有価証券報告書-第33期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/29 9:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
143項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」を企業理念に掲げ、創業以来、自治体の自主財源確保支援を主軸とした事業を展開してまいりました。近年では、自治体との強固なネットワークやノウハウを活かし、広告事業、ジチタイワークス事業に加え、企業版ふるさと納税支援事業や空き家対策関連事業など、より多角的な事業展開を進めております。
広告事業においては、自治体が有するホームページや広報紙等の広告枠を活用したSRサービスや、子育て情報・空き家対策冊子等を当社グループがデザイン・制作し、自治体と協働で発行するマチレット等のSCサービスを提供し、財源確保と経費削減の両面から自治体を支援しております。
ジチタイワークス事業では、自治体の業務改善や民間企業のマーケティング活動を支援するBtoGソリューション等の提供や、自治体職員向け行政マガジン『ジチタイワークス』を通じて、情報提供と官民連携促進を図っております。
また、企業版ふるさと納税支援事業では、寄附促進に向けた民間企業とのマッチングを行い、地域の魅力発信及び自治体の財源確保をサポートしています。空き家対策関連事業では、自治体が抱える空き家問題の解決に向けた各種支援を展開しております。
当社グループは今後も、自治体のさまざまな課題に寄り添いながら、既存サービスの高度化と新たなサービス開発を推進し、自治体を通じた社会価値の創出と企業価値・株主価値の持続的な向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは営業利益成長率(のれん償却前)及び従業員一人当たりの売上総利益を重要な経営指標として定め、それらの維持又は向上を方針としております。
(3)中期的な会社の経営戦略
わが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が緩やかな増加基調を維持するなど、景気は緩やかな回復を続けております。一方で、地政学的リスクに起因する物価上昇、各国の通商政策を巡る不確実性、金融資本市場の変動等の影響にも十分な注意が必要な状況であり、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況下において、グループ全体での事業規模の拡大を推進するとともに、事業運営におけるリスク管理体制の一層の強化を図るなどの取り組みを推進することで、グループ企業理念の実現及び企業価値の向上に努めております。
当社は、2024年5月15日付で、2025年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定・公表しました。同計画では、2024年3月期の営業利益228百万円を基準に、3か年の営業利益年平均成長率を25%、2027年3月期の営業利益446百万円を目標としております。当社は、当該目標の達成に向け、適切な資源配分によるオーガニック成長の実現、堅実な投資による事業価値の創出、リスクマネジメント機能の強化、資本配分方針/財務の規律付け、攻守兼ね備えた強固なミドル層の構築に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度においては上述の中期経営計画で公表した財務方針(資本の配分方針)に従い、自己株式取得を前連結会計年度に引き続き実行するなど、資本生産性の改善・向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行に努めております。
各事業における中期的な取り組みは次のとおりであります。
広告事業においては、連結子会社である株式会社ジチタイアドにて、当連結会計年度においては、1人当たりの生産性の維持・向上に努め、利益創出事業として安定成長を目指してまいりました。2027年3月期以降においても、引き続き1人当たりの生産性を可能な限り維持しながら、利益創出事業として安定成長を目指してまいります。
ジチタイワークス事業においては、官民連携に対する需要が大きく、市場の開拓余地は十分に存在することから、連結子会社である株式会社ジチタイワークスにおいて、自治体ビジネスのニーズの顕在化に対応していくことで、サービス提供機会を増やすことを目指しております。併せて、行政マガジン『ジチタイワークス』のブランド力を強化することで、BtoGソリューション等の拡大による収益の追求、また多面的展開の促進による高付加価値なサービスの拡大に繋げております。
その先に、当社グループを中心とした自治体情報の循環によるさらなる官民連携の促進、また、自治体情報データベースを活用した、事業の強化・支援・創造が可能になると考えております。これを実現するための施策として、引き続き、公務員個人の領域でマーケットを拡大し、事業を展開するとともに、さらなるコンテンツ制作体制の充実と、BtoGソリューション等の推進、官民協働を支援するweb上のプラットフォームである「ジチタイワークス民間サービス比較」の運営推進等多面的な展開を進め、公務員プラットフォーム構想(注)の実現を目指してまいります。
(注)公務員だけが利用可能なプラットフォームを構築し、自治体が抱える様々な課題をto公務員というアプローチで解決支援を図るネットワーク構想
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社の中長期的な経営戦略を実現させるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。
(優先的に対処すべき課題)
① 生産性向上に向けた業務改革とDXの推進
当社グループが持続的に成長していくためには、全社的な生産性の向上が重要な課題であると認識しております。事業規模の拡大や人員の増加に伴い、従来の業務運営ではスピードや効率の面で限界が生じつつあることから、経営資源をより高付加価値な領域に集中させるとともに、業務の精度及び迅速性の向上に取り組んでまいります。
その中核的な取り組みとして、当社グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しております。具体的には、業務プロセスの見直しに加え、生成AIをはじめとする新技術の活用を進めております。また、生成AIの利用にあたっては、安全かつ効果的な活用を図るため、「AI利用ガイドライン」を策定し、全社的な適正運用を推進しております。
今後も、現場起点の業務改善に加え、グループ全体での業務最適化に向けて、デジタル基盤の整備及び人材育成を段階的に進め、継続的な生産性向上を通じて競争力の強化及び企業価値の向上に努めてまいります。
② 優秀な人材の確保及び育成
今後、当社グループが持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、一般的なビジネスリテラシー水準の向上と、ミドル層や経営者候補人材の育成に繋がる教育制度や仕組みの構築に積極的に取り組んでおります。
③ ジチタイワークス事業におけるサービスのブランド価値向上及び事業規模の拡大
当社グループは、ジチタイワークス事業を、成長をけん引する「花形事業」と位置付けております。ジチタイワークスのブランド価値を高め、自治体と民間を繋ぐメディアとしての地位を確立させることが成長の実現につながるものと認識しており、この数年にわたりこれに努めてまいりました。
今後より一層、成長のけん引役として、BtoGソリューション等、ジチタイワークスブランド下のプロダクト、サービス開発、その運営体制のさらなる充実化等を進めていく予定です。
④ 広告事業における収益性・生産性の向上及び業務量の平準化
当社グループは広告事業を「利益創出事業」と位置付け、安定的な収益基盤の構築に向けて、事業規模の適正化、収益性の改善・向上に取り組んでおります。
広告事業においては、案件の受注時期や冊子発行時期の偏り等により、業務量及び収益が特定の時期に集中しやすい傾向があります。このため、当社グループでは、季節偏重・短期集中型の業務運営からの脱却を重要な課題と認識し、四半期ごとの業務量及び収益の平準化を中長期的に進めることで、持続的かつ安定的な成長基盤の構築を目指してまいります。
SRサービスにおいては、入札媒体領域における競争環境を踏まえながら、応札価格の妥当性検証、仕入価格の適正化、受注単価の向上及びコスト効率化に継続して取り組んでおります。これらの取り組みを通じて、収益性改善に向けたノウハウを蓄積し、業務実態へ反映させるPDCAサイクルを運用することで、安定的な利益創出力の向上を図ってまいります。
また、SCサービス(マチレット)については、冊子の発行が下半期に偏重する傾向があることから、事業拡大とのバランスを踏まえつつ、業務負荷及びコストの平準化に向けた取り組みを継続してまいります。
当社グループは、広告事業における組織体制及び業務運営の見直しを進めることで、事業運営の安定化と目標達成の再現性向上を図っております。今後も、過度な拡大を追求するのではなく、収益性及び生産性を重視した堅実な事業運営を継続し、中長期的な事業価値の向上につなげてまいります。
⑤ 東京証券取引所「グロース市場」の上場維持基準について
当社グループは、東京証券取引所における市場区分「グロース市場」に上場しております。東京証券取引所は、2025年9月にグロース市場の上場維持基準の見直しに係る制度要綱を公表し、グロース市場の時価総額に係る上場維持基準について、2030年3月1日以後は、上場から5年を経過した会社を対象として「時価総額100億円以上」とする見直しを行うこととしております。なお、現行の上場維持基準においては、上場後10年を経過した会社について「時価総額40億円以上」が求められております。
当社グループにおいては、現行基準の適用時期が近づいていることに加え、足元の時価総額が当該基準に近接する水準で推移していることから、現行基準への適合状況についても重要な経営課題として認識しております。また、2030年以降に適用される新たな基準は、当社グループの現在の時価総額を大きく上回る水準であることから、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを一層強化する必要があると認識しております。
当社グループは、2025年3月期から2027年3月期までの中期経営計画において、営業利益の年平均25%成長を目標として掲げております。今後も、既存事業の収益力強化、新規事業開発その他の成長投資の検討及び実行を通じて、継続的な利益成長の実現に努めてまいります。
あわせて、利益成長のみならず、当社グループの経営戦略、事業の成長性、収益構造、資本配分方針及びリスク認識等について、株主・投資家をはじめとする資本市場に対して、より分かりやすく、透明性の高い情報発信を行うことが重要であると考えております。これにより、当社グループに対する理解及び信頼の向上を図り、市場評価の改善を通じた企業価値の向上に努めてまいります。
引き続き、東京証券取引所における制度運用及び資本市場の動向を注視しつつ、現行基準及び新たな上場維持基準への対応を重要な経営課題として位置づけ、中長期的な視点から企業価値の向上に向けた施策を検討・実行してまいります。
(その他対処すべき課題)
① 経営管理体制の強化
当社グループは、事業の成長及び業容の拡大に伴い、迅速かつ適切な経営判断を支える経営管理体制のさらなる充実・強化が重要な課題であると認識しております。
当社グループにおいては、従来より、経営上の意思決定及び社内手続が適正に行われるよう、ガバナンス、コンプライアンス及び適時開示体制の整備に努めてまいりました。今後は、これらの取り組みに加え、事業別の収益性や業績進捗をより的確に把握するための管理会計・予実管理機能の高度化、投資判断及び資本配分に係る規律の整備、並びにキャッシュ・フロー管理を含む財務管理体制の強化を進めてまいります。
また、新規事業開発、業務提携、M&A等の成長施策を検討又は実行する際には、投資効果、リスク、財務影響等を多面的に評価する体制を整備し、案件実行後においても、PMI(Post Merger Integration)を含む統合・モニタリングの仕組みを構築することで、グループ全体としてのシナジー創出及び経営効率の向上を図ってまいります。
さらに、事業規模の拡大に応じて、法務、リスク管理、情報システム、情報セキュリティ及び内部統制に係る機能を継続的に見直し、全社的なリスク管理体制の実効性向上に取り組んでまいります。これらの取り組みにより、持続的な成長を支える経営基盤を強化し、企業価値の向上に努めてまいります。
② 新規事業・サービスへの挑戦
当社グループの行う事業は行政政策や社会的な課題の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたと言えます。広告事業及びジチタイワークス事業に加えて、企業版ふるさと納税支援事業と空き家対策関連事業アキソルの2つを次なる事業の柱とするべく取り組んでおります。企業版ふるさと納税支援事業においては中期的な花形化を目指し、アキソルにおいては早期の収益モデルの確立を目指しております。これらに加えて、マチイロ事業においては、改めてアプリ「マチイロ」の機能充実化を図り、収益化を進めております。
また今後も、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、継続的に自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。