有価証券報告書-第31期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く経営環境は、日本経済における輸出や生産が世界経済の緩やかな成長を受けて増加基調にあることに加え、雇用・所得環境の着実な改善を背景に個人消費が底堅さを増すなど、緩やかな拡大を続けています。一方で、人口減少や少子高齢化の進展、他輸送機関との競争激化、相次ぐ自然災害への対応が求められるほか、2018年度末で会社発足以降受けていた税制特例措置が廃止されるなど、厳しい状況が続くことが予想されます。
このような状況のなか、2018年度は当社グループの“あるべき姿”である「安全とサービスを基盤として 九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」の実現に向けて、“おこない”として掲げる「誠実」「成長と進化」「地域を元気に」という3つの原点に則り、最終年度を迎える「JR九州グループ中期経営計画2016-2018」の総仕上げを行ってまいります。
具体的には、すべての事業を支える4つの柱「安全」「サービス」「人材」「デザインと物語(ストーリー)」をより強固なものとし、3つの重点戦略「すべての事業の根幹である強靭な鉄道づくり」「九州における積極的なまちづくり」「新たな事業と九州外エリアへの挑戦」を積極的に推進することで、「やさしくて力持ちの“総合的なまちづくり企業グループ”」を目指すとともに、数値目標の達成を確かなものとし、地域の発展に貢献する長期持続的な事業活動を可能とする強固な経営基盤づくりをさらに加速させてまいります。
また、これまでに実施してきた施策や計画中のプロジェクトの状況を踏まえつつ、JR九州グループを取り巻く環境の変化を見据えた次期中期経営計画の策定を進めてまいります。
なお、当中期経営計画における経営数値目標には、基幹事業である鉄道事業において設備投資額が比較的大きく、毎年の設備投資額の多寡により各利益への影響を受けやすいことから、企業の収益力の成長性を経年評価するため、連結営業収益に加え、連結EBITDAを経営指標としております。
(1)安全
当社グループにとって安全が最大の使命であり、すべての事業に共通し、安定や効率を優先することなく、常に安全を優先してまいります。鉄道事業においては、「安全に関する社員の声」を基盤とした「安全創造運動」を継続して展開し、安全創造館研修等、社員の安全意識を高める活動に一層磨きをかけていくとともに、「安全中期計画《2017-2019》」に基づいて策定した安全基本方針に則った施策を着実に推進してまいります。また、「食」や「住」をはじめとする鉄道事業以外の事業においても、安全意識を高め、安全をつくり、育てていく取り組みを推進してまいります。
(2)サービス
「サービスを社風へ」と高めるべく、「もっと笑顔 もっとあいさつ」をテーマとし、自然な「笑顔」と「あいさつ」でお客さまをお迎えすることの徹底、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に勤(いそ)しみ身のまわり及びまちをきれいにする取り組みの展開、全社員による「声かけ・サポート」運動を行ってまいります。また、お客さまの身になって自ら考え行動し、「お客さまの声」や「社員の声」を積極的かつ迅速に商品や施策に反映するとともに、各種研修や発表会等による社員のサービス意識の向上と、社員の素晴らしいサービス、行動を積極的に褒め水平展開を行うことでグループ各社とともにサービス向上を図る取り組みを推進してまいります。
(3)人材
すべての事業の基盤である安全とサービスをさらに高めることを考え、取り組む人材を育成していくとともに、原点である基本動作を徹底してまいります。また、「学ぶ風土」を土台として、学んだこと等を実践に活かし挑戦しようとする「行動する気風」づくりにつなげてまいります。さらに、社員自らが「働き方」を変えるという意識の醸成や労働時間管理のルールに従った計画的かつ効率的な業務運営の推進、社員の健康増進、ワークライフバランスの積極的な推進により、働きやすさ・働きがいの向上に取り組んでまいります。
(4)デザインと物語(ストーリー)
地域の元気がなければ、JR九州グループが元気になることはないとの認識のもと、D&S(デザイン&ストーリー)列車の運行や「駅長おすすめのJR九州ウォーキング」の開催をはじめ、地域におけるイベントや文化活動等への参画、博多駅及び「JR博多シティ」等の集客力を活かしたまちづくりに取り組むほか、社員の地域貢献活動に対する表彰制度を通じた支援を継続してまいります。
(5)技術革新と効率的な業務運営の追求
さらなるICTの活用や作業の機械化・自動化等による将来の抜本的な業務改善につながる技術的な調査を推進し、効率的な事業運営体制を構築することにより生産性とサービスの向上を図っていくとともに、メーカー等と連携しながら実用化に向けた技術開発を行ってまいります。また、節電による光熱費節減やペーパーレス化等に引き続き取り組むほか、「さがせ百万円、みつけろ十万円プロジェクト」の展開によりコスト意識の定着に努め、グループ会社への水平展開により当社グループとしてさらなるコスト削減を推進してまいります。
(6)企業の社会的責任の遂行
企業の社会的責任の高まりに対応し、企業倫理に対する社員の意識の一層の徹底を図るとともに、情報システムセキュリティや内部統制システムを充実させてまいります。また、効率的なエネルギー利用や資源の有効活用、化学物質の適正な管理・処理などの地球環境保全活動により、持続可能な社会づくりを推進してまいります。
(7)グループ経営
グループ各社の果たすべき役割・目標を明確化するミッション制度と業績評価制度により、連結経営の強化を図ってまいります。また、M&Aやアライアンス等を含めた新規事業への挑戦、九州外エリア及びアジアへの事業進出、インバウンド需要の取り込み等によりグループ収益力の拡大を図るとともに、効率的な業務運営と徹底的なコスト削減を図ることで、競争力強化及び利益拡大を目指します。さらに、コンプライアンス強化、環境経営の推進、人材の育成等の重要課題に取り組み、強固な経営基盤づくりとグループ総合力の強化に努めてまいります。