有価証券報告書-第29期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)

【提出】
2020/10/30 15:01
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
「美味しいものを、より楽しく、より健康に、より安く」をテーマに、「なりたい自分」を目指すスタッフが個性的な店舗運営を行うことにより、外食の未来を創造する企業となることを経営方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループでは、以下の点を経営戦略として重点的に行ってまいります。
1.店舗運営子会社による店舗運営体制の強化による既存店舗の収益力の維持・向上
2.経営層の強化、育成による今後の成長に向けた人材組織戦略への取り組み
3.地方行政機関及び自治体との取り組みによる地域創生ネットワークの形成
4.食をベースに新たな付加価値を創出する大型・複合型の店舗開発
(3)経営環境
今後における外食業界の経済環境は、景気回復による消費マインドの改善が期待されるものの、多様化する顧客ニーズの変化に加えて、競合企業との競争激化、原材料価格の高騰、人手不足に伴う人材確保難や人件費上昇により引き続き厳しい状況で推移していくことが予想されます。
このような状況の中、当社グループにおきましては、引き続き積極的な出店戦略による事業拡大を図り、当社独自の店舗運営子会社による店舗運営体制の強化による既存店舗の収益力の維持向上に努めます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、日本国内の外食市場の競争は年々激化し、特にお客様が食事をする時間や空間を楽しむためのレストランへの要望は、単に好立地にシステム化された店舗を供するチェーン店では叶えることができないところにまで高まっているものと考えております。
また、昨今の外食企業の人手不足にみられるように、効率のみを推し進めた飲食店は、働くスタッフにとっても魅力に欠ける傾向があることから、システム化されたレストランチェーンは成熟した日本社会の中では長期的な成長が困難となる可能性があるものと認識しております。
このような状況認識を踏まえて、当社グループは、「その時代にその街で生きる人々が長く必要とするレストランを、周囲の良好な環境を取り込むカタチで統合的にデザインし、働く者たちの自立した思いによる店舗運営により経営する」というコンセプトにより、中長期的な成長を実現するため、以下の課題について優先的に取り組んでおります。
1.リーダーシップを有する人材確保と育成
当社グループのレストランの運営は、各々の店舗運営子会社が行っております。当社グループの成長の源泉は、マニュアルに沿ったレストラン運営ではなく、季節、天候の変化を把握しながら、各店舗で異なるお客様のニーズと向き合うモチベーションの高いスタッフとそのスタッフを統率するリーダーである店舗運営子会社の経営陣によります。当社グループの店舗はデザイン性、ファッション性を重視しており、店舗スタッフにとって魅力のある職場であるだけではなく、店舗運営を各店舗での創意工夫により行うことから日々の仕事にやりがいを感じることができ、結果として、当社グループでは店舗スタッフの採用活動に関しては対処すべき課題とは認識しておりません。しかしながら、当社グループでは、店舗の状況だけではなく、一人一人のスタッフの状況を把握できる限界点を超えない規模で店舗運営子会社を分割する方針を採用しているため、店舗運営子会社の経営陣となりうるリーダーシップを有する人材を確保し、育成することは、当社グループの成長のための重要な課題であると認識しており、社内外から広く人材の発掘を行い、その人材の個々に合わせたきめ細やかな育成への取り組みを継続的に行うことで対処しております。
2.飲食店運営事業の国内展開
当社グループの飲食店運営事業の店舗展開は、通常のレストランの立地としては好立地とはいえない「バッドロケーション」ではあるが、人々をほっとさせるような街並みや水辺・公園などの周辺環境に恵まれた場所に着目した出店を行うことに特徴があり、立地開発は重要課題であると認識しております。また、これらの実績により、不動産デベロッパー、商業施設、行政機関、大学等からの出店オファーについても多くの案件が持ち込まれてはおりますが、今後につきましても、より多くの案件から出店を検討することで収益性向上を図る必要があると認識しており、継続的に幅広く出店候補案件に関する情報収集を行い、当社独自の立地開発に関するノウハウの蓄積を進めております。
3.経営管理体制の強化
当社グループは、企業規模の拡大の基礎となる経営管理体制、コーポレート・ガバナンスをより強化し、店舗運営子会社の店舗運営上の問題点の把握、コンプライアンスの徹底、適切なディスクロージャーやIR活動に取り組むことが企業価値の向上に繋がるものと認識しており、引き続き対処してまいります。
4.新型コロナウイルス感染症への対応
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、政府・自治体による自粛要請・緊急事態宣言の発出に伴う臨時休業や営業時間の短縮等の処置を実施しており業績に大きな影響を受けて引き続き厳しい状況で推移しており、その対応が重要課題であると認識しております。
新型コロナウイルス感染症への対応として、店舗での感染リスクに備え、従業員の検温や健康状態の確認、手洗い・消毒の徹底、店舗内の換気や間隔を空けた席配置などの取り組みを実施するとともに、銀行借入による資金調達、政府及び自治体からの各種助成金等の活用に加え、賃料の減免交渉などのコスト削減を図り企業の耐性強化に努めてまいります。
また、今後の顧客のニーズの変化に対応したデリバリーや通販などのサービスや商品の開発などにも取り組み収益力の向上に努めてまいります。
5.新規事業開発と資金調達
当社グループでは、飲食店運営事業の国内外を含む店舗展開、海外飲食ブランドの国内展開などの取り組みにより培ってきた店舗開発ノウハウに加え、外部企業とのアライアンスの強化を積極的に取り入れることで、他業種との連携による複数コンテンツを伴ったエリア開発を促進し、開発エリアの土地などの不動産投資を視野に入れたバッドロケーションディベロッパー戦略の推進と新たなファイナンススキームの活用などで必要資金の調達ノウハウの蓄積を進めております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題だと認識しており、売上高成長率及び営業利益率などの経営指標を重視しております。