有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/08/16 15:00
【資料】
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【項目】
81項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は不動産×ITを軸に、企業理念である「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」していくことで、顧客と都市を豊かにしていきます。
この企業理念に基づき、不動産業界の既成概念にとらわれず、顧客が真に求めているものを追求し、ITを用いたソリューションを提供することで、企業としての持続的な成長を図ってまいります。
(2) 経営戦略等
① 駐車場サービスのさらなる強化・拡大
当社の月極駐車場検索ポータルサイト「カーパーキング」への問い合わせ件数増加を背景に、月極駐車場紹介サービス及び月極駐車場サブリースサービスの取引件数が拡大しております。
従来、ユーザーが月極駐車場を探す際には、不動産業者への訪問や現地で募集看板を見つけて電話等で問い合わせを行う方法が主たるものであり、月極駐車場の情報を集めることや満足できる駐車場を借りることには、時間と労力がかかっておりました。しかし、当社の有するカーパーキングを利用することによって、ユーザーは真に求めている駐車場をより効率的かつ効果的に見つけることができるようになっております。当社は、引き続きデータベースの強化を行い、カーパーキングをより魅力的なものにすることで、駐車場サービスをさらに強化・拡大してまいります。
月極駐車場サブリースサービスにおいては、現在関東圏を主たる営業エリアとしているほか、福岡、大阪にも営業拠点を有しておりますので、その拠点における営業活動の強化、さらには未開拓エリアへの拠点設置も検討し、事業規模の拡大を図ってまいります。
このように不動産(空き駐車場)×IT(ポータルサイト)を軸に、「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」という企業理念のもと、駐車場紹介に伴う手数料収入及びサブリースによる賃料収入を安定的に積み上げていくことにより、手数料収入(フロー)と賃料収入(ストック)を兼ね合わせた、盤石の収益基盤を確立してまいります。
② 駐車場サービス以外への進出
駐車場サービス以外に、新規事業(屋外広告検索ポータルサイト「アドウォール」など)を立ち上げていきます。不動産領域において、顧客が真に求めているものは何かを考え、ITを用いたソリューションを提供していきます。月極駐車場以外の収益基盤を生み出していき、たとえ厳しい経済環境下においても永続して安定的に発展し続ける企業を目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は持続的な成長に向けて、売上高、営業利益及び成長率を重視しております。また、月極駐車場紹介サービスに関してはポータルサイトにおける問い合わせ件数及び掲載物件情報数が事業の根幹であるため、その推移を重要な指標としており、月極駐車場サブリースサービスに関しては、マスターリース台数及びサブリース台数(稼働率)を重要な指標としております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社は、大都市圏におけるオフィスビルや賃貸及び分譲マンションといった施設内駐車場の有効活用を提案することにより成長してまいりました。しかしながら、当社を取り巻く経営環境としては、駐車場業界の成熟化に伴う再編淘汰の時代に突入し、駐車場紹介・運営会社として厳格に選別されるという変化が起こっております。このような経営環境下において、以下の3点を今後のさらなる事業拡大・展開における対処すべき特に重要な課題と認識し、解決に向けて取り組んでおります。
① 継続的な成長について
当社は上記の経営環境の変化をビジネスチャンスと捉え、これまで蓄積した駐車場オーナー・ユーザー情報などの駐車場運営ノウハウをもとに、自社運営サイトである「カーパーキング」のブランディング及び集客力アップを図るとともに、未開拓エリアにも進出することで、駐車場紹介件数及び新規マスターリース台数の増加に伴う駐車場サービスの収益性向上に取組み、継続的な成長を目指します。
また、新規事業として屋外広告検索ポータルサイト「アドウォール」にて壁面における遊休スペースの収益化を進めております。さらに駐車場のデータベース拡大のため、現地からの情報収集システム「Pott works」を開発いたしました。
② 組織体制の強化について
当社は少人数で効率的な組織運営を行ってまいりましたが、事業のさらなる成長のためには、ノウハウの蓄積とともに、ユーザーや不動産オーナーに提案する能力を高めていく必要があります。そのため、優秀な営業人材の確保及び人材育成が重要な課題であると考えております。そのため、採用力向上と社内研修の充実等に取り組んでまいります。社内においては、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。このため、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
③ システムの向上
当社の提供するサービスにおきましては、インターネット上でサービスを提供している関係上、安定したサーバー環境や通信環境を維持する必要があります。
そこで当社では、エンジニアの確保および育成、利用者数の増加に伴うアクセス数増加を考慮したサーバー機器の整備、負荷分散システムの導入等が重要となります。今後も設備投資等を継続的に行い、システムの安定性確保に取り組んでまいります。