有価証券報告書-第33期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 16:00
【資料】
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【項目】
117項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、国内外における博多ラーメン専門店「一風堂」「IPPUDO」を中心とした複数ブランドの飲食店の展開を中核に、食材の生産、教育、商品開発、製造、流通、販売までを一貫して手がける事業モデルの実現に向け、複数の事業をグローバルに展開しております。
当社グループは企業理念である「変わらないために、変わり続ける」のもと、ラーメンをはじめとする「日本食」の普及と、企業ミッションである“Japanese Wonder to the World「世界中に“笑顔”と“ありがとう”を」”をグローバルに実現することを目指すとともに、より高いレベルでの顧客満足の獲得と更なる企業価値の向上に尽力し、顧客及び株主等のステークホルダーの利益最大化の実現に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが重要視している経営指標は、売上高・営業利益・営業利益率・ROEであります。
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、2025年に国内店舗数300店舗、海外店舗数300店舗の実現を中長期的な目標として掲げております。
しかしながら、昨今における経済環境は、国内においては、企業業績の伸長により、雇用及び所得情勢が改善し、設備投資も増加基調にあるなど、景気は穏やかな回復基調が継続したものの、外食業界におけるコンビニエンスストアから中食までを巻き込んだ競争が一層激化する状況にあるほか、人財難に伴う労働者賃金の高騰や原材料価格が上昇傾向にあることに加え、下半期からは物流費高騰の影響も顕著に出始めており、先行きが見通しにくい状況にあります。また、海外においても、アメリカ、欧州及び中国等の景気が堅調であったことから、全体としては緩やかな回復基調で推移したものの、アメリカ政権の対外政策に係る先行きの不透明感や北朝鮮のミサイル発射問題などの地政学的な不安要素があるなど、海外経済の不確実性が依然として残っております。
このような環境のもと、以下の課題に取り組み、事業の拡大に努めてまいります。
①国内事業基盤の強化と新規ブランドの確立
国内既存店の強化が重要であるとの認識のもと、中核ブランド「一風堂」のバリュー維持と向上のため、新規出店については厳選出店し、QSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)更なる向上に取り組み、お客様に愛されるお店づくりに努めてまいります。また、新しいブランド価値の創造を目的として「1/2PPUDO(ニブンノイップウドウ)」や「一風堂スタンド」などの新コンセプトショップの展開を積極的に進め、「一風堂」ブランンドの更なる進化と多様性の獲得を目指してまいります。
加えて「一風堂」に次ぐ事業の柱の確立に向け、大型商業施設のフードコートを中心に投資額が小さく投資回収期間が短い「RAMEN EXPRESS」ブランドを筆頭に、アメリカンチャイニーズレストラン「PANDA EXPRESS®」、うどん居酒屋ブランド「イチカバチカ」、博多うどんブランド「因幡うどん」などの新ブランドの出店を行い、国内事業の安定的かつ持続的な成長を目指してまいります。
更には、持続的な成長と安定した事業基盤構築のため、国内新工場の新設を推進しておりますが、昨今の物流費や建築資材の高騰に迅速に対応すべく、短期的な効果を獲得しやすい生産工程や物流体制の改革等を優先して実施することとし、本格稼働については、2020年3月期以降に延期しております。
②海外の積極的な事業展開
アジア地域のさらなる出店に加え、アメリカ西海岸を中心とした北米市場への展開を積極的に進め、将来の成長事業としての地盤固めを行ってまいります。
新規出店に当たっては、投資効率の高い「KURO-OBI」ブランドをはじめとした新規ブランドの積極出店を推進するほか、空港などのターミナル物件への積極出店、新規エリアの開拓に向けた取り組み等にも着手し、収益率と経営効率の更なる向上に取り組んでまいります。
③人財の採用と教育
店舗力向上のためには、人財こそが他社との差別化にもつながると考えており、国内外問わず、人財採用の強化を継続して行ってまいります。また、人財教育においては、企業理念の理解の深耕、商品知識・衛生知識の向上や、サービス力の向上、並びに店舗マネジメント手法の習得などををグローバルに強化することを目的として、自社研修施設での研修、「7つの習慣® 店舗運営の心得」 プログラム、アルバイト教育・人事評価システム「イチトレ」などを用いて強化を推進してまいります。加えて、今後の積極的な海外展開も踏まえて、グローバル人財の採用も進めてまいります。
④衛生面の強化
食中毒事故の発生や偽装表示の問題などにより、食の安心や安全に対する社会的なニーズが高まっております。当社グループでは、専門対策部署を設置し、各店舗・工場にて、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理に一層注力してまいります。