有価証券報告書-第34期(平成30年11月1日-令和1年10月31日)

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2020/01/30 16:46
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【項目】
102項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、2,875,329千円(前事業年度末は2,138,042千円)となり、737,286千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、仕掛品が52,264千円減少したものの、営業活動による資金獲得や株式の上場に伴う資金調達により、前事業年度末と比べ現金及び預金が796,959千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、285,015千円(前事業年度末は313,514千円)となり、28,499千円減少いたしました。これは主に、外形標準課税が適用されたことに伴う法定実効税率の低下等に起因して繰延税金資産が28,710千円減少したことによる減少であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、429,352千円(前事業年度末は487,168千円)となり、57,815千円減少いたしました。その主な要因といたしましては、未払消費税等が84,126千円増加したものの、未払法人税等が54,943千円、買掛金が39,416千円、賞与引当金が36,232千円それぞれ減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、142,428千円(前事業年度末は138,947千円)となり、3,481千円増加いたしました。これは、前事業年度末と比べリース債務が4,675千円減少したものの、役員退職慰労引当金が4,952千円、資産除去債務が3,204千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、2,588,562千円(前事業年度末は1,825,441千円)となり、763,120千円増加いたしました。これは、株式の上場に伴う増資により資本金と資本準備金がそれぞれ276,000千円増加したこと、配当の支払はあったものの当期純利益の計上により利益剰余金が211,120千円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景として緩やかな景気回復の兆しはあるものの、米中貿易摩擦、英国EU離脱問題等海外の政治経済情勢の影響や消費税増税に伴う国内消費の落ち込みへの懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社はお客様からの信頼をより高めるべく、引き続き営業体制・制作体制の両方の強化を図ってまいりました。当事業年度においては、2018年12月に主に広幅印刷物を扱う江東事業所をニコール事業部(横浜市神奈川区)に統合し、当統合に併せて広幅インクジェットプリンターを最新型に更新し、広幅印刷の機能を強化いたしました。また、2018年11月に池袋営業所、2019年4月に福岡営業所を開設し、未開拓営業エリアにおいて地域に密着した営業・サポート体制を構築し、確実で迅速な対応・サービス提供を開始いたしました。
しかしながら、当社の主力事業である販売促進用広告制作に関し、第4四半期において当社顧客である広告代理店等から、特に家電関係の販売促進用広告物の受注が落ち込んだため、当社のもう一つの事業である生活資材・製品制作分野での売上を伸ばしたものの、売上高は3,011,486千円(前期参考金額比0.9%増加)と微増にとどまりました。
また、営業を中心に人員強化を行ったことによる人件費の増加、設備更新による減価償却費の増加、2019年7月の東証マザーズ市場への上場に伴う支払報酬等の発生、並びに、外形標準課税の新たな適用に伴う租税公課の増加があったため製造原価と販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は426,649千円(前期参考金額比29.5%減少)、経常利益は426,218千円(前期参考金額比29.3%減少)となりました。そして、機械及び装置の売却による固定資産売却益12,999千円を特別利益に計上したことにより、当期純利益は311,120千円(前期参考金額比29.5%減少)となりました。
なお、経営成績の前期比較については、比較可能性を確保する観点から、2017年10月21日から2018年10月20日までの連結損益計算書の金額を参考金額として比較を行っております。これは、前事業年度の単体損益計算書には、2017年10月期において連結子会社であった株式会社ニコールを2018年7月21日付で吸収合併したため、吸収合併実施前(2017年10月21日から2018年7月20日まで)の株式会社ニコールの損益が含まれておらず、また、前事業年度は決算日変更による変則決算を行っているため、前事業年度の会計期間は2017年10月21日から2018年10月31日までとなっているためです。
(%表示は対前期参考金額増減率)
売上高営業利益経常利益当期純利益
千円%千円%千円%千円%
2019年10月期実績3,011,4860.9426,649△29.5426,218△29.3311,120△29.5
2018年10月期参考2,985,724-605,306-602,646-441,154-

(注)2018年10月期参考は、2017年10月21日から2018年10月20日までの連結損益計算書の金額であります。
なお、当社はインクジェット出力事業の単一セグメントであります。したがって、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,154,550千円となり、前事業年度末から796,959千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。なお、前事業年度は連結キャッシュ・フロー計算書を作成しており、単体のキャッシュ・フロー計算書は作成しておりませんので、前事業年度との比較は実施しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は439,483千円となりました。これは、法人税等の支払額172,958千円等の資金減少要因があったものの、税引前当期純利益439,203千円、減価償却費89,268千円、未払消費税等の増加額84,126千円等の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は71,218千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が80,915千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は428,694千円となりました。これは配当金の支払額100,000千円、リース債務の返済による支出23,305千円の資金減少要因があったものの、株式の上場に伴う公募増資により552,000千円の収入があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社はインクジェット出力事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載はしておりません。
イ.生産実績
当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。
ハ.販売実績
区分第33期連結会計年度
(自 2017年10月21日
至 2018年10月31日)
第34期事業年度
(自 2018年11月1日
至 2019年10月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)
販売促進用広告制作2,623,7187.72,550,164△2.8
生活資材・製品制作443,478△4.3461,3224.0
合計3,067,1975.83,011,486△1.8

(注)1.金額は販売価額によっており、消費税等は含まれておりません。
2.第33期は連結財務諸表を作成していたため、連結ベースの金額を記載しております。また、第33期において、決算日を10月20日から10月31日に変更しておりますが、第34期事業年度の前年同期比は単純比較した数値を記載しております。
3.主な相手先の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第33期連結会計年度
(自 2017年10月21日
至 2018年10月31日)
第34期事業年度
(自 2018年11月1日
至 2019年10月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
フリュー㈱357,99211.7333,15811.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
②当事業年度の経営成績の分析
前事業年度において連結子会社であった株式会社ニコールを2018年7月21日付で吸収合併したため、前事業年度の単体損益計算書には吸収合併実施前(2017年10月21日から2018年7月20日まで)の株式会社ニコールの損益は含まれておりません。また、前事業年度は決算日変更による変則決算を行っているため、前事業年度の会計期間は2017年10月21日から2018年10月31日までとなっております。
よって、当事業年度の損益と前事業年度の単体損益を単純比較することは適切ではなく、参考数値として2017年10月21日から2018年10月20日までの連結損益計算書の金額(以下、「前期参考金額」といいます。)と比較した内容を記載しております。
イ.売上高
当事業年度の売上高は、3,011,486千円となり、前期参考金額(2,985,724千円)と比較して0.9%増加にとどまりました。主な要因は、営業拠点の拡大と生活資材・製品制作分野での取引拡大による増収効果があったものの、当社の主力事業である販売促進用広告制作において、当社顧客である広告代理店等から、特に家電関係の販売促進用広告物の受注が落ち込み、売上が思うように伸びなかったためであります。
ロ.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、1,772,330千円となり、前期参考金額(1,681,855千円)と比較して5.4%増加しました。主な要因は、制作部門の人員強化により労務費が24,573千円増加したことや設備更新により減価償却費が20,525千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、1,239,156千円となり、前期参考金額(1,303,869千円)と比較して5.0%減少しました。
ハ.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、812,507千円となり、前期参考金額(698,562千円)と比較して16.3%増加しました。主な要因は、営業・管理部門の人員強化に伴い従業員に係る人件費が58,867千円増加したことや東証マザーズ市場への上場に伴い支払報酬等が11,676千円増加したこと、外形標準課税適用に伴い租税公課が19,920千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、426,649千円となり、前期参考金額(605,306千円)と比較して29.5%減少しました。
ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は798千円、営業外費用は1,229千円となりました。リース債務の返済が進み支払利息が減少傾向にあります。
この結果、当事業年度の経常利益は、426,218千円となり、前期参考金額(602,646千円)と比較して29.3%減少しました。
ホ.特別損益、税金費用、当期純利益
当事業年度は、機械及び装置を売却したことに伴う固定資産売却益12,999千円を特別利益に計上し、機械及び装置を除却したことに伴う固定資産除却損14千円を特別損失に計上しました。また、課税所得の減少や税額控除の適用により、税金費用は128,082千円となり、前期参考金額(160,395千円)と比較して20.1%減少しました。
以上の結果、当期純利益は、311,120千円となり、前期参考金額(441,154千円)と比較して29.5%減少しました。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
④資本の財源及び資金の流動性
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動によるキャッシュ・フロー及び増資によって得られた資金の運用につきましては、設備投資資金・新規拠点設立費用・ECサイト用ITシステム構築費用・成長のための投資資金に充当する予定であります。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は3,011,486千円となり、前期参考金額と比較した売上高成長率は0.9%にとどまりました。売上高経常利益率は14.2%となり、前期参考金額で計算したものと比べて6.0%減少しました。顧客数アップとリピート数アップでこの状況を改善し、今後もこの3つの指標を重視して経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図ってまいります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
今後の見通しにつきましては、我が国経済は緩やかな景気回復が続くことが期待されておりますが、国際的な貿易摩擦の深刻化や、アジアにおける政情・経済不安により、海外リスクが膨らみ依然として先行き不透明な情勢が続くものと予測されます。
当社を取り巻く環境は、引き続き、他社との受注獲得競争が続き、それに伴う価格競争の激化などの影響を受け、経営環境は厳しさを増すものと考えます。こうした課題に向けて、中期経営計画(2020年10月期からの3事業年度)として、従来の広告物制作を行う「基幹収益事業」の成長を更に加速させ、事業規模を更に拡大させます。また、従来の広告物制作に加えて、インテリア業界向けの生活産業品や、3D制作物と建材製品を主とする工業製品の「成長事業」へ積極的な投資を行います。具体的には、「営業エリアの全国展開」、「Webマーケティング機能の強化」、「生産体制のオートメーション化」、「インテリア業界への進出加速」、「3Dプリント事業の成長加速」、「建材市場への進出」、「仕入統一化による原価低減の促進」、「M&A戦略の推進」を進めてまいります。
「営業エリアの全国展開」としては、福岡営業所(2019年4月開設)、名古屋営業所(2019年11月開設)の本格稼働により、販路を拡大してまいります。
「Webマーケティング機能の強化」としては、専任の担当者を増強しており、SEO等を通じた新規受注の獲得と提案営業によるリピート受注に繋げてまいります。
「生産体制のオートメーション化」としては、「生産自動装置」を導入し生産能力を増強することを目指します。
「インテリア業界への進出加速」としては、お客様に高品質な壁紙製品を1mからの小ロット、短納期で提供いたします。
「3Dプリント事業の成長加速」としては、1個単位の小ロット生産が可能であり、テストマーケティングや少量生産へのニーズに応えます。
「建材市場への進出」としては、インクジェットの新しい成長市場である建材市場に当社のインクジェット技術を展開できるよう、営業活動及び生産設備の導入を進めます。
「仕入統一化による原価低減の促進」としては、各部署間で情報共有を行い、仕入材料の統一化によるボリュームディスカウントやランニングコストの低い設備への移行を進め、原価低減を加速します。
「M&A戦略の推進」としては、インクジェット出力会社、オフセット・シルク印刷会社、3Dプリント関連会社、インターネット関連会社など、コア事業であるインクジェット出力事業の強化を軸に、成長を加速できる企業とのM&Aを行い、当社の経営手法を導入し高収益体制の企業グループの確立を目指します。

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