有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/08/16 15:00
【資料】
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【項目】
81項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。
(1) 法的規制について
駐車場の設置等に関する法令としては、都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めた「駐車場法」をはじめ、都道府県公安委員会による交通規制等を定めた「道路交通法」並びに自動車保有者等に対して自動車の保管場所確保等を定めた「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」等があります。現在、当社が営む月極駐車場紹介サービス及び月極駐車場サブリースサービスの運営上、直接的な影響はありませんが、これらの法律が変更された場合、若しくは今後、都市部の自動車利用の制限につながるような法改正等がなされ、駐車場需要が減少した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、宅地建物取引業法では、駐車場として利用することを目的とする土地の貸借の媒介は、原則として宅建業法の適用がありますが、車1台ごとの月極駐車場の貸借の媒介については、業法の趣旨及び規制の実益等を考慮して、業法上の問題としては取り扱わない運用がなされております。しかしながら、今後の法改正等や運用の変更等が行われた場合、または法令違反や欠格事由等に該当した場合には、当社の業務遂行に支障をきたす可能性があります。
(2) 駐車場需要の減少について
ガソリン価格の急騰等により、国内の自動車保有台数が急激に減少する等の外的要因により駐車場需要が急激に減少することとなった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合について
当社の月極駐車場紹介サービスにおいては、当社以外の検索サイトや店舗型不動産業者等、複数の競合相手が存在していることから、今後もユーザー獲得に向け検索サイトの情報の充実や利便性の向上、信頼性の強化を図り、他社との差別化に努めてまいります。また、当社の月極駐車場サブリースサービスにおいては、ユーザー獲得が可能な自社サイトを有しているという月極駐車場紹介サービスにおける集客力の強みを活かし、マスターリース台数の増加を図る方針であります。
しかしながら、月極駐車場紹介サービス及び月極駐車場サブリースサービスそれぞれにおいて、資本力を有する企業が新規参入した場合や競合他社の増加によるユーザー獲得競争が激化した場合には、紹介手数料や貸出価格における価格競争、及びユーザー獲得コストの増加等によって、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 営業地域の限定について
当社の月極駐車場サブリースサービスは現在、東京都および神奈川県等の関東地区を主体とした営業活動を行っております。当該事業は、大都市圏のオフィスビルや分譲マンションに附帯した駐車場を対象とする営業方針であることから、今後の事業拡大地域が限定される可能性があります。なお、関東地区において、地震等の大災害やその他の不測の事態が発生し、当社が管理運営する物件が破損し、あるいは閉鎖となった場合等には事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 駐車場オーナーに対する収入保証について
当社の月極駐車場サブリースサービスは、土地や施設を保有せず、駐車場オーナーよりそれらを賃貸借契約により借り受ける形でサービスを行っております。また、月極駐車場サブリースサービスにおける駐車場オーナーとの契約の大半は、契約時に設定した固定賃料の支払いが毎月発生する内容となっております。当社は駐車場オーナーからの信頼獲得のため、契約上の義務ではないものの、可能な限り当社から賃貸借契約を解約しない方針をとっております。したがって、月極駐車場利用者の稼働台数が計画どおり進まなかった場合や、月極駐車場利用者との既存契約の解約が増加した場合等には、当社の収入が減少する一方、駐車場オーナーへの固定賃料の支払は継続しなければならないことから、損失が発生する可能性があります。また、競争激化に伴い駐車場オーナーに支払う固定賃料が引き上げられた場合や、月極駐車場利用者からの賃料収入が低下した場合、損失が発生する可能性があります。
(6) 預り保証金の返還について
当社はサブリースしている駐車場を契約するユーザーから、契約締結時に1~2か月分賃料相当の保証金を受領しております。当該保証金については、保全措置の対象ではありませんが、一度に大量の解約等が発生した場合には、当社の資金繰りおよび財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) ポータルサイト「カーパーキング」について
① ユーザー(月極駐車場見込利用者)について
当社の月極駐車場紹介サービスは、ポータルサイトである「カーパーキング」を中心とした事業を展開しており、事業の基盤は、多くのユーザーが「カーパーキング」に訪問することであります。
当社は、月極駐車場情報の掲載数増加やユーザーインターフェースの改善等によりユーザー数拡大を推進していく方針でありますが、ユーザー数が想定を下回る又は減少することにより、駐車場紹介件数及びサブリース件数が低下した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 月極駐車場掲載件数について
当社の運営するポータルサイト「カーパーキング」において、駐車場オーナーのアクセス数の減少や認知度の低下、あるいは空き駐車場自体の減少により、月極駐車場情報の掲載件数が増加しない又は減少する場合、紹介件数減少に伴う駐車場紹介手数料売上の減少等が想定されます。このように月極駐車場掲載件数が増加しない又は減少する場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 「カーパーキング」への集客における外部検索エンジンへの依存について
「カーパーキング」への集客は、グーグルなどの検索サイトを経由したものが多くを占めており、検索エンジンの表示結果に左右されるといえます。
今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更等により、当社サイトが検索結果の上位に表示されない場合には、「カーパーキング」における集客効果が低下し当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ システムについて
当社の月極駐車場紹介サービスは、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しています。したがって、自然災害や事故によりインターネット通信網が切断された場合には、サービスの提供が困難となります。また、当社の運営するポータルサイトへの予想外の急激なアクセス増加等による一時的な過負荷やその他予期せぬ事象によるサーバーダウン等により、当社のサービスが停止する可能性があります。これまで当社において、そのような事象は発生しておりませんが、今後このようなシステム障害等が発生し、サービスの安定的な提供が行えないような事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟リスクについて
当社事業において直接関連する法令等はありませんが、当社のサブリース駐車場を利用しているユーザーが機械式駐車場を破損した場合や事故等が生じた場合で、当社がユーザーへの使用説明を怠った場合等、当社の過失に起因する場合に、訴訟が発生する可能性があります。なお、現在のところ訴訟等は生じておりませんが、今後、重大な訴訟事件等が提起された場合には、当社の信用力の失墜を招くとともに、損害賠償等によって当社の業績及び事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 新規サービスや新規事業について
当社は、今後の事業規模の拡大と収益の多様化を図るため、積極的に新規サービスや新規事業に取り組んでいく方針であります。これにより、人材やシステムへの追加投資による支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、新規サービスや新規事業が計画どおりに進まない場合には、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 人材の確保及び育成について
当社では、月極駐車場見込利用者からの問い合わせに適時適切に対応するため、駐車場物件獲得のための営業人員及びシステムの増強・開発を行うエンジニアの確保及び育成が重要であります。そのため、Web媒体等を活用し継続的に人材を募集するとともに、福利厚生面の充実や必要な教育研修等を実施することで人員の確保及び育成に努めております。
しかしながら、十分な人材の確保及び育成を行えなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 個人情報について
当社は、駐車場サービスの事業運営に当たり、多くの個人情報を保有しております。この管理につきましては、管理部を担当部署とし、その保護に細心の注意を払っております。また、社内規程を整備し、平成29年1月にはプライバシーマークの認証を取得するとともに、個人情報保護法に関する社内研修会を実施するなど情報セキュリティに対する社員の意識向上を図っております。
しかしながら、これらの個人情報が外部に流出するような事態が生じた場合は、当社の信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(12)特定の人物への依存について
創業者であり代表取締役社長である菅田洋司は、当社の経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社は、各部門長への情報共有のより一層の強化を図るとともに、権限委譲を適宜行っていくことで、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、同氏が何らかの理由により当社の業務を行うことが困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(13) 小規模組織であることについて
当社は小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。当社は、今後の業容拡大および業務内容の多様化に対応するため、人員の増強および内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策に対し十分な対応ができなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) コンプライアンス体制について
当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのためコンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに適宜研修を実施し、周知徹底を図っております。しかしながら、これらの取組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(15) 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対する利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。