有価証券報告書-第60期(2024/10/01-2025/09/30)
経営成績等の状況
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いたものの、物価上昇の継続と海外経済の不透明感が景気の重石となり、全体としては力強さを欠く推移となりました。個人消費については、賃金の上昇や各種支援策が下支えとなったものの、実質購買力の回復には至らず、回復の足取りは鈍い状況となりました。一方、訪日外国人観光客の増加は引き続きサービス消費の拡大に寄与し、地方都市を含めた観光関連業の活性化に貢献いたしました。企業の設備投資は堅調に推移したものの、中国や欧州経済の減速により輸出は伸び悩み、製造業の一部では慎重な姿勢が見られました。
建設業界においては、公共建設投資は、国土強靭化に向けた施策やインフラ老朽化対策が継続されたことから、堅調に推移いたしました。民間建設投資についても、都市部を中心とした再開発事業や物流施設・ホテル等の非住宅分野における投資が継続し、総じて底堅い動きとなりました。しかしながら、建設資材価格は依然として高止まりしており、加えて人手不足による工期の長期化やコスト上昇への対応が各社の経営課題となっております。
このような状況の下で、当社グループは、持続可能な成長を図るべく、施工力・提案力の強化と人材育成に注力
してまいりました。人材面では、若手層・中堅層の育成を目的とした研修制度「岐阜造園アカデミー」の充実を図るとともに、働き方改革を背景に、多様な働き方への対応と生産性向上に取り組みました。事業面では、ガーデンエクステリアにおいて、大手ハウスメーカーとの連携強化を進め、案件規模の拡大や地域別の提案強化が奏功し、受注高は堅調に推移しております。ランドスケープにおいても、首都圏の高級商業施設や宿泊施設を中心に、新規案件の受注が進みました。売上・利益面では、大阪・関西万博に関連する造園工事の完工が寄与したほか、富士山を臨む高級旅館の大型造園工事が順調に進捗し、計画を上回る水準で推移しております。
なお、当社グループは造園緑化事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、対象とする物件により、「ガーデンエクステリア」と「ランドスケープ」に区分しております。「ガーデンエクステリア」、「ランドスケープ」についての詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
<ガーデンエクステリア>ガーデンエクステリアに関しては、売上高は3,357,333千円(前連結会計年度比15.8%増)となりました。当連結会計年度においても、前連結会計年度から引き続き、当社グループは、大手住宅メーカーとの協力関係の強化に努めております。その結果、当社の得意分野である戸建及び集合住宅における高価格帯の外構造園工事が増加し、売上高拡大に寄与しております。
<ランドスケープ>ランドスケープに関しては、売上高は2,914,023千円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。当連結会計年度においては、特に民間からの受注が好調であり、内容としても大型の外構造園工事が多くありました。具体的には、富士高級旅館の造園工事、大阪・関西万博の造園工事、愛知県岡崎市及び安城市の複合商業施設の植栽工事、高級会員制リゾートホテルの外構・植栽工事、県立医科大学の植栽工事、愛知県長久手市ジブリパークの管理業務等であります。また、官公庁からの案件としては、公園の指定管理業務や全国緑化フェスティバルの会場演出業務等があり、売上高増加に貢献しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は6,271,357千円(前連結会計年度比20.6%増)、営業利益は538,282千円(同20.4%増)、経常利益は549,108千円(同20.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は384,527千円(同12.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ233,781千円増加し、当連結会計年度末には2,618,800千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は317,228千円(前連結会計年度は715,786千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益544,744千円、未払金の増減額144,439千円、仕入債務の増減額58,309千円、減価償却費38,114千円、販売用不動産の増減額29,366千円等の資金の増加に対して、売上債権の増減額263,509千円、法人税等の支払額178,426千円、役員退職慰労引当金の増減額35,016千円等の資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,296千円(前連結会計年度は114,111千円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入62,613千円等の資金の増加に対して、保険積立金の積立による支出23,015千円、無形固定資産の取得による支出19,327千円、定期預金の預入による支出12,623千円等の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は80,150千円(前連結会計年度は42,727千円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50,000千円等の資金の増加に対して、配当金の支払額106,976千円、長期借入金の返済による支出24,736千円の資金の減少によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| ガーデンエクステリア | 3,552,969 | 111.3 | 971,763 | 125.2 |
| ランドスケープ | 2,784,733 | 103.8 | 1,153,737 | 89.9 |
| 合計 | 6,337,702 | 107.9 | 2,125,500 | 103.2 |
(注)当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) (千円) | 前年同期比(%) |
| ガーデンエクステリア | 3,357,333 | 115.8 |
| ランドスケープ | 2,914,023 | 126.8 |
| 合計 | 6,271,357 | 120.6 |
(注)1.当社グループの事業は、造園緑化事業の単一セグメントであるため、対象とする物件による区分にて記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 積水ハウス株式会社 | 1,418,783 | 27.3 | 1,047,982 | 16.7 |
| 積水ハウス建設中部株式会社 | 110,697 | 2.1 | 738,074 | 11.8 |
| 大和ハウス工業株式会社 | 445,808 | 8.6 | 548,757 | 8.8 |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて482,201千円増加し、5,776,333千円となりました。これは主に販売用不動産が29,366千円、建物及び構築物が26,102千円減少したものの、現金及び預金が183,792千円、受取手形・完成工事未収入金が263,509千円、投資有価証券が59,680千円、保険積立金が23,015千円等増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて158,346千円増加し、1,631,851千円となりました。これは主に未成工事受入金が19,571千円、役員退職慰労引当金が35,016千円等減少したものの、支払手形・工事未払金が58,309千円、その他流動負債が124,023千円、長期借入金が13,620千円等増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて323,855千円増加し、4,144,481千円となりました。これは、主に利益剰余金が277,534千円、その他有価証券評価差額金が44,758千円等増加したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
経営成績を売上高及び段階損益ごとに、前連結会計年度と比較すると下表のようになります。
| 第59期 | 第60期 | 前連結会計年度比 | ||||||
| 金額 (千円) | 構成比率 (%) | 金額 (千円) | 構成比率 (%) | 増減金額 (千円) | 増減比率 (%) | |||
| 売上高 | ガーデンエクステリア | 2,900,272 | 55.8 | 3,357,333 | 53.5 | 457,061 | 15.8 | ↑ |
| ランドスケープ | 2,298,404 | 44.2 | 2,914,023 | 46.5 | 615,618 | 26.8 | ↑ | |
| 小計 | 5,198,677 | 100.0 | 6,271,357 | 100.0 | 1,072,680 | 20.6 | ↑ | |
| 売上総利益 | 1,506,576 | 29.0 | 1,800,159 | 28.7 | 293,582 | 19.5 | ↑ | |
| 営業利益 | 447,218 | 8.6 | 538,282 | 8.6 | 91,064 | 20.4 | ↑ | |
| 経常利益 | 455,947 | 8.8 | 549,108 | 8.8 | 93,161 | 20.4 | ↑ | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 340,464 | 6.5 | 384,527 | 6.1 | 44,062 | 12.9 | ↑ | |
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて1,072,680千円増加し、6,271,357千円となりました。これは前連結会計年度と比較して、ガーデンエクステリアが457,061千円、ランドスケープが615,618千円増加したことによります。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて779,097千円増加し、4,471,198千円となりました。これは主に主要材料費が336,123千円、外注加工費が316,778千円、賃金給料が49,566千円、賃借料が22,134千円等増加したことによります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べて293,582千円増加し、1,800,159千円となりました。
なお、売上総利益率は、28.7%(前連結会計年度は29.0%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて202,517千円増加し、1,261,876千円となりました。これは主に従業員給与及び手当が70,280千円、役員報酬が50,337千円、支払報酬が39,980千円等増加したことによります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて91,064千円増加し、538,282千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて2,654千円増加し、21,051千円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べて557千円増加し、10,226千円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて93,161千円増加し、549,108千円となりました。
なお、売上高経常利益率は、8.8%(前連結会計年度は8.8%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ4,364千円増加して、4,364千円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて44,062千円増加し、384,527千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に必要となる外注加工費等及び人件費等の販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。
当連結会計年度においては、売上高6,000,000千円、売上総利益率27.7%、売上高経常利益率8.4%を目標としておりましたが、実績は売上高6,271,357千円、売上総利益率28.7%、売上高経常利益率8.8%となり、目標を上回る結果となりました。なお、翌連結会計年度は、売上高6,312,000千円、売上総利益率27.7%、売上高経常利益率9.1%を目標に掲げております。引き続きこれらの指標について、向上に努めてまいります。