有価証券報告書-第24期(平成28年7月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2017/09/28 9:08
【資料】
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【項目】
71項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを企業理念に掲げ、「財政難に苦しむ地方自治体向けに新たな自主財源確保を」を合言葉に、自治体の自主財源確保を支援するPPS事業を展開しております。具体的には、当社の主要サービスである財源確保支援サービスにおいて、自治体が有するホームページや広報紙等の広告枠を仕入れ、民間企業に販売するDSサービス、及び自治体が住民向けに発行する子育て情報冊子や空き家対策冊子等のデザイン・制作業務を当社が行い、自治体に寄贈するMCサービスを推進してまいりました。また、自治体との取引実績・ノウハウを背景とし、自治体と民間企業を繋ぐサービスの提供、及び自治体が抱える課題を解消し、地域の活性化を図るためのソリューションを提供するBPO支援サービスも積極的に展開しております。今後も、既存サービスの逐次改善と新規サービス・事業の開発により、自治体を通じた世の中への新たな価値提供を実現し、企業価値並びに株主価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、売上高成長率を重要な経営指標として定めるとともに、売上高の成長に伴い、中長期的に売上高営業利益率及び売上高経常利益率を向上させることを重視して経営を行っております。また、これらを支える指標として、従業員一人当たりの売上高、営業利益及び経常利益も重視しております。今後は、上場企業として企業価値及び株主価値を上げていくことも重要であるため、資本効率を測る指標として総資産経常利益率及び自己資本利益率も中長期的に向上させていきたいと考えております。
(3)中期的な会社の経営戦略
当社が展開するPPS事業の主要取引先である自治体においては、自主財源確保のため、広告事業の導入数が増加傾向にあり、また、広告枠を活用する媒体の種類も従前のホームページバナーや広報紙に留まらず、様々な媒体で導入されつつあります。こうした自治体の広告市場においてシェアを確保するため、当社はDSサービスにおいて、取引先自治体数の拡大と取扱う媒体種別の拡充に加えて、マッチングプラットフォーム(注)の開発によるIT化を通じた自治体媒体のマーケットプレイスにより、小規模な自治体に対しても取引の拡大を測っております。また、MCサービスにおいて、子育て情報冊子、空き家対策冊子以外の新規媒体開発に加えて、アプリを初めとした多面的展開や新たな付加価値の創出を行い、競争力を高めることで、全国的に拡充を推進すること、及び収益性を向上させることが重要であると考えております。さらに、これらの財源確保支援サービスに次ぐ、新たな収益の柱となるビジネスモデルの確立も重要であると考えており、BPO支援サービスの拡大に加えて、新規メディアの開拓及び新規事業の開発に注力してまいります。また、社内ITインフラの拡充及び既存システムの改善などのIT化を推し進めるとともに、マーケティングの強化を図ることで、営業の生産性及び収益性の改善にも注力してまいります。
(注) 継続的に更新される商材データベースを元に受注を自動化するシステム。
(4)経営環境及び対処すべき課題
財源確保支援サービスにおいては、平成29年6月末現在458自治体との契約を獲得しています。しかしながら、自治体の総数が1,963(都道府県、市町村、東京都の特別区部、政令指定都市の行政区の合計数(平成29年6月末現在))に及ぶ中で、23.3%程度にとどまっており、引き続きシェアの拡大を加速化させることが課題であると考えております。また、地方創生実現のために、様々な自治体が移住定住の促進や観光に力を入れており、これまでの自治体取引のノウハウを活かすことで、これらの分野への挑戦を加速化することが重要であると考えております。既存事業にかかるシェア拡大の加速化、新事業の開発等を成し遂げるためには、以下の課題への対処が必要であると考えております。
①DSサービスの拡大と収益性の改善及び向上
当社が継続的にDSサービスを収益事業として位置付けていくためには、DSサービスにおける対面市場の拡大を実現し、収益規模を押し上げつつ、その収益性を改善・向上することが重要であると考えております。
これを実現するための施策の一つとして、小規模な自治体における広告事業の活性化を図るため、自治体と広告主を直接つなぐエリア限定の自治体広告のマッチングプラットフォーム(注)を開発・運営開始いたしました。これは、充分に広告媒体が登録され、利用者である広告主に多種多様な利用機会を提供することが重要となります。しかしながら、自治体との新規契約また自治体による媒体登録は未だ充分と言える水準にはなく、契約締結事務等の効率化や利便性をより高める等により魅力度を向上させるための対策が必要であると考えております。また、従前からのDSサービスについても中長期的な収益性の改善を実現するために、戦略的な観点を踏まえ、適切な価格で仕入れを行うことを目的とした応札価格の妥当性の検証とより一層のノウハウの蓄積と業務実態への反映といったPDCAサイクルの運用を行うことが重要であると考えております。
(注)継続的に更新される商材データベースを元に受注を自動化するシステム。
②MCサービスの媒体の拡大と制作体制の強化及び販売体制の改善
現在当社のMCサービスにおける主力メディア・コンテンツは従前の「子育て情報冊子」に加え「空き家対策冊子」となっております。新しく主力となった「空き家対策冊子」は、人口の減少に起因した空き家住宅等の集積が居住環境や地域活性化を阻害している問題について、国土交通省が実施する「空き家再生等推進事業」を背景に、自治体への提案を経て当社が作成したメディア・コンテンツです。これ以外にも、国が進めている政策に関連して、防災に関するもの、介護に関するもの、婚姻に関するものなどがあり、今後MCサービスは一層広告媒体の拡大という多様性への対応が必要であると考えております。
当社においては、このようなニーズに対応可能な制作体制の確保が課題であると同時に、自治体の予算執行の観点から同時期に作業が集中する傾向が強いため、これに柔軟に対応できる体制へ制作体制を強化することが課題であると考えております。また、同時にMCサービスの新規広告主獲得に必要な営業人員の確保も課題であると考えております。当事業年度において、当初の業績予想と大きく乖離することとなった大きな要因である人員不足を解消し、値引き販売や機会損失を可能な限り抑えることで収益性を改善していくことが重要であると考えております。
③情報プラットフォームの双方向性・収益性の確保
当社の情報プラットフォームサービスは地域住民向け自治体コンテンツのキュレーションサービスを基本とし、ユーザー目線で再編集することで、自治体コンテンツの横断的な検索・閲覧が可能となっています。しかしながら、情報発信と整理のみにとどまっている現状は地域住民と自治体とのコミュニケーションの確保という点では一方通行の状態でしかありません。今後、この情報プラットフォームを通じて、地域住民が具体的なアクションを同一画面上で可能とするソリューションプラットフォーム(双方向プラットフォーム)に進化させることが、同サービスの課題であると考えております。
また、このような双方向性の確保に加えて収益性の確保も重要であると考えております。当社がこのサービスを始めて約4年経過したため、マネタイズフェーズへ転換する時期であると考えております。そのためには、コンテンツの拡充を行い、MAU(注)の増加を足がかりとしてより付加価値の高いサービスへ変化させることが課題であると考えております。
(注)会員制のWebサイトやネットサービス、スマートフォンアプリなどで、ある1か月の間に一回でも利用や活動のあった利用者の数。
④新規事業への挑戦
PPS事業は行政政策の変化に直接的に影響を受け、誕生・発展してきたと言えます。その中で当社が今後独自の成長を果たすためには、PPS事業のリーディングカンパニーとして、行政政策等自治体を取り巻く環境の変化への機敏な対応を軸に、自治体との取引実績、ノウハウ、営業力の有効活用、ITによる効率的な事業化への取り組み等を行い、自治体の自主財源確保に繋がる新たなサービスを開発していくことが重要であると考えております。
⑤優秀な人材の確保及び育成
今後、当社が持続的に成長していくためには、組織において中核的な役割を担う人材の確保と育成が課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社の企業理念に意志の合致した人材の採用を進めるとともに、モチベーションの向上に繋がる教育制度の構築に積極的に取り組んでまいります。
⑥経営管理体制の強化
事業の成長や業容の拡大に伴い、経営管理体制のさらなる充実・強化が課題であると認識しております。現状、経営の意思決定や社内手続等が適正に行われるようガバナンスの強化に努め、コンプライアンスや適時開示体制を重視した経営管理体制の構築を行っておりますが、安定したサービスを世の中に提供し、企業価値を継続的に向上させるとともに、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように、事業規模に応じた内部統制の整備、強化、見直しや法令遵守の徹底に努めてまいります。

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