有価証券報告書-第27期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/09/28 16:00
【資料】
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【項目】
112項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを企業理念に掲げ、自治体の自主財源確保を支援する3つの事業を展開しております。具体的には、広告事業においては、自治体が有するホームページや広報紙等の広告枠を仕入れ、民間企業に販売するSRサービス、及び自治体が住民向けに発行する子育て情報冊子や空き家対策冊子等のデザイン・制作業務を当社が行い、自治体に寄贈するマチレットを主としたSCサービスの提供、前事業年度より本格参入したエネルギー事業においては、自治体の経費削減を推進しております。また、メディア事業においては、自治体との取引実績・ノウハウを背景とし、自治体と民間企業を繋ぐBtoGマーケティング、及び自治体の業務改善と民間企業のマーケティングをサポートするジチタイワークスを展開してまいりました。今後も、既存サービスの逐次改善と新規サービス・事業の開発により、自治体を通じた世の中への新たな価値提供を実現し、企業価値並びに株主価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、売上高成長率を重要な経営指標として定めるとともに、売上高の成長に伴い、売上高営業利益率の中長期的な向上を目標に経営を行っております。また、生産性を図る指標として、従業員一人当たりの売上総利益についても経営指標としております。
(3)中期的な会社の経営戦略
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う社会経済活動の停滞による影響で、依然として先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社においては、テレワークの導入や、社内における感染症対策を徹底し、従業員の安全確保及び事業への影響抑止に務めております。当事業年度の業績に与える影響は軽微であり、現時点において、今後の事業継続に支障は生じないものと見込んでおります。
このような状況下において、当社が企業理念を体現し、さらなる企業価値の向上を実現するためには、当社の強みである、創業以来、自治体を軸とした事業活動を通じて築き上げてきた「自治体リレーション」を中核に、法制度の制定・改正等を適確に捉えた「様々な分野における事業化再現性」と、自治体という事業ドメインに基づく「ビジネスの拡大展開における再現性」を発揮した既存事業の成長及び新規事業の創出が重要であると考えております。これらを推進することは、各自治体が「特徴を活かした自律的で持続的な社会」を築く支援につながり、ひいては企業理念の実現および企業価値の向上につながるものと考えております。
そこで、当社は今回新たに、2023年6月期を最終年度とする中期経営計画「HOPE NEXT 3」を策定し、2020年8月11日に発表いたしました。同中期経営計画では、①広告事業における収益性改善・向上、②エネルギー事業のさらなる成長と利益確保、③メディア事業における自治体情報に関する最上流の立ち位置の確立を重点方針として、事業展開を推進し中長期的な成長を実現するほか、世の中へのさらなる価値提供を行っていくために、新たな事業の開発へ経営資源を投下していく予定です。具体的な定量目標は、同中期経営計画をご確認ください。なお、各事業における中期的な取り組みは次のとおりです。
広告事業では、現在規模適正化による収益性改善施策として、受注する媒体数を減らし、同時に1媒体当たりの収益性の改善により利益を創出する施策を推し進めており、これを継続するとともに、毎年第4四半期(4~6月)に業績が偏重する傾向(年間を通じた事業活動の偏り)を中期的に緩和し、事業全体におけるコスト効率化と受注単価の向上による収益力強化を図ってまいります。
エネルギー事業では、入札を軸とした既存の成長戦略の継続によるオーガニックな成長により、短中期的な高成長を実現するとともに、子会社の設立を行い親子間でのクリーンエネルギーへの役割分担を明確にすることでクリーンエネルギー対応コストの合理化を進めるとともに、再生可能エネルギー由来の電力の自治体への展開を強化し、ひいては日本全国の自治体へクリーンエネルギーの需要喚起を推進することで、中長期的な付加価値創出を図ってまいります。
メディア事業では、自治体情報を最上流でキャッチできるポジションの確立を目指し、コンテンツ拡充と情報キャッチアップ力の向上により「ジチタイワークス」ブランドの価値を確固たるものにしてまいります。

(4)経営環境及び対処すべき課題
当社の中長期的な経営戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載したとおりであり、これらを実現させるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。
(優先的に対処すべき課題)
①メディア事業におけるサービスの付加価値の向上
当社は、メディア事業を自治体に関する「情報の最上流」と位置付け、自治体と民間との間に存在する「情報の非対称性」の解消を牽引するメディアの制作及びサービスの提供を目指しております。そのためには、ジチタイワークスのブランド価値を高め、自治体と民間を繋ぐメディアとしての地位を確立させることが課題であると認識しております。
これを実現するための施策として、さらなるコンテンツ制作体制、サービス運営体制を充実させるとともに、官民協働を支援するweb上のプラットフォームである「ジチタイワークスHA×SH」の運営推進等多面的な展開を進めてまいります。
②新規事業・サービスへの挑戦
当社の行う事業は行政政策や社会的な課題の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたと言えます。その中で当社が継続して独自の成長を果たすためには、自治体に特化したサービスを提供するリーディングカンパニーとして、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。
③優秀な人材の確保及び育成
今後、当社が持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、一般的なビジネスリテラシー水準の向上と、経営者候補人材の育成に繋がる教育制度や仕組みの構築に積極的に取り組んでまいります。
(その他対処すべき課題)
①広告事業の収益性改善・向上
当社は広告事業を「利益創出事業」と位置付け、より安定した収益事業への転換に向けて、事業規模の適正化に加えて、その収益性を改善・向上することが重要であると考えております。
これを実現するための施策として、SRサービスにおいては、中長期的な収益性の改善を実現するために、戦略的な観点を踏まえ、適切な価格で仕入れを行うことを目的とした応札価格の妥当性の検証とより一層のノウハウの蓄積と業務実態への反映といったPDCAサイクルの運用を行っております。また、SCサービスにおけるマチレットの一件当たりの収益性を向上させるため、冊子の発行が第4四半期に集中し、販売および制作活動が偏重する傾向を中期的に緩和することで、当該サービスだけでなく事業全体におけるコスト効率化と受注単価の向上に繋げることが課題であると考えております。
②エネルギー事業における収益規模の拡大及び利益確保
当社は、エネルギー事業を当面の「成長エンジン」と位置付け、取引規模の拡大と同時に収益性の安定化を目指しております。そのためには、短中期的には、電力仕入価格の予測の精緻化と、電力市場価格の変動にも対応できるようなリスクヘッジプランの実行が重要課題であると考えております。中長期的には、SDGsの目標の一つであるクリーンエネルギーの普及促進という国策を背景に、子会社を設立し、親子間でクリーンエネルギーへの役割分担明確化を行いながら、再生可能エネルギー由来の電力を自治体へ展開することで、さらなる付加価値の創出を行っていくことが重要であると考えております。
③経営管理体制の強化
事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しております。現状、経営の意思決定や社内手続等が適正に行われるようガバナンスの強化に努め、コンプライアンスや適時開示体制を重視した経営管理体制の構築を行っておりますが、安定したサービスを世の中に提供し、企業価値を継続的に向上させるとともに、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。
④資金繰りの改善及び財務体質の強化
当社は、エネルギー事業の拡大により当事業年度より増加している運転資金の確保や、当座の資金需要として生じている営業保証金の差し入れによる支出に対応すべく、エクイティ・ファイナンスとデット・ファイナンスをバランスよく組み合わせながら、これらの資金需要に対する手当てを実施していくことが重要であると考えております。
資金調達手段については、現在も取引金融機関からの当座貸越契約を含む借入金で対応しているものの、エクイティ・ファイナンスを組み合わせることで、事業成長に伴い上昇している財務レバレッジを適切な水準で維持することにより、成長資金を確保するとともに、財務体質の強化に努めてまいります。
⑤ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、当事業年度においては、665,005千円の当期純利益を計上したものの、エネルギー事業の拡大による運転資金の増加や、同事業の営業保証金の支払いが生じたことに伴い、営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しており、依然として継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。しかしながら、前事業年度及び当事業年度は当期純利益を計上しており、金融機関の支援が得られていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
⑥ 新型コロナウイルスの事業への影響
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う社会経済活動の停滞による影響で、依然として先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社においては、テレワークの導入や、社内における感染症対策を徹底し、従業員の安全確保及び事業への影響抑止に務めており、今後の事業継続において、支障は生じないものと見込んでおります。業績に大きな影響を与えうるものとしては、電力市場価格の変動性が高いことによる売上原価の変動性がありますが、現在は新型コロナウイルスの影響を受けた社会経済活動の停滞による電力需要の減少により、市場調達価格の推移が例年より低下しているものの、その状況がいつまで続くか不透明な状況であることから、市場調達価格が上昇した場合におけるリスクヘッジを行う等、適宜対策を行ってまいります。

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