有価証券報告書-第34期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 15:00
【資料】
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【項目】
156項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、当社株式投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
(1)国内外食業界の動向ならびに競争激化について
当社グループの属する国内外食産業市場は、少子化の影響もあり市場規模の拡大に大きな期待ができない状態にあるなか、多種多様な業態の参入により競争が激化しております。また、コンビニエンスストアを中心とする中食との競争も激化しております。これらの競合の動向や外食市場の縮小等により、来客数が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)国内外における店舗運営事業への依存と業績の季節変動等について
当社グループは、創業以来、飲食店の経営を中心に事業を展開しており、主たる事業は、外食店舗運営事業であります。従って、当社グループの業績は外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。
加えて、当社グループの店舗の売上高及び業績は、1年を通して一定ということではなく、季節によって変動する傾向があります。具体的には、国内においては、春休み(3月)、ゴールデンウィーク(5月)、夏休み(7~8月)及び年末年始(12~1月)などの繁忙期に売上高が増加する一方、梅雨シーズンなどの閑散期には売上高が落ち込む傾向があります。海外においても展開する国ごとの、気候・天候、特有のイベント、休暇、生活習慣等により売上高が増減することに伴って業績も変動します。
また、繁忙期に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響が及んだ場合や新規出店が閑散期と重なり、かつ多数出店することによるオープン時の一時費用の負担割合が売上高に比して高くなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)国内店舗展開と出店戦略について
当社グループは、国内においては、主に直営店舗による店舗運営を行っており、今後も立地条件、賃借条件、店舗の採算性などを勘案し積極的に出店を行っていく方針としております。しかしながら、当社グループの出店条件に合致する物件が、出店計画数に満たない場合や工事等の遅れによりオープンが遅延した場合には計画の実行を見合わせることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外事業展開について
当社グループは、欧米・アジア地域を中心に積極的に店舗展開を進めております。進出国における政情、経済、法規制、慣習等といった特有のカントリーリスクにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外においては子会社による直営店舗のほか、現地企業との合弁契約やライセンス契約を締結し、同国内でのスムーズな多店舗展開及び地域に根付いた店舗運営を図っております。パートナー企業の業績の悪化並びに出店計画の遅れ等が生じた場合、店舗売上やロイヤリティ収入が減少することなどにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)商標権について
当社グループの各店舗等において使用する名称・商標等については、その使用に先立ち、外部の専門家を通じて第三者の商標権等を侵害していないかについて確認し、侵害のおそれのある名称は使用を避け、かつ、可能な限り当社グループにおいて商標を取得することを基本方針とし、これら使用権の確保及び第三者の権利侵害の回避に努めております。しかしながら、当社グループの運営する店舗の名称や商品の内容、店舗デザイン等が模倣されることによるブランド力の低下や第三者の有する先行商標との類似等の理由により、第三者から当社グループへの商標権の侵害にかかる損害賠償、商標の使用停止などの請求があり、仮にこれらの請求が認められた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)敷金・保証金・建設協力金について
当社グループでは、出店に際して賃貸人に対し敷金、差入保証金及び建設協力金を支払っております。賃貸借契約の時点で賃貸人の資産状況等を審査しておりますが、賃貸人の財政状態の著しい悪化等により、敷金、差入保証金及び建設協力金の一部又は全部が回収不能になった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外店舗展開における営業権(キーマネー)について
当社グループが出店する欧州の一部の国においては、店舗物件の取得の際に、多額の営業権(キーマネー)支払にかかる負担が発生することがあります。キーマネーとは、出店しようとする店舗物件の前の運営者(前テナント)が設定する当該店舗に紐付いた権利であり、当該店舗への出店において、前テナントからの譲受が必要となります。その価格は、店舗立地、賃貸借契約の残存期間、店舗の過去の業績、家賃、近隣における取引事例などを勘案したうえで、前テナントとの交渉により確定します。なお、当社グループが移転、退店する場合には、キーマネーを譲渡し、投資資金の回収に充てることとなります。
その価格は、当該物件の地理的条件がよく、営業成績が良いほど、また賃貸借契約の残存期間が長いほど上昇する傾向(逆であれば価格は下落)にあることから、その金額によっては、当社グループの出店投資額が増加することや投資回収期間の長期化を引き起こすこととなり、また、移転、退店時におけるキーマネーの譲渡価格によっては、投資回収額が減少することとなり当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)原材料の調達環境リスクについて
当社グループでは、原材料の調達については、外食企業として、食の安全・安心を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかしながら、疫病や天候不順等により、必要量の原材料確保が困難な状況が生じることや仕入価格が高騰する可能性があります。また、お客様へ商品として提供する食材は、国内外から調達しておりますが、輸入制限等による海外からの食材輸入ができない問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)各種法的規制等について
当社グループでは、ラーメン店を中心に複数の飲食店を運営しており、「食品衛生法」、「労働基準法」、「食品表示法」、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」、「独占禁止法」、「中小小売商業振興法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。重大なコンプライアンス上の問題が発生した場合や、法的規制の改正に対応するための新たな費用が発生する場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループに関わる法令・規制等のうち重要なものは以下の通りであります。
「食品衛生法」
当社グループが経営する店舗につきましては、食品衛生法に基づき、所管保健所より飲食店営業の営業許可証を取得しております。店舗では衛生管理の徹底を図るとともに、必要に応じて担当事業責任者及び衛生専門部署が衛生管理状況の確認を行い食品の安全衛生に努めております。これらの諸施策にもかかわらず、食中毒事故等が発生した場合、所管保健所からの営業許可証の取り消し、営業の禁止、一定期間における営業停止処分、被害者からの多額の損害賠償などのほか、当社における信用の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)アルバイト就業員に対する社会保険加入義務化について
当社グループは、国内においては、店舗において多数のアルバイト就業者を雇用しており、社会保険加入の要件を満たすアルバイト就業者においては、全てに加入を義務付けております。しかしながら、今後、アルバイト就業者への社会保険適用範囲の拡大などの法改正が実施された場合、社会保険料負担の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また海外においても、アメリカにおける医療保険制度等の変更等によって、社会保険料ほか各種負担金が増加することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)店舗の衛生管理について
当社グループでは、食品衛生とは、安心・安全な商品をお客様に提供することと考えております。各店舗での適正な食材管理並びに衛生管理を徹底するとともに、衛生専門部署を設置し清潔な店舗づくりに努めております。しかしながら、当社グループにおいて、万一、食中毒などの重大な衛生上の問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)固定資産の減損会計について
当社グループは、すでに減損会計を適用しておりますが、今後当社グループが保有する固定資産を使用する店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合や、固定資産の市場価格が著しく低下した場合には、当該固定資産について減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有利子負債依存度について
当社グループは出店資金を主に銀行借入により調達しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債は7,252百万円であり、有利子負債依存度は44.2%となっております。
現在は、変動金利と固定金利を組み合わせる形で、長期借入金により資金を調達しております。銀行借入時の金利は低金利の状況が当面は継続するものと想定され、一定期間においては金利変動による影響は軽微であると考えておりますが、金利動向及び金融情勢等により当社グループの業績及び事業展開が影響を受ける可能性があります。
なお、有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年以内返済予定を含む)、社債、短期及び長期リース債務の合計額であります。
(14)為替変動リスクについて
当社グループは、グローバルに事業展開を図っており、海外子会社からのロイヤリティ収入等の外貨建売上債権が発生するほか、特に新規エリアへの進出時には、設備投資資金として海外子会社への貸付金が発生するため、決算期末における換算差額が為替差損益として発生します。また、連結財務諸表作成時には、海外連結子会社の財務諸表は、決算時又は期中平均の為替レートで換算されることとなります。
当社グループでは、設備投資資金に係る借入金の一部を外貨建てとし、海外子会社に貸付を行うほか、海外子会社への投資資金の一部の貸付金をデット・エクイティー・スワップ等の手法により出資に切り替えるなどの方法で、為替差損の発生リスクの軽減を図っておりますが、今後、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)特定人物への依存について
当社グループの経営方針及び事業戦略は、ファウンダー(創業者)である代表取締役社長河原成美に依存する部分が相応にあります。当社グループでは組織規模の拡大に応じた権限委譲を進めると共に、役員及び幹部社員による情報の共有化等を通じて経営組織の強化を図るなど、ファウンダー(創業者)に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、今後何らかの理由によりファウンダー(創業者)が当社グループの経営執行を継続することが困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)人財の確保及び育成について
当社グループは、積極的な国内外への出店を行っており、人財の育成と人財確保を積極的に行っていくことが重要であります。当社グループの理念を理解し、賛同した人財確保が重要となっており、新卒採用だけでなく中途採用、アルバイトからの社員登用も含めて人財の獲得を進めてまいります。したがって、人財確保ならびに人財育成が順調に進まない場合には、店舗におけるサービスレベルの維持や店舗展開が計画通りできず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)従業員を発信源とする風評被害について
当社グループは、国内外への出店を行っており、店舗運営のために多くの従業員を雇用しております。昨今、飲食店におけるSNS等を用いた従業員による不適切な情報発信からなる風評被害が頻発していることを受け、当社グループでも情報発信にかかるガイドラインを設けるなどしてその防止に努めております。しかしながら、従業員から不適切な情報が発信された場合には、当社グループで運営する店舗のブランド価値が毀損され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(18)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外において店舗及び工場を運営しており、地震等の自然災害やテロ行為等の違法行為により、店舗営業、工場生産、物流といった諸機能が停止状態に陥った場合、商品供給ができない可能性があります。また、店舗、工場が破損した場合、その程度によっては大規模な修繕等も必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、動物特有(豚)の感染症や伝染病、食品の放射能汚染等、社会全般に影響を与える衛生問題あるいは風評等が発生した場合、売上の減少、仕入コストの上昇、安全衛生の強化施策費の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。