有価証券報告書-第11期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/12/27 17:10
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【項目】
104項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、中国の景気減速並びに、イギリスのEU離脱決定等の影響により、先進国を中心に回復基調は維持されたものの、全体的に緩やかな経済成長に留まりました。
これに対し、我が国の経済は、雇用・企業収益の改善に加え、2020年の東京オリンピック開催を控え、国内需要の増加やインバウンド需要による後押しにより、引き続き堅調なペースで景気が拡大しております。
旅行業界におきましては、平成29年1月から9月の日本人出国者数の累計は1,341万人で、前年同月時点の累計を約70万人上回っております。(出所:日本政府観光局(JNTO))また、訪日外国人観光客は平成29年1月から9月で2100万人を超え、今年の3月に決定した「明日の日本を支える観光ビジョン」における平成32年の目標である4000万人に向け、順調に推移しております。
このような状況のもと、当社はオンライン旅行代理店として、国内航空券販売を主軸に、サービスラインの多角化を図り、引き続き業績を拡大して参りました。また、オンライン旅行事業におけるノウハウを活かし、訪日旅行客を対象としたサービスを引き続き推進しております。
平成24年より開始したITオフショア開発事業においては、ベトナムにおけるラボ型開発を主軸に、多業種にわたり順調に顧客先を獲得し、雇用エンジニア数を増加させ、平成29年9月現在は750名規模まで成長しております。 また、上場来本格化した投資事業においては、成長企業への投資を積極的に進め、平成29年9月現在、投資先を22社まで拡大しております。
このような環境の中、当社グループの当期連結累計期間の売上高は5,534,194千円、営業利益は730,853千円、経常利益は695,876千円、税金等調整前当期純利益695,876千円、親会社株主に帰属する当期純利益は420,193千円となりました。
なお、当社は平成30年9月期からIFRSへの移行を予定しており、当連結会計年度のIFRSにおける業績(非監査の参考数値)は売上高5,633,154千円、営業利益は1,008,390千円、親会社の所有者に帰属する当期純利益は765,350千円となります。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
① オンライン旅行事業
オンライン旅行事業では、以下4つのサービスを提供しております。
・BtoCサービス(PC、スマートフォンにて一般消費者向けの旅行商材の直販サイトの運営)
新規顧客獲得のためにマスマーケティング、SEM強化、基幹システムの大幅リニューアル、リピーター増加施策のためにUIの改善等を実施したことが寄与し、利用者が順調に増加致しました。
・BtoBtoCサービス(提携先企業のブランドにて旅行コンテンツを提供する事業)
大手提携先の開拓強化、主要取引先のニーズに合致したサービスの提供、取引先とのコミュニケーションを強化したことが寄与し、利用額が増加致しました。
・BtoBサービス(他社旅行会社に対するホールセール事業)
航空会社の業界動向や取引先の施策に影響を受ける部分があり、国内線運航数の増加にともない、国内航空券を取り扱うオンライン旅行代理店業界全体が活況となり、売上高は堅調に推移しました。
・BTMサービス(企業の出張に係る社内承認手続き及び手配を一元管理する事業)
基本的に顧客企業数の増加及び利用率の増加と連動して売上が増加するビジネスモデルであるため、営業人員の追加、及び既存顧客中の利用率が相対的に低い顧客の掘り起し等を実施したことにより成長しました。
以上の結果、当連結会計年度のオンライン旅行事業の売上高は3,894,626千円、セグメント利益は964,821千円となりました。
② ITオフショア開発事業
ITオフショア開発事業では、ベトナムのホーチミン、ハノイ及びダナンにて、主にEコマース・Webソリューション・ゲーム・システム開発会社等を顧客として、ラボ型の開発サービスを提供しております。
当社のラボ型開発モデルは、顧客ごとに専属のスタッフを都度新規採用してチームを組成する点にあります。また、顧客が随時ラボの開発状況を確認することが可能なスタイルとなっております。専属スタッフの中長期的なアサインを前提としておりますので、採用段階でいかに顧客のニーズに合致した人材を採用するか、各エンジニアのモチベーションをいかに高めていくかが開発の成否を左右します。
また、基本的に人月単価×人員数によって顧客に請求を行うビジネスモデルであり、クライアントに提供するエンジニア数と人月単価が売上に大きく影響を与えます。当連結会計年度においてはエンジニアの人員数の増加と、開発の効率化に伴う単価の上昇が、売上の増加に寄与しました。
この結果、当連結会計年度のITオフショア開発事業の売上高は1,661,001千円、セグメント利益は163,472千円となりました。
③ 投資事業
投資事業では、既存事業とのシナジーを重視し、積極的なM&A、資本業務提携により、サービスラインの拡充とともに収益向上のために、成長企業への投資を推進しております。当連結会計年度においては、投資先を22社まで拡大し、初となるイグジット案件となる株式会社かんざしの一部株式売却にいたりました。
この結果、当連結会計年度の投資事業の売上高は103,372千円、セグメント利益は68,351千円となりました。
(2) キャッシュフローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末より146,600千円減少し、2,078,651千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度末より387,752千円減少し、216,877千円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益を695,876千円計上し、たな卸資産が230,089千円減少し、仕入債務が208,206千円増加した一方で、営業投資有価証券が1,003,053千円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、前連結会計年度末より856,186千円増加し、1,312,298千円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出294,567千円、無形固定資産の取得による支出467,803千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出567,753千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、前連結会計年度末より534,135千円減少し、942,928千円となりました。この主な要因は、短期借入による収入416,900千円、長期借入の借入による収入514,500千円、長期借入の返済による支出26,322千円によるものであります。