有価証券報告書-第9期(2024/03/01-2025/02/28)

【提出】
2025/05/30 11:55
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「快適で豊かな暮らしの創造」を経営スローガンに掲げております。このスローガンは、グループ理念として全社員に共有され、企業経営の礎となっております。
<スローガン>快適で豊かな暮らしの創造
<経営理念>・全ては、お客様の喜びと満足のために行動します。
・お客様視点での流通イノベーションを追求します。
・強い団結力で、チャレンジする集団を築きます。
<行動規範>・お客様第一主義
お客様の喜び、満足を実現してまいります。
・地域社会への貢献
地域社会から支持され、信頼される企業グループを目指します。
・チャレンジ精神
既成概念にとらわれず、新たなイノベーションにチャレンジします。
・チームワーク
コミュニケーションを活発化し、共通の目標に向かい力を結集します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略等
当社グループは、ホームセンター、ペットショップを中心とし、ホームセンター、ペットショップから派生する多様な事業を展開しております。グループ内の複数の業態を組み合わせた商業施設を開発するほか、経営資源を組み合わせてシナジーを創出しながら、企業価値の向上に取組んでおります。
またペットショップは、勝ち残るペットビジネスを創造し、ペットショップ日本一を実現するためにグループ内のペットショップ事業を統合いたしました。ペットショップでは「Challenge500」をキーワードに2030年 売上高500億円を目指してまいります。
(3) 目標とする経営目標
当社グループは、中長期計画として2030年2月期の目標を、以下のとおり設定しております。
・営業収益 : 3,000億円
・経常利益率 : 5.0%
・ROE : 10.0%
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが主に事業展開するホームセンター業界は、物価高の影響から生活用品の節約志向が根強い中で客数減少傾向が続いており、またコスト高の影響や多業態との価格競争が激化する中、価格転嫁の巧拙を問わず企業収益の確保が困難な状況であります。このような状況下で当社グループは「“Challenge3000”経営基盤の改革&強化」を経営スローガンに掲げ、グループの総合力を充実させ2030年営業収益3,000億円を実現すべく邁進してまいります。
2026年2月期につきましては、コンプライアンスの徹底や内部統制機能の強化を図りつつ、事業戦略・財務戦略・持続性戦略の3つの戦略に取組み、経営体質の強化と企業価値の最大化に取組んでまいります。
① 事業戦略
1) MD改革
当社の主力事業であるホームセンター事業において、主要事業会社、株式会社ダイユーエイト、株式会社タイム、株式会社ホームセンターバローのメーカー帳合の統一を推進し、相見積りの実施、取組メーカーとの取組強化を進めてまいります。また、PB商品の売上構成比率20%を目標に掲げ、PB商品販売促進に向けたNB商品の重複品カットや、売れ筋PB商品のワイドフェース化で、定番棚割りの見直しを推進していくとともに、PB商品売上拡大策として、主力PB商品の山積みによる単品販売数の拡大、エンド、プロモーション、レジ前などでの多ヵ所展開の実施、チラシへの掲載を強化してまいります。さらに、納品率管理を強化し、チャンスロスを防止することで仕入構造改革を推進してまいります。
2) DX改革
AIを活用したシステムを構築することで、自動発注率80%以上を実現し在庫削減・人時数削減を図ってまいります。欠品と長期滞留商品をシステムで抑制することで商品改廃のスピードを上げ在庫削減に取組み、棚割、顧客データを活用し、データ分析システム構築を推進してまいります。
3) 物流改革
人手不足や積載効率の悪化、拘束時間の短縮などの物流問題に対して、当社グループでは流通技術本部を立ち上げ、配下に物流部を新設し対応を推進しております。積載効率向上に対して、共同輸送を構築するために、戻り便の活用を推進し、グループの安定的な商品供給だけでなく、取引先の配送コスト削減などにも取組んでまいります。また、DC倉庫の有効活用として預託在庫による配送の効率化も推進してまいります。その他、待機時間の削減としてバース予約システム活用や、荷役時間の削減としてセンター納品時のパレット利用、店舗納品マテハンのレンタルなどを推進し、プロフィット物流による物流センターの収益改善に取組んでまいります。
4) 業務改革
人時生産性の目標として5,000円を掲げ、業務の見直しを図ることで本部コストを削減してまいります。
また、人員配置の見直し、値下抑制、ロス対策など店舗オペレーション改善活動を全社で推進し、人時生産性の向上を推進してまいります。
5) マーケティング改革
デジタルマーケティングを推進し、SNS販促の強化と、従来の紙媒体でのチラシを費用対効果を検証しながら広告宣伝費を削減してまいります。また、お客様との接点拡大として、ロイヤルカスタマーであるポイント会員様向けの施策の取組を推進してまいります。
6) 人財開発
次期経営人財育成として、戦略立案できる人財の育成に努めてまいります。また、店舗サービスの向上のためにスペシャリストの育成として、各種勉強会等の強化を図るとともに、多様な人財が活躍できる風土づくりとして、職場環境整備、女性管理職比率を高めることや、男女賃金格差の是正等にも努めてまいります。
7) 業態開発
地域密着型のホームセンターの新フォーマットづくりとしてリージョナルチェーンとしての地域商材の取扱いの推進や、職人向けのプロショップやサイクル専門店等の専門業態の拡大、ローコストでの店舗運営の構築を推進し、昨今の急激な需要拡大に対応するために、EC販売を拡大し、3年後グループ合計の売上高100億円を目指してまいります。また、M&A戦略として事業領域の拡大・販売チャネルの多様化に取組み、収益モデルを確立し、収益基盤を強化してまいります。
② 財務戦略
1) 投資採算を重視した成長投資
当社グループは2024年9月に株式会社アミーゴが、株式会社ホームセンターバローのペットショップ事業を事業分割により受け入れ、また、株式会社ジョーカーを吸収合併し、ペットショップ事業を統合いたしました。今後、事業ポートフォリオマネジメントとして、ペットショップ事業の新規出店を加速させ、「Challenge500」をキーワードに2030年アミーゴの売上高500億円を実現し、ペットショップ売上高日本一企業に挑戦してまいります。
2) 投資採算を重視した成長投資
持続的な成長と企業価値の向上を実現するために、資本コストとROE、WACC(加重平均資本コスト)とROICを比較し、資本コストや株価を意識した経営を実現してまいります。
③ 持続性戦略
サステナビリティ推進
当社グループはSDGsビジョン「アレンザグループは、持続可能な社会の実現に向けて、一人ひとりが未来を「想像」し、快適で豊かな暮らしを「想像」します。」を掲げており、生活必需品をお客様へ提供する地域社会のインフラとして、主要事業であるホームセンター事業、ペットショップ事業を通じて、地域社会・地球・多様性の3つの観点から課題を解決し、持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指しております。具体的な行動指針としましては、5つの重要課題「ライフライン」「地域社会貢献」「エコロジカル」「3R」「人財の多様性」に沿って、各種サスティナビリティの取組を推進しており、各社の管理部門長を推進委員とし、グループ各社の事業計画に取組課題を掲げ、取組む体制としております。代表取締役が出席する取締役会において、中期経営計画及び年度事業計画を様々なリスク・機会を踏まえ、定期的に審議・決定してまいります。