有価証券報告書-第34期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 15:00
【資料】
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【項目】
156項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、国内外における博多ラーメン専門店「一風堂」「IPPUDO」を中心とした複数ブランドの飲食店の展開を中核に、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手がける事業モデルの実現に向け、複数の事業をグローバルに展開しております。
当社グループは企業理念である「変わらないために、変わり続ける」のもと、ラーメンをはじめとする「日本食」の普及と、企業ミッションである“Japanese Wonder to the World”「世界中に“笑顔”と“ありがとう”を」をグローバルに実現することを目指すとともに、より高いレベルでの顧客満足の獲得と更なる企業価値の向上に尽力し、顧客及び株主等のステークホルダーの利益最大化の実現に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標 当社グループが重要視している経営指標は、売上高・営業利益・営業利益率・ROEであります。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、「変わらないために、変わり続ける」という企業理念に基づき、ラーメンを中心とした日本の食文化を世界に伝えるべく、2025年までに全世界でのトータル店舗数600店舗の実現を中長期的な目標として掲げております。
しかしながら、昨今における国内の外食業界には、コンビニエンスストアから中食業態までを巻き込んだ競争が一層激化する状況にあるほか、人財難に伴う労働者賃金の高騰、原材料の価格上昇及び物流費高騰の影響に加え、オリンピックを前にしての建築コストの価格上昇も始まっており、先行きが見通しにくい状況にあります。また、海外においても、アメリカの保護主義政策に端を発する欧州及び中国等の貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題など景気の先行きに不安要素が残っております。
このような環境のもと、以下の課題に取り組み、事業の拡大に努めてまいります。
①国内事業基盤の強化
国内既存店の強化が重要であるとの認識のもと、中核ブランド「一風堂」のバリューの維持と向上のため、新規出店については収益性とブランディングの観点から厳選出店とするとともに、客席稼働率の上昇や衛生面の更なる強化を目的とした戦略的な店舗の改装と不採算店舗の閉店を進めてまいります。それに加えて、「一風堂」ブランドの新しい価値の創造を目的として、「1/2PPUDO(ニブンノイップウドウ)」や「一風堂スタンド」などの新コンセプトショップの展開を進め、「一風堂」ブランドの更なる進化と多様化するお客様のニーズへの順応を目指してまいります。
また、サービス面においては、飲食店の基本であるQSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)の更なる向上に取り組み、お客様に愛されるお店づくりに努めます。
更には、持続的な成長と安定した事業基盤を構築し、昨今の物流費や原材料費の高騰に迅速に対応すべく、生産工程の最適化や物流網の再構築、商流の効率化に関する施策を優先して行ってまいります。
②海外の積極的な事業展開
アジア地域の更なる出店に加え、アメリカ西海岸を中心とした北米市場への積極的な展開と収益性の改善に取り組み、将来の成長事業としての地盤固めを行ってまいります。
新規出店にあたっては、投資効率の高い「KURO-OBI」をはじめとした新規ブランドの積極出店を推進するほか、空港などのターミナル物件への積極出店、新規エリアの開拓に向けた取り組み等にも着手し、ブランド認知度及び事業全体の収益率と経営効率の更なる向上に取り組んでまいります。
③人財の採用と教育
店舗運営力向上のためには、人財こそが他社との差別化にもつながると考えており、国内外問わず、人財採用の強化及び従業員満足度の向上を継続して行ってまいります。また、人財教育におきましては、企業理念の理解の深耕、商品知識・衛生知識の向上やサービス力の向上、店舗マネジメント手法の習得及びコンプライアンスに対する知識の習得などをグローバルに強化することを目的として、自社研修施設での研修、「7つの習慣 店舗の心得」プログラム、アルバイト教育・人事評価システム「イチトレ」などを用いて強化を推進してまいります。加えて、今後の積極的な海外展開も踏まえて、グローバル人財の採用もより一層進めてまいります。
④衛生面の強化
食中毒事故の発生や偽装表示の問題などにより、食の安心や安全に対する社会的なニーズが高まっております。当社グループでは、専門対策部署を設置し、各店舗・工場において、衛生管理マニュアルに基づく、衛生・品質管理に一層注力してまいります。