訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2017/12/01 15:00
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1)業績
第102期連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
当連結会計年度における世界経済は、中国や新興国の景気減速や英国のEU離脱問題、保護主義政策への懸念など、不透明感が続くものの、米国経済は堅調を維持しており、総じて底堅く推移しました。また、国内では雇用・所得環境の改善が続き、個人消費が持ち直しているものの、停滞感を残しております。
このような中、当社グループは新たに第11次中期計画(平成29年3月期~平成31年3月期)をスタートし、「MI400(Moriroku Innovation 400)」をスローガンに掲げ、事業構造変革、付加価値創造、管理体質変革の基本戦略のもと、400年企業に向けた変革実現への取り組みをさらに加速させてまいりました。
初年度となる当連結会計年度におきましては、ケミカル事業ではインドネシアに現地法人を設立したほか、米国に押出成形を行う現地法人を関連会社とともに設立し、北米における自動車材料分野でのさらなる事業の拡大を図ってまいります。樹脂加工製品事業では4月にメキシコ工場、8月にインド第2工場が完成するなど、グローバル事業を拡大してまいりました。加えて、「ものづくり」の展開を推進するため、ケミカル事業では6月にケミカル事業推進室・コンパウンド事業推進室を新設し、樹脂加工製品事業では、国内の関東3工場の移管・集約が完了し、新関東工場が本格稼働するなど、高効率な生産体質の強化を進めてまいりました。
このような結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、主に北米・中国において主要顧客の自動車販売が堅調に推移したものの、為替換算による売上収益の減少影響やナフサ価格の下落による商品単価の減少などにより、売上高は170,005百万円(前連結会計年度比1.3%減)、営業利益は6,323百万円(同0.3%増)、経常利益は5,985百万円(同1.5%減)となりました。また、現在の事業環境を踏まえ、樹脂加工製品事業の鈴鹿工場において減損損失(特別損失)を1,935百万円計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,026百万円(同69.1%減)となりました。
セグメントの状況は次のとおりであります。
① ケミカル事業
ケミカル事業においては、中国、ASEAN、欧州、北米の海外4極でのグローバル事業の強化に注力するとともに、「ものづくり」への展開加速による高付加価値ビジネスの拡大に取り組んでまいりました。
グローバル事業の拡大としましては、ASEANでの展開を加速させるためインドネシアに現地法人を設立いたしました。また、米国に押出成形を行う現地法人を関連会社とともに9月に設立し、北米における自動車材料分野でのさらなる事業の拡大を図ってまいります。一方で、国内・中国各1拠点で事業の見直しを実施するなど、選択と集中による事業基盤の強化を行ってまいりました。
また、6月にケミカル事業推進室を新設し、当社グループの強みを活かしたケミカル領域での高効率な「ものづくり」を推進しました。同時に新設したコンパウンド事業推進室については、高付加価値材料の開発に取り組むなど、樹脂加工製品事業とのシナジー向上に努めてまいりました。
事業分野別の業況については、ファインケミカル分野では、ケミカル事業推進室による「ものづくり」の一環として、ケミカル合成の受注や、添加剤販売を拡大してまいりました。一方で、電機・電子材料分野ではスマートフォンの成長減速、コーティング・生活材料分野ではナフサ価格の下落に伴う商品価格の低下により、売上が伸び悩むなど厳しい状況となりました。
所在地別の業況については、ASEANではタイの自動車生産が回復基調にあり、樹脂原料の販売が増えました。中国では内陸部での営業基盤拡大など、新規の取引獲得に努めてまいりました。また、国内では既存取引が順調に推移した一方で、取引拡大の伸長が遅れたことに加え、ナフサ価格の下落や円高進行もあり、売上が伸び悩みました。
これらの結果、ケミカル事業の売上高は65,243百万円(前連結会計年度比3.1%減)、セグメント利益は1,137百万円(同0.2%減)となりました。
② 樹脂加工製品事業
樹脂加工製品事業においては、顧客の現地開発化に対応するため、グローバル設計開発体制を確立するとともに、国内外で強固な生産体質を構築することで、競争力・収益向上に努めてまいりました。
開発技術領域において、顧客の現地開発が加速する中、開発4極(日本・北米・中国・アジア)のネットワークを最大限に活用し、グローバル機種および現地専売機種を連動させた高効率な開発の結果、受注部品拡大に貢献しました。また、新技術・新商品開発においても、グローバルニーズを先取りした魅力ある製品を迅速かつ高品質で提供するための活動を展開してまいりました。
生産領域においては、新機種の立上げを海外支援の継続・強化などにより実現するとともに、新関東工場を中心とした製造工程の自動化、ハイサイクル化、省人化、省エネ化による高効率生産体質の強化に取り組んでまいりました。また、4月にメキシコ工場、8月にインド第2工場が完成するなど、グローバル事業を拡大してまいりました。
所在地別の業況は、米国では個人消費による買い替え需要の下支えが継続し、中国では成長鈍化がみられるものの、減税措置も後押しとなり、自動車販売の拡大基調が継続し、樹脂部品の販売が底堅く推移しました。一方、国内では新車販売台数が前年比横ばいとなり、軽自動車の販売は減少傾向となったことで、樹脂部品の販売も厳しい状況となりました。
なお、主に軽自動車の内外装部品を製造する鈴鹿工場においては、高効率生産体制の強化や生産の平準化を行ったものの、国内の事業環境を勘案し、減損損失(特別損失)を計上いたしました。新関東工場については、受注した新機種販売が堅調であることなどから、好調な滑り出しとなっております。
これらの結果、樹脂加工製品事業の売上高は104,761百万円(前連結会計年度比0.1%減)、セグメント利益は5,163百万円(同1.9%増)となりました。
第103期第2四半期連結累計期間(自 平成29年4月1日 至 平成29年9月30日)
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国では個人消費が依然堅調に推移し、中国では政策効果が下支えとなり景気に持ち直しがみられる等、全体的に緩やかな回復傾向にありました。また、国内では個人消費にやや持ち直しがみられ、景気は緩やかな回復基調が続いております。
当社グループの主な事業領域である自動車市場につきましては、米国において自動車販売は減速に転じたものの、中国において小型車の減税措置継続の影響もあり、新車販売台数が好調に推移しました。また、国内においても個人消費の改善により緩やかに回復し、アジア地域においてはタイ・インドネシアにて、成長基調がみられております。
このような中、当社グループでは、ケミカル事業・樹脂加工製品事業において、主に国内・中国・タイで自動車用塗料・樹脂成形部品等の自動車関連取引の拡大に努めたほか、顧客ニーズに対応した高付加価値商品を提供するため、国内でのケミカル事業におけるものづくりを推進してまいりました。
また、前期に新設したケミカル事業のインドネシア現地法人、押出成形を行う米国現地法人、樹脂加工製品事業のメキシコ工場のスムーズな立ち上げに努めたほか、樹脂加工製品事業においては米国での生産ラインの増設や、中国での新工場建設等、事業基盤の更なる拡充を図ってまいりました。
なお、化学商品の販売価格形成の基準となるナフサ価格については、前年同四半期に比べて回復し、また、為替相場についても円安基調が継続しております。
このような結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は87,335百万円、営業利益は3,331百万円、経常利益は3,564百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,571百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①ケミカル事業
ケミカル事業においては、主に国内・中国・タイにおいて、新規取引の拡大に努めた結果、自動車用塗料等の自動車関連取引が伸長したことに加え、国内において顧客ニーズに対応した高付加価値商品を提供するためのものづくりを推進してまいりました。
このような結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は33,113百万円、セグメント利益は616百万円となりました。
②樹脂加工製品事業
樹脂加工製品事業においては、新車販売台数が国内では回復傾向にあるとともに、中国では好調に推移しており、四輪車用樹脂成形部品の出荷が順調に拡大しました。
また、前期に新設したメキシコ工場の量産開始や、米国での生産ラインの増設、中国での新工場建設等、グローバルでの製造基盤の拡大を図ってまいりました。
このような結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は54,221百万円、セグメント利益は2,675百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
第102期連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は8,902百万円となり、前連結会計年度末より1,328百万円増加しました。これは、営業活動により獲得したキャッシュ・フロー9,880百万円および財務活動により獲得したキャッシュ・フロー2,191百万円の合計額が、投資活動により使用したキャッシュ・フロー10,912百万円を上回ったためです。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、9,880百万円となりました。その主な内容は、税金等調整前当期純利益3,384百万円、減価償却費7,591百万円、法人税等の支払額2,101百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用したキャッシュ・フローは、10,912百万円となりました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出11,532百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得したキャッシュ・フローは、2,191百万円となりました。その主な内容は、長期借入れによる収入7,680百万円、長期借入金の返済による支出が5,461百万円となっております。
第103期第2四半期連結累計期間(自 平成29年4月1日 至 平成29年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は9,876百万円となり、前連結会計年度末より973百万円増加しました。これは、営業活動により獲得したキャッシュ・フロー9,261百万円が、投資活動により使用したキャッシュ・フロー4,524百万円及び財務活動により使用したキャッシュ・フロー3,732百万円の合計額を上回ったためです。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、9,261百万円となりました。その主な内容は、税金等調整前四半期純利益3,682百万円、減価償却費3,504百万円、仕入債務の増加額2,359百万円、法人税等の支払額1,199百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用したキャッシュ・フローは、4,524百万円となりました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出4,580百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用したキャッシュ・フローは、3,732百万円となりました。その主な内容は、長期借入金の返済による支出が2,924百万円、短期借入金の純減額830百万円となっております。