有価証券報告書-第43期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中通商問題、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向の影響に加え、相次ぐ自然災害や消費増税後の消費動向が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
体外診断用医薬品業界におきましては、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどによる感染症の集団発生への対応を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」や「ケア」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、患者それぞれの状態に合わせた適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築する必要があることから、早期診断及び早期治療の重要性の認識は、さらに高まっております。特に感染症分野では、即効性の高い薬剤の開発を背景として、小児・老人医療における感染拡大の防止や院内感染の予防対策など早期治療に有用となる診断技術への期待も大きく、国内外を問わず新たな技術による微生物検査や遺伝子検査が臨床現場へ普及していく段階にあります。また、有効な抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌への対策が国際的な課題となっており、国内においても2016年に抗菌薬の使用削減に向けた薬剤耐性対策アクションプランが提言され、医療の効率化とともに投薬の選択の指標となる薬剤耐性菌の検出など、検査の役割はさらに高まっております。このように、体外診断用医薬品関連企業にとっては、医療現場のニーズに応える製品の開発、さらには海外市場を視野に入れた製品開発が求められる状況となっております。
このような環境のなか、当社は、医療現場からの様々なニーズに応えるために、POCTメーカーとして新しい検査技術や新製品の開発を推進するとともに、既存製品の改善や改良にも尽力してまいりました。また、積極的な営業活動により主力製品や新製品の売上拡大に努めるとともに、競争力強化のために生産性の向上にも注力するなど、様々な経営施策を継続的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
当社の課題となっておりました生産能力の増強につきましては、前事業年度より建設を進めておりました「久留米工場・遺伝子研究所(福岡県久留米市)」が2019年5月に竣工し、同年9月より事業を開始しました。当工場では遺伝子POCT検査システムの検査キット(スマートジーン Myco)及び感染症迅速診断システムの検査キット(クイックチェイサーAutoシリーズ等)の製造を行い、研究施設では遺伝子POCT検査における各種感染症項目の研究開発を行っております。
これらの結果といたしまして、当事業年度の売上高は64億27百万円(前期比0.1%増)となりました。
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は以下のとおりであります。
病院・開業医分野におきましては、2018/2019シーズンのインフルエンザの流行は、1月のピーク時においては、患者数が過去最多数となった前シーズン(2017/2018)を超える強い流行となったものの、前シーズンとは異なり急速に終息に向かったことから、その後のインフルエンザ検査薬の需要が大幅に減少しました。一方、2019/2020シーズンの流行は例年より早く始まり、第4四半期において検査薬の需要は増加しましたが、第1四半期の減収の影響が残り、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、31億96百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬は、シェアの拡大に伴い売上高が大きく伸長しました。また、アデノウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)検査薬は、流行の弱さの影響を受けたものの堅調に推移するなど、その他感染症項目の検査薬全体では増収基調が継続しました。これらに加え、2018年10月に発売開始した遺伝子POCT検査の機器・試薬も売上高の増加に貢献しました。
これらの結果、その他感染症項目の検査薬や遺伝子POCT検査の機器・試薬による増収が、第1四半期におけるインフルエンザ検査薬の減収分を補い、病院・開業医分野全体の売上高は59億88百万円(前期比1.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、価格競争が続くなか販促企画等により売上高の維持に努めましたが、OTC・その他分野全体の売上高は4億38百万円(前期比10.9%減)となりました。
利益面につきましては、売上構成の変化に伴い売上原価率が改善されましたが、製品改良に伴うたな卸資産廃棄損の計上、久留米工場・遺伝子研究所の事業開始に伴う一時費用の発生及び減価償却費の増加並びに輸送コストの増加などの影響により、営業利益は11億11百万円(前期比9.0%減)、経常利益は11億11百万円(前期比8.3%減)となりました。なお、久留米工場・遺伝子研究所の設置に伴う補助金収入59百万円を特別利益に計上しております。この結果、当期純利益は8億74百万円(前期比4.9%減)となりました。
当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ7億83百万円増加し、63億66百万円となりました。これは主に、建物仮勘定2億97百万円の減少があったものの、建物の増加7億63百万円、売掛金の増加2億99百万円、機械及び装置の増加78百万円及び構築物の増加68百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ1億85百万円増加し、26億12百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少3億円、買掛金の減少1億21百万円及び電子記録債務の減少72百万円があったものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加5億75百万円及び未払金の増加42百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ5億97百万円増加し、37億53百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加5億98百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ18百万円減少し、2億17百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により増加した資金は、7億45百万円(前期は6億70百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払2億92百万円、売上債権の増加2億59百万円及び仕入債務の減少1億94百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益11億70百万円及び減価償却費1億65百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動により減少した資金は、7億62百万円(前期は7億17百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億59百万円のキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により減少した資金は、0百万円(前期は16百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れ7億円によるキャッシュ・フローの増加があったものの、短期借入金の純減3億円、配当金の支払2億76百万円及び長期借入金の返済1億24百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。
イ.生産実績
当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、病院・開業医分野におきまして、主に、前事業年度にインフルエンザの流行期に備えインフルエンザ検査薬の在庫を備蓄していたものの、急速に終息したことに伴い、生産を調整したことによるものであります。
ロ.受注状況
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債並びに会計期間における収入・費用の数値に影響を与える確かな見込みに基づく見積りにより行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ3百万円増加して64億27百万円(前期比0.1%増)となりました。
病院・開業医分野におきましては、2018/2019シーズンのインフルエンザの流行は、1月のピーク時においては、患者数が過去最多数となった前シーズン(2017/2018)を超える強い流行となったものの、前シーズンとは異なり急速に終息に向かったことから、その後のインフルエンザ検査薬の需要が大幅に減少しました。一方、2019/2020シーズンの流行は例年より早く始まり、第4四半期において検査薬の需要は増加しましたが、第1四半期の減収の影響が残り、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、31億96百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬は、シェアの拡大に伴い売上高が大きく伸長しました。また、アデノウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)検査薬は、流行の弱さの影響を受けたものの堅調に推移するなど、その他感染症項目の検査薬全体では増収基調が継続しました。これらに加え、2018年10月に発売開始した遺伝子POCT検査の機器・試薬も売上高の増加に貢献しました。
これらの結果、その他感染症項目の検査薬や遺伝子POCT検査の機器・試薬による増収が、第1四半期におけるインフルエンザ検査薬の減収分を補い、病院・開業医分野全体の売上高は59億88百万円(前期比1.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、価格競争が続くなか販促企画等により売上高の維持に努めましたが、OTC・その他分野全体の売上高は4億38百万円(前期比10.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度に比べ10百万円減少して20億87百万円(前期比0.5%減)となりました。売上原価率は32.5%となり、前事業年度に比べ0.2ポイント低下いたしました。これは主に、製品改良に伴いたな卸資産廃棄損の増加があったものの、売上構成比の変化及び原価低減施策の効果によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ1億22百万円増加して32億28百万円となりました。これは主に、久留米工場・遺伝子研究所の事業開始に伴う一時費用の発生及び減価償却費の増加並びに輸送コストの増加によるものであります。
(営業利益)
営業利益は、前事業年度に比べ1億9百万円減少して11億11百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前事業年度と同水準の2百万円となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ9百万円減少して2百万円となりました。これは主に、前事業年度に計上した東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部への市場変更費用によるものであります。
(経常利益)
経常利益は、前事業年度に比べ1億円減少して11億11百万円となりました。また、売上高経常利益率は17.3%となり、前事業年度に比べ1.6ポイント低下し、収益性が低下しております。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、前事業年度に比べ59百万円増加して59百万円となりました。これは、久留米工場・遺伝子研究所の設置に伴う補助金収入によるものであります。
特別損失の計上はありませんでした。
(当期純利益)
当期純利益は、前事業年度に比べ44百万円減少して8億74百万円となりました。
インフルエンザ検査薬は、当社の売上高(通期)の約50%を占める主力製品であり、インフルエンザの流行時期は冬季であることから、売上高及び営業利益が、第1四半期会計期間(1~3月)及び第4四半期会計期間(10~12月)に集中する傾向にあります。このような傾向に対応するため、当社は、非季節性及び夏季流行性の感染症などその他感染症項目の検査薬の拡充に努め、インフルエンザ検査薬への依存度の軽減とともに季節変動の平準化を図っております。
機器試薬システムの試薬の売上高が伸長していることを主因としてインフルエンザ検査薬の売上高が増加しているため、売上高及び営業利益が第1四半期会計期間及び第4四半期会計期間に集中する傾向は依然として変わりはないものの、その他感染症項目の検査薬の拡充に伴い、第2四半期会計期間及び第3四半期会計期間の売上高の底上げは着実に進んでおります。
しかし、現時点においては、インフルエンザ検査薬が当社の売上高の約50%を占めていること、また、インフルエンザの流行は、例年12月頃に始まり1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃に終息に向かうことから、特に当社の第1四半期会計期間(1~3月)の業績は、その流行の開始時期や規模(ピークの高さや終息までの期間)による影響を受けやすい状況となっております。
今後につきましては、インフルエンザ検査薬への依存度をさらに軽減するため、その他感染症項目の検査薬の拡充や遺伝子POCT事業の拡大を推し進めてまいります。
当事業年度(第43期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益は、以下のとおりであります。
(注)インフルエンザ検査薬には、「クイックチェイサー Flu A,B」、「クイックチェイサー Auto Flu A,B」及び富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬が含まれております。
ロ.財政状態の分析
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ7億83百万円増加し、63億66百万円となりました。これは主に、久留米工場・遺伝子研究所の竣工及び設備の導入により、建物仮勘定2億97百万円の減少があった一方で、建物の増加7億63百万円、機械及び装置の増加78百万円及び構築物の増加68百万円があったこと並びに売掛金の増加2億99百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ1億85百万円増加し、26億12百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少3億円、買掛金の減少1億21百万円及び電子記録債務の減少72百万円があったものの、久留米工場・遺伝子研究所の建設及び設備の導入に伴う資金需要による長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加5億75百万円及び未払金の増加42百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ5億97百万円増加し、37億53百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加5億98百万円によるものであります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。
運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。
なお、かねてより計画しておりました、久留米工場・遺伝子研究所の建設及び生産設備の導入につきまして、当事業年度における投資活動により減少した資金7億62百万円のうち、当該工場等に係る支出は6億74百万円であります。また、当該設備投資にあたり、長期借入れ7億円を実行しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米中通商問題、中国経済の先行き、英国のEU離脱等の海外経済の動向の影響に加え、相次ぐ自然災害や消費増税後の消費動向が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
体外診断用医薬品業界におきましては、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどによる感染症の集団発生への対応を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」や「ケア」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、患者それぞれの状態に合わせた適切な医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築する必要があることから、早期診断及び早期治療の重要性の認識は、さらに高まっております。特に感染症分野では、即効性の高い薬剤の開発を背景として、小児・老人医療における感染拡大の防止や院内感染の予防対策など早期治療に有用となる診断技術への期待も大きく、国内外を問わず新たな技術による微生物検査や遺伝子検査が臨床現場へ普及していく段階にあります。また、有効な抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性菌への対策が国際的な課題となっており、国内においても2016年に抗菌薬の使用削減に向けた薬剤耐性対策アクションプランが提言され、医療の効率化とともに投薬の選択の指標となる薬剤耐性菌の検出など、検査の役割はさらに高まっております。このように、体外診断用医薬品関連企業にとっては、医療現場のニーズに応える製品の開発、さらには海外市場を視野に入れた製品開発が求められる状況となっております。
このような環境のなか、当社は、医療現場からの様々なニーズに応えるために、POCTメーカーとして新しい検査技術や新製品の開発を推進するとともに、既存製品の改善や改良にも尽力してまいりました。また、積極的な営業活動により主力製品や新製品の売上拡大に努めるとともに、競争力強化のために生産性の向上にも注力するなど、様々な経営施策を継続的に推進し、企業価値の向上に取り組んでまいりました。
当社の課題となっておりました生産能力の増強につきましては、前事業年度より建設を進めておりました「久留米工場・遺伝子研究所(福岡県久留米市)」が2019年5月に竣工し、同年9月より事業を開始しました。当工場では遺伝子POCT検査システムの検査キット(スマートジーン Myco)及び感染症迅速診断システムの検査キット(クイックチェイサーAutoシリーズ等)の製造を行い、研究施設では遺伝子POCT検査における各種感染症項目の研究開発を行っております。
これらの結果といたしまして、当事業年度の売上高は64億27百万円(前期比0.1%増)となりました。
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は以下のとおりであります。
| (単位:百万円、%) | |||||
| 市場分野の名称 | 2019年12月期 | 2018年12月期 | |||
| 対売上高 構成比 | 対前期 増減率 | 対売上高 構成比 | |||
| 病院・開業医分野 | 5,988 | 93.2 | 1.0 | 5,931 | 92.3 |
| OTC・その他分野 | 438 | 6.8 | △10.9 | 492 | 7.7 |
| 合計 | 6,427 | 100.0 | 0.1 | 6,423 | 100.0 |
病院・開業医分野におきましては、2018/2019シーズンのインフルエンザの流行は、1月のピーク時においては、患者数が過去最多数となった前シーズン(2017/2018)を超える強い流行となったものの、前シーズンとは異なり急速に終息に向かったことから、その後のインフルエンザ検査薬の需要が大幅に減少しました。一方、2019/2020シーズンの流行は例年より早く始まり、第4四半期において検査薬の需要は増加しましたが、第1四半期の減収の影響が残り、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、31億96百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬は、シェアの拡大に伴い売上高が大きく伸長しました。また、アデノウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)検査薬は、流行の弱さの影響を受けたものの堅調に推移するなど、その他感染症項目の検査薬全体では増収基調が継続しました。これらに加え、2018年10月に発売開始した遺伝子POCT検査の機器・試薬も売上高の増加に貢献しました。
これらの結果、その他感染症項目の検査薬や遺伝子POCT検査の機器・試薬による増収が、第1四半期におけるインフルエンザ検査薬の減収分を補い、病院・開業医分野全体の売上高は59億88百万円(前期比1.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、価格競争が続くなか販促企画等により売上高の維持に努めましたが、OTC・その他分野全体の売上高は4億38百万円(前期比10.9%減)となりました。
利益面につきましては、売上構成の変化に伴い売上原価率が改善されましたが、製品改良に伴うたな卸資産廃棄損の計上、久留米工場・遺伝子研究所の事業開始に伴う一時費用の発生及び減価償却費の増加並びに輸送コストの増加などの影響により、営業利益は11億11百万円(前期比9.0%減)、経常利益は11億11百万円(前期比8.3%減)となりました。なお、久留米工場・遺伝子研究所の設置に伴う補助金収入59百万円を特別利益に計上しております。この結果、当期純利益は8億74百万円(前期比4.9%減)となりました。
当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ7億83百万円増加し、63億66百万円となりました。これは主に、建物仮勘定2億97百万円の減少があったものの、建物の増加7億63百万円、売掛金の増加2億99百万円、機械及び装置の増加78百万円及び構築物の増加68百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ1億85百万円増加し、26億12百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少3億円、買掛金の減少1億21百万円及び電子記録債務の減少72百万円があったものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加5億75百万円及び未払金の増加42百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ5億97百万円増加し、37億53百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加5億98百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ18百万円減少し、2億17百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により増加した資金は、7億45百万円(前期は6億70百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払2億92百万円、売上債権の増加2億59百万円及び仕入債務の減少1億94百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益11億70百万円及び減価償却費1億65百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動により減少した資金は、7億62百万円(前期は7億17百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億59百万円のキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により減少した資金は、0百万円(前期は16百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れ7億円によるキャッシュ・フローの増加があったものの、短期借入金の純減3億円、配当金の支払2億76百万円及び長期借入金の返済1億24百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。
イ.生産実績
当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
| 市場分野の名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 病院・開業医分野 | 5,304,584 | 77.3 |
| OTC・その他分野 | 386,969 | 81.2 |
| 合計 | 5,691,553 | 77.5 |
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、病院・開業医分野におきまして、主に、前事業年度にインフルエンザの流行期に備えインフルエンザ検査薬の在庫を備蓄していたものの、急速に終息したことに伴い、生産を調整したことによるものであります。
ロ.受注状況
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。
| 市場分野の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 病院・開業医分野 | 5,988,736 | 101.0 |
| OTC・その他分野 | 438,865 | 89.1 |
| 合計 | 6,427,602 | 100.1 |
(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社メディセオ | 916,021 | 14.3 | 993,810 | 15.5 |
| 東邦薬品株式会社 | 924,048 | 14.4 | 959,927 | 14.9 |
| 富士フイルム株式会社 | 944,918 | 14.7 | 809,843 | 12.6 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債並びに会計期間における収入・費用の数値に影響を与える確かな見込みに基づく見積りにより行われておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの結果と異なる可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ3百万円増加して64億27百万円(前期比0.1%増)となりました。
病院・開業医分野におきましては、2018/2019シーズンのインフルエンザの流行は、1月のピーク時においては、患者数が過去最多数となった前シーズン(2017/2018)を超える強い流行となったものの、前シーズンとは異なり急速に終息に向かったことから、その後のインフルエンザ検査薬の需要が大幅に減少しました。一方、2019/2020シーズンの流行は例年より早く始まり、第4四半期において検査薬の需要は増加しましたが、第1四半期の減収の影響が残り、インフルエンザ検査薬全体の売上高は、31億96百万円(前期比3.3%減)となりました。
その他感染症項目の検査薬につきましては、RSV/ヒトメタニューモウイルス検査薬や肺炎球菌/レジオネラ検査薬は、シェアの拡大に伴い売上高が大きく伸長しました。また、アデノウイルス検査薬やStrep A(A群β溶血連鎖球菌)検査薬は、流行の弱さの影響を受けたものの堅調に推移するなど、その他感染症項目の検査薬全体では増収基調が継続しました。これらに加え、2018年10月に発売開始した遺伝子POCT検査の機器・試薬も売上高の増加に貢献しました。
これらの結果、その他感染症項目の検査薬や遺伝子POCT検査の機器・試薬による増収が、第1四半期におけるインフルエンザ検査薬の減収分を補い、病院・開業医分野全体の売上高は59億88百万円(前期比1.0%増)となりました。
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、価格競争が続くなか販促企画等により売上高の維持に努めましたが、OTC・その他分野全体の売上高は4億38百万円(前期比10.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前事業年度に比べ10百万円減少して20億87百万円(前期比0.5%減)となりました。売上原価率は32.5%となり、前事業年度に比べ0.2ポイント低下いたしました。これは主に、製品改良に伴いたな卸資産廃棄損の増加があったものの、売上構成比の変化及び原価低減施策の効果によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ1億22百万円増加して32億28百万円となりました。これは主に、久留米工場・遺伝子研究所の事業開始に伴う一時費用の発生及び減価償却費の増加並びに輸送コストの増加によるものであります。
(営業利益)
営業利益は、前事業年度に比べ1億9百万円減少して11億11百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前事業年度と同水準の2百万円となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ9百万円減少して2百万円となりました。これは主に、前事業年度に計上した東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第二部への市場変更費用によるものであります。
(経常利益)
経常利益は、前事業年度に比べ1億円減少して11億11百万円となりました。また、売上高経常利益率は17.3%となり、前事業年度に比べ1.6ポイント低下し、収益性が低下しております。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、前事業年度に比べ59百万円増加して59百万円となりました。これは、久留米工場・遺伝子研究所の設置に伴う補助金収入によるものであります。
特別損失の計上はありませんでした。
(当期純利益)
当期純利益は、前事業年度に比べ44百万円減少して8億74百万円となりました。
インフルエンザ検査薬は、当社の売上高(通期)の約50%を占める主力製品であり、インフルエンザの流行時期は冬季であることから、売上高及び営業利益が、第1四半期会計期間(1~3月)及び第4四半期会計期間(10~12月)に集中する傾向にあります。このような傾向に対応するため、当社は、非季節性及び夏季流行性の感染症などその他感染症項目の検査薬の拡充に努め、インフルエンザ検査薬への依存度の軽減とともに季節変動の平準化を図っております。
機器試薬システムの試薬の売上高が伸長していることを主因としてインフルエンザ検査薬の売上高が増加しているため、売上高及び営業利益が第1四半期会計期間及び第4四半期会計期間に集中する傾向は依然として変わりはないものの、その他感染症項目の検査薬の拡充に伴い、第2四半期会計期間及び第3四半期会計期間の売上高の底上げは着実に進んでおります。
しかし、現時点においては、インフルエンザ検査薬が当社の売上高の約50%を占めていること、また、インフルエンザの流行は、例年12月頃に始まり1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃に終息に向かうことから、特に当社の第1四半期会計期間(1~3月)の業績は、その流行の開始時期や規模(ピークの高さや終息までの期間)による影響を受けやすい状況となっております。
今後につきましては、インフルエンザ検査薬への依存度をさらに軽減するため、その他感染症項目の検査薬の拡充や遺伝子POCT事業の拡大を推し進めてまいります。
当事業年度(第43期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益は、以下のとおりであります。
| 第43期(2019年12月期)の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益 | |||||
| (単位:百万円) | |||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第43期 合計 | |
| 売上高 | 1,816 | 1,030 | 1,282 | 2,297 | 6,427 |
| 内インフルエンザ検査薬の売上高 | 1,169 | 172 | 409 | 1,444 | 3,196 |
| 売上高の四半期百分率 | 28.3% | 16.0% | 20.0% | 35.7% | 100% |
| 営業利益 | 382 | 52 | 95 | 580 | 1,111 |
| (ご参考) 直近2事業年度の四半期会計期間ごとの売上高及び営業利益 | |||||
| 第42期(2018年12月期) | |||||
| (単位:百万円) | |||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第42期 合計 | |
| 売上高 | 2,150 | 942 | 1,176 | 2,153 | 6,423 |
| 内インフルエンザ検査薬の売上高 | 1,519 | 163 | 374 | 1,250 | 3,307 |
| 売上高の四半期百分率 | 33.5% | 14.7% | 18.3% | 33.5% | 100% |
| 営業利益 | 551 | 27 | 97 | 544 | 1,220 |
| 第41期(2017年12月期) | |||||
| (単位:百万円) | |||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第41期 合計 | |
| 売上高 | 1,631 | 897 | 1,036 | 2,059 | 5,624 |
| 内インフルエンザ検査薬の売上高 | 1,093 | 213 | 287 | 1,228 | 2,822 |
| 売上高の四半期百分率 | 29.0% | 16.0% | 18.4% | 36.6% | 100% |
| 営業利益 | 287 | 11 | 12 | 538 | 850 |
(注)インフルエンザ検査薬には、「クイックチェイサー Flu A,B」、「クイックチェイサー Auto Flu A,B」及び富士フイルム株式会社向け機器試薬システムの試薬が含まれております。
ロ.財政状態の分析
当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ7億83百万円増加し、63億66百万円となりました。これは主に、久留米工場・遺伝子研究所の竣工及び設備の導入により、建物仮勘定2億97百万円の減少があった一方で、建物の増加7億63百万円、機械及び装置の増加78百万円及び構築物の増加68百万円があったこと並びに売掛金の増加2億99百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ1億85百万円増加し、26億12百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少3億円、買掛金の減少1億21百万円及び電子記録債務の減少72百万円があったものの、久留米工場・遺伝子研究所の建設及び設備の導入に伴う資金需要による長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の増加5億75百万円及び未払金の増加42百万円があったことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ5億97百万円増加し、37億53百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加5億98百万円によるものであります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。
運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。
なお、かねてより計画しておりました、久留米工場・遺伝子研究所の建設及び生産設備の導入につきまして、当事業年度における投資活動により減少した資金7億62百万円のうち、当該工場等に係る支出は6億74百万円であります。また、当該設備投資にあたり、長期借入れ7億円を実行しております。