有価証券報告書-第13期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
保証事業においては、高齢者向けの家賃債務保証商品及び事業用の賃貸物件を対象とした保証商品を開発し、販売を開始いたしました。また、医療保証の分野では、様々な分野のパートナーとの協業により、マーケット開拓に取り組んでまいりました。さらに、新たな保証商品として、養育費保証商品を開発し、今後の展開に向けた販売活動を開始いたしました。
ソリューション事業においては、賃貸物件の入居申込みに係る業務を新たに受託したことを受け、横浜ソリューションセンターを開設し、運営を開始いたしております。
また、当社は平成29年12月7日をもって、東京証券取引所マザーズから東京証券取引所市場第一部へ市場変更いたしました。
以上の結果、売上高に関しましては、保証事業の売上高は、1,464,170千円(前期比5.4%減)、ソリューション事業の売上高は、1,487,388千円(前期比27.6%増)となり、合計で2,951,559千円(前期比8.8%増)となりました。
営業利益に関しましては、売上の増加に伴う費用の増加を一定水準に抑制できたことにより、営業利益率が向上した結果、772,449千円(前期比27.0%増)となりました。経常利益は752,332千円(前期比25.8%増)となり、当期純利益は、508,729千円(前期比24.3%増)となりました。
なお、当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
また、総資産については業績が順調に推移し、現金及び預金が増加したことなどにより、3,506,419千円となり、前事業年度末に比べ338,170千円増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,613,039千円となり、前事業年度末に比べ353,450千円増加(前事業年度は1,577,947千円の増加)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、532,373千円(前事業年度は343,352千円の増加)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益752,160千円、減価償却費29,799千円、前払費用の減少額38,404千円などであります。一方、主な減少要因は、保証履行引当金の減少額18,653千円、前受収益の減少額18,023千円、法人税等の支払額280,128千円などでであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、54,171千円(前事業年度は30,592千円の減少)となりました。主な減少要因は有形及び無形固定資産の取得による支出33,919千円、差入保証金の差入れによる支出21,321千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、124,752千円(前事業年度は1,265,187千円の増加)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額132,352千円などであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 総合保証サービス事業 | 2,951,559 | 8.8 |
| 合計 | 2,951,559 | 8.8 |
(注)1.当社は総合保証サービス事業の単一セグメントであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 大和ハウスフィナンシャル株式会社 | 1,102,353 | 40.6 | 1,205,784 | 40.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、事業年度末日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに事業年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計方針」に記載しており、特に以下の重要な会計方針の適用が当社の財務諸表の作成において使用される見積り及び予測に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 貸倒引当金
当社は、債権回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。主として一般債権については貸倒実績率により、債権先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合は、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
財政状態が悪化し、その支払能力が低下した債権先からの回収可能見込額を見積る際には、債権先の過去の支払い実績や現在の状況等を考慮しますが、時には見積りや予測を必要とします。そのため、現在回収可能と考えている債権残高に関して、債権先の状況の悪化や経済環境の変化等の追加情報を評価する結果、貸倒引当金を追加で計上する可能性があると判断される場合もあります。
b. 保証履行引当金
当社は、保証履行により発生する損失の見積額について保証履行引当金を計上しております。保証履行引当金は、保証委託者の状況及び過去の一定期間における回収実績等を勘案して、保証履行による将来の予想損失額を計上しております。
当社が保証履行を行うことにより発生する損失額を見積る際には、保証委託者の状況や過去の回収実績等を考慮しますが、時には見積りや予測を必要とします。そのため、現在想定している保証履行の発生可能性に関して、保証委託者の状況の悪化や経済環境の変化等の追加情報を評価する結果、保証履行引当金を追加で計上する可能性があると判断される場合もあります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当事業年度の売上高は前事業年度より238,413千円増加し、2,951,559千円(前期比8.8%増)となりました。これは、既存顧客である大手不動産管理会社が管理する賃貸物件を対象としたサービスが、保証サービスからソリューションサービスへシフトしている影響により、保証事業の売上高は、1,464,170千円(前期比5.4%減)となったものの、保証関連の業務受託サービスなどのC&Oサービスが順調に伸張したことなどにより、ソリューション事業の売上高が、1,487,388千円(前期比27.6%増)となったことによります。
また、業容の拡大により人件費は増加したものの、その他の原価増を抑制できた事により原価率が低減し、売上総利益は169,778千円増加し、1,450,090千円(前期比13.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費は前事業年度より5,795千円増加し、677,641千円(前期比0.9%増)となりました。これは、IR関連費用及び新商品開発にかかる弁護士費用などが増加したことなどによります。
この結果、営業利益は163,983千円増加し、772,449千円(前期比27.0%増)となりました。
営業外収益は前事業年度より19千円増加し、51千円(前期比59.6%増)となりました。また、営業外費用は前事業年度より9,862千円増加し、20,168千円(前期比95.7%増)となりました。これは、東京証券取引所市場第一部への市場変更にかかる上場関連費用を計上したことなどによります。
この結果、経常利益は154,139千円増加し、752,332千円(前期比25.8%増)となりました。
特別利益は前事業年度より131千円増加し、131千円(前事業年度は特別利益の計上はありません。)となり、特別損失は前事業年度より302千円増加し、302千円(前事業年度は特別損失の計上はありません。)となりました。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は243,431千円となりました。
この結果、当期純利益は508,729千円(前期比24.3%増)となりました。
b. 財政状態
当事業年度末における総資産は、3,506,419千円となり、前事業年度末に比べ338,170千円増加となりました。
流動資産は、3,266,754千円となり、前事業年度末に比べ309,405千円増加となりました。これは、前払費用が30,974千円減少し、貸倒引当金が12,724千円増加したものの、現金及び預金が353,450千円増加したことなどによります。
固定資産は、239,665千円となり、前事業年度末に比べ28,764千円増加となりました。これは、有形固定資産が18,642千円増加したことなどによります
当事業年度末における負債合計は、1,063,812千円となり、前事業年度末に比べ45,840千円減少となりました。
流動負債は、994,230千円となり、前事業年度末に比べ43,725千円減少となりました。これは、未払金が22,526千円増加したものの、未払法人税等が47,464千円、保証履行引当金が18,653千円減少したことなどによります。
固定負債は、69,581千円となり、前事業年度末に比べ2,115千円減少となりました。これは、資産除去債務が5,828千円増加したものの、固定負債その他が10,462千円減少したことなどによります。
当事業年度末における純資産合計は、2,442,607千円となり、前事業年度末に比べ384,010千円増加となりました。これは、配当の支払により132,514千円減少したものの、当期純利益508,729千円を計上したことにより、利益剰余金が同額増加したことなどによります。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の主要な業務委託先であります大和リビング株式会社において、平成26年度に連帯保証人不要制度が導入されたことに伴い、同社が管理する賃貸物件を対象とした当社サービスが、家賃債務保証サービスから審査業務、未入金案内業務及び債権管理支援業務等を一括して提供するソリューションサービスへ移行しております。今後も、賃貸物件への入居のタイミングで、順次、当該移行は進んでいくものと見込まれております。
保証事業については、大和リビング株式会社の管理している物件を対象とした保証サービスに係る保有契約者数は、減少が見込まれるものの、家賃債務保証を取り巻く環境は、保証会社の利用が定着し、保証会社利用割合は増加傾向にあるものと考えております。また、民法の改正により、個人の連帯保証人について、極度額を定めることが義務付けられる事などにより、機関保証のニーズは益々高まることが期待されております。このような環境のもと、新規の業務委託先の開拓により、保証サービスの拡販に注力すると共に、既存の大手パートナー企業との協業による家賃保証商品の開発にも力を入れていく方針であります。
また、介護費用保証商品及び医療費用保証商品については、自社による販売推進に加え、パートナー企業との協業を通じてマーケットの開拓に努め、新たな分野の保証サービスとして家賃債務保証商品に並ぶ主力商品となるよう、引き続き拡販に努めてまいります。
なお、販売面において拡販を進める一方で、代位弁済した債権の回収力の安定化により、代位弁済額の圧縮及び求償債権の正常化に継続して取り組んでまいります。
ソリューション事業については、上述のとおり、大和リビング株式会社の管理する物件を対象とした保証関連業務の受託サービスは、順調に推移していることから、今後も収益の拡大に貢献するものと考えております。また、保証関連業務の受託サービスを他の管理会社に対して、個別又は一括で提供することで、新たな収益の柱とすべく積極的な営業活動に努めるほか、Doc-onサービス及び保険デスクサービスについても、引き続き拡販に取り組んでまいります。
なお、中長期的展望としまして家賃債務保証ビジネスはいずれ成熟化し、競争は激しくなっていくものと考えております。そのため、当社は総合保証サービス会社として、家賃債務保証事業で培ったノウハウを活かし、他の分野における保証サービスの開発・販売、業務上の課題を解決する専門的な業務支援サービスであるソリューションサービスの提案を積極的に行うことで、収益の拡大を目指して取り組んでまいります。
これらの方針を事業計画として明示し実行するために、平成30年5月に中期経営計画を策定し開示いたしております。また、当該中期経営計画において、当社の重要な指標として、売上高、営業利益、営業利益率について、目標値を定めております。本目標値を達成し、企業価値を継続的に向上させるため、中期経営計画に掲げた事業展開の基本方針のもと、保証事業及びソリューション事業における以下の重点戦略を推進してまいります。
(中期経営計画の各重点戦略の骨子)
・主力事業としての家賃債務保証サービスの拡大・進化
・ソリューションサービスの推進
・介護費用保証及び医療費用保証における新市場の育成
・新たな保証・ソリューションサービスの開発による、次世代事業の創出
なお、中期経営計画は、当社ウェブサイトよりご覧頂くことができます。
(当社ウェブサイト)
http://www.entrust-inc.jp/
d. 資本の財源及び資金の流動性
当社は、保証事業において代位弁済を行なうため、一定の立替金が発生いたしますが、当該立替資金については、自己資金で賄われております。
また、当事業年度において実施いたしました設備投資の総額は、39,912千円となり、その他の経費も含め自己資金で行なっております。
今後の資本的支出の予定に関しましては、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」をご参照下さい。