有価証券届出書(新規公開時)
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
当事業年度における我が国経済は、雇用環境や企業収益の改善を背景に、穏やかな景気回復基調でしたが、消費増税の影響に加え、米中貿易摩擦の激化懸念などから、経済の減速感が強まりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により中国を中心としたサプライチェーンの分裂や、消費活動の減退、金融市場の混乱といった深刻な影響が出ており、収束がみえない状況となっております。
一方、当社を取り巻く経営環境につきましては、2019年経済産業省公表の実態調査によりますと、国内のEC取引の市場規模は9.3兆円と前年対比8.1%の伸びを示しており、引き続き市場の成長が期待されております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響から、外出を控える消費者が増加したことから、「巣ごもり消費」という言葉に表現されるように、自宅にいながら買い物を楽しむという新たな消費行動がより顕著となり、市場の成長をより加速させております。
このような環境の中、当社は、健康・美容・医療医薬の分野に特化し、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」といった自社ブランド商品に加え、2019年11月からは漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等も商品ラインナップに追加し、売上拡大に向けてインフォマーシャル広告やインターネット広告等の広告投資を積極的に実施しました。
また、近年ヘルスケアメーカーのEC化ニーズも高まっていることから、当社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・ サービス)を活用した広告や著名人等の起用による販促支援等の、マーケティング支援業務も強化して参りました。
さらに、2019年5月から新規事業として東京都港区赤坂に調剤薬局を開業し、将来における処方箋医薬品の通信販売事業化に向けての先行投資を推進しております。
以上の結果、当事業年度の売上高は7,106,147千円(前年同期比16.0%増加)、営業利益は170,399千円(前年同期比 53.7%減少)、経常利益は174,412千円(前年同期比52.5%減少)、当期純利益は96,373千円(前年同期比1,472.2%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しており、前事業年度との比較は変更後の区分により作成した数値を記載しております。
(単位:千円)
(ヘルスケアセールス事業)
ヘルスケアセールス事業におきましては、当社取扱い商品のイメージに合った著名人等を活用した企画性に富んだ広告が寄与しました。また外部委託コールセンターの管理体制や広告出稿先の選定の強化を行ったことで会員数が伸び、酵水素328選シリーズ、中でも「もぎたて生スムージー」の売上が増大しました。一方で、翌事業年度の新規顧客獲得を企図し、更なる広告投資を積極的に推進しました。その結果、セグメント売上高は5,161,741 千円(前年同期比4.9%増加)、セグメント利益は700,575千円(前年同期比35.1%減少)となりました。
(メディカルケアセールス事業)
メディカルケアセールス事業におきましては、新規顧客獲得のための積極的な広告出稿を促進したことに加え、2019年11月にM&Aで取得した漢方薬オンラインショップ事業(JFD)が売上増加に寄与し、セグメント売上高は1,300,131千円(前年同期比55.3%増加)となりました。一方で、JFDののれん償却費、及び処方箋医薬品EC化に向けた顧客サービスアプリ(「速薬」アプリ)開発費用等の先行投資がかさみ、セグメント損失は224,945千円(前期は453,636千円の損失)となりました。
(ヘルスケアマーケティング事業)
ヘルスケアマーケティング事業におきましては、健康食品等メーカーのEC化ニーズの高まりを背景に、SNSや著名人等の起用によるキャスティングを活用した販売支援業務が好調で売上増加に寄与しました。また、2019年6月よりテレビ通販の販売チャネルにて、自社商品等の卸業務も開始し、売上増加に貢献しております。一方で、同事業の組織再構築のため、人材採用を積極的に実施しました。その結果、セグメント売上高は644,274千円(前年同期比74.3%増加)、セグメント損失は23,878千円(前期は13,553千円の損失)となりました。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
2020年経済産業省公表の実態調査によりますと、国内のEC取引の市場規模は10兆円と前年対比8.1%の伸びを示しており、引き続き市場の成長が期待されております。
当第3四半期累計期間においては、第2四半期累計期間に引続き新型コロナウイルス感染症の影響から、外出を控える消費者が増加したことから、「巣ごもり消費」という言葉に表現されるように、自宅にいながら買い物を楽しむという新たな消費行動がより顕著となり、国内のEC取引の市場成長をさらに加速させております。
このような環境の中、当社は、健康・美容・医療医薬の分野に特化し、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」、漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等の自社ブランド商品の売上拡大に向けて、インフォマーシャル広告やインターネット広告等の広告投資を積極的に実施しました。
また、近年健康食品等メーカーのEC化ニーズも高まっていることから、当社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・ サービス)を活用した広告や著名人等の起用による販促支援等の、マーケティング支援業務も引き続き強化しております。
さらに、新規事業として前事業年度に開業した調剤薬局では、新型コロナウイルス特例措置の一環として2020年4月10日付で厚生労働省から発出された事務連絡に基づき、電話等による遠隔服薬指導と処方箋医薬品の宅配事業を開始しております。また、同年9月に菅政権が発足し、デジタル化推進策の1つとして特例措置の恒久化も検討されております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は6,568,950千円、営業利益は1,007,913千円、経常利益は1,014.430千円、四半期純利益は660,069千円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(ヘルスケアセールス事業)
ヘルスケアセールス事業におきましては、当社取扱い商品のイメージに合った著名人等を活用した企画性に富んだ広告及び新規顧客獲得のための積極的な広告投資が功を奏し、酵水素328選シリーズの定期会員数が大幅に伸び、売上、セグメント利益の拡大につながりました。その結果、セグメント売上高は4,768,285千円、セグメント利益は1,300,832千円となりました。
(メディカルケアセールス事業)
メディカルケアセールス事業におきましては、新規顧客獲得のための積極的な広告出稿を促進したことに加え、2019年11月にM&Aで取得した漢方薬オンラインショップ事業(JFD)が売上増加に寄与しました。一方で医療プラットフォームサービス「SOKUYAKU」アプリの開発投資がかさみました。その結果、セグメント売上高は1,264,340千円、セグメント損失は25,639千円となりました。
(ヘルスケアマーケティング事業)
ヘルスケアマーケティング事業におきましては、健康食品等メーカーのEC化ニーズの高まりを背景に、SNSや、著名人等を起用したキャスティングを活用した販売支援業務が好調で売上増加に寄与しました。また、前事業年度より取り組みを開始したテレビ通販販売チャネルにおける自社商品等の卸業務も売上増加に貢献しております。一方で、広告運用を含むメディア事業の立ち上げが遅れており売上が伸び悩むと同時に、営業人材の採用やシステムセキュリティ構築の費用が発生しました。その結果、セグメント売上高は536,324千円、セグメント損失は17,599千円となりました。
② 財政状態の状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は1,863,616千円となり、前事業年度末に比べ56,394千円増加となりました。これは主に、長期借入金の返済を行ったこと等による現金及び預金の減少45,061千円、自社ブランド商品の販売が好調であったこと等による売掛金の増加134,751千円、滞留在庫の減損処理を行ったこと等による商品の減少83,044千円、著名人等との契約が増えたこと等による前払費用の増加46,622千円によるものであります。
当事業年度末における固定資産は168,875千円となり、前事業年度末に比べ66,859千円増加となりました。これは主に、店舗設備の減損損失の計上等による建物附属設備の減少22,257千円、工具、器具及び備品の減少5,824千円、株式会社アインファーマシーズから事業を譲り受けたこと等によるのれんの増加24,090千円、顧客データの増加15,842千円、減損処理によるソフトウエア仮勘定の減少12,197千円、主にたな卸評価損の将来減算一時差異増加による繰延税金資産の増加74,058千円によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債は1,114,518千円となり、前事業年度末に比べ119,652千円増加となりました。これは主に、自社ブランド商品の販売が好調につき仕入が増加したこと等による買掛金の増加71,232千円、広告費等の増加による未払金の増加178,959千円、課税所得の増加による未払法人税等の増加54,837千円、課税仕入の増加等による未払消費税等の減少7,104千円、ヘルスケアマーケティング事業において受注が増えたこと等による前受金の増加70,420千円、課徴金の支払いによる課徴金引当金の減少249,000千円によるものであります。
当事業年度末における固定負債は75208千円となり、前事業年度末に比べ93,648千円の減少となりました。これは、銀行への返済による長期借入金の減少93,648千円によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資は842,765千円となり、前事業年度末に比べ97,249千円増加となりました。これは、当期純利益96,374千円を計上したことによる利益剰余金の増加96,373千円の増加、新株予約権の増加875千円によるものであります。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
(資産の部)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,505,819千円となり、前事業年度末に比べ642,203千円増加となりました。これは主に、四半期利益獲得による現金及び預金の増加743,345千円、著名人等との契約が減少したこと等による前払費用の減少71,140千円、その他の減少21,351千円によるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定資産は142,777千円となり、前事業年度末に比べ26,098千円減少となりました。これは、備品の取得等による有形固定資産の増加492千円、減価償却費の計上による無形固定資産の減少15,428千円、繰延税金資産の将来減算一時差異の一部解消により投資その他の資産の減少11,162千円によるものであります。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末における流動負債は1,132,497千円となり、前事業年度末に比べ17,979千円増加となりました。これは主に、自社ブランド商品の販売が好調につき仕入が増加したこと等による買掛金の増加11,041千円、広告費等を支払ったこと等による未払金の減少160,681千円、課税所得の増加による未払法人税等の増加224,294千円、課税売上の増加による未払消費税等の増加54,556千円、ヘルスケアマーケティング事業における受注が減少したこと等による前受金の減少91,946千円によるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定負債は13,264千円となり、前事業年度末に比べ61,944千円減少となりました。これは、銀行への返済による長期借入金の減少61,944千円によるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末における純資産は1,502,834千円となり、前事業年度に比べ660,069千円増加となりました。これは、四半期純利益660,069千円を計上したことによる利益剰余金の増加660,069千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ45,901千円減少し、901,816千円となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は218,298千円(前年同期は13,993千円の資金増加)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益が134,998千円(前年同期比23,592千円増加)、たな卸資産の減少額が113,879千円(前年同期はたな卸資産の増加額316,225千円)、仕入債務の増加額が71,231千円(前年同期は仕入債務の減少額25,968千円)であった一方で、減少要因として、売上債権の増加額が64,714千円(前年同期は売上債権の減少額65,825千円)、前払費用の増加額が46,621千円(前年同期は前払費用の増加額29,054千円)、課徴金の支払額249,000千円(前年同期比249,000千円増加)であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、165,103千円(前年同期は62,641千円の支出)となりました。これは主に、事業譲受による支出159,825千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、99,096千円(前年同期は130,488千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金返済による支出100,248千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、仕入価格によっております。
b.生産実績
当社は、OEM製造により外部へ製造を委託しており、当社では生産活動を行っていないことから、該当事項はありません。
c.受注実績
当社は、OEM製造による見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は報告数値と異なる可能性があります。
当事業年度における当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(関係会社株式の評価)
関係会社株式については、純資産価額にもとづく実質価額が著しく下落している場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価損を計上することにしております。業績悪化により純資産価額が減少し、事業計画に基づく回復可能性が認められないとされる場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損処理)
のれんについては、投資効果が及ぶ期間にわたり、均等償却しております。のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
固定資産については、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額までの下落額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異については、繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
② 経営成績の分析
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高につきましては、自社ブランド商品が順調に推移したことにより、7,106,147千円(前年
同期比16.0%増加)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,611,294千円(前年同期比65.7%増加)となりました。これは主に、相対的に粗利率の低い商品の販売数量増加により、売上高に対する売上原価率が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は5,494,852千円(前年同期比6.6%増加)となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は5,324,453千円(前年同期比11.3%増加)となりました。これは主に、EC広告宣伝費153,296千円の増加(前年同期比5.0%増加)、顧客データ償却額85,389千円の計上によるものであります。その結果、営業利益は170,399千円(前年同期比53.7%減少)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は6,681千円(前年同期比1,153.5%増加)となりました。これは主に、キャッシュレス還元還付金4,684千円の計上、雑収入1,463千円の増加(前年同期比279.7%増加)によるものであります。
当事業年度の営業外費用は2,668千円(前年同期比91.9%増加)となりました。これは主に、支払利息53千円の増加(前年同期比3%増加)、その他1,225千円の計上によるものであります。
その結果、経常利益は174,412千円(前年同期比52.5%減少)となりました。
(特別損益及び法人税等合計及び当期純利益)
当事業年度の特別利益は275千円(前年同期比2,955.6%増加)となりました。これは、新株予約権戻入益275千を計上したことによるものであります。
当事業年度の特別損失は39,689千円(前年同期比84.5%減少)となりました。これは主に、関係会社株式評価損1,898千円の計上、減損損失37,697千円計上によるものであります。
一方、当事業年度の法人税等合計は38,625千円(前年同期比63.3%減少)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)38,625千円(前年同期比63.3%減少)を計上したことによるものであります。
その結果、当期純利益は96,373千円(前年度比1,472.4%増加)となりました。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は、6,568,950千円となりました。
各事業ともおおむね好調に推移いたしましたが、特にヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事
業では、新規顧客獲得のための積極的な広告投資が功を奏しました。
(売上原価及び売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は1,380,901千円となりました。これは主に、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」、漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等の原価率の低い自社ブランド商品の販売高が増加したことより、売上高に対する売上原価率は減少いたしました。その結果、売上総利益は5,188,048千円となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は4,180,134千円となりました。これは主に、EC広告宣伝費の計上によるものであります。
その結果、営業利益は1,007,913千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外収益は8,747千円となりました。これは主に、キャッシュレス還元還付金の計上によるものであります。第3四半期累計期間における営業外費用は2,230千円となりました。これは主に、貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。
その結果、経常利益は1,014,430千円となりました。
(法人税等合計及び四半期純利益)
当第3四半期累計期間における法人税等合計は354,361千円となりました。これは、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)354,361千円を計上したことによるものであります。
その結果、四半期純利益は660,069千円となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。
④ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要につきましては、更なる事業拡大に向けて、人材の確保といった集客体制の強化や商品開発のための投資を行っていく想定であります。これらの資金需要は内部留保で賄うことを原則としながら、中長期における資金需要並びに金利動向等を注視したうえで必要に応じて機動的に資金調達を行い、財務の健全性を維持する方針であります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。特に、これまでの当社の成長は、「酵水素328選シリーズ」によるところが大きく、今後、安定的で持続的な成長を図るためには、新規商品の開発及び販売を通じて、特定商品依存型から脱却することが必須であると考えております。そのため、経営者は常に外部環境やその変化に関する情報の入手及び分析を通じ、最適な解決策を実施していく方針であります。
⑧ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等
当社では、事業を継続的に発展させていくためには、将来成長のための広告投資を継続して収益力を高めつつ、適正な利益の確保を図ることが重要と認識し、客観的な指標として、売上高、広告宣伝費、及び営業利益を重視しており、これらの指標のバランスと適正化を図る経営に努めてまいります。
2020年5月期においては、売上高7,106,147千円(前年同期比16.0%増)、広告宣伝費3,227,608千円(前年同期比4.3%増)、営業利益170,399千円(前年同期比54.7%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、巣ごもり消費が増加する一方、広告費を抑制する企業が増え一時的に安価に広告枠の獲得が可能となったことから、将来収益の効率的な獲得を優先し2020年4月以降の広告宣伝費を政策的に積み増したため、営業利益が減少いたしました。
今後も当社事業の成長のためには新規顧客獲得のための広告費投下が必要不可欠であることから、広告媒体ごとの広告市況や顧客の反応、CPO(注1)を随時モニタリングしながら、効果的かつ効率的な広告費投下を実施するとともに、営業利益水準にも着目することで収益性の確保も図ってまいります。
また、当社事業モデルを勘案したうえでの重要な経営指標は、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業では、今後の収益の源泉となる「一年間に新規獲得した定期顧客数(注2)」を、ヘルスケアマーケティング事業では「取引先社数」を、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業では、SOKUYAKUプラットフォームの拡大を重視し「会員数(SOKUYAKUアプリダウンロード数)」、「提携医療機関数」及び「提携薬局数」の3点を、それぞれ重要な指標としております。
2020年5月期においては、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業における一年間に新規獲得した定期顧客数は271,161人(前年同期比19.3%増)となり、効果的な広告投資により新規定期会員獲得数の大幅な増加となりました。一方、ヘルスケアマーケティング事業における取引先社数は、戦略的に取引単価の高い優良取引先に絞り込んだことから2020年5月期で122社(前年同期比24.7%減)となりました。なお、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業については、2021年2月からの稼働となるため、2020年5月期時点では該当事項ありません。
なお、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業における「一年間に新規獲得した定期顧客数」につきましては、上記の通り広告媒体ごとの広告市況や顧客の反応、CPOを随時モニタリングしながら、効果的かつ効率的な広告費投下を実施することで、今後も堅調な定期顧客獲得を推進してまいります。
また、ヘルスケアマーケティング事業における「取引先社数」につきましては、営業人員の増員確保に加えまして、ウェブセミナー参加者やセミナー資料ダウンロード先へのフォローアップに基づくインサイドセールスの体制が2021年5月期中に整ったことから、今後もインサイドセールスによる効率的な営業活動により、取引先社数の伸長を図ってまいります。
さらに、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業におきましては、ウェブ広告や動画配信広告を積極的に展開することで「会員数」の新規獲得を目指します。特に、顧客からの問い合わせの多い診療科や症状に特化したウェブ広告等を複数発信することで、顧客ニーズにマッチした効果的な広告展開を推進してまいります。また、ヘルスケアマーケティング事業で培ったインサイドセールス体制をSOKUYAKU事業にも導入することで、効果的かつ効率的に営業活動を展開し「提携医療機関数」及び「提携薬局数」の積み増しを加速してまいります。
(注1)「CPO」とは、Cost Per Orderの略であり、定期顧客一人当たりの獲得単価となります。
(注2)「定期顧客数」とは、「当社全商品の定期コース会員の延べ人数」となります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
当事業年度における我が国経済は、雇用環境や企業収益の改善を背景に、穏やかな景気回復基調でしたが、消費増税の影響に加え、米中貿易摩擦の激化懸念などから、経済の減速感が強まりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により中国を中心としたサプライチェーンの分裂や、消費活動の減退、金融市場の混乱といった深刻な影響が出ており、収束がみえない状況となっております。
一方、当社を取り巻く経営環境につきましては、2019年経済産業省公表の実態調査によりますと、国内のEC取引の市場規模は9.3兆円と前年対比8.1%の伸びを示しており、引き続き市場の成長が期待されております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響から、外出を控える消費者が増加したことから、「巣ごもり消費」という言葉に表現されるように、自宅にいながら買い物を楽しむという新たな消費行動がより顕著となり、市場の成長をより加速させております。
このような環境の中、当社は、健康・美容・医療医薬の分野に特化し、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」といった自社ブランド商品に加え、2019年11月からは漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等も商品ラインナップに追加し、売上拡大に向けてインフォマーシャル広告やインターネット広告等の広告投資を積極的に実施しました。
また、近年ヘルスケアメーカーのEC化ニーズも高まっていることから、当社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・ サービス)を活用した広告や著名人等の起用による販促支援等の、マーケティング支援業務も強化して参りました。
さらに、2019年5月から新規事業として東京都港区赤坂に調剤薬局を開業し、将来における処方箋医薬品の通信販売事業化に向けての先行投資を推進しております。
以上の結果、当事業年度の売上高は7,106,147千円(前年同期比16.0%増加)、営業利益は170,399千円(前年同期比 53.7%減少)、経常利益は174,412千円(前年同期比52.5%減少)、当期純利益は96,373千円(前年同期比1,472.2%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しており、前事業年度との比較は変更後の区分により作成した数値を記載しております。
(単位:千円)
セグメントの名称 | 売上高 | セグメント利益又は損失(△) | ||||
前事業年度 | 当事業年度 | 増減率(%) | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減率(%) | |
ヘルスケアセールス事業 | 4,918,910 | 5,161,741 | 4.9 | 1,080,022 | 700,575 | △35.1 |
メディカルケアセールス事業 | 837,187 | 1,300,131 | 55.3 | △453,636 | △224,945 | ― |
ヘルスケアマーケティング事業 | 369,712 | 644,274 | 74.3 | △13,553 | △23,878 | ― |
調整額 | ― | ― | ― | △244,676 | △281,351 | ― |
合計 | 6,125,810 | 7,106,147 | 16.0 | 368,156 | 170,399 | △53.7 |
(ヘルスケアセールス事業)
ヘルスケアセールス事業におきましては、当社取扱い商品のイメージに合った著名人等を活用した企画性に富んだ広告が寄与しました。また外部委託コールセンターの管理体制や広告出稿先の選定の強化を行ったことで会員数が伸び、酵水素328選シリーズ、中でも「もぎたて生スムージー」の売上が増大しました。一方で、翌事業年度の新規顧客獲得を企図し、更なる広告投資を積極的に推進しました。その結果、セグメント売上高は5,161,741 千円(前年同期比4.9%増加)、セグメント利益は700,575千円(前年同期比35.1%減少)となりました。
(メディカルケアセールス事業)
メディカルケアセールス事業におきましては、新規顧客獲得のための積極的な広告出稿を促進したことに加え、2019年11月にM&Aで取得した漢方薬オンラインショップ事業(JFD)が売上増加に寄与し、セグメント売上高は1,300,131千円(前年同期比55.3%増加)となりました。一方で、JFDののれん償却費、及び処方箋医薬品EC化に向けた顧客サービスアプリ(「速薬」アプリ)開発費用等の先行投資がかさみ、セグメント損失は224,945千円(前期は453,636千円の損失)となりました。
(ヘルスケアマーケティング事業)
ヘルスケアマーケティング事業におきましては、健康食品等メーカーのEC化ニーズの高まりを背景に、SNSや著名人等の起用によるキャスティングを活用した販売支援業務が好調で売上増加に寄与しました。また、2019年6月よりテレビ通販の販売チャネルにて、自社商品等の卸業務も開始し、売上増加に貢献しております。一方で、同事業の組織再構築のため、人材採用を積極的に実施しました。その結果、セグメント売上高は644,274千円(前年同期比74.3%増加)、セグメント損失は23,878千円(前期は13,553千円の損失)となりました。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
2020年経済産業省公表の実態調査によりますと、国内のEC取引の市場規模は10兆円と前年対比8.1%の伸びを示しており、引き続き市場の成長が期待されております。
当第3四半期累計期間においては、第2四半期累計期間に引続き新型コロナウイルス感染症の影響から、外出を控える消費者が増加したことから、「巣ごもり消費」という言葉に表現されるように、自宅にいながら買い物を楽しむという新たな消費行動がより顕著となり、国内のEC取引の市場成長をさらに加速させております。
このような環境の中、当社は、健康・美容・医療医薬の分野に特化し、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」、漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等の自社ブランド商品の売上拡大に向けて、インフォマーシャル広告やインターネット広告等の広告投資を積極的に実施しました。
また、近年健康食品等メーカーのEC化ニーズも高まっていることから、当社はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・ サービス)を活用した広告や著名人等の起用による販促支援等の、マーケティング支援業務も引き続き強化しております。
さらに、新規事業として前事業年度に開業した調剤薬局では、新型コロナウイルス特例措置の一環として2020年4月10日付で厚生労働省から発出された事務連絡に基づき、電話等による遠隔服薬指導と処方箋医薬品の宅配事業を開始しております。また、同年9月に菅政権が発足し、デジタル化推進策の1つとして特例措置の恒久化も検討されております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は6,568,950千円、営業利益は1,007,913千円、経常利益は1,014.430千円、四半期純利益は660,069千円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(ヘルスケアセールス事業)
ヘルスケアセールス事業におきましては、当社取扱い商品のイメージに合った著名人等を活用した企画性に富んだ広告及び新規顧客獲得のための積極的な広告投資が功を奏し、酵水素328選シリーズの定期会員数が大幅に伸び、売上、セグメント利益の拡大につながりました。その結果、セグメント売上高は4,768,285千円、セグメント利益は1,300,832千円となりました。
(メディカルケアセールス事業)
メディカルケアセールス事業におきましては、新規顧客獲得のための積極的な広告出稿を促進したことに加え、2019年11月にM&Aで取得した漢方薬オンラインショップ事業(JFD)が売上増加に寄与しました。一方で医療プラットフォームサービス「SOKUYAKU」アプリの開発投資がかさみました。その結果、セグメント売上高は1,264,340千円、セグメント損失は25,639千円となりました。
(ヘルスケアマーケティング事業)
ヘルスケアマーケティング事業におきましては、健康食品等メーカーのEC化ニーズの高まりを背景に、SNSや、著名人等を起用したキャスティングを活用した販売支援業務が好調で売上増加に寄与しました。また、前事業年度より取り組みを開始したテレビ通販販売チャネルにおける自社商品等の卸業務も売上増加に貢献しております。一方で、広告運用を含むメディア事業の立ち上げが遅れており売上が伸び悩むと同時に、営業人材の採用やシステムセキュリティ構築の費用が発生しました。その結果、セグメント売上高は536,324千円、セグメント損失は17,599千円となりました。
② 財政状態の状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は1,863,616千円となり、前事業年度末に比べ56,394千円増加となりました。これは主に、長期借入金の返済を行ったこと等による現金及び預金の減少45,061千円、自社ブランド商品の販売が好調であったこと等による売掛金の増加134,751千円、滞留在庫の減損処理を行ったこと等による商品の減少83,044千円、著名人等との契約が増えたこと等による前払費用の増加46,622千円によるものであります。
当事業年度末における固定資産は168,875千円となり、前事業年度末に比べ66,859千円増加となりました。これは主に、店舗設備の減損損失の計上等による建物附属設備の減少22,257千円、工具、器具及び備品の減少5,824千円、株式会社アインファーマシーズから事業を譲り受けたこと等によるのれんの増加24,090千円、顧客データの増加15,842千円、減損処理によるソフトウエア仮勘定の減少12,197千円、主にたな卸評価損の将来減算一時差異増加による繰延税金資産の増加74,058千円によるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債は1,114,518千円となり、前事業年度末に比べ119,652千円増加となりました。これは主に、自社ブランド商品の販売が好調につき仕入が増加したこと等による買掛金の増加71,232千円、広告費等の増加による未払金の増加178,959千円、課税所得の増加による未払法人税等の増加54,837千円、課税仕入の増加等による未払消費税等の減少7,104千円、ヘルスケアマーケティング事業において受注が増えたこと等による前受金の増加70,420千円、課徴金の支払いによる課徴金引当金の減少249,000千円によるものであります。
当事業年度末における固定負債は75208千円となり、前事業年度末に比べ93,648千円の減少となりました。これは、銀行への返済による長期借入金の減少93,648千円によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資は842,765千円となり、前事業年度末に比べ97,249千円増加となりました。これは、当期純利益96,374千円を計上したことによる利益剰余金の増加96,373千円の増加、新株予約権の増加875千円によるものであります。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
(資産の部)
当第3四半期会計期間末における流動資産は2,505,819千円となり、前事業年度末に比べ642,203千円増加となりました。これは主に、四半期利益獲得による現金及び預金の増加743,345千円、著名人等との契約が減少したこと等による前払費用の減少71,140千円、その他の減少21,351千円によるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定資産は142,777千円となり、前事業年度末に比べ26,098千円減少となりました。これは、備品の取得等による有形固定資産の増加492千円、減価償却費の計上による無形固定資産の減少15,428千円、繰延税金資産の将来減算一時差異の一部解消により投資その他の資産の減少11,162千円によるものであります。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末における流動負債は1,132,497千円となり、前事業年度末に比べ17,979千円増加となりました。これは主に、自社ブランド商品の販売が好調につき仕入が増加したこと等による買掛金の増加11,041千円、広告費等を支払ったこと等による未払金の減少160,681千円、課税所得の増加による未払法人税等の増加224,294千円、課税売上の増加による未払消費税等の増加54,556千円、ヘルスケアマーケティング事業における受注が減少したこと等による前受金の減少91,946千円によるものであります。
当第3四半期会計期間末における固定負債は13,264千円となり、前事業年度末に比べ61,944千円減少となりました。これは、銀行への返済による長期借入金の減少61,944千円によるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末における純資産は1,502,834千円となり、前事業年度に比べ660,069千円増加となりました。これは、四半期純利益660,069千円を計上したことによる利益剰余金の増加660,069千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ45,901千円減少し、901,816千円となりました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は218,298千円(前年同期は13,993千円の資金増加)となりました。
これは主に、増加要因として、税引前当期純利益が134,998千円(前年同期比23,592千円増加)、たな卸資産の減少額が113,879千円(前年同期はたな卸資産の増加額316,225千円)、仕入債務の増加額が71,231千円(前年同期は仕入債務の減少額25,968千円)であった一方で、減少要因として、売上債権の増加額が64,714千円(前年同期は売上債権の減少額65,825千円)、前払費用の増加額が46,621千円(前年同期は前払費用の増加額29,054千円)、課徴金の支払額249,000千円(前年同期比249,000千円増加)であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、165,103千円(前年同期は62,641千円の支出)となりました。これは主に、事業譲受による支出159,825千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、99,096千円(前年同期は130,488千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金返済による支出100,248千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第12期事業年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 第13期第3四半期累計期間 (自 2020年6月1日 至 2021年2月28日) | |
仕入高(千円) | 前年同期比(%) | 仕入高(千円) | |
ヘルスケアセールス事業 | 658,254 | 108.0 | 702,664 |
メディカルケアセールス事業 | 335,138 | 79.3 | 221,069 |
ヘルスケアマーケティング事業 | 534,857 | 209.2 | 445,731 |
合計 | 1,528,250 | 118.7 | 1,379,465 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、仕入価格によっております。
b.生産実績
当社は、OEM製造により外部へ製造を委託しており、当社では生産活動を行っていないことから、該当事項はありません。
c.受注実績
当社は、OEM製造による見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 第12期事業年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 第13期第3四半期累計期間 (自 2020年6月1日 至 2021年2月28日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | 販売高(千円) | |
ヘルスケアセールス事業 | 5,161,741 | 104.9 | 4,768,285 |
メディカルケアセールス事業 | 1,300,131 | 155.3 | 1,264,340 |
ヘルスケアマーケティング事業 | 644,274 | 174.3 | 536,324 |
合計 | 7,106,147 | 116.0 | 6,568,950 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上となる取引先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は報告数値と異なる可能性があります。
当事業年度における当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。
(関係会社株式の評価)
関係会社株式については、純資産価額にもとづく実質価額が著しく下落している場合、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、評価損を計上することにしております。業績悪化により純資産価額が減少し、事業計画に基づく回復可能性が認められないとされる場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの減損処理)
のれんについては、投資効果が及ぶ期間にわたり、均等償却しております。のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
固定資産については、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額までの下落額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異については、繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
② 経営成績の分析
第12期事業年度(自 2019年6月1日 至 2020年5月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高につきましては、自社ブランド商品が順調に推移したことにより、7,106,147千円(前年
同期比16.0%増加)となりました。
(売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,611,294千円(前年同期比65.7%増加)となりました。これは主に、相対的に粗利率の低い商品の販売数量増加により、売上高に対する売上原価率が増加したことによるものであります。
その結果、売上総利益は5,494,852千円(前年同期比6.6%増加)となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は5,324,453千円(前年同期比11.3%増加)となりました。これは主に、EC広告宣伝費153,296千円の増加(前年同期比5.0%増加)、顧客データ償却額85,389千円の計上によるものであります。その結果、営業利益は170,399千円(前年同期比53.7%減少)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は6,681千円(前年同期比1,153.5%増加)となりました。これは主に、キャッシュレス還元還付金4,684千円の計上、雑収入1,463千円の増加(前年同期比279.7%増加)によるものであります。
当事業年度の営業外費用は2,668千円(前年同期比91.9%増加)となりました。これは主に、支払利息53千円の増加(前年同期比3%増加)、その他1,225千円の計上によるものであります。
その結果、経常利益は174,412千円(前年同期比52.5%減少)となりました。
(特別損益及び法人税等合計及び当期純利益)
当事業年度の特別利益は275千円(前年同期比2,955.6%増加)となりました。これは、新株予約権戻入益275千を計上したことによるものであります。
当事業年度の特別損失は39,689千円(前年同期比84.5%減少)となりました。これは主に、関係会社株式評価損1,898千円の計上、減損損失37,697千円計上によるものであります。
一方、当事業年度の法人税等合計は38,625千円(前年同期比63.3%減少)となりました。これは、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)38,625千円(前年同期比63.3%減少)を計上したことによるものであります。
その結果、当期純利益は96,373千円(前年度比1,472.4%増加)となりました。
第13期第3四半期累計期間(自 2020年6月1日 至 2021年2月28日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は、6,568,950千円となりました。
各事業ともおおむね好調に推移いたしましたが、特にヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事
業では、新規顧客獲得のための積極的な広告投資が功を奏しました。
(売上原価及び売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は1,380,901千円となりました。これは主に、「酵水素328選生サプリメント」「酵水素328選もぎたて生スムージー」「ホワイピュア」、漢方薬「生漢煎®防風通聖散」等の原価率の低い自社ブランド商品の販売高が増加したことより、売上高に対する売上原価率は減少いたしました。その結果、売上総利益は5,188,048千円となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は4,180,134千円となりました。これは主に、EC広告宣伝費の計上によるものであります。
その結果、営業利益は1,007,913千円となりました。
(営業外損益及び経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外収益は8,747千円となりました。これは主に、キャッシュレス還元還付金の計上によるものであります。第3四半期累計期間における営業外費用は2,230千円となりました。これは主に、貸倒引当金繰入額の計上によるものであります。
その結果、経常利益は1,014,430千円となりました。
(法人税等合計及び四半期純利益)
当第3四半期累計期間における法人税等合計は354,361千円となりました。これは、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)354,361千円を計上したことによるものであります。
その結果、四半期純利益は660,069千円となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」をご参照下さい。
④ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要につきましては、更なる事業拡大に向けて、人材の確保といった集客体制の強化や商品開発のための投資を行っていく想定であります。これらの資金需要は内部留保で賄うことを原則としながら、中長期における資金需要並びに金利動向等を注視したうえで必要に応じて機動的に資金調達を行い、財務の健全性を維持する方針であります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。特に、これまでの当社の成長は、「酵水素328選シリーズ」によるところが大きく、今後、安定的で持続的な成長を図るためには、新規商品の開発及び販売を通じて、特定商品依存型から脱却することが必須であると考えております。そのため、経営者は常に外部環境やその変化に関する情報の入手及び分析を通じ、最適な解決策を実施していく方針であります。
⑧ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等
当社では、事業を継続的に発展させていくためには、将来成長のための広告投資を継続して収益力を高めつつ、適正な利益の確保を図ることが重要と認識し、客観的な指標として、売上高、広告宣伝費、及び営業利益を重視しており、これらの指標のバランスと適正化を図る経営に努めてまいります。
2020年5月期においては、売上高7,106,147千円(前年同期比16.0%増)、広告宣伝費3,227,608千円(前年同期比4.3%増)、営業利益170,399千円(前年同期比54.7%減)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により、巣ごもり消費が増加する一方、広告費を抑制する企業が増え一時的に安価に広告枠の獲得が可能となったことから、将来収益の効率的な獲得を優先し2020年4月以降の広告宣伝費を政策的に積み増したため、営業利益が減少いたしました。
今後も当社事業の成長のためには新規顧客獲得のための広告費投下が必要不可欠であることから、広告媒体ごとの広告市況や顧客の反応、CPO(注1)を随時モニタリングしながら、効果的かつ効率的な広告費投下を実施するとともに、営業利益水準にも着目することで収益性の確保も図ってまいります。
また、当社事業モデルを勘案したうえでの重要な経営指標は、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業では、今後の収益の源泉となる「一年間に新規獲得した定期顧客数(注2)」を、ヘルスケアマーケティング事業では「取引先社数」を、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業では、SOKUYAKUプラットフォームの拡大を重視し「会員数(SOKUYAKUアプリダウンロード数)」、「提携医療機関数」及び「提携薬局数」の3点を、それぞれ重要な指標としております。
2020年5月期においては、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業における一年間に新規獲得した定期顧客数は271,161人(前年同期比19.3%増)となり、効果的な広告投資により新規定期会員獲得数の大幅な増加となりました。一方、ヘルスケアマーケティング事業における取引先社数は、戦略的に取引単価の高い優良取引先に絞り込んだことから2020年5月期で122社(前年同期比24.7%減)となりました。なお、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業については、2021年2月からの稼働となるため、2020年5月期時点では該当事項ありません。
なお、ヘルスケアセールス事業及びメディカルケアセールス事業の医薬品通販事業における「一年間に新規獲得した定期顧客数」につきましては、上記の通り広告媒体ごとの広告市況や顧客の反応、CPOを随時モニタリングしながら、効果的かつ効率的な広告費投下を実施することで、今後も堅調な定期顧客獲得を推進してまいります。
また、ヘルスケアマーケティング事業における「取引先社数」につきましては、営業人員の増員確保に加えまして、ウェブセミナー参加者やセミナー資料ダウンロード先へのフォローアップに基づくインサイドセールスの体制が2021年5月期中に整ったことから、今後もインサイドセールスによる効率的な営業活動により、取引先社数の伸長を図ってまいります。
さらに、メディカルケアセールス事業のSOKUYAKU事業におきましては、ウェブ広告や動画配信広告を積極的に展開することで「会員数」の新規獲得を目指します。特に、顧客からの問い合わせの多い診療科や症状に特化したウェブ広告等を複数発信することで、顧客ニーズにマッチした効果的な広告展開を推進してまいります。また、ヘルスケアマーケティング事業で培ったインサイドセールス体制をSOKUYAKU事業にも導入することで、効果的かつ効率的に営業活動を展開し「提携医療機関数」及び「提携薬局数」の積み増しを加速してまいります。
(注1)「CPO」とは、Cost Per Orderの略であり、定期顧客一人当たりの獲得単価となります。
(注2)「定期顧客数」とは、「当社全商品の定期コース会員の延べ人数」となります。