有価証券報告書-第38期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/18 15:30
【資料】
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【項目】
196項目
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2025年5月9日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項及びその具体的な取得方法を決議し、2025年5月12日に2,592,000株の自己株式を取得しております。なお、自己株式の取得について一括取得型自己株式取得(Accelerated Share Repurchase(以下「ASR」という。))による方法を採用しております。
1.自己株式取得を行う理由
当社は、「JR九州グループ中期経営計画2022-2024」(以下「前中計」という。)における株主還元方針について、「株主還元は長期安定的に行っていくことが重要と考え、2024年度までの間は、1株あたり配当金93円を下限として、連結配当性向35%を目安に配当を行い、状況に応じて機動的に自己株式取得を行う。」としておりました。
前中計期間を総括し、資本効率性の向上及び資本コストの低減を企図し、自己株式の取得を行います。
2.自己株式の取得に関する決議内容
(1)取得する株式の種類当社普通株式
(2)取得する株式の総数2,592,000株(発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する割合1.66%)
(3)株式の取得価額の総額9,999,936,000円
(4)取得期間2025年5月12日
(5)取得方法東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付け

3.自己株式の取得結果
(1)取得した株式の種類当社普通株式
(2)取得した株式の総数2,592,000株(発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する割合1.66%)
(3)株式の取得価額の総額9,999,936,000円
(4)取得日2025年5月12日
(5)取得方法東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付け

(注)上記(2)の取得した株式の総数のうち、Goldman Sachs International(以下「ゴールドマン・サックス」という。)から買い付けた1,883,800株に関しては、当社の実質的な取得価額が一定期間の当社株式の平均価格相当になるよう、後日、当社株式を用いた調整取引を行うため、調整取引を含めた全体での最終的な取得株式数は変動する可能性があります。
4.一括取得型自己株式取得(Accelerated Share Repurchase)について
本件における自己株式取得の手法は、米国において一般的に用いられているASRという手法です。
当社は、今回の自己株式取得を実施するにあたり、以下に記載の理由により、ゴールドマン・サックス証券株式会社より提案されたASRによる手法(以下「本ASR取引」といいます。)が、100億円相当の自己株式取得を期間内に確実に行いたいという当社のニーズを充足し得る最良の選択肢であると判断いたしました。
市場買付による自己株式取得方法のうち、通常の立会取引で自己株式を取得するスキームとしては、当社が個別に発注するもの、証券会社による一任勘定取引、信託会社の利用等、様々な手法が存在しますが、当社が今回企図している100億円規模の自己株式取得を行う場合、当社株式の市場における売買高を勘案すると、いずれの手法も自己株式取得が終了するまでに一定の期間を要することになることが想定されます。また、ToSTNeT-3において買付の委託を行うのみの場合には、上記の手法と異なり、取引自体は1日で終了するものの、株主の皆さまによる売付注文の数量次第では、当社が企図していた規模の自己株式の取得ができない可能性があります。
この点、本ASR取引を採用すると、以下に詳述するとおり、新株予約権の発行に係る手続きを要するものの、当社が企図する自己株式取得取引が1日で終了することに加えて、株主の皆さまによる売付注文が100億円相当額に達しない場合であっても、本自己株式取得ではゴールドマン・サックスが当社株式の借株をしたうえで売付注文を行う予定であることから、100億円相当の自己株式取得をより確実に行うことが可能になります。
また、本自己株式取得後に行われる、ゴールドマン・サックス及びその関係会社(以下総称して「ゴールドマン・サックス・グループ」といいます。)によるショートカバー取引(以下に定義します。)により、当社株式の需給の改善も期待できるものと考えております。

<本ASR取引の概要>当社は、2025年5月12日にToSTNeT-3により一株当たり3,858円で、2,592,000株、100億円に相当する自己株式を取得しております。なお、ゴールドマン・サックス・グループはゴールドマン・サックスによる本自己株式取得における売付注文の約定の後、借株の返済を目的として自らの判断と計算において当社株式を株式市場の内外で取得する予定です(以下「ショートカバー取引」といいます。)。
次に、本自己株式取得においてゴールドマン・サックスから取得した株式については、当社による実質的な取得単価が、本自己株式取得以降の一定期間の各取引日の当社株式の普通取引の売買高加重平均価格(VWAP)の算術平均値に99.30%を乗じた価格に、一定の調整を加えた価格である平均株価と同じになるように、別途、本ASR取引において当社が発行する新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の割当先であるゴールドマン・サックスとの間で当社株式を用いた調整取引を行います。当該調整取引の内容は具体的には以下のとおりです。
①平均株価が本自己株式取得に係る取得単価である3,858円よりも高い場合(本新株予約権の行使による調整取引)
この場合、ゴールドマン・サックス・グループがショートカバー取引において平均株価で当社普通株式を取得すると仮定すると、ゴールドマン・サックス・グループは、本自己株式取得において当社から受領した金額の全額を使っても、ゴールドマン・サックスが借り入れた当社普通株式の返却に必要な数量の当社普通株式を買い付けることができません。
そのため、ゴールドマン・サックスは、本新株予約権を行使することにより、借り入れた当社普通株式の返却に不足する株式数に相当する当社普通株式を取得します。なお、本新株予約権の行使時の出資金額は1円であり、その行使により、ゴールドマン・サックスに交付される株式数は、以下の算式によって算定されます。
「交付される株式数=基準株式数-基準金額÷平均株価」
※「基準株式数」とは、本自己株式取得においてゴールドマン・サックスが売却した当社普通株式の数をいいます。
「基準金額」とは、本自己株式取得においてゴールドマン・サックスが売却した当社普通株式の売却金額をいいます。
「平均株価」とは、原則としてショートカバー取引期間中における当社普通株式のVWAPの算術平均値に99.30%を乗じた数値をいいます(ただし、当該期間中に一定の基準を超えた配当がなされた場合には当該配当に係る調整がなされます。)。
上記の本新株予約権の行使による当社普通株式の交付が行われた場合、本ASR取引において、当社が取得することとなる実質的な自己株式の数は、当社が本自己株式取得により買い付けた株式数から、本新株予約権の行使により交付した株式数を控除した株式数となります。
このような調整取引を行った結果、本ASR取引によって当社が取得した株式は、以下のとおりとなります(なお、いずれの場合においても本新株予約権の行使時における出資金額(1円)は考慮しておりません。)。
(i) 本自己株式取得において一般の株主の皆さまからの売付注文がなかった場合
100億円相当額を使用して当社普通株式を平均株価で買い付けた場合と同じ結果となります。
(ⅱ)本自己株式取得において一般の株主の皆さまからの売付注文がなされた場合
100億円相当額を使用して、一般の株主の皆さまからの取得分については2025年5月9日の終値である3,858円で買い付け、その残額を使用して当社普通株式を平均株価で買い付けた場合と同じ結果となります。
②平均株価が本自己株式取得に係る取得単価である3,858円よりも低い場合(ゴールドマン・サックスから当社への当社普通株式の無償譲渡による調整取引)
この場合、ゴールドマン・サックス・グループが、ショートカバー取引において、本自己株式取得で当社から受領した金額の全額(基準金額)を使用し、平均株価で当社普通株式を取得すると仮定すると、ゴールドマン・サックス・グループは、ゴールドマン・サックスが借り入れた株式の返却に必要な数を上回る数量の当社普通株式(借り入れた株式の返却に必要な数量を超える部分の当社普通株式について、以下「余剰株式」といいます。)を買い付けることができます。
そのため、ゴールドマン・サックスは、平均株価に照らし、結果として余分に取得したことになる当社普通株式を、余剰株式を当社に対して無償で譲渡することにより精算します。なお、上記のとおり無償譲渡される株式数は、以下の算式によって算定されます。
「無償譲渡される株式数=基準金額÷平均株価-基準株式数」
上記の無償譲渡が行われた場合、本ASR取引において、当社が取得することとなる実質的な自己株式の数は、当社が本自己株式取得により買い付けた株式数に無償譲渡を受けた株式数を足した数となります。
このような調整取引を行った結果、本ASR取引によって当社が取得した株式は以下のとおりとなります。
(i) 本自己株式取得において一般の株主の皆さまからの売付注文がなかった場合
100億円相当額を使用して当社普通株式を平均株価で買い付けた場合と同じ結果となります。
(ⅱ)本自己株式取得において一般の株主の皆さまからの売付注文がなされた場合
100億円相当額を使用して、一般の株主の皆さまからの取得分については2025年5月9日の終値である3,858円で買い付け、その残額を使用して当社普通株式を平均株価で買い付けた場合と同じ結果となります。
かかる取得株式数の調整は、ゴールドマン・サックス・グループが必要と判断するショートカバー取引の完了の有無にかかわらず、2025年6月24日から2025年11月13日まで(ただし、ゴールドマン・サックスが市場混乱事由発生日(当社株式に関する取引制限等が課される等、ゴールドマン・サックスとの間で締結した本新株予約権の割当て等に関する契約(以下「本割当契約」といいます。)において定められる一定の事由が発生したとゴールドマン・サックスが合理的に判断した取引日をいいます。以下同じ。)が発生した旨を申告した場合には、発生した日数に相当する取引日だけ、最長2025年11月30日まで延長されます。)に行われる予定で、最終的な取得株式数が確定した際には、別途、開示をする予定です。
5.本ASR取引において当社が発行する新株予約権
(1)割当日2025年5月26日
(2)新株予約権の総数1個
(3)払込金額新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする。
(4)当該発行による
潜在株式数
潜在株式数:2,592,000株(上限)※
※上限の潜在株式数は、本自己株式取得において一般の株主の皆さまからの売付注文がなく、かつ、仮に、以下に定める基準金額÷平均株価がゼロとなった場合を前提とした株式数
(5)行使時の出資金額1円
(6)行使時の交付株式数の算定方法交付株式数=(ⅰ)基準株式数-(ⅱ)基準金額÷(ⅲ)平均株価
※単元未満株式は切り捨て、0を下回る場合には0株とする。
(ⅰ)「基準株式数」は、本自己株式取得において割当先であるゴールドマン・サックスが売却した当社普通株式の数をいう。
(ⅱ)「基準金額」は、本自己株式取得において割当先であるゴールドマン・サックスが売却した当社普通株式の売却金額をいう。
(ⅲ)「平均株価」は、下記(a)に下記(b)を加えた数値(小数第5位まで算出し、その小数第5位を四捨五入する。)をいう。
(a)2025年5月13日(同日を含む。)から本新株予約権の行使請求の効力発生日(以下「行使請求日」という。)の直前取引日(ただし、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程及び同施行規則上の規定その他の事由によりゴールドマン・サックスにおいて行使請求を行えなかった例外的な事情が存する場合にはゴールドマン・サックスと協議のうえで定める日)(同日を含む。)までの期間の各取引日(ただし、本新株予約権の発行要項に定める除外市場混乱事由発生日を除く。)の東証における当社普通株式のVWAPの算術平均値に99.30%を乗じた数値
(b)2025年5月13日(同日を含む。)から行使請求日の直前取引日(同日を含む。)までの期間のいずれかの日を権利付最終日とする各配当との関係で、①当該配当の1株当たりの配当額(ただし、2026年3月期の中間配当については57.5円を控除し、当該控除後の金額が0円を下回る場合には、0円とする。)に、②当該配当に係る権利落ち日(同日を含む。)から2025年11月30日(同日を含む。)までの取引日数を乗じた数値を、③2025年5月13日(同日を含む。)から2025年11月30日(同日を含む。)までの取引日数で除した数値(以下「配当調整額」という。)を算出したうえで、各配当に係る配当調整額を合計した数値
(7)募集又は割当方法ゴールドマン・サックスに対する第三者割当方式
(8)その他当社は、本割当契約に従ってゴールドマン・サックスが本新株予約権の行使を行わない場合(本割当契約上、本新株予約権を行使した場合に交付される株式数が0株となる場合、ゴールドマン・サックスは本新株予約権を行使することはできず、当社に対して本新株予約権の行使を行わない旨の通知(以下「不行使通知」という。)を行わなければならないこととされています。)、株価の状況に応じてゴールドマン・サックスから一定数の当社株式を無償で取得する予定です。

<本新株予約権の特徴>(1)本新株予約権の構成、行使により交付される株式数及び行使の際に払い込まれる出資金額
・本新株予約権は全1回号で構成されており、発行される新株予約権の数は1個です。
・交付株式数は、平均株価の水準に応じて増減し、2025年5月9日の終値よりも平均株価が上昇するほど交付株式数が増加する仕組みとなっております。
・行使の際に払い込まれる出資金額は、1円です。
(2)発行条件の確定
・交付株式数の算定に用いられる、基準株式数及び基準金額は2025年5月12日のToSTNeT-3の結果によって確定します。ToSTNeT-3において株主の皆さまからの売付注文があった場合は、東証の規則に基づき、一般の株主の皆さまとゴールドマン・サックスの売付数量について一定の按分調整がなされ、ゴールドマン・サックスの売付数量が2,592,000株から減少する結果、事後調整を要する対象株式数が減ることとなり、交付株式数の数量が減額されることになります。
(3)本新株予約権の行使可能期間
・本新株予約権の行使可能期間は、2025年6月24日から2025年11月30日までの期間です。ただし、本新株予約権の行使は、ゴールドマン・サックスが必要と判断するショートカバー取引の完了の有無にかかわらず、2025年11月13日まで(ただし、ゴールドマン・サックスが市場混乱事由発生日が発生した旨を申告した場合には、発生した日数に相当する取引日だけ、最長で行使可能期間最終日まで延長されます。)に行われる予定です。
(4)本新株予約権の取得
・本新株予約権には、当社の決定により本新株予約権の取得を可能とする旨の条項は付されていません。
(5)行使が行われない場合の当社株式の追加取得
・ゴールドマン・サックスは、平均株価が3,858円よりも低くなり、本割当契約に従って本新株予約権の行使を行わない場合(本新株予約権を行使した場合に交付される株式数が0株となる場合)には、当社にその旨を通知し、当社に対して、基準金額を平均株価で除して得られる株式数から基準株式数を控除した株式数の当社株式を無償で譲渡することになっております。