有価証券報告書-第30期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:00
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125項目

有報資料


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く経営環境は、日本経済における雇用・所得環境の着実な改善や訪日観光客の増加などを背景に緩やかな回復を続ける一方、中国をはじめとする新興国や米国、欧州の経済及び金融市場の動向には不確実性も存在しています。また、人口減少や少子高齢化の進展、他輸送機関との競争激化など、厳しい状況が続くことが予想されます。加えて「平成28年熊本地震」による観光産業等への影響が懸念されるなか、国や地域と一体となった復旧、復興に向けた取り組みが引き続き求められております。
このような状況のなか、当社グループの“あるべき姿”である「安全とサービスを基盤として 九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」の実現に向け、“おこない”として掲げる「誠実」「成長と進化」「地域を元気に」という3つの原点にいま一度立ち返り、すべての事業において安全を基本に、より一層のサービス向上に努め、各事業において積極的な事業展開による収益の拡大を図っていくとともに、より効率的な業務運営と徹底的なコスト削減を推進してまいります。
具体的には、中間年度を迎える「JR九州グループ中期経営計画2016-2018」に基づき、「やさしくて力持ちの“総合的なまちづくり企業グループ”」を目指し、すべての事業を支える「安全」「サービス」「人材」「デザインと物語」の4つの柱をより強固なものとし、「すべての事業の根幹である強靭な鉄道づくり」「九州における積極的なまちづくり」「新たな事業と九州外エリアへの挑戦」という3つの重点戦略を積極的に推進し、それぞれの取り組みを深度化することで、地域の発展に貢献する長期持続的な事業活動を可能とする強固な経営基盤づくりを加速させてまいります。なお、当中期経営計画における経営数値目標には、基幹事業である鉄道事業において設備投資額が比較的大きく、毎年の設備投資額の多寡により各利益への影響を受けやすいことから、企業の収益力の成長性を経年評価するため、連結営業収益に加え、連結EBITDAを経営指標としております。
(1)安全
すべての事業の基盤である安全について、鉄道事業においては、「安全に関する社員の声」を基盤とした「安全創造運動」を継続して展開し、安全創造館研修等、社員の安全意識を高める活動に一層磨きをかけていくとともに、新たに策定した「安全中期計画《2017-2019》」に基づいて策定した安全基本方針に則った施策を着実に推進してまいります。また、「食」や「住」をはじめとする鉄道事業以外の事業においても、安全意識を高め、安全をつくり、育てていく取り組みを推進してまいります。
(2)サービス
「サービスを社風へ」と高めるべく基本となる「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を当たり前に実践し、「笑顔」でお客さまをお迎えするとともに、お客さまの心に響く「あいさつ」を行ってまいります。また、お客さまの身になって自ら考え行動し、「お客さまの声」や「社員の声」を積極的に商品や施策に反映してまいります。さらに、社員の優れたサービス、行動を積極的に褒める取り組みを推し進めていくほか、サービスに関する各種研修や発表会等を通じ、社員のサービス意識を高め、お客さま満足を追求してまいります。
(3)コスト削減
変化し続ける経営環境に対応するため、作業の機械化、省力化を推進し、コスト削減と生産性の向上を追求してまいります。また、節電による光熱費節減やペーパーレス化等に引き続き取り組むほか、「さがせ百万円、みつけろ十万円プロジェクト」の展開により、前例にとらわれない大胆な業務見直し、技術革新の活用、費用対効果の検証を3つの柱としたコスト意識の定着に努め、全社的なコスト削減の徹底を図ってまいります。
(4)人材の育成
すべての事業の基盤である安全とサービスをさらに高めていくため、原点に立ち返り、基礎となる行動訓練や「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の徹底に取り組みます。また、社員一人ひとりの個性が生かせる職場づくりや学ぶ環境の充実を図るとともに、ワークライフバランスを推進し、働きがいの向上に取り組んでまいります。
(5)地域を元気にする取り組み
地域の元気がなければ、当社グループが元気になることはないとの認識のもと、D&S列車の運行や「駅長おすすめのJR九州ウォーキング」の開催、駅周辺開発を核としたまちづくりなどの事業活動をはじめ、地域におけるイベントや文化活動等への参画を通じ、地域との絆を育み、地域と連携し、地域の魅力やにぎわいづくりに積極的に取り組んでまいります。
(6)企業の社会的責任の遂行
企業の社会的責任の高まりに対応し、企業倫理に対する社員の意識の一層の徹底を図るとともに、内部統制システムの充実に取り組んでまいります。また、地球環境保全については、持続可能な社会づくりに貢献することが重要な課題であるとの考えのもと、環境法令に適切に対応するなど社員の環境保全に対する意識の醸成を進め、地球温暖化の原因となるCO₂の排出量削減に向けた省エネ型車両や機器の導入、創意工夫による効率的なエネルギーの利用を推進するほか、廃棄物の削減、化学物質の適正な管理・処理、資源の有効活用に努めてまいります。
(7)技術開発・調査の推進
鉄道の安全性の向上や多様化・高度化するお客さまのニーズへの対応、ICTの活用・機械化・自動化等による将来の抜本的な業務改善につながる技術的な調査を推進するとともに、鉄道総合技術研究所やメーカー等と連携しながら実用化に向けた技術開発を行ってまいります。特に、車両や電気設備に対する状態監視システムをはじめとした新たな検査手法やビッグデータ分析技術の検討を進めてまいります。また、ホーム上のさらなる安全性向上や今後のホームドア展開の可能性を検証するため、軽量型ホームドアの実証試験を筑肥線九大学研都市駅にて開始します。
(8)グループ経営
M&Aやアライアンス等を含めた新規事業への挑戦、インバウンド需要の取り込み、九州外エリアへの事業進出等により事業領域を拡大し、グループ外の売上拡大を目指すとともにより効率的な業務運営と徹底的なコスト削減を図ることで、競争力強化及び利益拡大を目指します。
さらに、コンプライアンス強化、環境経営の推進等の重要課題に取り組み、強固な経営基盤づくりとグループ総合力の強化に努めてまいります。

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