有価証券報告書-第4期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、海外経済の動向や金融市場に不透明感はありましたが、堅調な企業業績を受け、雇用状況も改善している事から、概ね景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループが属する住宅関連業界については、雇用・所得環境の改善傾向が続いている事に加え、政府による住宅取得支援制度の継続や日本銀行による金融緩和政策等の影響により住宅ローン金利が低水準で推移していることを背景として、住宅取得需要は底堅く推移しております。
このような状況のもと、当連結会計年度の当社グループの新規融資実行件数は、①主力商品である「フラット35」関連商品については、融資金利が過去最低水準を維持しており、新規借入需要が堅調に推移するなか、代理店運営体制の強化や当社グループ独自商品である「ARUHIスーパーフラット8」「ARUHIスーパーフラット9」等の商品販売に注力したこと、②一昨年度に導入した銀行代理業者としての変動金利商品の販売が本格的な軌道にのってきたこと、などを背景として堅調に増加しました。
一方、住宅ローン金利の低下局面で昨年度に急速に高まっていた借換需要は、当連結会計年度当初より落ち着いた動きとなっており、借換融資実行件数は昨年度と比較して大きく減少しました。
このような状況のもと、融資実行業務に関しては、借換融資実行件数減少の影響が大きく、オリジネーション・フィー売上が減少する一方、「フラット35」のパッケージ・ローンである「フラットα」や当社独自の商品である「スーパーフラット」などに関する貸付債権流動化関連の営業収益が増加したことから、当連結会計年度の営業収益は20,433百万円(前年同期比4.8%減)と昨年度に対し小幅な減少となりました。一方、借換の大きな減少に伴う営業費用の減少もあり、税引前利益は5,199百万円(前年同期比6.9%増)と昨年度に対して増益となりました。当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は4,769百万円(前年同期比47.8%増)となりました。なお、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく増加している要因は、前連結会計年度においては当社の税務上の繰越欠損金に対して繰延税金資産を認識しておりませんでしたが、2017年7月1日に当社の子会社であった旧アルヒ株式会社を吸収合併したことに伴い、当連結会計年度において、将来その控除対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、1,240百万円の繰延税金資産を認識したことによるものです。
なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は10,704百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,640百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは2,364百万円の収入となりました。これは主として、税引前利益が5,199百万円となり、営業貸付金の減少額3,138百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、預り金の減少額1,533百万円や法人所得税の支払額2,229百万円などのキャッシュの減少要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは387百万円の支出となりました。これは主として、無形資産の取得による支出が467百万円となったことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは4,617百万円の支出となりました。これは主として、短期借入金の純増額が6,569百万円のキャッシュの増加要因があったものの、流動化に伴う借入債務の減少額4,972百万円及び配当金の支払額3,999百万円などのキャッシュの減少要因があったことによります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注状況
当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c.販売の状況
①販売実績
当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりです。なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。
②融資実行業務売上
当連結会計年度における融資実行業務売上の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
(注)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。
③融資実行件数
当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりです。
(単位:件(前年同期比を除く。))
(参考情報)
投資情報としての有用性の観点から、参考情報として実質上の存続会社である旧アルヒ株式会社の2015年3月期から2018年3月期に係る融資実行件数については、新規借入・借換区分別に四半期ごとの実行件数を下記に記載しております。
①新規借入
(単位:件)
②借換
(単位:件)
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。
a.繰延税金資産
資産及び負債の会計上の帳簿価額と課税所得の計算に使用される対応する税務基準額との一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る税効果については、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、期末日に制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、当該差異及び税務上の繰越欠損金の解消時に適用されると予測される税率を用いて繰延税金資産を認識しております。
b.のれんの評価
当社グループが計上するのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。
c.金融商品の公正価値
当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法を使用しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末の87,230百万円と比較して2,935百万円減少し、84,295百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物が2,640百万円、営業貸付金が3,138百万円減少する一方、預け金が959百万円、無形資産が1,389百万円増加したことによります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末の66,570百万円と比較して3,619百万円減少し、62,951百万円となりました。主な要因は、未払法人所得税が1,236百万円、預り金が1,533百万円、借入債務が538百万円減少したことによります。
(資本合計)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末の20,659百万円と比較して683百万円増加し、21,343百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が4,769百万円増加する一方、資本剰余金が4,914百万円減少したことによります。
2)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度と比較して4.8%減少の20,433百万円となりました。主な要因は住宅ローン金利の低下局面で昨年度に急速に高まっていた借換需要は、当連結会計年度当初より落ち着いた動きとなっており、借換融資実行件数は昨年度と比較して大きく減少しました。
融資実行件数が前連結会計年度と比較して16.4%減少し25,712件となった結果、融資実行業務では前連結会計年度と比較して19.0%減少の11,987百万円となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の営業費用は、前連結会計年度と比較して9.9%減少の14,667百万円となりました。主な要因は借換特需減少に伴う金融費用が22.8%減少の2,822百万円、FC店への支払手数料減少に伴なう販売費及び一般管理費が7.1%減少の11,710百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比較して47.8%増加の4,769百万円となりました。なお、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく増加している要因は、前連結会計年度においては当社の税務上の繰越欠損金に対して繰延税金資産を認識しておりませんでしたが、2017年7月1日に当社の子会社であった旧アルヒ株式会社を吸収合併したことに伴い、当連結会計年度において、将来その控除対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、1,240百万円の繰延税金資産を認識したことによるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は、前連結会計年度と比較して2,640百万円減少し、10,704百万円となりました。内訳は、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度と比較して5,917百万円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度と比較して6百万円の減少となった一方で、財務活動によるキャッシュ・フローが1,971百万円増加したことによるものです。
なお、具体的な状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」においても記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
住宅ローン事業は金利動向や住宅市場の状況、人口動態、世帯動態等の市場環境に大きく影響を受けることとなりますが、当社グループはこのような事業環境の分析を踏まえて適切なセグメントに対する最適なリソース配分を行うことで、更なるシェアアップによる成長が可能であると考えております。
2)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、住宅ローン市場の中でも成長が見込まれるセグメントへの注力、当社の強みを活かした運営を通じたシェアアップによる住宅ローン事業の中期的な成長を基盤としつつ、川上・川下領域への事業拡大を進めております。
2018年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画では、変動金利型住宅ローン市場の参入等により商品ラインナップを充実させ、全国店舗網の拡充やオムニチャネル化を通じて住宅ローン事業の成長を推進すると同時に、川上領域である家探しサービス「ARUHI家の検索」から、川下領域である住宅購入後の住生活関連サービス「ARUHI暮らしのサービス」の提供によって、お客さまの生涯を通じて価値を提供できるよう事業領域の拡大に引き続き取り組んでまいります。
3)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、引き続き中核ビジネスである住宅ローン事業の成長を実現させることに加え、川上・川下領域をはじめとする新しい住生活関連サービスを展開して参りますが、従来のローンビジネスの枠組みを超えたプラットフォームの構築や、これらの新規事業を軌道に乗せ、継続的な事業として確立することが課題であると認識しております。このため、不動産フィンテックやロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)といった新技術を積極的に取り入れ、当社グループのプラットフォームを通じて、お客さまのニーズに合わせた高付加価値サービスの構築及び収益化に引き続き取り組んで参ります。
なお、本項目については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載事項もご参照ください。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち、主なものは、住宅ローン事業に関わる貸付実行資金、販売費及び一般管理費となります。また、設備資金需要のうち主なものは、システム開発のための無形資産投資となります。
2)財務政策
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び融資実行した貸付金の証券化・流動化などにより資金調達を行っております。
すなわち、当社グループの主要な事業資産であります住宅ローン債権につきましては、貸付実行時は内部資金及び金融機関からの借入により資金調達を行い、貸付実行後に証券化・流動化を活用することで、有利子負債の圧縮を図っております。
このようなオペレーションを行うに当たっては、複数の金融機関からコミットメントラインを含む十分な借入枠及び証券化・流動化枠を取得するなど、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。
また、設備資金需要に対しては、内部資金のほか、リースによる調達も行っております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等
当社グループは、利益ある成長を経営目標とし、営業収益及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重視しております。
なお、本項目については「a.経営成績等 2)経営成績(親会社の所有者に帰属する当期利益)」の記載事項をご参照ください。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(参考情報)
当社グループは、非公開化関連費用や上場関連費用等の非経常的な費用項目及び非継続事業に係る損益の影響を除外することで、投資家が当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、IFRSにより規定された財務指標以外に、経営成績に関する重要な財務指標として、調整後税引前利益及び調整後当期利益の推移を下表のとおり把握しております。なお、調整後税引前利益及び調整後当期利益の算出方法は次のとおりであります。
調整後税引前利益
=税引前利益
+非公開化関連費用
+上場関連費用
調整後当期利益
=当期利益
+非公開化関連費用
+上場関連費用
+非継続事業に係る損失
+調整項目の税効果調整
(1)税引前利益及び調整後税引前利益の推移
(単位:百万円)
(2)当期利益及び調整後当期利益の推移
(単位:百万円)
(注)1.調整後税引前利益及び調整後当期利益はIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、第三者にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は非経常的な費用項目(通常の営業活動の結果を示しているとは考えられない項目)及び現時点で連結対象外となっている事業に係る損益の影響を除外しております。なお、調整後税引前利益及び調整後当期利益は、税引前利益及び当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後税引前利益及び調整後当期利益は、同業他社の同指標又は類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
2.調整後税引前利益及び調整後当期利益は、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けておりません。
3.商号変更費用は、SBIモーゲージ株式会社からアルヒ株式会社への商号変更により生じた看板費用及び外注コンサルティング費用です。
4.リファイナンス費用は、当社の非公開化に関して発生した当社借入について2016年2月に通常のコーポレートローンと類似した条件への変更を行ったことに関連して発生した手数料であり、当該借入の貸付人に対して支払ったものです。
5.メザニン費用は、当社の非公開化に関して発生し、2016年2月に完済されたメザニン契約に関して支払われた現物支給額、配当額及びその他の費用です。
6.LBOローンの超過利息部分は、当社の非公開化に関して発生した当社借入に関連して、当該借入について支払った利息金額と、当該借入の利率が当社のリファイナンス後のタームローンの水準であった場合に支払うべき利息金額とを比較した場合に、当社が支払った超過部分の利息の金額です。
7.アドバイザリー費用は、グローバル・オファリングを含む上場準備に関連するアドバイザリー費用及びその他の費用です。
8.非継続事業に係る損失は、当社グループのリース事業子会社であったアルヒリース株式会社(現、FAリーシング株式会社)に関する損失であります。なお、当社グループはアルヒリース株式会社を2015年11月30日に三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社に譲渡したことから、リース事業を非継続事業に分類しております。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
のれんの償却
日本基準では、のれんは一般的に20年を上限とした見積耐用年数にわたり償却され、その償却費は「販売費及び一般管理費」に計上されます。一方、国際会計基準ではのれんは償却されず、毎期減損テストが求められております。仮に各期末にのれんを日本基準に従い償却していた場合、1,223百万円の償却費になります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、海外経済の動向や金融市場に不透明感はありましたが、堅調な企業業績を受け、雇用状況も改善している事から、概ね景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループが属する住宅関連業界については、雇用・所得環境の改善傾向が続いている事に加え、政府による住宅取得支援制度の継続や日本銀行による金融緩和政策等の影響により住宅ローン金利が低水準で推移していることを背景として、住宅取得需要は底堅く推移しております。
このような状況のもと、当連結会計年度の当社グループの新規融資実行件数は、①主力商品である「フラット35」関連商品については、融資金利が過去最低水準を維持しており、新規借入需要が堅調に推移するなか、代理店運営体制の強化や当社グループ独自商品である「ARUHIスーパーフラット8」「ARUHIスーパーフラット9」等の商品販売に注力したこと、②一昨年度に導入した銀行代理業者としての変動金利商品の販売が本格的な軌道にのってきたこと、などを背景として堅調に増加しました。
一方、住宅ローン金利の低下局面で昨年度に急速に高まっていた借換需要は、当連結会計年度当初より落ち着いた動きとなっており、借換融資実行件数は昨年度と比較して大きく減少しました。
このような状況のもと、融資実行業務に関しては、借換融資実行件数減少の影響が大きく、オリジネーション・フィー売上が減少する一方、「フラット35」のパッケージ・ローンである「フラットα」や当社独自の商品である「スーパーフラット」などに関する貸付債権流動化関連の営業収益が増加したことから、当連結会計年度の営業収益は20,433百万円(前年同期比4.8%減)と昨年度に対し小幅な減少となりました。一方、借換の大きな減少に伴う営業費用の減少もあり、税引前利益は5,199百万円(前年同期比6.9%増)と昨年度に対して増益となりました。当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は4,769百万円(前年同期比47.8%増)となりました。なお、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく増加している要因は、前連結会計年度においては当社の税務上の繰越欠損金に対して繰延税金資産を認識しておりませんでしたが、2017年7月1日に当社の子会社であった旧アルヒ株式会社を吸収合併したことに伴い、当連結会計年度において、将来その控除対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、1,240百万円の繰延税金資産を認識したことによるものです。
なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は10,704百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,640百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは2,364百万円の収入となりました。これは主として、税引前利益が5,199百万円となり、営業貸付金の減少額3,138百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、預り金の減少額1,533百万円や法人所得税の支払額2,229百万円などのキャッシュの減少要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは387百万円の支出となりました。これは主として、無形資産の取得による支出が467百万円となったことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは4,617百万円の支出となりました。これは主として、短期借入金の純増額が6,569百万円のキャッシュの増加要因があったものの、流動化に伴う借入債務の減少額4,972百万円及び配当金の支払額3,999百万円などのキャッシュの減少要因があったことによります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注状況
当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c.販売の状況
①販売実績
当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりです。なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
| 業務 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比 |
| 融資実行業務 | 11,987 | 81.0% |
| 債権管理回収業務 | 2,390 | 109.2% |
| 保険関連業務 | 940 | 115.1% |
| ファイナンス業務 | 4,929 | 142.5% |
| その他業務 | 184 | 86.0% |
| 合計 | 20,433 | 95.2% |
(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。
②融資実行業務売上
当連結会計年度における融資実行業務売上の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比 |
| 新規借入 | 11,225 | 111.9% |
| 借換 | 762 | 16.0% |
| 合計 | 11,987 | 81.0% |
(注)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。
③融資実行件数
当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりです。
(単位:件(前年同期比を除く。))
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 前年同期比 |
| 新規借入 | 23,915 | 113.6% |
| 借換 | 1,797 | 18.5% |
| 合計 | 25,712 | 83.6% |
(参考情報)
投資情報としての有用性の観点から、参考情報として実質上の存続会社である旧アルヒ株式会社の2015年3月期から2018年3月期に係る融資実行件数については、新規借入・借換区分別に四半期ごとの実行件数を下記に記載しております。
①新規借入
(単位:件)
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 合計 | |
| 2015年3月期 | 3,059 | 3,236 | 3,583 | 4,121 | 13,999 |
| 2016年3月期 | 3,980 | 4,163 | 4,520 | 5,087 | 17,750 |
| 2017年3月期 | 4,771 | 5,095 | 5,496 | 5,692 | 21,054 |
| 2018年3月期 | 5,633 | 5,617 | 6,241 | 6,424 | 23,915 |
②借換
(単位:件)
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 合計 | |
| 2015年3月期 | 824 | 934 | 798 | 2,167 | 4,723 |
| 2016年3月期 | 844 | 283 | 178 | 1,378 | 2,683 |
| 2017年3月期 | 3,584 | 3,907 | 1,343 | 856 | 9,690 |
| 2018年3月期 | 699 | 441 | 367 | 290 | 1,797 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。
a.繰延税金資産
資産及び負債の会計上の帳簿価額と課税所得の計算に使用される対応する税務基準額との一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る税効果については、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、期末日に制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、当該差異及び税務上の繰越欠損金の解消時に適用されると予測される税率を用いて繰延税金資産を認識しております。
b.のれんの評価
当社グループが計上するのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。
c.金融商品の公正価値
当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法を使用しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末の87,230百万円と比較して2,935百万円減少し、84,295百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物が2,640百万円、営業貸付金が3,138百万円減少する一方、預け金が959百万円、無形資産が1,389百万円増加したことによります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末の66,570百万円と比較して3,619百万円減少し、62,951百万円となりました。主な要因は、未払法人所得税が1,236百万円、預り金が1,533百万円、借入債務が538百万円減少したことによります。
(資本合計)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末の20,659百万円と比較して683百万円増加し、21,343百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が4,769百万円増加する一方、資本剰余金が4,914百万円減少したことによります。
2)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度と比較して4.8%減少の20,433百万円となりました。主な要因は住宅ローン金利の低下局面で昨年度に急速に高まっていた借換需要は、当連結会計年度当初より落ち着いた動きとなっており、借換融資実行件数は昨年度と比較して大きく減少しました。
融資実行件数が前連結会計年度と比較して16.4%減少し25,712件となった結果、融資実行業務では前連結会計年度と比較して19.0%減少の11,987百万円となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の営業費用は、前連結会計年度と比較して9.9%減少の14,667百万円となりました。主な要因は借換特需減少に伴う金融費用が22.8%減少の2,822百万円、FC店への支払手数料減少に伴なう販売費及び一般管理費が7.1%減少の11,710百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比較して47.8%増加の4,769百万円となりました。なお、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく増加している要因は、前連結会計年度においては当社の税務上の繰越欠損金に対して繰延税金資産を認識しておりませんでしたが、2017年7月1日に当社の子会社であった旧アルヒ株式会社を吸収合併したことに伴い、当連結会計年度において、将来その控除対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、1,240百万円の繰延税金資産を認識したことによるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は、前連結会計年度と比較して2,640百万円減少し、10,704百万円となりました。内訳は、営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度と比較して5,917百万円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度と比較して6百万円の減少となった一方で、財務活動によるキャッシュ・フローが1,971百万円増加したことによるものです。
なお、具体的な状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」においても記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
住宅ローン事業は金利動向や住宅市場の状況、人口動態、世帯動態等の市場環境に大きく影響を受けることとなりますが、当社グループはこのような事業環境の分析を踏まえて適切なセグメントに対する最適なリソース配分を行うことで、更なるシェアアップによる成長が可能であると考えております。
2)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、住宅ローン市場の中でも成長が見込まれるセグメントへの注力、当社の強みを活かした運営を通じたシェアアップによる住宅ローン事業の中期的な成長を基盤としつつ、川上・川下領域への事業拡大を進めております。
2018年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画では、変動金利型住宅ローン市場の参入等により商品ラインナップを充実させ、全国店舗網の拡充やオムニチャネル化を通じて住宅ローン事業の成長を推進すると同時に、川上領域である家探しサービス「ARUHI家の検索」から、川下領域である住宅購入後の住生活関連サービス「ARUHI暮らしのサービス」の提供によって、お客さまの生涯を通じて価値を提供できるよう事業領域の拡大に引き続き取り組んでまいります。
3)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、引き続き中核ビジネスである住宅ローン事業の成長を実現させることに加え、川上・川下領域をはじめとする新しい住生活関連サービスを展開して参りますが、従来のローンビジネスの枠組みを超えたプラットフォームの構築や、これらの新規事業を軌道に乗せ、継続的な事業として確立することが課題であると認識しております。このため、不動産フィンテックやロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)といった新技術を積極的に取り入れ、当社グループのプラットフォームを通じて、お客さまのニーズに合わせた高付加価値サービスの構築及び収益化に引き続き取り組んで参ります。
なお、本項目については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載事項もご参照ください。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち、主なものは、住宅ローン事業に関わる貸付実行資金、販売費及び一般管理費となります。また、設備資金需要のうち主なものは、システム開発のための無形資産投資となります。
2)財務政策
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び融資実行した貸付金の証券化・流動化などにより資金調達を行っております。
すなわち、当社グループの主要な事業資産であります住宅ローン債権につきましては、貸付実行時は内部資金及び金融機関からの借入により資金調達を行い、貸付実行後に証券化・流動化を活用することで、有利子負債の圧縮を図っております。
このようなオペレーションを行うに当たっては、複数の金融機関からコミットメントラインを含む十分な借入枠及び証券化・流動化枠を取得するなど、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。
また、設備資金需要に対しては、内部資金のほか、リースによる調達も行っております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等
当社グループは、利益ある成長を経営目標とし、営業収益及び親会社の所有者に帰属する当期利益を重視しております。
なお、本項目については「a.経営成績等 2)経営成績(親会社の所有者に帰属する当期利益)」の記載事項をご参照ください。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(参考情報)
当社グループは、非公開化関連費用や上場関連費用等の非経常的な費用項目及び非継続事業に係る損益の影響を除外することで、投資家が当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握するうえで有用な情報を提供することを目的として、IFRSにより規定された財務指標以外に、経営成績に関する重要な財務指標として、調整後税引前利益及び調整後当期利益の推移を下表のとおり把握しております。なお、調整後税引前利益及び調整後当期利益の算出方法は次のとおりであります。
調整後税引前利益
=税引前利益
+非公開化関連費用
+上場関連費用
調整後当期利益
=当期利益
+非公開化関連費用
+上場関連費用
+非継続事業に係る損失
+調整項目の税効果調整
(1)税引前利益及び調整後税引前利益の推移
(単位:百万円)
| 決算年月 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
| IFRSに準拠した連結財務諸表における税引前利益 | 3,104 | 4,864 | 5,199 |
| 非公開化関連費用 | |||
| 商号変更費用(注3) | 49 | - | - |
| リファイナンス費用(注4) | 165 | - | - |
| メザニン費用(注5) | 526 | - | - |
| LBOローンの超過利息部分(注6) | 319 | - | - |
| 上場関連費用 | |||
| アドバイザリー費用(注7) | - | 87 | 338 |
| 調整後税引前利益 | 4,165 | 4,951 | 5,537 |
(2)当期利益及び調整後当期利益の推移
(単位:百万円)
| 決算年月 | 第2期 | 第3期 | 第4期 |
| IFRSに準拠した連結財務諸表における当期利益 | 1,204 | 3,227 | 4,769 |
| 非公開化関連費用 | |||
| 商号変更費用(注3) | 49 | - | - |
| リファイナンス費用(注4) | 165 | - | - |
| メザニン費用(注5) | 526 | - | - |
| LBOローンの超過利息部分(注6) | 319 | - | - |
| 上場関連費用 | |||
| アドバイザリー費用(注7) | - | 87 | 338 |
| 非継続事業に係る損失(注8) | 461 | - | - |
| 調整項目の税効果調整 | △16 | △5 | △104 |
| 調整後当期利益 | 2,709 | 3,310 | 5,004 |
(注)1.調整後税引前利益及び調整後当期利益はIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、第三者にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は非経常的な費用項目(通常の営業活動の結果を示しているとは考えられない項目)及び現時点で連結対象外となっている事業に係る損益の影響を除外しております。なお、調整後税引前利益及び調整後当期利益は、税引前利益及び当期利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、IFRSに準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおける調整後税引前利益及び調整後当期利益は、同業他社の同指標又は類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
2.調整後税引前利益及び調整後当期利益は、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けておりません。
3.商号変更費用は、SBIモーゲージ株式会社からアルヒ株式会社への商号変更により生じた看板費用及び外注コンサルティング費用です。
4.リファイナンス費用は、当社の非公開化に関して発生した当社借入について2016年2月に通常のコーポレートローンと類似した条件への変更を行ったことに関連して発生した手数料であり、当該借入の貸付人に対して支払ったものです。
5.メザニン費用は、当社の非公開化に関して発生し、2016年2月に完済されたメザニン契約に関して支払われた現物支給額、配当額及びその他の費用です。
6.LBOローンの超過利息部分は、当社の非公開化に関して発生した当社借入に関連して、当該借入について支払った利息金額と、当該借入の利率が当社のリファイナンス後のタームローンの水準であった場合に支払うべき利息金額とを比較した場合に、当社が支払った超過部分の利息の金額です。
7.アドバイザリー費用は、グローバル・オファリングを含む上場準備に関連するアドバイザリー費用及びその他の費用です。
8.非継続事業に係る損失は、当社グループのリース事業子会社であったアルヒリース株式会社(現、FAリーシング株式会社)に関する損失であります。なお、当社グループはアルヒリース株式会社を2015年11月30日に三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社に譲渡したことから、リース事業を非継続事業に分類しております。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
のれんの償却
日本基準では、のれんは一般的に20年を上限とした見積耐用年数にわたり償却され、その償却費は「販売費及び一般管理費」に計上されます。一方、国際会計基準ではのれんは償却されず、毎期減損テストが求められております。仮に各期末にのれんを日本基準に従い償却していた場合、1,223百万円の償却費になります。