有価証券報告書-第42期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

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2019/03/29 10:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善傾向が続くなか、緩やかな回復基調で推移しました。一方、米中間の通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の不確実性の高まりなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
体外診断用医薬品業界におきましては、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどによる感染症の集団発生への対応を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」や「ケア」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、患者それぞれの状態に合わせた適切な医療を、効果的かつ効率的に提供する体制を構築する必要があることから、早期診断及び早期治療の重要性の認識は、さらに高まっております。特に感染症分野では、小児・老人医療における感染拡大の防止や院内感染の予防対策など早期治療に有用となる診断技術への期待も大きく、国内外を問わず新たな技術による微生物検査や遺伝子検査が臨床現場へ普及していく段階にあります。また、有効な抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌への対策が国際的な課題となっており、国内においても平成28年に抗菌薬の使用削減に向けた薬剤耐性対策アクションプランが提言され、医療の効率化とともに投薬の選択の指標となる薬剤耐性菌の検出など、検査の役割はさらに高まっております。このように、体外診断用医薬品関連企業にとっては、医療現場のニーズに応える製品の開発、さらには海外市場を視野に入れた製品開発が求められる状況となっております。
このような環境のなか、当社は、医療現場からの様々なニーズに応えるために、POCTメーカーとして新しい検査技術や新製品の開発を推進するとともに、既存製品の改善や改良にも尽力してまいりました。また、積極的な営業活動により主力製品や新製品の売上拡大に努めるとともに、競争力強化のために生産性の向上にも注力するなど、様々な経営施策を継続的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
また、当事業年度におきまして、かねてより新たな診断技術として研究開発に取り組んでおりました遺伝子POCT検査の国内製造販売承認を2月に取得し、10月に遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」の発売を開始いたしました。
これらの結果といたしまして、当事業年度の売上高は64億23百万円(前期比14.2%増)となりました。
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は以下のとおりであります。
(単位:百万円、%)
市場分野の名称平成30年12月期平成29年12月期
対売上高
構成比
対前期
増減率
対売上高
構成比
病院・開業医分野5,93192.317.05,07190.2
OTC・その他分野4927.7△11.05539.8
合計6,423100.014.25,624100.0

病院・開業医分野におきましては、インフルエンザ検査薬は、主に機器試薬システムの機器の累計販売台数の増加に伴い試薬の売上高が伸長しているなか、2017/2018シーズンのインフルエンザの流行は、1月末のピーク時の患者数が過去最多数を更新するなど大きな流行となりました。これに伴い第1四半期において検査薬の需要が急増した影響により、通期のインフルエンザ検査薬全体の売上高は33億7百万円(前期比17.2%増)となりました。また、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)等のその他感染症項目の検査薬も概ね増収基調を維持したことに加え、前事業年度に発売を開始した眼科用アデノウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬も売上高の増加に貢献しました。これらの結果、病院・開業医分野全体の売上高は59億31百万円(前期比17.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬は、他社との価格競争が続くなか売上高は横ばいを保っているものの、排卵日検査薬は、一般用検査薬への転用の影響により、薬局向け自社ブランド製品の売上高が減少しました。これらの結果、OTC・その他分野全体の売上高は4億92百万円(前期比11.0%減)となりました。
利益面につきましては、主に人件費や研究開発費などの販売費及び一般管理費が増加したものの、増収に伴う売上総利益の増加がこれらを上回り、営業利益は12億20百万円(前期比43.5%増)、経常利益は12億11百万円(前期比42.4%増)、当期純利益は9億19百万円(前期比39.3%増)となりました。
当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ12億5百万円増加し、55億82百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加3億65百万円、建設仮勘定の増加2億97百万円及び土地の増加2億82百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ4億86百万円増加し、24億27百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の減少81百万円があったものの、短期借入金の増加3億円、買掛金の増加95百万円及び未払法人税等の増加51百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ7億18百万円増加し、31億55百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加7億19百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ30百万円減少し、2億35百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により増加した資金は、6億70百万円(前期は8億77百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加3億65百万円、法人税等の支払2億57百万円及び売上債権の増加1億25百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益12億11百万円、仕入債務の増加1億9百万円及び減価償却費96百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動により減少した資金は、7億17百万円(前期は1億7百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億8百万円のキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により増加した資金は、16百万円(前期は5億80百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払1億99百万円及び長期借入金の返済81百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、短期借入金の純増3億円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。
イ.生産実績
当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
市場分野の名称生産高(千円)前年同期比(%)
病院・開業医分野6,863,872129.0
OTC・その他分野476,48483.2
合計7,340,357124.6

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、病院・開業医分野におきまして、主に、当社の製品の需要が増加したこと及びインフルエンザの流行期に備え、インフルエンザ検査薬の在庫を備蓄したことによるものであります。
ロ.受注状況
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
市場分野の名称販売高(千円)前年同期比(%)
病院・開業医分野5,931,246117.0
OTC・その他分野492,39589.0
合計6,423,642114.2

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 平成29年1月1日
至 平成29年12月31日)
当事業年度
(自 平成30年1月1日
至 平成30年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
富士フイルム株式会社767,13513.6944,91814.7
東邦薬品株式会社823,45314.6924,04814.4
株式会社メディセオ763,82013.6916,02114.3


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債並びに会計期間における収入・費用の数値に影響を与える確かな見込みに基づく見積りにより行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ7億99百万円増加して64億23百万円(前期比14.2%増)となりました。
病院・開業医分野におきましては、インフルエンザ検査薬は、主に機器試薬システムの機器の累計販売台数の増加に伴い試薬の売上高が伸長しているなか、2017/2018シーズンのインフルエンザの流行は、1月末のピーク時の患者数が過去最多数を更新するなど大きな流行となりました。これに伴い第1四半期において検査薬の需要が急増した影響により、通期のインフルエンザ検査薬全体の売上高は33億7百万円(前期比17.2%増)となりました。また、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)等のその他感染症項目の検査薬も概ね増収基調を維持したことに加え、前事業年度に発売を開始した眼科用アデノウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬も売上高の増加に貢献しました。これらの結果、病院・開業医分野全体の売上高は59億31百万円(前期比17.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬は、他社との価格競争が続くなか売上高は横ばいを保っているものの、排卵日検査薬は、一般用検査薬への転用の影響により、薬局向け自社ブランド製品の売上高が減少しました。これらの結果、OTC・その他分野全体の売上高は4億92百万円(前期比11.0%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度に比べ1億33百万円増加して20億98百万円(前期比6.8%増)となりました。売上原価率は32.7%となり、前事業年度に比べ2.2ポイント低下いたしました。これは主に、売上構成比の変化、操業度の上昇及び原価低減施策によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ2億97百万円増加して31億5百万円となりました。これは主に、業容拡大に伴う人件費及び新製品に関する研究開発費等の増加によるものであります。
(営業利益)
営業利益は、前事業年度に比べ3億70百万円増加して12億20百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前事業年度と同水準の2百万円となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ10百万円増加して11百万円となりました。これは主に、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部への市場変更費用によるものであります。
(経常利益)
経常利益は、前事業年度に比べ3億60百万円増加して12億11百万円となりました。また、売上高経常利益率は18.9%となり、前事業年度に比べ3.8ポイント上昇し、収益性が向上しております。
(特別利益、特別損失)
当事業年度は特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。
(当期純利益)
当期純利益は、前事業年度に比べ2億59百万円増加して9億19百万円となりました。
なお、インフルエンザ検査薬は、当社の売上高(通期)の約50%を占める主力製品であり、インフルエンザの流行時期は冬季であることから、売上高及び営業利益が、第1四半期会計期間(1~3月)及び第4四半期会計期間(10~12月)に集中する傾向にあります。このような傾向に対応するため、当社は、非季節性及び夏季流行性の感染症などその他感染症項目の検査薬の拡充に努め、インフルエンザ検査薬への依存度の軽減とともに季節変動の平準化を図っております。
機器試薬システムの試薬の売上高が伸長していることを主因としてインフルエンザ検査薬の売上高が増加しているため、売上高及び営業利益が第1四半期会計期間及び第4四半期会計期間に集中する傾向は依然として変わりはないものの、その他感染症項目の検査薬の拡充に伴い、第2四半期会計期間及び第3四半期会計期間の売上高の底上げは着実に進んでおります。その結果、前々事業年度(第40期)まで営業損失を計上していた第2四半期会計期間及び第3四半期会計期間において、前事業年度(第41期)から営業利益を計上しております。
当事業年度(第42期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益は、以下のとおりであります。
第42期(平成30年12月期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益
(単位:百万円)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第42期 合計
売上高2,1509421,1762,1536,423
内インフルエンザ検査薬の売上高1,5191633741,2503,307
売上高の四半期百分率33.5%14.7%18.3%33.5%100%
営業利益55127975441,220

(ご参考) 直近2事業年度の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益
第41期(平成29年12月期)
(単位:百万円)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第41期 合計
売上高1,6318971,0362,0595,624
内インフルエンザ検査薬の売上高1,0932132871,2282,822
売上高の四半期百分率29.0%16.0%18.4%36.6%100%
営業利益又2871112538850

第40期(平成28年12月期)
(単位:百万円)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第40期 合計
売上高1,4646887882,0204,961
内インフルエンザ検査薬の売上高9611382051,1202,425
売上高の四半期百分率29.5%13.9%15.9%40.7%100%
営業利益又は営業損失(△)189△48△83472529

(注)インフルエンザ検査薬には、「クイックチェイサー Flu A,B」、「クイックチェイサー Auto Flu A,B」及び富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬が含まれております。
ロ.財政状態の分析
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ12億5百万円増加し、55億82百万円となりました。これは主に、流行期に備えたインフルエンザ検査薬の備蓄等による棚卸資産の増加3億65百万円、久留米工場・遺伝子研究所の建設に係る建設仮勘定の増加2億97百万円及び土地の増加2億82百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ4億86百万円増加し、24億27百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の減少81百万円があったものの、久留米工場・遺伝子研究所の建設及びインフルエンザ検査薬の備蓄等に伴う資金需要による短期借入金の増加3億円、買掛金の増加95百万円及び未払法人税等の増加51百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ7億18百万円増加し、31億55百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加7億19百万円によるものであります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。
運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。
なお、かねてより計画しておりました、久留米工場・遺伝子研究所の建設及び生産設備の導入につきまして、当事業年度における投資活動により減少した資金7億17百万円のうち、当該工場等に係る支出は5億72百万円であります。今後必要となる設備資金につきましては、自己資金及び借入金により調達する予定であります。詳細につきましては「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」をご参照ください。

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