有価証券報告書-第21期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 16:11
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109項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は企業業績が堅調に推移するとともに、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いておりましたが、2019年の秋口から度重なる台風等の自然災害、消費税引上げの実施等により、個人消費の動きは弱含みとなっております。一方、世界的には米中貿易戦争、英国のEU離脱、中東情勢の不安定化により不透明感を増したところに、新型コロナウイルス感染症の拡大が生じており、引き続き景気の動向には留意が必要な状況です。
当社の属する住宅業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大により中国からのサプライチェーンが分断し、一時期トイレ、システムキッチン等の住宅資材の供給が受けられなくなる事態となりましたが、当社におきましては代替品での対応や取引先企業の協力の下で乗り越えることができました。
住宅市況に関しましては、首都圏を中心に分譲マンション価格が高止まりする中、戸建住宅は比較的割安に購入可能であり、住宅取得支援施策や住宅ローンの低金利水準の継続も相まって、一次取得者層需要を中心として安定的に推移しました。一方、人口減少による新築着工件数の長期的減少、建築コストの高騰等、将来的な不安定要素も引き続き内在しております。このような状況のもと、当社は自社設計・自社施工管理による高品質かつ低価格な住宅の供給をミッションに、横浜市、川崎市、東京都内城南地区において一次取得者層をターゲットとして活動エリアの深耕を図り、分譲住宅事業、注文住宅事業ともに引渡棟数、売上高は創業来の最大値となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は9,630,485千円(前年同期比20.7%増)、営業利益は331,321千円(同35.8%増)、経常利益は305,978千円(同40.6%増)、当期純利益は209,933千円(同53.3%増)となりました。
なお、2019年11月13日に通期業績予想では、売上高9,900百万円、営業利益375百万円との発表を致しましたが、売上高では修正予想比269百万円の未達、営業利益では43百万円の未達となっております。売上高に関しましては新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、中国からのサプライチェーンが滞ったことにより、トイレ、キッチン等の手当てができずに、翌期に繰り越したことが主な要因となります。また営業利益に関しましては、売上高の未達によるものであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(分譲住宅事業)
横浜・川崎における新築小規模戸建て分譲住宅においては、分譲用地の取得競争が厳しさを増し、土地仕入、物流、建築に関わるコストの増加により売上原価が上昇し、エンドユーザーの選別眼が厳しくなりました。
分譲住宅事業における具体的な対応は以下のとおりであります。
1.ここ数年、横浜・川崎では完成在庫が多くなっていますが、当社としては肌理細やかな販売価格の設定を継続しており、案件毎の利益率の管理を徹底しております。土地仕入契約時からエンドユーザーに販売するまでは平均的に8ヶ月を要しますが、この間の市況の変化に柔軟に対応しております。
2.ここ数年、新規採用人材の戦力化が進み、リーダー格の人材も育っております。リーダー格の人材の成長により従来の3チームから5チームへ体制拡大しており、各チームはお互いに切磋琢磨しながら営業活動を行っております。当社の根幹事業である分譲住宅事業において次世代に繋がる体制となっております。
3.一定規模以上の案件に関しては、企画会議を実施しており、営業、施工、設計等社内の総力を結集しております。当社は自社設計、自社施工管理が強みでありますが、社内サプライチェーンの強化に努めております。
4.当社のビジネスモデルは仲介会社からの土地情報を得て、同時に販売も委託しております。東横線沿線を中心とした仲介会社との紐帯関係が現状良好であるとともに、今後益々深耕させて行く所存です。
これらの結果、引渡棟数は203棟(前年同期比36棟の増加)、売上高は7,721,803千円(同22.2%増)、営業利益は690,405千円(同14.3%増)となりました。
(注文住宅事業)
注文住宅については、業界全体として2019年10月の消費税引上げの反動の影響を大きく受けておりますが、当社は注文住宅事業の成長率が、その反動減のマイナスを上回る貌となりました。
注文住宅事業における具体的な対応は以下のとおりであります。
1.見込み顧客の取りこぼしを回避すべく丁寧な受注活動を徹底しております。当事業年度の受注高は100棟/2,003,034千円となり、棟数で前年同期比21.9%増、金額で同20.2%増となっております。当事業年度末における受注残高は91棟/1,930,804千円となっております。地域別では東京での受注割合がこの2年間で46.5%から59.0%に増加しており、注文住宅事業は横浜・川崎の神奈川県圏内よりも東京のウエイトが年々拡大しております。
2.1棟当たりの請負金額が増加しております。引渡ベースでは70棟でありますが、前事業年度から単価が19.4百万円から21.2百万円へ増加しております。
3.広告媒体については、ホームページの改訂ともにリターゲティング広告、リスティング広告に加え、ランディングページを創設しました。引き続きITを活用した施策を展開してまいります。
4.分譲住宅部門と同様に、ここ数年で採用した人員の戦力化が実現しております。人材の教育・育成体制構築も進み、この4年間で4倍以上の規模に拡大しております。
5.法人受注に関しては、金融機関を利用して、与信強化のための体制作りを行いました。緊急事態宣言以降は急激な信用不安も想定されていることから、抑制的な運用をしております。
6.当社は横浜・川崎・東京都内城南地区を主たる営業エリアとしておりますが、分譲住宅事業で培った仲介会社との紐帯関係からの紹介案件も多く、当社の地域戦略において注文住宅事業と分譲住宅事業との相乗効果を創出しております。
これらの結果、引渡棟数は70棟(前年同期比1棟減)、売上高は1,717,376千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は70,214千円(同167.2%増)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、京都エリアにてマンション(区分所有)のリノベーション物件の販売により、売上が増加しております。この他、既存物件のリフォーム工事も当セグメントに含まれます。
その他事業における具体的な対応は以下のとおりであります。
1.当社は京都に事務所を開所して3年が経過しますが、地道な営業活動により地元仲介会社との紐帯関係も確実に深まっております。京都の人員を増強して、当事業年度からはチーム制で営業を行う体制に変更し、売上高5億円を目指せる体制にしております。また、従来京都における資金調達は自己資金又は金融機関の当座貸越枠の利用で対応しておりましたが、規模拡大に伴い分譲住宅事業と同様に案件毎の資金調達を開始しており、京都での銀行取引も開始しました。
2.地域的には中京区と下京区で人気の「田の字地区」での情報収集により仕入ができておりますが、2021年3月期は緊急事態宣言後の市況を見極める上でもエリアに拘らず実需の仕入を目指しております。
3.リノベーション工事では、自社施工を開始しておりますが、利益率の更なる向上を図るため、一層肌理細やかに対応してまいります。
これらの結果、売上高は191,306千円(前年同期比8.1%減)、営業損失は22,326千円(前年同期は営業損失7,991千円)となりました。
セグメントの名称売上高(千円)(前年同期比)引渡棟数(前年同期)
分譲住宅事業
[うち土地分譲]
7,721,803(22.2%)203(167)
[254,961][△20.7%][7][7]
注文住宅事業1,717,376(18.6%)70(71)
その他191,306(△8.1%)5(7)
合計9,630,485(20.7%)278(245)

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.[ ]は、土地分譲に係る内数であります。
セグメントごとの経営成績は以上です。
当社は2018年上期の業績悪化を契機に社内変革に努めてまいりました。前述以外の取り組みの状況は以下のとおりであります。
1.社内インフラの整備
旧態然とした仕組みを高度化しました。具体的には給与計算、年末調整、経費精算、法定調書等の仕組みをシステム化し、属人的な対応を排除し、サスティナブルな仕組みを整備しました。また情報漏洩等に備えるため一部クラウドを取りやめ、社内サーバーの導入に切替えました。同時にサイバーセキュリティ対策も実施しております。
施工部門においては、取引先企業・職人との現場工事にかかわる工程管理のクラウド化を採用し、円滑な現場運営の促進に努めております。更に2020年10月の本格稼働を目指し、受注・発注業務の電磁化対応の準備を進めております。施工部門自体の働き方改革につながるとともに、経理部門における支払業務の短縮化が期待でき、迅速な決算処理が可能になると考えております(当初この受発注システムについては開始時期を2020年4月としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により半年延期しております)。
2.社内求心力の向上
福利厚生制度としては、定期健診制度、従業員持株会制度、役員持株会制度等、既存制度の他、確定拠出年金制度の導入、資格手当制度の導入、永年勤続制度の導入、業績表彰パーティー等を開始して、求心力の向上に努めております。また、入社間もない社員を対象にフォローアップ研修も開始し、社員教育の高度化にも努めております。
3.株主とのエンゲージメント向上
前事業年度から株主優待制度を導入しております。同時に議決権行使の電子化も実施しております。株主数は優待取扱前後で1.5倍に増加しており、議決権行使に関しては約半数の株主に電磁的方法を利用していただいております。
4.中期経営計画の策定
新型コロナウイルス感染症の影響により、日本経済は急遽不透明感が増しており、2019年に策定しました中期経営計画の前提が異なる事態となりましたので、中期経営計画を一旦取り下げ、新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着きましたら新たな中期経営計画を策定する予定です。
② 財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は4,884,448千円となり、前事業年度末に比べて372,195千円増加しました。これは主に、仕掛販売用不動産が571,858千円増加、完成工事未収入金が191,680千円増加した一方、現金及び預金が302,335千円減少、販売用不動産が109,215千円減少したことによるものであります。
固定資産は300,300千円となり、前事業年度末に比べて783千円減少しました。これは主に減価償却累計額が増加したこと等により有形固定資産が13,614千円減少した一方、繰延税金資産が13,422千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は5,184,749千円となり、前事業年度末と比較して371,412千円増加しました。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債は2,481,473千円となり、前事業年度末に比べて293,983千円増加しました。これは主に、買掛金が137,564千円増加、未払法人税等が63,280千円増加、前受金が55,270千円増加、短期借入金が49,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は181,141千円となり、前事業年度末に比べ72,463千円減少しました。これは主に、社債が80,000千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,662,615千円となり、前事業年度末に比べて221,519千円増加しました。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は2,522,134千円となり、前事業年度末と比べて149,892千円増加しました。これは主に、当期純利益の計上209,933千円及び剰余金の配当59,992千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は48.6%(前事業年度末は49.3%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における「現金及び現金同等物」(以下「資金」という。)は、営業活動により180,516千円を使用、投資活動により7,408千円を使用、財務活動により114,410千円を使用したことにより、前事業年度末に比べ302,335千円減少し、当事業年度末には1,240,640千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、180,516千円(前年同期は386,802千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上305,978千円があった一方で、たな卸資産の増加462,642千円による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7,408千円(前年同期は6,268千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,509千円、無形固定資産の取得による支出4,432千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、114,410千円(前年同期は504,188千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入れによる収入3,001,000千円があった一方で、短期借入金の返済による支出2,952,000千円、社債の償還による支出100,000千円、配当金の支払による支出59,963千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が営む分譲住宅事業及び建築請負を主体とする注文住宅事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.受注実績
当事業年度における住宅事業のうち建築請負の受注状況は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
注文住宅事業2,003,03420.21,930,80446.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記以外のセグメントについては、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
分譲住宅事業(千円)7,721,80322.2%
注文住宅事業(千円)1,717,37618.6%
その他事業(千円)191,306△8.1%
合計(千円)9,630,48520.7%

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
3.直近2事業年度の分譲住宅事業における地域別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、地域別の分類は、物件の属する地域によって分類しております。
地域前事業年度当事業年度
売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)
東京都23区1,392,57122.01,441,87418.7
神奈川県横浜市3,366,34453.33,953,03851.2
神奈川県川崎市1,562,23724.72,326,89130.1
合計6,321,153100.07,721,803100

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針・重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりまして、重要な会計方針及び見積りにつきましては、十分検討して作成しております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的な基準により判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の「重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
分譲住宅事業に関しては、販売に関しては肌理細やかな対応により売上高が増加しました。仕入に関しても営業エリア内の仲介会社との紐帯関係が順調に深まり安定した仕入を実現できました。またここ数年新規採用している人材の戦力化により自律的な運営が実現できるようになりました。その結果、売上高は7,721,803千円(前年同期比22.2%増)、営業利益は690,405千円(同14.3%増)となりました。
注文住宅事業に関しては、受注段階での取りこぼしを防ぐため丁寧な営業活動に務め、7期連続の増収を実現できました。その結果、売上高は1,717,376千円(前年同期比18.6%増)、営業利益は70,214千円(同167.2%増)となりました。
その他事業に関しては、京都リノベーション事業も人員強化を図り、従来の体制からステップアップを図っております。その結果、売上高191,306千円(前年同期比8.1%減)、営業損失22,326千円(前年同期7,991千円の損失)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、法的規制、自然災害等のリスクなどがあります。なお、各々の内容については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。また、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行と当座貸越契約を締結しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、事業用地等の取得に係るプロジェクト資金や、住宅建築に係る材料費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
なお、当事業年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,851,087千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,240,640千円となっております。
当社は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、特に主要な事業である分譲住宅事業において、いかに立地の良い土地を適正な価格で数多く仕入れることができるかを最重要課題のひとつとしており、当社の属する不動産・住宅業界が特有なビジネス環境の変化に影響を受けやすいことを鑑みますと、事業用不動産等の取得に係るプロジェクト資金の調達を機動的かつ安定的に行う必要があると共に、事業環境変化のリスクに備えるため資金調達手段の多様化を図る必要があると認識しております。
分譲住宅会社はその調達に当たり、プロジェクトの期間に応じた短期借入での調達が一般的であり当社も短期を中心とした調達でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、手許流動性を高める必要性から2020年4月に、、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社日本政策金融公庫他合計4行から計750,000千円の長期資金を調達しました。新型コロナウイルス感染症の収束状況を判断しながら短期借入を抑制し、無駄に借入残高が多くならないように制御していく予定です。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

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