有価証券報告書-第7期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
(1)経営成績等の概要
当社を取り巻く産業用ドローン関連事業につきましては、技術の進展とともに様々な産業での利活用が広がっており、今後もさらなる市場の拡大が見込まれます。
国内においては労働人口の減少・高齢化が進む中、労働生産性の向上は社会的な要請であり、様々な分野で業務効率化に関する需要が高まっております。特に、当社が注力するインフラ点検、物流・郵便、防災・災害支援分野を中心に、現状のオペレーションの維持及び効率化を目的とした業務の効率化・無人化は各産業において喫緊の課題となっており、企業によるこれらの技術に関する投資が拡大しております。
行政においては、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」にて2015年より制定された「空の産業革命に向けたロードマップ」に基づき、ドローンの目視外及び第三者上空での飛行に向けて、法規制等の環境整備が進められており、2018年9月にはドローンにおけるレベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)に関する要件が明確化されました。また、2019年3月にはプラント保安分野におけるドローンの安全な活用の促進に向けたガイドラインと活用事例集が経済産業省、消防庁、厚生労働省より発表されました。
このような環境の下、当社は主に大企業を中心とした各分野の顧客に対し、業務効率化・無人化を目指した各種用途向けの産業用ドローン・ソリューションを展開してまいりました。当事業年度においては、ソリューションの構築として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえた概念検証(PoC)、及び顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を通じて、新規顧客・案件の開拓を進めてまいりました。また、顧客先におけるドローン・ソリューションの試用、及び実運用への導入が進んだことにより、機体販売も順調に拡大いたしました。さらに、海外展開として、シンガポールにおいて実証実験を行うなど、複数案件の具体化を進めてまいりました。
開発においては、カスタム開発の基盤となるプラットフォーム技術の強化を目的として、画像処理(Vision)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、4Gネットワークを活用した飛行制御の技術開発、飛行性能及び安全品質を支える基盤技術向上、操作に関連するユーザーインターフェース強化等を継続してきました。加えて、それらを活用し、顧客フィードバック、業務ノウハウを反映した用途特化型のカスタム開発を実施してまいりました。プラットフォーム製品としては、PF-1に続く次期プラットフォーム機、小型機の製品化を進めてまいりました。
また、さらなる事業拡大、技術力の強化に向けて、海外エンジニアを含めた優秀な人材採用に積極的に取り組んでまいりました。さらに、ドローン利活用を推し進めていくため、2019年2月に陸上自衛隊東部方面隊と災害発生時におけるドローンを活用した応援に関する協定を締結いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は807,348千円(前年同期比118.1%増)となりました。費用面では、研究開発費として366,058千円を計上しております。以上の結果、当事業年度においては、営業損失330,396千円(前年同期は542,296千円の営業損失)、経常損失176,977千円(前年同期は454,155千円の経常損失)、当期純損失183,335千円(前年同期は460,410千円の当期純損失)となりました。
なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,858,006千円となり、前事業年度末に比べ2,567,231千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,396,682千円、原材料が37,230千円増加したことによるものであります。固定資産は68,951千円となり、前事業年度末に比べ6,608千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が17,840千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,926,958千円となり、前事業年度末に比べ2,573,839千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は225,126千円となり、前事業年度末に比べ104,993千円減少いたしました。これは主に短期借入金が198,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,701,831千円となり、前事業年度末に比べ2,678,833千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金が2,863,106千円増加し、利益剰余金が183,335千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は95.4%(前事業年度末は85.9%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ2,396,682千円増加し、4,465,591千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、176,941千円(前年同期は517,401千円の支出)となりました。これは主に、減少要因として税引前当期純損失179,625千円、売上債権の増加額185,574千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は58,063千円(前年同期は107,965千円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,081千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,631,687千円(前年同期は2,320,263千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入2,797,472千円によるものであります。
(4)生産実績
当社の生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載を省略しております。下記(6)販売実績をご参照ください。
(5)受注実績
当社では受注から販売までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。
(6)販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、売上高の主な内訳別に記載しております。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記のその他は国家プロジェクトのうち、NEDOロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトについては、収受する補助金に関して、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。一方で本プロジェクトにおいては新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的であるため、売上高として計上しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,858,006千円となり、前事業年度末に比べ2,567,231千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資の実施等により現金及び預金が2,396,683千円増加したことによるものであります。固定資産は68,951千円となり、前事業年度末に比べ6,608千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が17,840千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,926,958千円となり、前事業年度末に比べ2,573,839千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は225,126千円となり、前事業年度末に比べ104,993千円減少いたしました。これは主に短期借入金が198,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,701,831千円となり、前事業年度末に比べ2,678,833千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金が2,863,106千円増加し、利益剰余金が183,335千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は95.4%(前事業年度末は85.9%)となりました。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて437,163千円増加し807,348千円(前年同期比118.1%増)となりました。これは主にソリューションの構築を通じた顧客基盤の拡大、及び既存顧客における業務導入本格化に伴う機体販売の増加によるものであります。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べて210,855千円増加し404,034千円(前年同期比109.1%増)となりました。これは主に機体販売数の増加に伴う製造原価の増加及び概念検証(PoC)型の販売に伴う役務提供原価の増加によるものであります。
その結果、売上総利益は、前事業年度に比べて226,308千円増加し403,313千円(前年同期比127.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損失)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて14,408千円増加し733,710千円(前年同期比2.0%増)となりました。これは主な費目として研究開発費として366,058千円、また増加要因としては人員増員に伴う人件費の増加、監査法人等の専門家に対する支払報酬に係る費用、法人事業税を主とした租税公課の増加によるものであります。
その結果、営業損失は330,396千円(前事業年度は542,296千円の営業損失)となりました。
(営業外損益・経常損失)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて95,997千円増加し193,772千円(前年同期比98.2%増)となりました。これは主に国家プロジェクトに係る助成金収入の増加によるものであります。
当事業年度の営業外費用は、株式交付費及び株式公開費用を計上した結果、前事業年度に比べて30,719千円増加し40,353千円(前年同期比318.9%増)となりました。
その結果、経常損失は176,977千円(前事業年度は454,155千円の経常損失)となりました。
(特別損失・法人税等・当期純損失)
当事業年度において特別損失として固定資産除却損2,647千円を計上し、法人税、住民税及び事業税3,710千円を計上した結果、当期純損失は183,335千円(前事業年度は460,410千円の当期純損失)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(経営成績等の状況の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
なお、当社の資金の流動性につきましては、「(経営成績等の状況の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に特に重要な影響を与える要因については、以下のとおりであります。
当社に限らず、ドローンに関する重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があります。当社では、事故を起こさないよう、安全性第一のドローンの実現に努めておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、製造物責任賠償やリコールによる支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。製品の信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によってはコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、機体販売に係る収益の認識基準として検収基準を採用しております。実際の検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、屋外における試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順等によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。
研究開発費の一部を賄っている国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入については、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴うため、将来の業績見通しにおいて、一部助成金の減額又は新規受託の場合は増額等の変更が生じる可能性があります。
その他、「2 事業等のリスク」に記載した事項に関しては、現時点では、それらの影響は限定的であると考えておりますが、上記記載事項への対策と合わせ、リスク低減の対策を引き続き講じてまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、産業向けドローン・プラットフォームである「ACSL-PF1」を軸に、各分野のコアクライアントとなるパートナー企業とのプロジェクトを通じ、各種用途の産業向けドローン・ソリューションを構築し、実際の経済効果を生み出すドローン用途を創出していくことを経営の基本方針としております。
この基本方針を踏まえ、ドローン機体の販売拡大及びシステムインテグレーション、ソリューション構築を通じたドローン機体の利用拡大による売上高の拡大を企図しており、2021年3月期において、コアクライアント数を100社程度、特注ドローン数を500台程度とすることをKPIとして目標設定しております。
経営者は、事業を拡大し、継続的な成長を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、顧客ニーズの把握、製品力の強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(1)経営成績等の概要
当社を取り巻く産業用ドローン関連事業につきましては、技術の進展とともに様々な産業での利活用が広がっており、今後もさらなる市場の拡大が見込まれます。
国内においては労働人口の減少・高齢化が進む中、労働生産性の向上は社会的な要請であり、様々な分野で業務効率化に関する需要が高まっております。特に、当社が注力するインフラ点検、物流・郵便、防災・災害支援分野を中心に、現状のオペレーションの維持及び効率化を目的とした業務の効率化・無人化は各産業において喫緊の課題となっており、企業によるこれらの技術に関する投資が拡大しております。
行政においては、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」にて2015年より制定された「空の産業革命に向けたロードマップ」に基づき、ドローンの目視外及び第三者上空での飛行に向けて、法規制等の環境整備が進められており、2018年9月にはドローンにおけるレベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)に関する要件が明確化されました。また、2019年3月にはプラント保安分野におけるドローンの安全な活用の促進に向けたガイドラインと活用事例集が経済産業省、消防庁、厚生労働省より発表されました。
このような環境の下、当社は主に大企業を中心とした各分野の顧客に対し、業務効率化・無人化を目指した各種用途向けの産業用ドローン・ソリューションを展開してまいりました。当事業年度においては、ソリューションの構築として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえた概念検証(PoC)、及び顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を通じて、新規顧客・案件の開拓を進めてまいりました。また、顧客先におけるドローン・ソリューションの試用、及び実運用への導入が進んだことにより、機体販売も順調に拡大いたしました。さらに、海外展開として、シンガポールにおいて実証実験を行うなど、複数案件の具体化を進めてまいりました。
開発においては、カスタム開発の基盤となるプラットフォーム技術の強化を目的として、画像処理(Vision)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、4Gネットワークを活用した飛行制御の技術開発、飛行性能及び安全品質を支える基盤技術向上、操作に関連するユーザーインターフェース強化等を継続してきました。加えて、それらを活用し、顧客フィードバック、業務ノウハウを反映した用途特化型のカスタム開発を実施してまいりました。プラットフォーム製品としては、PF-1に続く次期プラットフォーム機、小型機の製品化を進めてまいりました。
また、さらなる事業拡大、技術力の強化に向けて、海外エンジニアを含めた優秀な人材採用に積極的に取り組んでまいりました。さらに、ドローン利活用を推し進めていくため、2019年2月に陸上自衛隊東部方面隊と災害発生時におけるドローンを活用した応援に関する協定を締結いたしました。
この結果、当事業年度の売上高は807,348千円(前年同期比118.1%増)となりました。費用面では、研究開発費として366,058千円を計上しております。以上の結果、当事業年度においては、営業損失330,396千円(前年同期は542,296千円の営業損失)、経常損失176,977千円(前年同期は454,155千円の経常損失)、当期純損失183,335千円(前年同期は460,410千円の当期純損失)となりました。
なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,858,006千円となり、前事業年度末に比べ2,567,231千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2,396,682千円、原材料が37,230千円増加したことによるものであります。固定資産は68,951千円となり、前事業年度末に比べ6,608千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が17,840千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,926,958千円となり、前事業年度末に比べ2,573,839千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は225,126千円となり、前事業年度末に比べ104,993千円減少いたしました。これは主に短期借入金が198,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,701,831千円となり、前事業年度末に比べ2,678,833千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金が2,863,106千円増加し、利益剰余金が183,335千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は95.4%(前事業年度末は85.9%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ2,396,682千円増加し、4,465,591千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用したキャッシュ・フローは、176,941千円(前年同期は517,401千円の支出)となりました。これは主に、減少要因として税引前当期純損失179,625千円、売上債権の増加額185,574千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は58,063千円(前年同期は107,965千円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出29,081千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,631,687千円(前年同期は2,320,263千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入2,797,472千円によるものであります。
(4)生産実績
当社の生産品はその大部分が入庫後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載を省略しております。下記(6)販売実績をご参照ください。
(5)受注実績
当社では受注から販売までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。
(6)販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はドローン関連事業の単一セグメントであるため、売上高の主な内訳別に記載しております。
| 区分 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| ソリューションの構築(STEP1、STEP2) | (千円) | 293,969 | 135.2 |
| 量産機体の販売(STEP3、STEP4) | (千円) | 384,189 | 423.6 |
| その他(注)3. | (千円) | 129,188 | 208.2 |
| 合計(千円) | 807,348 | 218.1 | |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 原田物産株式会社 | 32,145 | 8.7 | 124,013 | 15.4 |
| 楽天株式会社 | 57,672 | 15.6 | 52,941 | 6.6 |
| 西日本電信電話株式会社 | 44,300 | 12.0 | 33,090 | 4.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記のその他は国家プロジェクトのうち、NEDOロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトについては、収受する補助金に関して、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。一方で本プロジェクトにおいては新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的であるため、売上高として計上しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,858,006千円となり、前事業年度末に比べ2,567,231千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資の実施等により現金及び預金が2,396,683千円増加したことによるものであります。固定資産は68,951千円となり、前事業年度末に比べ6,608千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が17,840千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,926,958千円となり、前事業年度末に比べ2,573,839千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は225,126千円となり、前事業年度末に比べ104,993千円減少いたしました。これは主に短期借入金が198,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,701,831千円となり、前事業年度末に比べ2,678,833千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金が2,863,106千円増加し、利益剰余金が183,335千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は95.4%(前事業年度末は85.9%)となりました。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて437,163千円増加し807,348千円(前年同期比118.1%増)となりました。これは主にソリューションの構築を通じた顧客基盤の拡大、及び既存顧客における業務導入本格化に伴う機体販売の増加によるものであります。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べて210,855千円増加し404,034千円(前年同期比109.1%増)となりました。これは主に機体販売数の増加に伴う製造原価の増加及び概念検証(PoC)型の販売に伴う役務提供原価の増加によるものであります。
その結果、売上総利益は、前事業年度に比べて226,308千円増加し403,313千円(前年同期比127.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損失)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて14,408千円増加し733,710千円(前年同期比2.0%増)となりました。これは主な費目として研究開発費として366,058千円、また増加要因としては人員増員に伴う人件費の増加、監査法人等の専門家に対する支払報酬に係る費用、法人事業税を主とした租税公課の増加によるものであります。
その結果、営業損失は330,396千円(前事業年度は542,296千円の営業損失)となりました。
(営業外損益・経常損失)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べて95,997千円増加し193,772千円(前年同期比98.2%増)となりました。これは主に国家プロジェクトに係る助成金収入の増加によるものであります。
当事業年度の営業外費用は、株式交付費及び株式公開費用を計上した結果、前事業年度に比べて30,719千円増加し40,353千円(前年同期比318.9%増)となりました。
その結果、経常損失は176,977千円(前事業年度は454,155千円の経常損失)となりました。
(特別損失・法人税等・当期純損失)
当事業年度において特別損失として固定資産除却損2,647千円を計上し、法人税、住民税及び事業税3,710千円を計上した結果、当期純損失は183,335千円(前事業年度は460,410千円の当期純損失)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(経営成績等の状況の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
なお、当社の資金の流動性につきましては、「(経営成績等の状況の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に特に重要な影響を与える要因については、以下のとおりであります。
当社に限らず、ドローンに関する重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があります。当社では、事故を起こさないよう、安全性第一のドローンの実現に努めておりますが、万が一、当社の製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、製造物責任賠償やリコールによる支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。製品の信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によってはコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、機体販売に係る収益の認識基準として検収基準を採用しております。実際の検収時には、顧客の要求する仕様を満たしていることを確かめるため、屋外における試験運転等の様々なテストが実施されますが、検収時期が期末付近に予定されている案件において、天候不順等によりその実施時期が翌年度に延期されるような場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、顧客企業側での予算稟議、実行タイミングによっても、業績推移に影響を受ける可能性があります。
研究開発費の一部を賄っている国家プロジェクトに係る補助金・助成金収入については、委託事業(自己負担を要するNEDO助成事業を除く)に関しては、各年での中間報告、予算配分の変更が伴うため、将来の業績見通しにおいて、一部助成金の減額又は新規受託の場合は増額等の変更が生じる可能性があります。
その他、「2 事業等のリスク」に記載した事項に関しては、現時点では、それらの影響は限定的であると考えておりますが、上記記載事項への対策と合わせ、リスク低減の対策を引き続き講じてまいります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、産業向けドローン・プラットフォームである「ACSL-PF1」を軸に、各分野のコアクライアントとなるパートナー企業とのプロジェクトを通じ、各種用途の産業向けドローン・ソリューションを構築し、実際の経済効果を生み出すドローン用途を創出していくことを経営の基本方針としております。
この基本方針を踏まえ、ドローン機体の販売拡大及びシステムインテグレーション、ソリューション構築を通じたドローン機体の利用拡大による売上高の拡大を企図しており、2021年3月期において、コアクライアント数を100社程度、特注ドローン数を500台程度とすることをKPIとして目標設定しております。
経営者は、事業を拡大し、継続的な成長を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、顧客ニーズの把握、製品力の強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。