有価証券報告書-第28期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/29 15:40
【資料】
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【項目】
117項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを企業理念に掲げ、自治体の自主財源確保を支援する3つの事業を展開しております。具体的には、広告事業においては、自治体が有するホームページや広報紙等の広告枠を仕入れ、民間企業に販売するSRサービス、及び自治体が住民向けに発行する子育て情報冊子や空き家対策冊子等のデザイン・制作業務を当社が行い、自治体に寄贈するマチレットを主としたSCサービスの提供、第26期より本格参入したエネルギー事業においては、自治体の経費削減を推進しております。また、メディア事業においては、自治体との取引実績・ノウハウを背景とし、自治体と民間企業を繋ぐBtoGマーケティング、及び自治体の業務改善と民間企業のマーケティングをサポートするジチタイワークスを展開してまいりました。今後も、既存サービスの逐次改善と新規サービス・事業の開発により、自治体を通じた世の中への新たな価値提供を実現し、企業価値並びに株主価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、売上高成長率を重要な経営指標として定めておりましたが、当社業績の中心を担うエネルギー事業における事業環境を踏まえた規模縮小への方針転換に伴い、営業利益及び売上高営業利益率の中長期的な向上を新たに重要な経営指標として定め、経営を行ってまいります。また、生産性を図る指標として、従業員一人当たりの売上総利益についても経営指標としております。
(3)中期的な会社の経営戦略
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う社会経済活動の停滞による影響で、依然として先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社においては、テレワークの導入や、社内における感染症対策を徹底し、従業員の安全確保及び事業への影響抑止に務めており、現時点において、今後の事業継続に支障は生じないものと見込んでおります。
このような状況下において、当社が企業理念を体現し、さらなる企業価値の向上を実現するためには、当社の強みである、創業以来、自治体を軸とした事業活動を通じて築き上げてきた「自治体リレーション」を中核に、法制度の制定・改正等を的確に捉えた「様々な分野における事業化再現性」と、自治体という事業ドメインに基づく「ビジネスの拡大展開における再現性」を発揮した既存事業の成長及び新規事業の創出が重要であると考えております。これらを推進することは、各自治体が「特徴を活かした自律的で持続的な社会」を築く支援につながり、ひいては企業理念の実現および企業価値の向上につながるものと考えております。
当社は2020年8月11日、当連結会計年度を初年度とする3か年の中期経営計画である「HOPE NEXT 3」を策定し、その実現に向けて中期的な成長を視野に捉え事業活動を推進してまいりました。しかしながら、2020年12月中旬から2021年1月下旬にわたり、JEPXでの電力取引価格の高騰が続き、当社グループ業績の中心を担うエネルギー事業に多大なる影響を与えました。この結果を踏まえ、同事業の方針を高収益を狙う事業から安定的な収益事業へと転換を行います。具体的には、電力小売事業を子会社であるホープエナジーへ包括承継を行い、事業環境を踏まえた規模縮小により、リスクボリュームを抑制するとともに、リスクヘッジの方策を引き続き模索してまいります。また、「HOPE NEXT 3」については見直しを行う予定ですが、当社は当連結会計年度末時点において、24億円超の債務超過となっており、この債務超過解消を最優先課題として取り組み、その実現に合わせ、再策定していく予定であります。なお、各事業における中期的な取り組みは次のとおりであります。
広告事業では、現在規模適正化による収益性改善施策として、受注する媒体数を減らし、同時に1媒体当たりの収益性の改善により利益を創出する施策を推し進めており、これを継続するとともに、毎年第4四半期(4~6月)に業績が偏重する傾向(年間を通じた事業活動の偏り)を中期的に緩和し、事業全体におけるコスト効率化と受注単価の向上による収益力強化を図ってまいります。
エネルギー事業では、包括承継後においては子会社で専心して事業を行い、事業運営のスピードや競争力の強化に取り組みながら、リスクボリュームを抑制するため、事業規模を縮小してまいります。
メディア事業では、自治体情報を最上流でキャッチできるポジションの確立を目指し、「自治体で働く“コトとヒト”を元気に。」をコンセプトに、さらなるコンテンツ拡充と情報キャッチアップ力の向上により「ジチタイワークス」ブランドの価値を確固たるものに推し進めることで市場の顕在化を促進するサービスとして事業規模の拡大を図るとともに、当社の中核的な強み(コアコンピタンス)である「自治体リレーション」を公務員領域までの拡張を実現し、自治体ビジネスの一丁目一番地を当社のポジションとして目指してまいりたいと考えております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社の中長期的な経営戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載したとおりであり、これらを実現させるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。
(優先的に対処すべき課題)
①資金繰りの改善及び財務体質の強化
当社グループは、エネルギー事業の拡大により前連結会計年度から引き続き運転資金が増加しております。また、2021年1月分の不足インバランス料金が多額(税込で約65億円)に発生しており、経済産業省が公表している一定の要件を満たし、各一般送配電事業者からの許可を得て、9分割で支払を行っているものの、資金実需への対応が喫緊の課題となっております。これらへの対策の一つとして、2021年8月27日公表の第三者割当による株式、行使価額修正条項付第11回新株予約権及び無担保社債(私募債)の発行による資金調達のほか、資金繰りの改善及び財務体質の強化に向けて、引き続き様々な資金調達方法を検討してまいります。
②上場廃止の猶予期間入り銘柄への対応
当社グループは当連結会計年度末において債務超過を解消できず、東京証券取引所が定める有価証券上場規程第601条第1項第5号、及び福岡証券取引所が定める株券上場廃止基準第2条の2第1項第4号の債務超過に該当し、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となる見込みです。しかしながら、2021年8月27日公表の第三者割当による株式及び行使価額修正条項付第11回新株予約権の発行による資金調達を踏まえ、翌連結会計年度末までに、債務超過を解消することを最優先課題として努めてまいります。
③エネルギー事業における事業規模の適正化及び安定的な収益事業への転換
当社グループは、エネルギー事業を当面の「成長エンジン」と位置付け、事業規模の拡大を行ってまいりましたが、前述のとおりのJEPXの電力取引価格高騰により当社グループの業績は大きな影響を受けました。今般状況を踏まえ、電力小売事業における市場からの電源調達に係る市場性リスクをこれ以上増大させないため、今後の電力供給量を減少させていく方針です。この方針から、市場性リスクが当社グループの経営基盤に甚大な影響を及ぼさないと明確に判断できるまでの間、電力小売事業における自治体の電力需給に係る入札案件に対して、応札を行わない方針です。また、上記のとおりの事業規模の縮小による将来的なリスク抑制に加えて、2021年8月11日に公表いたしました「会社分割(吸収分割)に関するお知らせ」の通り、2021年9月28日の株主総会決議を経て、2021年12月1日を効力発生日として当社の電力小売事業を吸収分割により子会社へ包括承継する予定です。今後は、資金繰りの許容範囲において事業リスクを可能な限りコントロールしながら、グループ全体として機動的かつ柔軟なグループ経営管理体制に移行し、ホープエナジーで専心して運営していくことが適切であると判断しております。
④メディア事業におけるサービスの付加価値の向上
当社グループは、メディア事業を自治体に関する「情報の最上流」と位置付け、自治体と民間との間に存在する「情報の非対称性」の解消を牽引するメディアの制作及びサービスの提供を目指しております。そのためには、ジチタイワークスのブランド価値を高め、自治体と民間を繋ぐメディアとしての地位を確立させることが課題であると認識しております。
これを実現するための施策として、さらなるコンテンツ制作体制、サービス運営体制を充実させるとともに、官民協働を支援するweb上のプラットフォームである「ジチタイワークスHA×SH」の運営推進等多面的な展開を進めてまいります。
(その他対処すべき課題)
①広告事業の収益性改善・向上
当社グループは広告事業を「利益創出事業」と位置付け、より安定した収益事業への転換に向けて、事業規模の適正化に加えて、その収益性を改善・向上することが重要であると考えております。
これを実現するための施策として、SRサービスにおいては、中長期的な収益性の改善を実現するために、戦略的な観点を踏まえ、適切な価格で仕入れを行うことを目的とした応札価格の妥当性の検証とより一層のノウハウの蓄積と業務実態への反映といったPDCAサイクルの運用を行っております。また、SCサービスにおけるマチレットの一件当たりの収益性を向上させるため、冊子の発行が第4四半期に集中し、販売および制作活動が偏重する傾向を中期的に緩和することで、当該サービスだけでなく事業全体におけるコスト効率化と受注単価の向上に繋げることが課題であると考えております。
②経営管理体制の強化
事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しております。現状、経営の意思決定や社内手続等が適正に行われるようガバナンスの強化に努め、コンプライアンスや適時開示体制を重視した経営管理体制の構築を行っておりますが、安定したサービスを世の中に提供し、企業価値を継続的に向上させるとともに、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。
③新規事業・サービスへの挑戦
当社グループの行う事業は行政政策や社会的な課題の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたといえます。その中で当社が継続して独自の成長を果たすためには、自治体に特化したサービスを提供するリーディングカンパニーとして、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。
④優秀な人材の確保及び育成
今後、当社グループが持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、一般的なビジネスリテラシー水準の向上と、経営者候補人材の育成に繋がる教育制度や仕組みの構築に積極的に取り組んでまいります。
⑤継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、過年度において営業キャッシュ・フローのマイナスが連続したことから継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。また、2020年12月中旬から2021年1月下旬にわたる日本卸電力取引所の電力取引価格の高騰により、当連結会計年度において重要な営業損失6,895,420千円、経常損失6,935,626千円、親会社株主に帰属する当期純損失6,978,950千円を計上しており、2,498,387千円の債務超過となっております。
当社グループは、当該状況を解消すべく、エネルギー事業の収支安定化に向けて市場価格の変動リスクへの対応及び資金繰りの安定化に努めてまいりますが、電力取引価格の変動リスクに依然として晒されている状況であるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
⑥新型コロナウイルスの事業への影響
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う社会経済活動の停滞による影響で、依然として先行き不透明な状態が続くことが懸念されます。当社グループにおいては、テレワークの導入や、社内における感染症対策を徹底し、従業員の安全確保及び事業への影響抑止に務めており、今後の事業継続において、支障は生じないものと見込んでおります。業績に大きな影響を与えうるものとしては、電力市場価格の変動性が高いことによる売上原価の変動性がありますが、現在は新型コロナウイルスの影響を受けた社会経済活動の停滞等を起因とする、電力需給バランスの乱れが市場調達価格へ影響を与えるその状況がいつまで続くか不透明な状況であることから、市場調達価格が上昇した場合におけるリスクヘッジを行う等、適宜対策を行ってまいります。

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