訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/03/02 9:30
【資料】
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【項目】
102項目

対処すべき課題

当社グループは、以下を対処すべき課題であると認識しております。
(1) 開発力の強化
近年の競争激しい国内外の市場環境に対応するためには、より迅速且つ高度な製品開発が求められております。この課題に対処するため、自由度の高い研究開発体制の構築、産官学連携共同研究の推進等により基礎研究及びコア技術の開発環境を整備し、当社にしかない「オンリーワン製品」の開発を目指してまいります。更に、市場要求と顧客ニーズを的確にとらえたタイムリーな製品開発プロセスを構築し、品質レベルを維持しながらより一層の開発スピードアップを推進してまいります。
(2) ソリューションビジネスの強化・推進
上記製品開発力の強化とともに、刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速に対応する必要があると考えております。この課題に対処するため、小型魚類飼育水槽システム「ラブリード」、補助人工心臓用耐久試験装置「ラボハート」等の高付加価値ユニット製品の機能を最大限に引き出すためのコンサルティング業務を強化・推進してまいります。更に、顧客からの高度な流体制御に対する要望に応えるため、実液でのシミュレーション評価試験等を踏まえた各種システム提案を積極的に推進してまいります。そして、当社製品を長期間に亘って安心して使ってもらうためのビフォアー&アフターメンテナンスサービスをより充実させることによって、当社ブランドに対する信頼性の向上を図ってまいります。これらソリューションビジネスをより一層強化・推進することで競合との差別化を図り、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ってまいります。
(3) 海外事業の拡大
国内産業構造の海外移転の流れが今後も続いていくなかで、より一層の海外需要の開拓及び海外での受注拡大が必要であると考えております。この課題に対処するため、60製品以上のシリーズがある当社製品ラインアップの特性に応じて海外調達及び生産の方針を明確にし、今後より一層海外調達及び生産を推進拡大することによって、海外事業の拡大を図ってまいります。更に、今後、当社グループ海外事業拡大のためには、当社グループ間のコミュニケーション強化が不可欠であると認識しており、グループウェアの導入等ITインフラの整備を図ってまいります。また、海外事業拡大のためには各地域の特性を知り、それに適応したマーケティング活動が不可欠であるとの認識から、従前より海外との連携を緊密に取っておりましたが、多様化するユーザーニーズをより的確に把握するため、各市場に対する専門的知識を有する海外各重点地域マーケティングマネージャーの専任等、当社関連部門の体制強化を図ってまいります。
(4) 教育システムの構築
当社グループでは、上記のような経営環境の変化に対応した組織体制、人材育成が不可欠であると考えており、「企業は人なり」の原点に立ち戻り、今後当社グループが真のグローバル企業として、「オールイワキで世界No.1を提供する」ために必要な人材を育成するため、人事ポリシーと求める人材像を明確にしたうえで、人事諸制度を見直し教育体系へと落とし込み、それらの運用を推進してまいります。
これらの課題に対処すべく、第60期より、今後当社グループが一丸となって取り組んで行くための明確な指針として、10年後の当社グループのあるべき姿「イワキグループ10年ビジョン」を策定し、以下の分野を変革と挑戦の六分野として位置付けております。
a. 情報・意志・価値の相互疎通
b. 組織とグループ文化
c. 製品と技術・開発
d. 生産と物流
e. 全ての販売基盤と販売
f. 保守・点検・整備事業
当社グループは、第61期よりこれらの六分野において、「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する」という当社の経営理念を実現し、価値ある製品と価値あるサービスを提供する「ソリューションカンパニー」として、世界全市場の顧客から信頼を勝ち取るため、「ありたい姿」「経営姿勢」「行動姿勢」の行動指針を定めて取り組んでおります。
また、当社グループでは「ポンプという製品をお客様に提供しているのではなく、ポンプという製品を用いて『薬液を移送する』という機能を提供している」という共通認識の下、すべての従業員がお客様との接点であると考え、従業員一人ひとりの能力や意識を高めることに努め、「企業品質の向上」、「顧客対応能力の向上」、「安定的な収益体制の構築」及び、「コンプライアンス経営の推進」の四つの基本方針を基に、持続的な業績の向上を目指してまいります。