げた経営目標の達成を目指してまいります。
<中期経営計画における主な取組み>① お客さま本位の良質な金融サービスの提供
・お客さまの資産形成への貢献
・決済サービスの充実
・ATMネットワークの拡充
② 運用の高度化・多様化
・国際分散投資の推進
・市場環境を踏まえたオルタナティブ投資の拡大
・財務健全性の確保
③ 地域への資金の循環等
・地域活性化ファンドへのLP出資
・地域金融機関との各種連携
④ 経営管理態勢の強化
・お客さま本位の業務運営
・リスクガバナンスの強化
・マネー・ローンダリング、テロ資金供与対策等への態勢強化
・サイバー攻撃への態勢強化
・ダイバーシティ、人材育成、要員戦略
・コストマネジメントの徹底・ITの有効活用
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、2019年12月までは、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱を巡る不確実性の高まりを背景に、世界経済は減速しました。そうした中、FRB(米連邦準備制度理事会)は金融緩和姿勢に転じ、7月には予防的利下げに踏み切りました。金融資本市場では、米国の10年国債利回りは、2.5%台から1.4%台まで低下した後、米中の貿易協議進展を受け、12月に1.9%台まで上昇しました。我が国の10年国債利回りは、日本銀行の追加緩和観測の高まりを受け、マイナス0.3%付近まで低下する場面もありましたが、政策が維持されたことにより、概ねマイナス0.1~0%のレンジで推移しました。外国為替市場は、日米金利差は縮小したものの、対ドルでは概ね105~110円のレンジで推移しました。対ユーロでは、英国のEU離脱問題等を受け、円高基調で推移しました。日経平均株価は、9月頃まで21,000円をはさむ値動きが続いた後、年末にかけて24,000円台に上昇しました。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月以降中国を皮切りに、欧州、米国に続き、インド等の新興国でもヒトの移動等が制限され、経済活動停滞を余儀なくされました。各国政府及び中央銀行は、企業の破綻等を回避すべく大規模な政策を相次いで発表しました。我が国経済は、消費増税後の反動減に新型コロナウイルスの影響も加わり、一段と悪化しました。
そうした中、金融資本市場では、リスク回避の動きが強まり、ボラティリティ(変動幅)が大幅に高まりました。米国の10年国債利回りは、3月に一時0.3%台まで急低下した後、1.2%台に急反転する等、乱高下するとともに、海外のクレジット市場では、スプレッドが大幅に拡大しました。我が国の10年国債利回りは、2月下旬から3月にかけて、マイナス0.2%付近に低下した後、0.1%台に上昇しました。外国為替市場は、対ドルでは一時101円台まで円高が進んだ後、円安に転じ、3月下旬には一時111円台となりました。日経平均株価は、16,000円台まで急落後、日本銀行のETF(上場投資信託)買い入れ拡大等もあり、下げ幅を縮小しました。
このように、国内の低金利環境が継続するとともに、新型コロナウイルス感染拡大による市場の混乱が起きる等、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行にとって、厳しい経営環境が継続しております。
(4) 対処すべき課題
当行グループは、郵便局のネットワークを中心とした個人顧客基盤が支える安定した資金調達や、強固な資本基盤、またこれらの特性をいかしたALM(資産・負債の総合管理)・運用戦略によって、安定的な利益を計上してきました。
厳しい経営環境が見込まれる中での収益の確保と経営管理態勢の強化に向け、2018年度から2020年度を計画期間とする中期経営計画を策定しました。
中期経営計画の最終年度となる2020年度は、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「運用の高度化・多様化」「地域への資金の循環等」に取り組みます。「経営管理態勢の強化」については、経営理念に則り、お客さまの声を明日への羅針盤とし、全社一体となってお客さま本位の業務運営を推し進め、「最も身近で信頼される銀行」を目指します。
また、新型コロナウイルス感染症への対応につき、引き続き、感染拡大防止策や重要業務の継続態勢確保に努めてまいります。
(お客さま本位の良質な金融サービスの提供)
○お客さまの資産形成への貢献
お客さま本位の業務運営の浸透強化に向けて、経営陣が責任をもって取り組み、全社員がお客さま本位の良質な金融商品・サービスを提供できるように努めます。
お客さま本位の業務運営の下、お客さまのライフプランに応じたコンサルティングを確立し、お客さま一人ひとりの資産形成ニーズに対応した商品・サービスを拡充します。就職・退職・相続等のライフイベントや、資産形成の目的に応じたコンサルティングを充実し、お客さまの暮らしを生涯にわたってサポートすることにより、お客さまに「安心」を提供してまいります。
具体的には、資産運用コンサルタントの育成や、タブレットを活用してお客さまのニーズ把握をサポートするツールを充実するほか、2019年5月に大和証券グループとの間で合意した「投資一任サービス(注)」について、サービスの開始に向けた取組みを進めます。また、「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、お客さまの長期的な資産形成ニーズに応えます。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、その影響が収束する見通しが立つまでの間は、積極的な営業活動の停止、窓口の一部縮小などの対応を行います。
(注) 投資一任契約に基づき、投資運用業者がお客さまから投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づきお客さまのための投資を行うに必要な売買・管理等までを行うサービス
○デジタル化によるサービスの高度化、業務の効率化
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、社会のデジタル化の一層の進展が予測される中、当行でも、フィンテック(金融とITの融合)に代表される新たなテクノロジーの活用や、お客さまの利便性を一層高めるような金融チャネルの高度化・充実を通じて、いつでもどこでも使える「新しいべんり」の提供に努めます。スマートフォン決済サービス「ゆうちょPay」については、利用できる店舗の開拓、普及促進、サービス拡充等に取り組み、「ゆうちょ通帳アプリ」については、機能追加や普及促進に取り組みます。また、お客さまからの要望が多い機能を備えたインターネットバンキングサービス「ゆうちょBizダイレクト」への法人のお客さまの移行推奨にも引き続き注力します。
このほか、費用対効果を踏まえたコストマネジメントの徹底と、デジタル技術の活用により、業務の効率化と生産性向上に努めます。例えば、コールセンター、パートナーセンター(直営店及び郵便局からの事務照会に対する回答、郵便局に関する事務・営業支援を行う組織)へのAI導入等により、お客さまに応対する品質及び運営効率を向上させます。
このようなサービスのデジタル化やデジタル技術を用いた業務の効率化により、人的資源などの経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務等に再配分し、お客さまサービスの更なる充実に努めます。
(運用の高度化・多様化)
○運用の高度化・多様化
国内の低金利環境の継続に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の悪化や金融市場の混乱が継続する懸念など、運用を取り巻く環境は非常に厳しく、かつ不透明な状況にあります。
このため、金融市場の混乱が収束するまでの間は、ALM・運用業務について、リスク抑制的に対応することとし、混乱に収束の見通しが立った場合等は、市場動向を注視しつつ、許容されるリスクの範囲内で、追加的な収益確保に努めます。
○財務健全性の確保
世界経済や金融市場の先行きが不透明な中で、財務健全性の観点から、運用の高度化・多様化に必要十分な自己資本比率を確保します。
また、市場環境の変化やポートフォリオ・商品の特性を踏まえ、リスク管理態勢を高度化します。
(地域への資金の循環等)
引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。
地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化、グループ会社を含めた連携等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。
地域経済活性化の更なる貢献に向けて、案件選定・投資判断などに努めるとともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける全国の企業への資本面での支援について、検討していきます。
(経営管理態勢の強化)
○お客さま本位の業務運営
「サービス向上委員会」を中心に、お客さま本位の業務運営に全社一体となって取り組みます。お客さまの声を起点とした商品・サービスの改善を推進するため、全国の店舗等やコールセンターにお寄せいただいたお客さまの声やアンケート等を活用してまいります。また、コンプライアンスに関する指導・研修を強化し、お客さま目線に立った適正な投資勧誘・販売プロセスを徹底します。
お客さま本位の業務運営の強化に向けた取組みについては、項目ごとに取組状況を公表します。
○リスクガバナンスの強化
全社的なリスクアペタイト・フレームワーク(注)に基づく業務運営を実施し、経営管理態勢の一層の高度化を図ります。
また、店舗等と本社間のコミュニケーションを強化するとともに、コンプライアンス部門の牽制機能強化と監査部門の独立性・客観性強化により、コーポレートガバナンスの向上に努めます。
(注) 「リスクアペタイト=中長期的な収益性確保、財務健全性等を図るために必要な、当行が取得すべき適切なリスクの種類や水準」の明確化・見える化を通じ、「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組み
○サイバー攻撃への態勢強化
不正なアクセスの監視や被害防止に向けた対応を行っていますが、複雑・巧妙化するサイバー攻撃に対し、最新の動向に基づいて、引き続きサイバーセキュリティ態勢を強化します。特に2021年夏に開催が延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、サイバー攻撃の脅威の高まりへの対応力を一層向上させます。
○コンプライアンス態勢の強化
コンプライアンス意識の更なる浸透や資産運用商品の適正な販売に引き続き努めます。
また、国際的な責務であるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止対策を一層強化します。これらの取組みを通じて、社会的責任を果たします。
○人事戦略
女性管理社員比率の上昇等を含めたキャリア形成支援、新型コロナウイルス問題を契機とした、テレワークの積極的な活用を含めた柔軟な働き方とそれに合わせた人事評価の高度化による社員のモチベーションと生産性の向上、社員の多様性に対応した働きやすい職場環境の整備等により、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)を推進します。
コンサルティング業務、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。
○ESG(環境、社会、ガバナンス) ・CSR(企業の社会的責任)
国連で採択された国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」やESG・CSRを踏まえた取組みについては、経営戦略や事業戦略と一体的に進め、企業価値の向上を目指します。具体的には、「お客さま・マーケット」「地域社会」「環境」「社員(ダイバーシティ・マネジメント)」のテーマに対して、当行グループの業務の特性をいかした活動を継続します。
このうち「環境」については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)(注)の提言に基づき、気候変動に関する取組みや指標を経営計画に反映し、それらの開示に向け、ESG・CSRの推進態勢を強化します。
(注) Task Force on Climate-related Financial Disclosures
気候変動に関する企業情報開示の充実を目的として金融安定理事会(Financial Stability Board)の提言のもと設立された組織
2017年6月に気候関連財務情報に係る自主的な情報開示の在り方に関する提言を公表
(1) 経営方針
当行グループは、以下の経営理念の下、お客さまの声を明日への羅針盤とする「最も身近で信頼される銀行」を目指してまいります。
「信 頼」:法令等を遵守し、お客さまを始め、市場、株主、社員との信頼、社会への貢献を大切にします。
「変 革」:お客さまの声・環境の変化に応じ、経営・業務の変革に真摯に取り組んでいきます。
「効 率」:お客さま志向の商品・サービスを追求し、スピードと効率性の向上に努めます。
「専門性」:お客さまの期待に応えるサービスを目指し、不断に専門性の向上を図ります。
(2) 経営戦略等
当行グループは、2018年度から2020年度までを計画期間とする中期経営計画を策定しております。中期経営計画は、2018年度からの3年間を、厳しい経営環境の中、安定的な収益を確保しつつ、将来の持続的成長に向けて、経営基盤を固めるための期間と位置づけております。その上で、郵便局ネットワークを通じて、全国の幅広い個人のお客さま、小さなお子様からご高齢の方まで、お一人おひとりの長い人生をしっかりサポートしていくことで、これからもお客さまや地域社会と共に歩んで行くことを目指しております。「『やっぱり、ゆうちょ』と言われることを、もっと。」のスローガンの下で、各種施策に取り組むとともに、中期経営計画で掲げた経営目標の達成を目指してまいります。
<中期経営計画における主な取組み>① お客さま本位の良質な金融サービスの提供
・お客さまの資産形成への貢献
・決済サービスの充実
・ATMネットワークの拡充
② 運用の高度化・多様化
・国際分散投資の推進
・市場環境を踏まえたオルタナティブ投資の拡大
・財務健全性の確保
③ 地域への資金の循環等
・地域活性化ファンドへのLP出資
・地域金融機関との各種連携
④ 経営管理態勢の強化
・お客さま本位の業務運営
・リスクガバナンスの強化
・マネー・ローンダリング、テロ資金供与対策等への態勢強化
・サイバー攻撃への態勢強化
・ダイバーシティ、人材育成、要員戦略
・コストマネジメントの徹底・ITの有効活用
(3) 経営環境
当連結会計年度の経済情勢を顧みますと、2019年12月までは、米中貿易摩擦の激化や英国のEU離脱を巡る不確実性の高まりを背景に、世界経済は減速しました。そうした中、FRB(米連邦準備制度理事会)は金融緩和姿勢に転じ、7月には予防的利下げに踏み切りました。金融資本市場では、米国の10年国債利回りは、2.5%台から1.4%台まで低下した後、米中の貿易協議進展を受け、12月に1.9%台まで上昇しました。我が国の10年国債利回りは、日本銀行の追加緩和観測の高まりを受け、マイナス0.3%付近まで低下する場面もありましたが、政策が維持されたことにより、概ねマイナス0.1~0%のレンジで推移しました。外国為替市場は、日米金利差は縮小したものの、対ドルでは概ね105~110円のレンジで推移しました。対ユーロでは、英国のEU離脱問題等を受け、円高基調で推移しました。日経平均株価は、9月頃まで21,000円をはさむ値動きが続いた後、年末にかけて24,000円台に上昇しました。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2月以降中国を皮切りに、欧州、米国に続き、インド等の新興国でもヒトの移動等が制限され、経済活動停滞を余儀なくされました。各国政府及び中央銀行は、企業の破綻等を回避すべく大規模な政策を相次いで発表しました。我が国経済は、消費増税後の反動減に新型コロナウイルスの影響も加わり、一段と悪化しました。
そうした中、金融資本市場では、リスク回避の動きが強まり、ボラティリティ(変動幅)が大幅に高まりました。米国の10年国債利回りは、3月に一時0.3%台まで急低下した後、1.2%台に急反転する等、乱高下するとともに、海外のクレジット市場では、スプレッドが大幅に拡大しました。我が国の10年国債利回りは、2月下旬から3月にかけて、マイナス0.2%付近に低下した後、0.1%台に上昇しました。外国為替市場は、対ドルでは一時101円台まで円高が進んだ後、円安に転じ、3月下旬には一時111円台となりました。日経平均株価は、16,000円台まで急落後、日本銀行のETF(上場投資信託)買い入れ拡大等もあり、下げ幅を縮小しました。
このように、国内の低金利環境が継続するとともに、新型コロナウイルス感染拡大による市場の混乱が起きる等、国内外の有価証券による運用を主たる収益源とする当行にとって、厳しい経営環境が継続しております。
(4) 対処すべき課題
当行グループは、郵便局のネットワークを中心とした個人顧客基盤が支える安定した資金調達や、強固な資本基盤、またこれらの特性をいかしたALM(資産・負債の総合管理)・運用戦略によって、安定的な利益を計上してきました。
厳しい経営環境が見込まれる中での収益の確保と経営管理態勢の強化に向け、2018年度から2020年度を計画期間とする中期経営計画を策定しました。
中期経営計画の最終年度となる2020年度は、「お客さま本位の良質な金融サービスの提供」「運用の高度化・多様化」「地域への資金の循環等」に取り組みます。「経営管理態勢の強化」については、経営理念に則り、お客さまの声を明日への羅針盤とし、全社一体となってお客さま本位の業務運営を推し進め、「最も身近で信頼される銀行」を目指します。
また、新型コロナウイルス感染症への対応につき、引き続き、感染拡大防止策や重要業務の継続態勢確保に努めてまいります。
(お客さま本位の良質な金融サービスの提供)
○お客さまの資産形成への貢献
お客さま本位の業務運営の浸透強化に向けて、経営陣が責任をもって取り組み、全社員がお客さま本位の良質な金融商品・サービスを提供できるように努めます。
お客さま本位の業務運営の下、お客さまのライフプランに応じたコンサルティングを確立し、お客さま一人ひとりの資産形成ニーズに対応した商品・サービスを拡充します。就職・退職・相続等のライフイベントや、資産形成の目的に応じたコンサルティングを充実し、お客さまの暮らしを生涯にわたってサポートすることにより、お客さまに「安心」を提供してまいります。
具体的には、資産運用コンサルタントの育成や、タブレットを活用してお客さまのニーズ把握をサポートするツールを充実するほか、2019年5月に大和証券グループとの間で合意した「投資一任サービス(注)」について、サービスの開始に向けた取組みを進めます。また、「つみたてNISA」対象商品のご案内等により、お客さまの長期的な資産形成ニーズに応えます。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、その影響が収束する見通しが立つまでの間は、積極的な営業活動の停止、窓口の一部縮小などの対応を行います。
(注) 投資一任契約に基づき、投資運用業者がお客さまから投資判断の全部又は一部を一任されるとともに、当該投資判断に基づきお客さまのための投資を行うに必要な売買・管理等までを行うサービス
○デジタル化によるサービスの高度化、業務の効率化
新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、社会のデジタル化の一層の進展が予測される中、当行でも、フィンテック(金融とITの融合)に代表される新たなテクノロジーの活用や、お客さまの利便性を一層高めるような金融チャネルの高度化・充実を通じて、いつでもどこでも使える「新しいべんり」の提供に努めます。スマートフォン決済サービス「ゆうちょPay」については、利用できる店舗の開拓、普及促進、サービス拡充等に取り組み、「ゆうちょ通帳アプリ」については、機能追加や普及促進に取り組みます。また、お客さまからの要望が多い機能を備えたインターネットバンキングサービス「ゆうちょBizダイレクト」への法人のお客さまの移行推奨にも引き続き注力します。
このほか、費用対効果を踏まえたコストマネジメントの徹底と、デジタル技術の活用により、業務の効率化と生産性向上に努めます。例えば、コールセンター、パートナーセンター(直営店及び郵便局からの事務照会に対する回答、郵便局に関する事務・営業支援を行う組織)へのAI導入等により、お客さまに応対する品質及び運営効率を向上させます。
このようなサービスのデジタル化やデジタル技術を用いた業務の効率化により、人的資源などの経営資源をトランザクション業務(窓口等における定型業務)からコンサルティング業務等に再配分し、お客さまサービスの更なる充実に努めます。
(運用の高度化・多様化)
○運用の高度化・多様化
国内の低金利環境の継続に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の悪化や金融市場の混乱が継続する懸念など、運用を取り巻く環境は非常に厳しく、かつ不透明な状況にあります。
このため、金融市場の混乱が収束するまでの間は、ALM・運用業務について、リスク抑制的に対応することとし、混乱に収束の見通しが立った場合等は、市場動向を注視しつつ、許容されるリスクの範囲内で、追加的な収益確保に努めます。
○財務健全性の確保
世界経済や金融市場の先行きが不透明な中で、財務健全性の観点から、運用の高度化・多様化に必要十分な自己資本比率を確保します。
また、市場環境の変化やポートフォリオ・商品の特性を踏まえ、リスク管理態勢を高度化します。
(地域への資金の循環等)
引き続き、地域金融機関との連携・協働により、地域経済の発展・成長に貢献します。
地域活性化ファンドへの出資を推し進めるとともに、ATMネットワークの活用や事務の共同化、グループ会社を含めた連携等を通じて、地域金融機関との協業関係を深めます。
地域経済活性化の更なる貢献に向けて、案件選定・投資判断などに努めるとともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける全国の企業への資本面での支援について、検討していきます。
(経営管理態勢の強化)
○お客さま本位の業務運営
「サービス向上委員会」を中心に、お客さま本位の業務運営に全社一体となって取り組みます。お客さまの声を起点とした商品・サービスの改善を推進するため、全国の店舗等やコールセンターにお寄せいただいたお客さまの声やアンケート等を活用してまいります。また、コンプライアンスに関する指導・研修を強化し、お客さま目線に立った適正な投資勧誘・販売プロセスを徹底します。
お客さま本位の業務運営の強化に向けた取組みについては、項目ごとに取組状況を公表します。
○リスクガバナンスの強化
全社的なリスクアペタイト・フレームワーク(注)に基づく業務運営を実施し、経営管理態勢の一層の高度化を図ります。
また、店舗等と本社間のコミュニケーションを強化するとともに、コンプライアンス部門の牽制機能強化と監査部門の独立性・客観性強化により、コーポレートガバナンスの向上に努めます。
(注) 「リスクアペタイト=中長期的な収益性確保、財務健全性等を図るために必要な、当行が取得すべき適切なリスクの種類や水準」の明確化・見える化を通じ、「監督(取締役会)」機能の実効性を高めることで、リスクガバナンスを強化する枠組み
○サイバー攻撃への態勢強化
不正なアクセスの監視や被害防止に向けた対応を行っていますが、複雑・巧妙化するサイバー攻撃に対し、最新の動向に基づいて、引き続きサイバーセキュリティ態勢を強化します。特に2021年夏に開催が延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、サイバー攻撃の脅威の高まりへの対応力を一層向上させます。
○コンプライアンス態勢の強化
コンプライアンス意識の更なる浸透や資産運用商品の適正な販売に引き続き努めます。
また、国際的な責務であるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止対策を一層強化します。これらの取組みを通じて、社会的責任を果たします。
○人事戦略
女性管理社員比率の上昇等を含めたキャリア形成支援、新型コロナウイルス問題を契機とした、テレワークの積極的な活用を含めた柔軟な働き方とそれに合わせた人事評価の高度化による社員のモチベーションと生産性の向上、社員の多様性に対応した働きやすい職場環境の整備等により、ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材の活用)を推進します。
コンサルティング業務、運用の高度化・多様化等の強化分野・成長分野を中心とした人材育成に注力します。
○ESG(環境、社会、ガバナンス) ・CSR(企業の社会的責任)
国連で採択された国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」やESG・CSRを踏まえた取組みについては、経営戦略や事業戦略と一体的に進め、企業価値の向上を目指します。具体的には、「お客さま・マーケット」「地域社会」「環境」「社員(ダイバーシティ・マネジメント)」のテーマに対して、当行グループの業務の特性をいかした活動を継続します。
このうち「環境」については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)(注)の提言に基づき、気候変動に関する取組みや指標を経営計画に反映し、それらの開示に向け、ESG・CSRの推進態勢を強化します。
(注) Task Force on Climate-related Financial Disclosures
気候変動に関する企業情報開示の充実を目的として金融安定理事会(Financial Stability Board)の提言のもと設立された組織
2017年6月に気候関連財務情報に係る自主的な情報開示の在り方に関する提言を公表