有価証券報告書-第7期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 16:21
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの属する住宅関連業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により年度初めは厳しい状況でしたが、その後持ち直しの動きが見られ、新設住宅着工戸数、中古マンション・中古戸建住宅の成約件数は、8月以降概ね回復の傾向となっております。新型コロナウイルス感染拡大の収束時期が見通せず、不透明な状況は続いているものの、市場の先行きについては、テレワークの普及による在宅時間の増加などで「快適な住環境」が重視される傾向があることや、住宅ローン減税の効果もあり、比較的底堅く推移していくことが期待されます。
このような状況のもと、当社グループは、「今こそもっと成長」を2021年3月期のテーマのひとつとして掲げ、お客さま、お取引先と従業員の安全を最優先に新型コロナウイルスへの感染防止対策を講じながら、商品・サービス等を強化し、企業価値の向上に積極的な取組みを継続してまいりました。具体的には、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」の商品ラインアップ追加や全疾病保障特約付の保険商品の取扱いを開始したことに加え、株式会社北都銀行と業務提携契約を締結し、株式会社北都銀行の住宅ローンを希望するお客さまに対する当社商品の紹介も開始しております。事業の遂行に際しては、顧客重視(カスタマーファースト)と、コンプライアンス重視(コンプライアンスファースト)の取組みを継続して行っておりますが、AIを活用したリスク管理システム「ARUHI ホークアイ1.0」に加え、不動産取引データから価格妥当性を判定する「ARUHI ホークアイ2.0」を導入し、更なるリスクマネジメントの強化に取り組んでおります。また、千葉県の柏の葉キャンパスに第二本社を立ち上げ、従業員のライフスタイルに合わせた多様な働き方の提案や地域コミュニティへの貢献などを目指すとともに、災害などの不測事態の発生リスクへの対応強化も図っております。
これらの結果、当連結会計年度の当社グループの新規融資実行件数は、期末における住宅引き渡しの延期等の影響が一部に見られたこともあり、前年同期比3.6%の減少となりましたが、受理件数は、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に留め前年度とほぼ同水準となっております。
営業収益については、融資実行業務において実行件数の減少があったものの、単価が高い建築物件の比率が増え、1件当たりの融資金額が増加したことから、オリジネーション・フィー売上が前年同期比1.4%増加いたしました。また、ファイナンス業務は前年同期比6.3%減少しましたが、過去に融資実行を行った住宅ローンに係るストック型収益である保険関連業務及び債権管理回収業務は好調な推移となりました。保険関連業務は、新型コロナウイルスの流行により、収入減に備える生命保険に対する関心が高まる中、2020年4月より保障内容を充実させた全疾病保障特約の取扱いを開始するなどにより、前年同期比33.6%増加しました。債権管理回収業務は、過去に融資実行を行った住宅ローンに係る債権に加え、他社からのサービシング債権譲受もあり、サービシング債権残高は着実に増加しており、前年同期比13.5%増加しました。これらの結果、当連結会計年度の営業収益は26,821百万円(前年同期比2.4%増)と厳しい市場環境の中で前年度を超えて着地いたしました。また効果的なコストコントロールを行った結果、税引前利益についても前年度を超え7,745百万円(同5.9%増)となり、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は5,177百万円(同4.1%増)となりました。
なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は37,404百万円となり、前連結会計年度末に比べ22,592百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは4,750百万円の収入(前連結会計年度は7,407百万円の収入)となりました。これは主に、税引前利益が7,745百万円となり、預り金の増加額4,139百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、貸付債権流動化関連収益のうち、当連結会計年度にキャッシュとして回収しなかった3,795百万円や法人所得税の支払による支出2,712百万円などのキャッシュ減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは777百万円の支出(前連結会計年度は2,018百万円の支出)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出526百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは18,620百万円の収入(前連結会計年度は4,057百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入15,700百万円、短期借入金の増加額10,700百万円などのキャッシュの増加要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c.販売の実績
1)販売実績
当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりであります。なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
業務当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
融資実行業務14,261101.4%
債権管理回収業務2,492113.5%
保険関連業務2,271133.6%
ファイナンス業務7,36493.7%
その他業務430112.0%
合計26,821102.4%

(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。
2)融資実行業務売上及び件数
当連結会計年度における融資実行業務売上(注1)の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
新規借入13,880104.0%
投資用マンションローン(注2)00%
借換38066.9%
合計14,261101.4%

当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりであります。
(単位:件(前年同期比を除く。))
区分当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
新規借入24,36996.4%
投資用マンションローン(注2)10%
借換1,02773.6%
合計25,39792.9%

(注1)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。
(注2)2020年2月をもって投資用マンションローンについては新規申込を中止し、当該事業から完全撤退しております。
(参考情報)
投資情報としての有用性の観点から、参考情報として実質上の存続会社である旧アルヒ株式会社の2017年3月期から2021年3月期に係る融資実行件数については、区分別に四半期ごとの実行件数を下記に記載しております。
1)新規借入
(単位:件)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計
2017年3月期3,8224,0784,2794,54316,722
2018年3月期4,4554,6305,0425,49019,617
2019年3月期5,2625,5176,1346,57323,486
2020年3月期5,7616,7566,2026,56825,287
2021年3月期5,6446,1996,3936,13324,369

2)借換
(単位:件)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計
2017年3月期3,5843,9071,3438569,690
2018年3月期6994413672901,797
2019年3月期2303282882951,141
2020年3月期3004404412141,395
2021年3月期1662553063001,027

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は164,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ32,176百万円増加いたしました。これは主に現金及び現金同等物が22,592百万円、営業貸付金が5,550百万円、その他の金融資産が4,278百万円とそれぞれ増加したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は134,668百万円となり、前連結会計年度末に比べ28,717百万円増加いたしました。これは主に、借入債務が21,390百万円増加したこと、その他の金融負債が、営業貸付金及びその他の金融資産の増加に伴い4,204百万円増加したことなどによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本は30,093百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,459百万円増加いたしました。これは主に当期利益を5,177百万円計上した一方、剰余金の配当1,799百万円により減少したことなどによるものであります。
2)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、前年同期比2.4%増加の26,821百万円となりました。主な要因は、単価が高い建築物件の比率が増え、1件当たりの融資金額が増加したことから、融資実行業務が199百万円の増収となったこと、また過去に融資実行を行った住宅ローンに係るストック型収益である保険関連業務及び債権管理回収業務では、それぞれ571百万円、296百万円の増収となったことなどによるものであります。
(営業費用)
当連結会計年度の営業費用は、前年同期比1.6%増加の18,737百万円となりました。主な要因は前連結会計年度における人員増加により人件費が209百万円増加したこと、また積極的なシステム投資により減価償却費が119百万円増加したことなどによるものであります。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は5,177百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
住宅ローン市場は、2030年に向け一般世帯総数が微減となるものの、特に三大都市圏での中古住宅需要の増加、中古住宅に対する政策的な後押し等による中古住宅市場の成長に加え、低水準の金利が続くことが予想され、現状の20兆円程度を維持すると見込んでおります。
2)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
今後の方針につきましては、「中期経営計画2021」のもと、取組みを推進します。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金調達の基本方針
当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として銀行等からの長期借入金、及びコミットメントラインにより資金調達を行っております。100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、アルヒ株式会社からの貸付を行うことにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っております。また、お客さまに貸付けた住宅ローン債権は、貸付実行後遅滞なく債権譲渡・流動化を行うことでオフバランス化しております。
2)資金需要の主な内容
当社グループのオンバランス資金需要は、大きく分けて通常資金需要と貸付資金需要の2つになります。通常資金需要は主に、人件費、販売費及び一般管理費、システム開発などになります。一方、貸付資金需要は、当社のお客さまへの住宅ローン貸付のための資金需要になりますが、これら貸付金は全て貸付実行後遅滞なく債権譲渡・流動化などが行われ回収されるため、資金需要はそれまでの間の短期間のつなぎ資金となります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用を行うと共に、金融機関からの借入、融資実行した貸付金の住宅金融支援機構への債権譲渡及び市場での貸付債権証券化などを行っております。
このようなオペレーションを行うに当たっては、複数の金融機関からコミットメントラインを含む十分な借入枠の確保を行うと共に、安定的な貸付債権証券化の消化ができる環境整備を行うなど、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。
また、当社グループは、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しております。2021年3月31日現在の格付けは下記のとおりであります。当社グループとしては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針であります。
R&IJCR
長期発行体格付BBB+A-
見通し安定的安定的
コマーシャルペーパーa-2J-1

③重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。
a.のれんの評価
当社グループは、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けした際の買収価額と純資産の公正価値との差額をのれんとして認識しております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、年1回回収可能価額を見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。
減損判定における資金生成単位の回収可能価額は、見積り・前提を使用するため、見積り・前提は減損が認識されるか否かの判定及び認識される減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しております。見積将来キャッシュ・フローは社内で作成した3ヶ年事業計画を使用し、付随する財務資料、内部資料等を加え、一般に入手可能な市場情報も考慮に入れております。割引率に株主資本コストを使用しております。
2021年3月31日時点における評価の結果は、減損損失を認識することはありませんでした。
b.金融商品の公正価値
当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、市場価値に基づく価額により見積っております。市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価技法により見積っております。
これら金融商品のうち住宅ローン債権の債権譲渡により生じた受益権(配当受領権)は、FVTPLの金融資産に分類しており、公正価値の評価においては、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)を将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用し、割引率等についても一定の前提条件を設定しております。
将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用するCPR、CDRについては、外部第三者機関の公表データを参照して見積っております。但し、一部のパッケージローンについては、CPRの見積りにおいて、外部第三者機関の公表データに、過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映しております。

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