有価証券報告書-第15期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業の精神「飛脚の精神(こころ)」のもと、一.お客様と社会の信頼に応え 共に成長します
一.新しい価値を創造し 社会の発展に貢献します
一.常に挑戦を続け あらゆる可能性を追求します
を企業理念とし、お客様から「安心」「満足」「信頼」をいただけるサービス・品質向上を図っております。今後も社会の変化・顧客のニーズに迅速に対応し、トータルなソリューションの提供を実現させ、一層社会に必要とされる企業体を目指してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
現在の日本経済を取り巻く環境は、少子高齢化を背景に労働需給が一段とひっ迫する中、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目的とした働き方改革関連法が順次施行されております。また、eコマース市場の伸長を背景に物流業界、とりわけ宅配便に対する社会のニーズが益々高まっており、顧客のグローバル化、消費者ニーズの多様化による物流機能の高度化が求められております。一方、2020年以降は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)の拡大が経済全般に影響を与え、先行きが不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループは、2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「Second Stage 2021」を「経営基盤の強化」と位置付け、次の経営戦略を重点的に取り組んでおります。
(中期経営計画の経営戦略)
① グループ総合力の結集による進化した物流ソリューションの提供
② 経営資源の価値最大化による成長基盤の確立
③ デジタル化の推進と最新技術の導入による効率化・顧客利便性の追求
④ グローバル物流事業における顧客基盤拡大と高いプレゼンスの発揮
⑤ 組織・人材の課題解決力の高度化による競争優位性の創出
⑥ 経営管理体制の一層の強化及びステークホルダーの満足度向上
(中期経営計画の進捗状況)
① グループ総合力の結集による進化した物流ソリューションの提供
・物流ニーズの高度化
2020年初頭からの感染症の世界的な拡大が、主要港のロックダウン、米国でのコンテナの長期滞留及び航空機の運航本数削減等、サプライチェーンに多大な遅延や障害をもたらしました。国内においては、外出自粛によるeコマース市場の急拡大や消費者ニーズの多様化を背景に、商品の多品種小ロット化と流通の多頻度化が進み、企業の物流はより複雑化しております。このような変化を受け物流業界では、物流機能の高度化が求められるとともに、宅配便に代表される小口配送のニーズが更に高まっております。
当社グループでは、2020年2月に開設した次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」(以下「Xフロンティア」という)が本稼働いたしました。「Xフロンティア」は、宅配便の大規模中継センター機能を有しており、高性能な仕分け搬送機等の導入により1時間当たり約10万個の仕分けが可能となり、ネットワーク全体での取扱個数のキャパシティを押し上げる効果が見込めます。また、国際物流、eコマース向け物流プラットフォーム、大型・特殊輸送などグループの様々な物流機能を集約しており、より高度な物流の提供が可能となりました。「Xフロンティア」を起点に、「GOAL」を継続的に強化・進化させながら、変化する顧客ニーズに合致した物流ソリューションを提供し、事業拡大を推進してまいります。
・アライアンスによるソリューションの強化
2016年3月30日付で株式会社日立物流と資本業務提携契約を締結いたしました。また、2019年8月に、セイノーホールディングス株式会社と業務連携に向けた基本合意を締結し、続いて、様々なスタートアップ企業と資本・業務提携契約を締結するなど、物流業界での協業関係の強化を進めております。当社グループとアライアンス先との経営資源を双方で活用することで、新たな物流ソリューションの提供、車両・センターの共同活用による効率化等、様々な事業連携に取り組んでおり、今後も引き続き事業シナジーを創出してまいります。
② 経営資源の価値最大化による成長基盤の確立
・輸送ネットワークの強化
eコマース市場の拡大により、社会の宅配便に対するニーズが高まっております。当社グループは、このようなニーズに応えるため、「Xフロンティア」を新設いたしました。関東の複数の中継センターを「Xフロンティア」に集約することで、より効率的な輸送ネットワークを構築し、高品質で安定的な宅配サービスの提供を実現してまいります。コロナ禍で急激に増加した個人宅への配達に対応するために、営業所の増強、路線便の拡充、委託先との良好な関係の構築など輸送インフラの強化に取り組むとともに、生産性の向上に努めてまいります。
・機能分担の明確化など競争力のある組織の構築
労働需給がひっ迫する中、限りある人的資源を効果的に、高い生産性で働くことができる環境整備に取り組んでおります。具体的には、セールスドライバーがより営業活動に注力するために、手書き伝票のデジタル化や、点呼・運行管理のスマートフォンを使用した遠隔管理等、ITによる作業負荷軽減を進めております。また、個人宅の配送においては、品質を維持・向上させながら輸送効率を高めていくために、宅配の専門ドライバーや委託先の拡充を推進しております。加えて、それぞれの職務の成果に応じた評価制度・報酬体系を構築することにより、従業員のモチベーションの向上など組織力の強化に取り組んでおります。
③ デジタル化の推進と最新技術の導入による効率化・顧客利便性の追求
・デジタル化の推進
生産年齢人口の継続的な減少が見込まれるわが国では、労働力不足は極めて深刻な問題であります。当社グループでは、労働力の確保・強化を図る一方で、積極的に最新技術を含むIT技術の利用を促進し、省力化・省人化に取り組んでおります。具体的には、配達伝票をデジタル化し荷物の状態を可視化することで、積み降ろしや配達などの業務の効率化を目指しております。今後も積極的にデジタル化を推進し、生産性の向上や顧客利便性を高めてまいります。
・最新技術の導入
近年、通信やAIに代表されるデジタル化の進歩はめざましく、当社グループでは最新技術の積極的な活用に取り組んでおります。具体的には、年間14億個を超える宅配便伝票に一部混在する手書きの伝票を、AI-OCRを用いデータ化し、配達伝票のフルデジタル化を目指しております。宅配便情報の一元管理により、最適な配達ルートをAIにより算出し、ドライバーが所持しているスマートフォンの地図上に表示することで、配達業務の効率化と平準化を進めてまいります。
④ グローバル物流事業における顧客基盤拡大と高いプレゼンスの発揮
・グローバルネットワークの更なる強化
2020年9月以降、米国の巣ごもり需要の急増に端を発した世界的なコンテナ不足は、海上と航空運賃の高騰を招きました。このような環境の中、南アジア・東南アジア・東アジア・アフリカ等から欧米への物流ネットワークに強みがあるEXPOLANKA HOLDINGS PLC(以下「エクスポランカ社」という)は、海上及び航空コンテナのスペースを安定的に確保したことで、新規顧客の獲得につなげました。今後、日本を基軸として展開する国際物流ネットワークと連携させることにより、新興地域でのグローバル物流の強化に取り組んでまいります。
・日本発着の国際物流強化
近年、eコマースにおきましてもボーダーレス化が進行しており、日本における越境ECのマーケットは毎年10%を超えるスピードで成長しております。特に中国及びASEANは、市場規模が大きく今後の成長も見込めることから、注力すべきエリアであると認識しております。海外現地の有力なパートナーとのアライアンス構築などを積極的に展開し、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。
⑤ 組織・人材の課題解決力の高度化による競争優位性の創出
・フラットな組織風土の醸成
当社グループでは、グローバルで10万人近い人々が働く企業グループとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、誰にとっても働きやすく、働きがいのある職場環境の創出に努めております。従来、女性活躍推進を重要課題に定め、管理職への登用、職域の拡大及び環境・制度の整備の取組みを実施してまいりました。今後、ジェンダー平等の取組みへと活動の幅を広げてまいります。多様な価値観を尊重し、柔軟な意思決定を行うことで、新たな価値の創出を目指してまいります。
・働き方改革の一層の取組み
感染症の拡大を契機に、働き方が大きく変化いたしました。当社グループにおきましても、在宅勤務制度の整備を行い、テレワークを推進しております。また、ITインフラの整備やコミュニケーションツールを標準装備することで、在宅勤務においても高い生産性で業務を遂行できる環境の構築に取り組んでおります。
⑥ 経営管理体制の一層の強化及びステークホルダーの満足度向上
・コンプライアンス体制の強化
当社グループでは、「SGホールディングスグループ倫理・行動規範」に則ったコンプライアンスを含む経営管理体制について、適宜必要な委員会・プロジェクトの発足及び推進を通じて着実に強化を図っております。具体的には、当社のガバナンス高度化を目的として、取締役候補者の指名や取締役が受ける報酬の妥当性を判断するために「指名・報酬諮問委員会」を設置いたしました。また、当社及びグループ各社においてコンプライアンス統括責任者を任命し、法令等の遵守、懸念事象発生時の報告及び対応を行うとともに、グループリスクマネジメント会議においても定期的に重要事項の報告を行うなど、グループ横断的に対応しております。さらに、これを支える内部通報制度については、消費者庁の定める「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」に基づく内部通報制度認証基準に適合している事業者として、「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」の認証を受けました。
・事業活動を通じたSDGsへの貢献
当社グループでは、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」採択の趣旨に賛同し、独自の目標を定め、事業活動を通じて、積極的に推進しております。具体的には、2019年5月に、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同するなど社会の課題解決に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しております。また、ステークホルダー経営を推進するために、CSR重要課題として次の7項目を定めて、事業活動を推進しております。
(CSR重要課題)
① 安全・安心なサービスの提供
② 環境に配慮した事業推進
③ 個性・多様性を尊重した組織づくり
④ 総合物流ソリューションによる新しい価値の創造
⑤ 地域社会への貢献
⑥ サステナブル調達の推進
⑦ 責任ある経営基盤の構築
(3)経営環境と対応方針
① 全般
現在のわが国経済は、感染症拡大による再三の緊急事態宣言発出を受け停滞しております。外出自粛に伴うサービス消費の減少などを背景に、非製造業の経済活動が弱含む一方、製造業は、中国向けを中心とした輸出の回復を受けて底堅く推移しております。物流業界におきましては、巣ごもり消費に端を発したeコマース市場の急拡大を受け、個人向けを中心とした宅配便が急増しております。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図る政府の総合経済対策を円滑かつ着実に実施すること等により、経済が感染症拡大前の水準に回帰することが見込まれる一方で、変異ウイルスによる感染の拡大など、感染症の収束が未だ見えないことから、先行きは不透明な状態が続いております。
当社グループの主力事業である国内におけるデリバリー事業や、ロジスティクス事業におきましては、eコマース市場の拡大を背景に、成長トレンドが続いておりますが、経済活動全般が抑制されることから鈍化することも想定され、先行きの不透明感は継続しております。また、国際物流におきましても、感染症の影響による世界的な海上コンテナ不足が発生しており、サプライチェーンの混乱は継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、社会インフラの一部を担う物流企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献するために、安定した物流の提供に加え、グループ一体となった付加価値サービスの更なる強化や経営基盤の強化に取り組んでまいります。
② デリバリー事業
感染症拡大により、外出の自粛が継続している中、人々の購買行動は、店舗で直接商品を手に取り購入する形から、インターネット等を介した通信販売へと大きく転換しております。この変化により、2021年3月期の国内における宅配便の取扱個数は、前年比11.6%増の4,751百万個と大幅に増加いたしました。
当社グループでは、急激な宅配便の増加に対応するため、2020年10月から稼働を開始した「Xフロンティア」の中継センターを当初計画よりも早く本稼働させました。これにより最繁忙期である年末には、前年に比べ10%を超える荷物についても安定した品質でお届けすることができました。他方で、多様な働き方への対応、業務に応じた協力会社の活用、デジタライゼーションによる業務効率化など、労働環境の改善や生産性の向上に積極的に取り組んでおります。
宅配便に次ぐ第二の主力商品と位置付けている「TMS」につきましては、全国の自治体よりコロナワクチン輸送の要望を、多数いただいております。今後更に高まる多様なニーズに対応するために、受託範囲の拡大とシステム化を推し進め、迅速に対応できる体制を構築してまいります。
③ ロジスティクス事業
国内においてeコマース需要が拡大する中、中小企業向けのECプラットフォームの提供を進めております。また、成長著しい越境通販など、日本発着の国際物流にも注力しております。
海外では、世界的な海上コンテナ不足が発生しており、海上及び航空貨物のコンテナスペースのひっ迫によりサプライチェーンが混乱しております。このような環境のもと、アジアのネットワークに強みのあるエクスポランカ社は、海上及び航空コンテナスペースを安定的に確保できたことにより、新規顧客の獲得につなげました。今後、更なるグローバルネットワークの拡充に加えて、成長著しい越境通販など、日本発着の国際物流にも注力してまいります。
④ 不動産事業
日本のEC化率は、中国や欧米に対し未だ低い水準であることから、宅配便の取扱個数は今後も継続的に増加することが見込まれます。当社グループにおいては、このような旺盛な需要に対応するため、ラストワンマイルの配達強化が重要な課題であると認識しております。老朽化や狭隘が顕在化した全国の営業所に対し、改修や代替施設の建設など輸送ネットワーク全体の強化を進めてまいります。
⑤ その他
その他の事業は、効率的な物流ソリューションを提供するための基盤となる様々な機能で構成されております。高度化する物流ニーズや生産年齢人口の減少が続く中、効率的で安定的な物流を実現するために、デジタル化による生産性の向上や顧客の利便性の向上に取り組んでおります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、次のとおりです。
(注)営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。
2022年3月期の連結業績予想
当社グループの2022年3月期連結業績予想は、感染症の影響により先行きの不透明感があるため、特に主力のデリバリー事業の取扱個数については当期と同程度の数量とセールスミックスを前提とし作成しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業の精神「飛脚の精神(こころ)」のもと、一.お客様と社会の信頼に応え 共に成長します
一.新しい価値を創造し 社会の発展に貢献します
一.常に挑戦を続け あらゆる可能性を追求します
を企業理念とし、お客様から「安心」「満足」「信頼」をいただけるサービス・品質向上を図っております。今後も社会の変化・顧客のニーズに迅速に対応し、トータルなソリューションの提供を実現させ、一層社会に必要とされる企業体を目指してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
現在の日本経済を取り巻く環境は、少子高齢化を背景に労働需給が一段とひっ迫する中、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を目的とした働き方改革関連法が順次施行されております。また、eコマース市場の伸長を背景に物流業界、とりわけ宅配便に対する社会のニーズが益々高まっており、顧客のグローバル化、消費者ニーズの多様化による物流機能の高度化が求められております。一方、2020年以降は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)の拡大が経済全般に影響を与え、先行きが不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループは、2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画「Second Stage 2021」を「経営基盤の強化」と位置付け、次の経営戦略を重点的に取り組んでおります。
(中期経営計画の経営戦略)
① グループ総合力の結集による進化した物流ソリューションの提供
② 経営資源の価値最大化による成長基盤の確立
③ デジタル化の推進と最新技術の導入による効率化・顧客利便性の追求
④ グローバル物流事業における顧客基盤拡大と高いプレゼンスの発揮
⑤ 組織・人材の課題解決力の高度化による競争優位性の創出
⑥ 経営管理体制の一層の強化及びステークホルダーの満足度向上
(中期経営計画の進捗状況)
① グループ総合力の結集による進化した物流ソリューションの提供
・物流ニーズの高度化
2020年初頭からの感染症の世界的な拡大が、主要港のロックダウン、米国でのコンテナの長期滞留及び航空機の運航本数削減等、サプライチェーンに多大な遅延や障害をもたらしました。国内においては、外出自粛によるeコマース市場の急拡大や消費者ニーズの多様化を背景に、商品の多品種小ロット化と流通の多頻度化が進み、企業の物流はより複雑化しております。このような変化を受け物流業界では、物流機能の高度化が求められるとともに、宅配便に代表される小口配送のニーズが更に高まっております。
当社グループでは、2020年2月に開設した次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」(以下「Xフロンティア」という)が本稼働いたしました。「Xフロンティア」は、宅配便の大規模中継センター機能を有しており、高性能な仕分け搬送機等の導入により1時間当たり約10万個の仕分けが可能となり、ネットワーク全体での取扱個数のキャパシティを押し上げる効果が見込めます。また、国際物流、eコマース向け物流プラットフォーム、大型・特殊輸送などグループの様々な物流機能を集約しており、より高度な物流の提供が可能となりました。「Xフロンティア」を起点に、「GOAL」を継続的に強化・進化させながら、変化する顧客ニーズに合致した物流ソリューションを提供し、事業拡大を推進してまいります。
・アライアンスによるソリューションの強化
2016年3月30日付で株式会社日立物流と資本業務提携契約を締結いたしました。また、2019年8月に、セイノーホールディングス株式会社と業務連携に向けた基本合意を締結し、続いて、様々なスタートアップ企業と資本・業務提携契約を締結するなど、物流業界での協業関係の強化を進めております。当社グループとアライアンス先との経営資源を双方で活用することで、新たな物流ソリューションの提供、車両・センターの共同活用による効率化等、様々な事業連携に取り組んでおり、今後も引き続き事業シナジーを創出してまいります。
② 経営資源の価値最大化による成長基盤の確立
・輸送ネットワークの強化
eコマース市場の拡大により、社会の宅配便に対するニーズが高まっております。当社グループは、このようなニーズに応えるため、「Xフロンティア」を新設いたしました。関東の複数の中継センターを「Xフロンティア」に集約することで、より効率的な輸送ネットワークを構築し、高品質で安定的な宅配サービスの提供を実現してまいります。コロナ禍で急激に増加した個人宅への配達に対応するために、営業所の増強、路線便の拡充、委託先との良好な関係の構築など輸送インフラの強化に取り組むとともに、生産性の向上に努めてまいります。
・機能分担の明確化など競争力のある組織の構築
労働需給がひっ迫する中、限りある人的資源を効果的に、高い生産性で働くことができる環境整備に取り組んでおります。具体的には、セールスドライバーがより営業活動に注力するために、手書き伝票のデジタル化や、点呼・運行管理のスマートフォンを使用した遠隔管理等、ITによる作業負荷軽減を進めております。また、個人宅の配送においては、品質を維持・向上させながら輸送効率を高めていくために、宅配の専門ドライバーや委託先の拡充を推進しております。加えて、それぞれの職務の成果に応じた評価制度・報酬体系を構築することにより、従業員のモチベーションの向上など組織力の強化に取り組んでおります。
③ デジタル化の推進と最新技術の導入による効率化・顧客利便性の追求
・デジタル化の推進
生産年齢人口の継続的な減少が見込まれるわが国では、労働力不足は極めて深刻な問題であります。当社グループでは、労働力の確保・強化を図る一方で、積極的に最新技術を含むIT技術の利用を促進し、省力化・省人化に取り組んでおります。具体的には、配達伝票をデジタル化し荷物の状態を可視化することで、積み降ろしや配達などの業務の効率化を目指しております。今後も積極的にデジタル化を推進し、生産性の向上や顧客利便性を高めてまいります。
・最新技術の導入
近年、通信やAIに代表されるデジタル化の進歩はめざましく、当社グループでは最新技術の積極的な活用に取り組んでおります。具体的には、年間14億個を超える宅配便伝票に一部混在する手書きの伝票を、AI-OCRを用いデータ化し、配達伝票のフルデジタル化を目指しております。宅配便情報の一元管理により、最適な配達ルートをAIにより算出し、ドライバーが所持しているスマートフォンの地図上に表示することで、配達業務の効率化と平準化を進めてまいります。
④ グローバル物流事業における顧客基盤拡大と高いプレゼンスの発揮
・グローバルネットワークの更なる強化
2020年9月以降、米国の巣ごもり需要の急増に端を発した世界的なコンテナ不足は、海上と航空運賃の高騰を招きました。このような環境の中、南アジア・東南アジア・東アジア・アフリカ等から欧米への物流ネットワークに強みがあるEXPOLANKA HOLDINGS PLC(以下「エクスポランカ社」という)は、海上及び航空コンテナのスペースを安定的に確保したことで、新規顧客の獲得につなげました。今後、日本を基軸として展開する国際物流ネットワークと連携させることにより、新興地域でのグローバル物流の強化に取り組んでまいります。
・日本発着の国際物流強化
近年、eコマースにおきましてもボーダーレス化が進行しており、日本における越境ECのマーケットは毎年10%を超えるスピードで成長しております。特に中国及びASEANは、市場規模が大きく今後の成長も見込めることから、注力すべきエリアであると認識しております。海外現地の有力なパートナーとのアライアンス構築などを積極的に展開し、付加価値の高いサービスの提供を目指してまいります。
⑤ 組織・人材の課題解決力の高度化による競争優位性の創出
・フラットな組織風土の醸成
当社グループでは、グローバルで10万人近い人々が働く企業グループとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、誰にとっても働きやすく、働きがいのある職場環境の創出に努めております。従来、女性活躍推進を重要課題に定め、管理職への登用、職域の拡大及び環境・制度の整備の取組みを実施してまいりました。今後、ジェンダー平等の取組みへと活動の幅を広げてまいります。多様な価値観を尊重し、柔軟な意思決定を行うことで、新たな価値の創出を目指してまいります。
・働き方改革の一層の取組み
感染症の拡大を契機に、働き方が大きく変化いたしました。当社グループにおきましても、在宅勤務制度の整備を行い、テレワークを推進しております。また、ITインフラの整備やコミュニケーションツールを標準装備することで、在宅勤務においても高い生産性で業務を遂行できる環境の構築に取り組んでおります。
⑥ 経営管理体制の一層の強化及びステークホルダーの満足度向上
・コンプライアンス体制の強化
当社グループでは、「SGホールディングスグループ倫理・行動規範」に則ったコンプライアンスを含む経営管理体制について、適宜必要な委員会・プロジェクトの発足及び推進を通じて着実に強化を図っております。具体的には、当社のガバナンス高度化を目的として、取締役候補者の指名や取締役が受ける報酬の妥当性を判断するために「指名・報酬諮問委員会」を設置いたしました。また、当社及びグループ各社においてコンプライアンス統括責任者を任命し、法令等の遵守、懸念事象発生時の報告及び対応を行うとともに、グループリスクマネジメント会議においても定期的に重要事項の報告を行うなど、グループ横断的に対応しております。さらに、これを支える内部通報制度については、消費者庁の定める「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」に基づく内部通報制度認証基準に適合している事業者として、「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」の認証を受けました。
・事業活動を通じたSDGsへの貢献
当社グループでは、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」採択の趣旨に賛同し、独自の目標を定め、事業活動を通じて、積極的に推進しております。具体的には、2019年5月に、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同するなど社会の課題解決に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しております。また、ステークホルダー経営を推進するために、CSR重要課題として次の7項目を定めて、事業活動を推進しております。
(CSR重要課題)
① 安全・安心なサービスの提供
② 環境に配慮した事業推進
③ 個性・多様性を尊重した組織づくり
④ 総合物流ソリューションによる新しい価値の創造
⑤ 地域社会への貢献
⑥ サステナブル調達の推進
⑦ 責任ある経営基盤の構築
(3)経営環境と対応方針
① 全般
現在のわが国経済は、感染症拡大による再三の緊急事態宣言発出を受け停滞しております。外出自粛に伴うサービス消費の減少などを背景に、非製造業の経済活動が弱含む一方、製造業は、中国向けを中心とした輸出の回復を受けて底堅く推移しております。物流業界におきましては、巣ごもり消費に端を発したeコマース市場の急拡大を受け、個人向けを中心とした宅配便が急増しております。
今後のわが国経済の見通しにつきましては、感染症の拡大防止と社会経済活動の両立を図る政府の総合経済対策を円滑かつ着実に実施すること等により、経済が感染症拡大前の水準に回帰することが見込まれる一方で、変異ウイルスによる感染の拡大など、感染症の収束が未だ見えないことから、先行きは不透明な状態が続いております。
当社グループの主力事業である国内におけるデリバリー事業や、ロジスティクス事業におきましては、eコマース市場の拡大を背景に、成長トレンドが続いておりますが、経済活動全般が抑制されることから鈍化することも想定され、先行きの不透明感は継続しております。また、国際物流におきましても、感染症の影響による世界的な海上コンテナ不足が発生しており、サプライチェーンの混乱は継続しております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、社会インフラの一部を担う物流企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献するために、安定した物流の提供に加え、グループ一体となった付加価値サービスの更なる強化や経営基盤の強化に取り組んでまいります。
② デリバリー事業
感染症拡大により、外出の自粛が継続している中、人々の購買行動は、店舗で直接商品を手に取り購入する形から、インターネット等を介した通信販売へと大きく転換しております。この変化により、2021年3月期の国内における宅配便の取扱個数は、前年比11.6%増の4,751百万個と大幅に増加いたしました。
当社グループでは、急激な宅配便の増加に対応するため、2020年10月から稼働を開始した「Xフロンティア」の中継センターを当初計画よりも早く本稼働させました。これにより最繁忙期である年末には、前年に比べ10%を超える荷物についても安定した品質でお届けすることができました。他方で、多様な働き方への対応、業務に応じた協力会社の活用、デジタライゼーションによる業務効率化など、労働環境の改善や生産性の向上に積極的に取り組んでおります。
宅配便に次ぐ第二の主力商品と位置付けている「TMS」につきましては、全国の自治体よりコロナワクチン輸送の要望を、多数いただいております。今後更に高まる多様なニーズに対応するために、受託範囲の拡大とシステム化を推し進め、迅速に対応できる体制を構築してまいります。
③ ロジスティクス事業
国内においてeコマース需要が拡大する中、中小企業向けのECプラットフォームの提供を進めております。また、成長著しい越境通販など、日本発着の国際物流にも注力しております。
海外では、世界的な海上コンテナ不足が発生しており、海上及び航空貨物のコンテナスペースのひっ迫によりサプライチェーンが混乱しております。このような環境のもと、アジアのネットワークに強みのあるエクスポランカ社は、海上及び航空コンテナスペースを安定的に確保できたことにより、新規顧客の獲得につなげました。今後、更なるグローバルネットワークの拡充に加えて、成長著しい越境通販など、日本発着の国際物流にも注力してまいります。
④ 不動産事業
日本のEC化率は、中国や欧米に対し未だ低い水準であることから、宅配便の取扱個数は今後も継続的に増加することが見込まれます。当社グループにおいては、このような旺盛な需要に対応するため、ラストワンマイルの配達強化が重要な課題であると認識しております。老朽化や狭隘が顕在化した全国の営業所に対し、改修や代替施設の建設など輸送ネットワーク全体の強化を進めてまいります。
⑤ その他
その他の事業は、効率的な物流ソリューションを提供するための基盤となる様々な機能で構成されております。高度化する物流ニーズや生産年齢人口の減少が続く中、効率的で安定的な物流を実現するために、デジタル化による生産性の向上や顧客の利便性の向上に取り組んでおります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、次のとおりです。
| (連結業績見通し) | (単位:百万円) | |
| 2022年3月期 業績予想 | 前期比(%) | |
| 営業収益 | 1,325,000 | 101.0 |
| 営業利益 | 107,000 | 105.2 |
| 経常利益 | 108,500 | 104.7 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 74,000 | 99.5 |
| EBITDA | 137,000 | 106.9 |
| (セグメント別業績見通し) | (単位:百万円) | ||
| 2022年3月期 業績予想 | 前期比(%) | ||
| 営業収益 合計 | 1,325,000 | 101.0 | |
| デリバリー事業 | 1,031,000 | 101.6 | |
| ロジスティクス事業 | 223,500 | 107.6 | |
| 不動産事業 | 13,500 | 59.1 | |
| その他 | 57,000 | 85.7 | |
| 営業利益 合計 | 107,000 | 105.2 | |
| デリバリー事業 | 83,500 | 116.8 | |
| ロジスティクス事業 | 10,500 | 82.4 | |
| 不動産事業 | 7,000 | 61.9 | |
| その他 | 4,000 | 95.0 | |
| 調整額 | 2,000 | 102.1 | |
(注)営業収益は外部顧客に対する売上高を示しております。
2022年3月期の連結業績予想
当社グループの2022年3月期連結業績予想は、感染症の影響により先行きの不透明感があるため、特に主力のデリバリー事業の取扱個数については当期と同程度の数量とセールスミックスを前提とし作成しております。