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有価証券報告書-第35期(2025/08/01-2026/07/31)

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2026/10/26 11:56
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当社は「バッドロケーション戦略」を基盤に、一般的な飲食業では不利とされる人通りの少ないエリアにもかかわらず、そのエリアの景観や雰囲気に着目し、当社の強みであるデザイン力により、周辺環境を取り入れた居心地の良さと使い勝手を両立させたレストランを1店舗ごとに丁寧に創出してまいりました。マニュアルに捉われないスタッフの創意工夫に基づいた店づくりは、お客様に喜ばれる様々な工夫と努力を可能とし、その結果、一人ひとりの個性が磨かれ「食を通じてなりたい自分になる」という理念を体現しております。「1店舗ごとに丁寧に作られたレストラン」と「なりたい自分を目指すスタッフ」により、地域に新たな人流を創出し、これが当社の競争力の源泉となっております。様々なエリアを開発する中で、開発エリア内において店舗ごとに競合は存在しますが、企業としては他に類を見ない独自のポジションを確立しております。
当社グループは、「食から始まる日本創再生」を経営ビジョンに掲げ、2027年7月期から2031年7月期までの5カ年にわたる中期経営計画「イノベーティブシナジー2031」を策定いたしました。建築コストや金利コストの上昇、リース会計基準への対応など、事業を取り巻く環境が大きく変化するなか、「収益の質の向上」をより意識した事業運営を推進してまいります。具体的には、事業戦略に適した専門人材の採用を継続しつつ既存店の収益強化に取り組むことで営業利益率7.9%の実現に向けた取り組みを加速してまいります。
事業環境の認識といたしましては、レストラン事業では既存店の売上が堅調に推移する一方、店舗間で収益力の二極化が進んでおり、収益力の低い店舗の改善が喫緊の課題となっております。これは単なるコスト管理の問題ではなく、当社の競争力の源泉である「スタッフによるオリジナルな価値の創造」をいかに取り戻すかという組織課題であると認識しております。また、エステートビルドアップ(EB)事業では、淡路島北西海岸「Frogs FARM ATMOSPHERE」、南あわじ、出雲の各エリアにおいてレストランや宿泊施設の展開とエリア価値の向上が進む一方、事業立ち上げ当初は短期売買を前提とした外部組成の資金調達スキームに依存せざるを得ず、相対的に高い家賃負担が店舗運営の収益性を圧迫する構造的な課題を抱えてまいりました。エリア開発の実績が積み上がった現在、中長期的な視点で共にエリアの活性化に取り組む金融パートナーや事業会社が集まりつつあり、より多くのプレイヤーが参加できる新たな金融スキームの構築へと移行する好機を迎えております。
こうした認識のもと、本計画では、これまでの「レストラン事業」と「EB事業」を、「食×不動産×金融」が相互に価値を高め合う一つの循環モデルとして捉え直しております。レストランが生み出す食・人流・世界観がエリアの不動産価値を高め、不動産・金融が生み出す収益が人材への再投資を支える――この相互作用を、当社独自の地方創再生を推進する新たな仕組みと位置づけ、以下の3つの成長戦略と、これらを支える経営基盤の強化に重点的に取り組んでまいります。
(1)成長戦略
① レストラン&宿泊
早期に収益化が見込めるマーケット環境・経済条件を慎重に見極めたうえで出店場所を厳選し、人口の多い郊外エリアも視野に入れながら、多店舗展開型ブランドの構築を進めることで、将来の出店増加の基盤を築いてまいります。既存店の収益改善につきましては、後述する人的資本経営と一体で推進いたします。
② 不動産
開発エリアの価値向上を継続するとともに、宿泊施設「KAMOME SLOW HOTEL THE COMPACT」の区分販売や不動産ディベロッパーと連携した不動産販売など、個人向けを含む販売体制の構築を進めてまいります。また、これまで当社単独で進めてきたエリア開発について、他社の参画を得ることで、エリア価値のより早期かつ確実な創出を図ってまいります。
③ 金融
金融子会社を通じて、地方創再生に資するアセット・事業に投資する有限責任事業組合(LLP)・投資事業有限責任組合(LPS)を、地域金融機関や事業会社等と連携して組成・運営いたします。当社がファンドを組成・運営することで、地域の投資家とともに不動産や地域企業に対する中長期かつ安定的な投資を実現し、その成果を地域へ還元する資金循環を構築してまいります。当社はGP(ゼネラル・パートナー)としてファンド運営に伴う収益を獲得するとともに、中長期的な投資資金を地域へ呼び込むことで地域全体の事業・不動産価値を高め、結果として店舗・宿泊事業における安定的な賃料水準と収益性の向上につなげてまいります。なお、ファンドの運営にあたっては、独立した価値評価とガバナンス体制のもとで利益相反の防止を徹底いたします。
また、これら3つの成長戦略を支える経営基盤として、以下の整備・強化に取り組んでまいります。

(2)経営基盤
① 組織基盤
金融事業を専門に担う新金融会社を設置してGPとしての運営体制を早期に確立するとともに、不動産の開発・販売機能を集約する新たな部署を新設いたします。あわせて、複数に分散している店舗運営子会社を集約し、意思決定の迅速化と間接部門の効率化、権限委譲を通じた経営者人材の育成、店舗を越えたノウハウ共有により、現場の組織力を一層強化してまいります。これらの組織再編にあたっては、事業規模の拡大に対応した内部統制・ガバナンス体制の整備を並行して進めてまいります。
② 人的資本経営基盤
既存店の収益改善を、当社の原点である「スタッフによるオリジナルな価値の創造」を取り戻す取り組みと位置づけ、運営会社制度の思想を評価・処遇の両面から再構築いたします。全スタッフを対象に、仕事を通じた「人としての成長(人間力)」を評価し処遇へ反映する新たな評価制度「G.E.M.S.(Growth Evaluation & Mapping System)」を導入するとともに、店舗運営を担う経営者層については評価の軸を管理から付加価値の創造へと転換し、店舗業績に応じたインセンティブを設けてまいります。なお、店舗の業績管理指標としては、貢献利益率および売上高の増減を重視いたします。
③ AI・デジタル基盤
Geminiを基盤とする独自生成AIシステム「LNI(ルニ)」の本格稼働と、全社的なデジタルプラットフォームの確立を推進いたします。当社独自の運営ノウハウなどの暗黙知を形式知化することで、メニューの適正化、適正価格の分析、人員配置、PR・販促などを全店舗で高度に展開するとともに、AIによる支援を通じて現場を管理業務から解放し、価値創造に集中できる環境を整えてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題だと認識しており、売上高成長率及び営業利益率などの経営指標を重視しております。

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