訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/03/29 12:01
【資料】
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【項目】
108項目

対処すべき課題

現在、スーパーマーケット業界の事業環境は、消費環境の変化や業態の壁を超えた競争が激化しており、大手から中小まで生き残りをかけた淘汰の時代に入っております。また、消費者の食の安全・安心への視線もより厳しいものとなっております。
当社グループでは、このような事業環境の下、企業規模拡大と収益力強化の機会と捉え、効率的な経営体制と内部管理制度を整備し、「お客様第一主義」の顧客指向を促進し、一層の企業価値向上を目指してまいります。
当社グループの中長期的な経営戦略と対処すべき課題は以下の通りであります。
(1) 食の安全性の確保
昨今、食の安全性について様々な問題が取りざたされております。当社グループは、従来から安心・安全な商品の提供を追求しており、BSEや鳥インフルエンザ問題が発生した際にも、精肉売場の縮小をすることなく、食品として精肉の安全面をアピールしながら事業展開を行ってまいりました。
当社グループでは、「生鮮館」「卸売市場」の全店(大曲店を除く)と「パワーマート」全店、加工物流センターにおいて、ISO9001(品質マネジメントシステム)を認証取得しております。これは、顧客に常に高鮮度・高品質で安全な商品を提供すること、満足できる商品・売場サービスを提供することを追求した結果、取得が必要と判断したものであります。今後も、当社グループ全店舗ベースでの品質向上に取り組んでまいります。
また、安心・安全な商品を安定的に仕入れるため、食材の仕入先とは、長い取引による信頼関係を構築することに努めております。短期的な仕入価格の引下げ等に左右されることなく、信頼できる仕入先とのみ取引を行うため、当社グループでは産地や出処等が不明な商品が店頭に並べられることはありません。今後も顧客が安心して食材を購入できる売場づくりに努めてまいります。
(2) 店舗における競争力強化
当社グループは、「お客様第一主義」を掲げる観点から、顧客が来店する店舗について、以下の取り組みを推進し、競合他社に対する優位性を確立してまいります。
① 来店顧客数の増加と顧客単価の拡大
顧客ニーズを満たした商品の継続的な投入とお客様に満足していただける価格で購買意欲を高める商品の単品大量販売の定期的な実施等に取り組み、計画的な販売促進や広告宣伝の実施により、一層の来店客数拡大と顧客当たりの点数増加による顧客単価の拡大を図ってまいります。
また、成長戦略として、東京23区内とその郊外を中心に、新規出店を積極的に進めると共に、M&Aによる店舗網の拡大も検討してまいります。
② 店舗運営の効率化向上
店舗内の作業見直しや、オペレーションを省力化するためのシステムの整備等により、一層の効率化を推進してまいります。
(3) 人材育成
当社グループでは経営方針の一つに「人材育成」を掲げており、真のプロフェッショナルを育成していくことは当社グループの使命の一つであると考えております。当社グループにおける人事政策は、「優秀な人材の確保と、能力開発・育成を図ることが企業の発展と成長の根源である」との考えから、適材適所、公平な能力評価そして働き甲斐、生き甲斐、活気のある職場作りに重点をおいております。
当社グループでは、今後も積極的な新規出店を行うこととしており、店舗展開に必要な人材の確保に引き続き努めてまいります。
(4) 備蓄・加工体制の強化
当社グループでは、単品の大量販売を各店舗で定期的に実施しております。単品を大量に仕入れることにより、商品単価の低下が図られ、顧客に安価な商品を提供することが可能になるものと考えております。当社の加工物流センターは、冷凍・冷蔵機能を備えた商品を大量に備蓄できるキャパシティがあり、単品の大量販売ができる体制を支えております。
当社の加工物流センターは、倉庫機能に加え、精肉原料から商品に加工・製造する機能を有しておりますが、店舗にも商品を加工できる技術がある人材と設備を配置しており、売切れや欠品等の状況に迅速に対応し、販売機会ロスを防ぐことに努めております。
また、当社グループでは、平成28年5月に新加工物流センターが竣工となる計画であります。新加工物流センターの稼働により、備蓄・加工体制が一層強化できるものと考えております。
(5)店舗・本部の連携強化と効率化の推進
店舗や加工物流センターにおける従業員とパート・アルバイトの人員数や割合をコントロールし、人件費の適正化を図り、店舗における水道光熱費の抑制、環境面に配慮した包材やレジ袋等の使用、物流の効率化等を推進し、販売費及び一般管理費の適正化を進めてまいります。また、業務の効率化に係る店舗間の情報共有に努め、グループ全体で経費の適正化を図ってまいります。
(6)CSR(企業の社会的責任)を重視した経営
内部管理体制の一層の充実を図り、コンプライアンスの遵守とリスクマネジメントを強化し、正確かつ迅速な情報の開示と財務諸表等の適正開示に努めてまいります。
また、店舗と加工物流センターにおける品質管理体制の継続的な強化を図り、食の安全・安心を追求してまいります。
さらに、ISO9001(品質マネジメントシステム)による管理手法を遵守し、来店する顧客の信頼を継続的に得ることに努め、企業の社会的責任を果たしてまいります。