有価証券報告書-第32期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」を「あるべき姿」として掲げています。そして、今後の人口減少の進展や自然災害の激甚化、技術革新や新たなビジネスモデルの発生等、非連続な将来の経営環境の変化が予想される中で「あるべき姿」を実現するため、「安全・安心なモビリティサービスを軸に地域の特性を活かしたまちづくりを通じて九州の持続的な発展に貢献する」を「2030年長期ビジョン」として掲げています。
この「2030年長期ビジョン」のもと、九州のモビリティサービスを担う企業グループとして社会的な役割を担うべく、定時・大量輸送の強みを活かして鉄道を磨きながら、お客さまの利便性を高めるため、新たな技術の取り込みや他社との連携等を図り、持続可能なモビリティサービスの構築に挑戦してまいります。また、これまで博多や大分等で取り組んだ地域の特性を活かしたまちづくりを通じて、九州の持続的な発展に貢献してまいります。
そして、2019年度より3ヵ年の「JR九州グループ中期経営計画2019-2021-次の『成長ステージ』に向けて-」がスタートしました。3つの重点取り組みとして掲げた「更なる経営基盤強化」「主力事業の更なる収益力強化」「新たな領域における成長と進化」を推進するとともに、すべての事業の基盤となる「ESG」「安全とサービス」「人づくり」への取り組みにも注力してまいります。
(1)更なる経営基盤強化
「グループ経営の強化」への取り組みとして、2019年3月19日付けで「指名・報酬諮問委員会」を設置し、また同年4月1日に駅ビル事業、ホテル事業における中間持株会社を設立するとともに、セグメント区分の変更を実施しております。今後もガバナンス強化と効率的なセグメント経営に向けて、必要な体制の構築を引き続き検討してまいります。
(2)主力事業の更なる収益力強化
①収支改善による持続的な鉄道サービスの構築
「新幹線」「近距離」「インバウンド」の主力分野の収益力向上に加えて、「ななつ星in九州」やD&S列車のブラッシュアップを通じた九州ブランドの価値向上、九州への誘客促進を図るとともに、効率化や省人化等により、将来に向けた生産性の向上を推進してまいります。
②拠点地域の戦略的まちづくり
福岡都市圏での積極的な事業展開にあたって、特に九州・アジアの玄関口である博多を中心に、公募案件をはじめとする様々な手法による不動産の取得・開発を推進してまいります。
また、熊本駅周辺開発や宮崎駅西口開発をはじめとした駅を拠点としたまちの価値向上に取り組みます。
(3)新たな領域における成長と進化
長期的な技術革新の潮流をとらえ、実証実験や他の交通機関との連携等により、新たなモビリティサービス(MaaS)への取り組みに挑戦します。また、将来的な人手不足対策として、各事業における省力化、省人化を推進してまいります。
(4)ESG
当社グループは“おこない”として、「誠実」「成長と進化」「地域を元気に」を掲げています。この考え方のもと、事業を通じて地域社会へ貢献する企業グループとしてあり続けるために、環境、社会、ガバナンスの各分野における取り組みを強化・推進します。特に、昨年12月に公表した住宅子会社の不正行為に関する再発防止策をはじめ、グループガバナンスの強化を徹底してまいります。
(5)安全とサービス
①安全
当社グループにとって安全が最大の使命であり、すべての事業の基盤です。鉄道事業においては、「安全中期計画《2017-2019》」に基づいて策定した安全基本方針に則った施策を着実に推進するとともに、安全創造館研修等の社員の安全意識を高める活動に一層磨きをかけてまいります。また、「食」や「施設」に関する安全や、ITセキュリティの向上への取り組みについても推進してまいります。
②サービス
時代や環境の変化にあわせて多様化するニーズやご期待に応えるサービスを提供し、お客さまに選ばれ続ける企業グループを目指します。お客さまや社員の声を商品や施策に積極的に反映するとともに、実践的な教育や研修を通じて社員のスキル向上を図ります。また、タブレット端末の活用等を通じて、増加する海外からのお客さまへのサービスも充実させてまいります。
(6)人づくり
社員が“幸せ”を感じ、“いきいき”と活躍できる環境をつくり、当社グループが持続的に発展していくための基盤となる人づくりを推進します。特に、ワークライフバランスの向上や効率的な業務運営体制の構築を通じて、働きやすさの追求及び働きがいの創出に取り組みます。