有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/09/04 15:00
【資料】
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【項目】
96項目

業績等の概要

(1) 業績
第4期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当連結会計年度における我が国経済は、北朝鮮情勢の緊迫化や世界各国で頻発するテロ等、国外を起因とする不安要素を抱えながらも、半導体や自動車部品等の大手製造業を中心に企業収益や雇用・所得情勢の改善傾向が続き、日経平均株価はこの1年間で4千円近く上昇し、平成29年9月末の終値は2万円台を回復しました。
消費マインドも緩やかながら上向きを示し、内閣府の景気ウォッチャー調査によれば、平成29年9月度の家計動向指数は耐久消費財や衣料品等の販売増が寄与、11ヵ月振りに好調の目安となる50を超える等、個人単位でも景気回復が着実に浸透しつつあります。
当社グループが属する人材サービス業界においては、平成29年9月度の総務省公表の完全失業率が2.8%、厚生労働省公表の有効求人倍率が1.52、中でも正社員の有効求人倍率は1.02で集計開始以来最高と、各数値が示すとおり平成以降では空前の売り手市場が続いております。特に中小企業における人材不足は深刻であり、東京商工リサーチの調査によれば、今年上半期(4~9月)の求人難による倒産は16件と、前年同期の7件から倍増しました。
こうした経営環境の中、当社グループは中核事業会社である株式会社キャスティングロード及び株式会社ジョブスを中心に、稼働人数の拡大に努めてまいりました。更に、少子高齢化による若年層の労働力不足を補うべく、当連結会計年度からシニア層人材の提供を専門に行う事業部を立ち上げ、新たな顧客獲得に寄与しております。
又、前述の人材不足を要因とする派遣スタッフ人件費の高騰への対応として、個別にクライアントとの価格交渉を強化するとともに、新規案件については利益率の高いものから優先して獲得する等、収益性の向上を優先課題として取り組んでまいりました。
当社グループは今後の業容拡大等を見据え、新基幹システムを導入して当連結会計年度から本格運用を開始しました。又、キャリア採用活動を積極的に行い、即戦力となる人員の確保にも努めてまいりました。これらにより、一時的にコストは増加したものの、次期以降の業績向上に寄与するための先行投資と捉えております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は18,856百万円(前年同期比13.6%増)となり、事業部門別内訳は、人材派遣紹介事業が17,288百万円、製造請負事業が1,534百万円、その他事業が33百万円となりました。又、利益面では、営業利益が273百万円(前年同期比97.6%増)、経常利益が290百万円(前年同期比92.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が200百万円(前年同期比128.0%増)となりました。
なお、当社グループは、人材派遣紹介関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
第5期第3四半期連結累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、米国の経済政策や地政学的リスクなど海外を要因とする不安定要素を抱えつつも、堅調な企業収益や緩やかな設備投資の増加に加え、所得環境の改善を受け個人消費も上昇傾向にあるなど、景気の回復基調が持続しております。
当社グループが属する人材サービス業界においては、厚生労働省発表の平成30年5月の有効求人倍率が1.60倍と44年4ヵ月ぶりの高水準、総務省発表の完全失業率が2.2%と25年7ヵ月ぶりの低水準と、好調な景況に少子高齢化を起因とする労働人口減少が重なり、人手不足の状況はますます深刻化してきております。クライアントの需要に見合う人員をいかに提供できるかが重要な課題となっております。
こうした環境の中、当社グループは主力サービスである人材派遣紹介事業において、既存クライアントの取引規模拡大に加え、新規クライアントの獲得に注力してまいりました。又、個別交渉の成果として、派遣キャストの人件費高騰を請求単価に転嫁、売上高及び売上総利益率の上昇へつなげることができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は15,514百万円となり、事業部門別内訳は、人材派遣紹介事業が14,197百万円、製造請負事業が1,288百万円、その他事業が28百万円となりました。又、利益面では、営業利益が512百万円、経常利益が513百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が320百万円となりました。
なお、当社グループは、人材派遣紹介関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フロー
第4期連結会計年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が290百万円(前年同期比98.7%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ324百万円増加し、当連結会計年度末には1,740百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は103百万円(前年同期は30百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権の増加150百万円、法人税等の支払額が150百万円あったものの、税金等調整前当期純利益を290百万円計上し、未払金が143百万円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は79百万円(前年同期は22百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の回収による収入が21百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が61百万円、無形固定資産の取得による支出が18百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は300百万円(前年同期比32.6%減)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が310百万円、社債の償還による支出が35百万円あったものの、短期借入れによる純増額が350百万円、長期借入による収入が300百万円あったこと等によるものであります。