有価証券報告書-第39期(2023/11/01-2024/10/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、3,800,264千円(前事業年度末は3,501,010千円)となり、299,254千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、営業活動を通じて現金及び預金が244,355千円、売上債権が42,642千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、336,465千円(前事業年度末は285,967千円)となり、50,497千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、設備投資による増加が減価償却による減少を上回るとともに、将来減算一時差異の増加に伴い繰延税金資産が18,147千円増加したためであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、558,319千円(前事業年度末は513,976千円)となり、44,342千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、M&A関連費用の発生に伴い未払金が42,241千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、152,180千円(前事業年度末は152,129千円)となり、51千円増加いたしました。これは資産除去債務の調整であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、3,426,229千円(前事業年度末は3,120,872千円)となり、305,357千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、剰余金の配当による98,242千円の減少があったものの、当期純利益391,885千円を計上したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、不安定な国際情勢による資源価格の高騰や為替変動による物価上昇への懸念があったものの、消費活動やインバウンド需要の活発化により緩やかな回復基調にあります。
当社を取り巻く経済環境は新型コロナウイルス感染症の影響から回復しており、人流の増加により商業施設やイベント関連の需要が順調に伸びました。
当社は、さらなる成長を図るため、前期から引き続いて、①シェア拡大、②機能拡大、③領域拡大の3つの戦略を掲げ、実行しております。
シェア拡大戦略について、主力の大阪、東京において営業エリアの拡大を行いました。名古屋、福岡、京都についても、顧客基盤を固めて事業を拡大するべく、新規顧客獲得活動を強化しております。
機能拡大・領域拡大については、デジタルサイネージをデジタルクリエイトに名称変更し、従来のハード機器販売、動画配信システムの提供に加えて、AR(拡張現実)を使った付加価値サービスの提案を積極的に行っており、オーダーグッズ制作と連携した『Novelty AR』を新しいARサービスとして開始し、大手鉄道会社のイベント向けに発注いただきました。オーダーグッズ制作につきましては、さまざまな制作実績を積んでおり、IP(知的財産)コンテンツ関連の受注も進めております。また、オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件対応については、高品質かつ短納期で生産できるネットワーク体制を活かしたプリントソリューションとして順調に受注を拡大しており、今後もネットワーク体制を充実強化して顧客の効果的なマーケティング戦略に貢献いたします。
これらの新規事業はこれまで専任営業が独自で営業活動を行ってまいりましたが、その経験やノウハウを全営業担当に共有し、専任営業に加えて全国の拠点の営業担当が新規事業商材の提案と拡販を進めております。加えて、環境に配慮した販促物制作を強化しており、TOPPAN株式会社と協業して環境負荷の低いターポリン素材「エコクラシー」を使用したサステナブルな販促物の提供を開始するなど、エコ商材として顧客からの関心が高い環境に配慮した素材を使った商品の提案を積極的に行っております。
ウェブプロモーション事業については、これまでのECサイト運営のノウハウと実績を考慮した結果、ウェブによる集客活動を当社が得意とする対面営業に繋げることにより、顧客層の拡大とリピート受注の獲得を図ることとし、このための各種施策を実行し、成果をあげております。
生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築し、生産性や品質管理の向上に繋げるべく、人員配置の見直しや設備投資を実行しました。設備投資について、大阪では大阪・関西万博に向けた需要に対応するため大型の設備投資を行い、横浜ではオーダーグッズの生産力を強化するための設備投資を行いました。また、業務標準化により属人化しない技術による「人に依存しない」生産工程の実現、すなわち、スマートファクトリー化に向けてシステムや業務プロセスの見直しを進めております。
以上の結果、売上高は過去最高の3,536,204千円(前年同期比11.4%増加)となり、営業利益は550,518千円(前年同期比21.7%増加)、経常利益は551,262千円(前年同期比21.6%増加)、当期純利益は391,885千円(前年同期比30.6%増加)となりました。
また、当社はさらなる成長及び企業価値の向上を実現させるため、社内で編成したM&Aのプロジェクトチームによる各種情報収集や調査を積極的に行った結果、2024年10月29日に株式会社イデイに対するM&Aが決定し、2024年11月8日にグループ会社化いたしました。同社は多数の広告主に対して広告の企画やデザインを行っており、同社の販路・企画提案力と当社の生産力やサービスラインナップを組み合わせることで、2025年10月期以降の当社グループの業績拡大に繋げます。
なお、当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,983,032千円となり、前事業年度末から244,355千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は442,083千円(前年同期は405,691千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益550,351千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は102,445千円(前年同期は65,101千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出87,126千円および無形固定資産の取得による支出14,806千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は95,282千円(前年同期は101,847千円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額99,347千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載はしておりません。
イ.生産実績
当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。
ハ.販売実績
当事業年度における販売実績は3,536,204千円となり、前年同期比11.4%増加いたしました。
なお、最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性
過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱しており、通期では前年同期と比較して増収増益となりました。
イ.売上高
当事業年度の売上高は、3,536,204千円となり、前年同期と比較して11.4%増加しました。人流の増加やインバウンド需要の拡大等により商業施設やイベント関連の需要が順調に伸びたことや、オーダーグッズ制作やプリントソリューションなどの新規事業の成長により、売上高は過去最高となりました。
ロ.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、1,974,289千円となり、前年同期と比較して7.6%増加しました。主な要因は、売上高の増加により材料費が49,687千円増加したことや、人員の増加や昇給により労務費が26,328千円増加したことに加え、インクジェットプリント以外の新規事業が成長し、外注取引が増加したことにより外注費が39,813千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、1,561,915千円となり、前年同期と比較して16.6%増加しました。
ハ.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,011,396千円となり、前年同期と比較して14.0%増加しました。主な要因は、人員の増加や昇給により人件費が59,464千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、550,518千円となり、前年同期と比較して21.7%増加しました。
ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は未払配当金除斥益等により743千円となり、営業外費用は発生しませんでした。
この結果、当事業年度の経常利益は、551,262千円となり、前年同期と比較して21.6%増加しました。
ホ.特別損益、税金費用、当期純利益
前事業年度、当事業年度ともに特別利益は発生しておりません。特別損失について、当事業年度は機械及び装置やソフトウエア等を除却したことに伴う固定資産除却損911千円を計上いたしました。また、税金費用は158,465千円となり、前年同期と比較して3.6%増加しました。課税所得は増加しましたが、賃上げ促進税制の適用により税金費用の増加が抑えられました。
以上の結果、当期純利益は、391,885千円となり、前年同期と比較して30.6%増加しました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の運転資金及び設備投資資金は原則として自己資金で賄う方針でありますが、必要に応じて借入の実行も検討いたします。
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、当事業年度末の現金及び預金は2,983,032千円となっており、これを主として設備投資資金・成長のための投資資金に充当する予定であります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は3,536,204千円となり前年同期に対して11.4%増加しました。売上高経常利益率は15.6%となり、前年同期と比べて1.3ポイント上昇しました。引き続き「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルを推進し、今後もこの3つの指標を重視してまいります。なお、資本効率の観点から自己資本利益率10%以上確保についても意識しており、当事業年度の自己資本利益率は11.9%となっております。今後も成長性及び効率性の確保を図ってまいります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症その他の疫病や、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保、材料費の高騰等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
今後の見通しにつきまして、国内の経済状況は、資源価格の高騰や物価上昇への懸念があるものの、消費活動の拡大やインバウンド需要の拡大傾向が続くものと想定されます。
当社は、2023年12月に2024年10月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定し、2026年10月期に売上高50億円、営業利益7億5千万円を数値目標とし、『世界で唯一無二のアプローチで次の時代の競争優位性をつくる』を中期ビジョンとして掲げ、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つを継続的基本戦略とし、具体的実行施策である「顧客層の拡大」「スマートファクトリーの実現」「パーパス経営の実践」の各種取り組みを推進して高成長・高収益経営の実現に努めております。
シェア拡大戦略について、主力の大阪、東京において営業人員を増強して営業体制を強化いたします。名古屋、福岡、京都については新規顧客獲得活動を進めるとともに、既存顧客からのリピート受注を獲得すべく活動を強化いたします。また、2024年11月8日に広告・販促のエキスパートである株式会社イデイ(以下、「イデイ社」)の株式を取得してグループ会社化したことにより、イデイ社が顧客として有する多数の広告主が当社グループの顧客となりました。今後は当社の生産力やサービスラインナップとイデイ社の販路や企画提案力を組み合わせることで、生産体制をもつ総合販促支援企業として、顧客層の拡大と業績の向上を目指します。
機能拡大、領域拡大について、2024年12月2日にシンガポールのZKDigimax社とデジタルサイネージの拡販に関する業務提携契約を締結しました。同社のシステムはインドネシア国内の2大コンビニエンスストアやファストフードチェーンの店舗で採用されるなど、インドネシアのデジタルサイネージのシェア90%を獲得し、世界22ヵ国で導入されており、モニターとAIカメラを連動させて来客属性などをシステム上で一元管理し、即時配信や配信予約ができるAI搭載モニターです。同社システムの拡販を通じて販売促進活動のDX化のスマートリテールソリューションとして国内企業に展開してまいります。オーダーグッズ制作につきましては、引き続きIP(知的財産)コンテンツ関連の受注を進めるとともに、アパレルEC販売会社との連携によるノウハウの確立と内製化による生産体制の強化を進めます。
オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型のプリントソリューション及びオーダーグッズ制作については、東京に加えて大阪にも専任担当を配置してサポート体制を強化し、認知度向上と受注拡大を目指します。
ウェブプロモーション事業については、ECサイト運営を行うネット販売部門と、ウェブ集客活動を通じて当社が得意とする対面営業に繋げるマーケティング部門に分割し、顧客開拓を推進いたします。
生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築し、生産性や品質管理の向上に繋げるべく、約100,000千円の設備投資を予定しております。業務標準化により属人化しない技術による「人に依存しない」生産工程の実現、スマートファクトリー化を推進します。また、材料費高騰への対応として代替品への切り替えや新素材の発掘を進めます。
また、今後の当社グループのさらなる成長及び企業価値の向上を実現させるため、引き続き社内で編成したM&Aのプロジェクトチームによる各種情報収集や調査を積極的に行い、当社グループの事業との相乗効果、成長性、利益率等の観点から投資案件の調査を進めてまいります。
さらに、事業拡大に向けた人材獲得のため、変形労働時間制の廃止に伴うワークライフマネジメントの支援や健康経営優良法人認定制度の認定に向けて従業員の働く環境の見直しを進めており、パーパス経営の実現に向けて各種取り組みを推進します。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、3,800,264千円(前事業年度末は3,501,010千円)となり、299,254千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、営業活動を通じて現金及び預金が244,355千円、売上債権が42,642千円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、336,465千円(前事業年度末は285,967千円)となり、50,497千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、設備投資による増加が減価償却による減少を上回るとともに、将来減算一時差異の増加に伴い繰延税金資産が18,147千円増加したためであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、558,319千円(前事業年度末は513,976千円)となり、44,342千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、M&A関連費用の発生に伴い未払金が42,241千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、152,180千円(前事業年度末は152,129千円)となり、51千円増加いたしました。これは資産除去債務の調整であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、3,426,229千円(前事業年度末は3,120,872千円)となり、305,357千円増加いたしました。その主な要因といたしましては、剰余金の配当による98,242千円の減少があったものの、当期純利益391,885千円を計上したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、不安定な国際情勢による資源価格の高騰や為替変動による物価上昇への懸念があったものの、消費活動やインバウンド需要の活発化により緩やかな回復基調にあります。
当社を取り巻く経済環境は新型コロナウイルス感染症の影響から回復しており、人流の増加により商業施設やイベント関連の需要が順調に伸びました。
当社は、さらなる成長を図るため、前期から引き続いて、①シェア拡大、②機能拡大、③領域拡大の3つの戦略を掲げ、実行しております。
シェア拡大戦略について、主力の大阪、東京において営業エリアの拡大を行いました。名古屋、福岡、京都についても、顧客基盤を固めて事業を拡大するべく、新規顧客獲得活動を強化しております。
機能拡大・領域拡大については、デジタルサイネージをデジタルクリエイトに名称変更し、従来のハード機器販売、動画配信システムの提供に加えて、AR(拡張現実)を使った付加価値サービスの提案を積極的に行っており、オーダーグッズ制作と連携した『Novelty AR』を新しいARサービスとして開始し、大手鉄道会社のイベント向けに発注いただきました。オーダーグッズ制作につきましては、さまざまな制作実績を積んでおり、IP(知的財産)コンテンツ関連の受注も進めております。また、オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型の案件対応については、高品質かつ短納期で生産できるネットワーク体制を活かしたプリントソリューションとして順調に受注を拡大しており、今後もネットワーク体制を充実強化して顧客の効果的なマーケティング戦略に貢献いたします。
これらの新規事業はこれまで専任営業が独自で営業活動を行ってまいりましたが、その経験やノウハウを全営業担当に共有し、専任営業に加えて全国の拠点の営業担当が新規事業商材の提案と拡販を進めております。加えて、環境に配慮した販促物制作を強化しており、TOPPAN株式会社と協業して環境負荷の低いターポリン素材「エコクラシー」を使用したサステナブルな販促物の提供を開始するなど、エコ商材として顧客からの関心が高い環境に配慮した素材を使った商品の提案を積極的に行っております。
ウェブプロモーション事業については、これまでのECサイト運営のノウハウと実績を考慮した結果、ウェブによる集客活動を当社が得意とする対面営業に繋げることにより、顧客層の拡大とリピート受注の獲得を図ることとし、このための各種施策を実行し、成果をあげております。
生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築し、生産性や品質管理の向上に繋げるべく、人員配置の見直しや設備投資を実行しました。設備投資について、大阪では大阪・関西万博に向けた需要に対応するため大型の設備投資を行い、横浜ではオーダーグッズの生産力を強化するための設備投資を行いました。また、業務標準化により属人化しない技術による「人に依存しない」生産工程の実現、すなわち、スマートファクトリー化に向けてシステムや業務プロセスの見直しを進めております。
以上の結果、売上高は過去最高の3,536,204千円(前年同期比11.4%増加)となり、営業利益は550,518千円(前年同期比21.7%増加)、経常利益は551,262千円(前年同期比21.6%増加)、当期純利益は391,885千円(前年同期比30.6%増加)となりました。
また、当社はさらなる成長及び企業価値の向上を実現させるため、社内で編成したM&Aのプロジェクトチームによる各種情報収集や調査を積極的に行った結果、2024年10月29日に株式会社イデイに対するM&Aが決定し、2024年11月8日にグループ会社化いたしました。同社は多数の広告主に対して広告の企画やデザインを行っており、同社の販路・企画提案力と当社の生産力やサービスラインナップを組み合わせることで、2025年10月期以降の当社グループの業績拡大に繋げます。
なお、当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の経営成績の記載はしておりません。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,983,032千円となり、前事業年度末から244,355千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は442,083千円(前年同期は405,691千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益550,351千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は102,445千円(前年同期は65,101千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出87,126千円および無形固定資産の取得による支出14,806千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は95,282千円(前年同期は101,847千円の減少)となりました。これは主に配当金の支払額99,347千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社はインクジェットプリントを主力とするセールスプロモーション事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載はしておりません。
イ.生産実績
当社の事業は、提供する商品の性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社は受注生産を行っておりますが、受注から販売までの期間が短いため、記載を省略しております。
ハ.販売実績
当事業年度における販売実績は3,536,204千円となり、前年同期比11.4%増加いたしました。
なお、最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
イ.繰延税金資産の回収可能性
過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱しており、通期では前年同期と比較して増収増益となりました。
イ.売上高
当事業年度の売上高は、3,536,204千円となり、前年同期と比較して11.4%増加しました。人流の増加やインバウンド需要の拡大等により商業施設やイベント関連の需要が順調に伸びたことや、オーダーグッズ制作やプリントソリューションなどの新規事業の成長により、売上高は過去最高となりました。
ロ.売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、1,974,289千円となり、前年同期と比較して7.6%増加しました。主な要因は、売上高の増加により材料費が49,687千円増加したことや、人員の増加や昇給により労務費が26,328千円増加したことに加え、インクジェットプリント以外の新規事業が成長し、外注取引が増加したことにより外注費が39,813千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、1,561,915千円となり、前年同期と比較して16.6%増加しました。
ハ.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,011,396千円となり、前年同期と比較して14.0%増加しました。主な要因は、人員の増加や昇給により人件費が59,464千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、550,518千円となり、前年同期と比較して21.7%増加しました。
ニ.営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は未払配当金除斥益等により743千円となり、営業外費用は発生しませんでした。
この結果、当事業年度の経常利益は、551,262千円となり、前年同期と比較して21.6%増加しました。
ホ.特別損益、税金費用、当期純利益
前事業年度、当事業年度ともに特別利益は発生しておりません。特別損失について、当事業年度は機械及び装置やソフトウエア等を除却したことに伴う固定資産除却損911千円を計上いたしました。また、税金費用は158,465千円となり、前年同期と比較して3.6%増加しました。課税所得は増加しましたが、賃上げ促進税制の適用により税金費用の増加が抑えられました。
以上の結果、当期純利益は、391,885千円となり、前年同期と比較して30.6%増加しました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の運転資金及び設備投資資金は原則として自己資金で賄う方針でありますが、必要に応じて借入の実行も検討いたします。
当社は、資金の源泉と流動性を安定的に確保することを基本方針としております。主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、当事業年度末の現金及び預金は2,983,032千円となっており、これを主として設備投資資金・成長のための投資資金に充当する予定であります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、重要な経営指標として「売上高」と「売上高成長率」及び「売上高経常利益率」を掲げ、売上高成長率10%を目指しております。当事業年度の売上高は3,536,204千円となり前年同期に対して11.4%増加しました。売上高経常利益率は15.6%となり、前年同期と比べて1.3ポイント上昇しました。引き続き「リアル領域」と「デジタル領域」を融合させたビジネスモデルを推進し、今後もこの3つの指標を重視してまいります。なお、資本効率の観点から自己資本利益率10%以上確保についても意識しており、当事業年度の自己資本利益率は11.9%となっております。今後も成長性及び効率性の確保を図ってまいります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績は、新型コロナウイルス感染症その他の疫病や、特定取引先への依存、同業他社との競合、人材の確保、材料費の高騰等、様々な要因の変動による影響を受ける可能性があります。このため、当社事業を取り巻く環境に注視し、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応してまいります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
今後の見通しにつきまして、国内の経済状況は、資源価格の高騰や物価上昇への懸念があるものの、消費活動の拡大やインバウンド需要の拡大傾向が続くものと想定されます。
当社は、2023年12月に2024年10月期を初年度とする3か年の中期経営計画を策定し、2026年10月期に売上高50億円、営業利益7億5千万円を数値目標とし、『世界で唯一無二のアプローチで次の時代の競争優位性をつくる』を中期ビジョンとして掲げ、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つを継続的基本戦略とし、具体的実行施策である「顧客層の拡大」「スマートファクトリーの実現」「パーパス経営の実践」の各種取り組みを推進して高成長・高収益経営の実現に努めております。
シェア拡大戦略について、主力の大阪、東京において営業人員を増強して営業体制を強化いたします。名古屋、福岡、京都については新規顧客獲得活動を進めるとともに、既存顧客からのリピート受注を獲得すべく活動を強化いたします。また、2024年11月8日に広告・販促のエキスパートである株式会社イデイ(以下、「イデイ社」)の株式を取得してグループ会社化したことにより、イデイ社が顧客として有する多数の広告主が当社グループの顧客となりました。今後は当社の生産力やサービスラインナップとイデイ社の販路や企画提案力を組み合わせることで、生産体制をもつ総合販促支援企業として、顧客層の拡大と業績の向上を目指します。
機能拡大、領域拡大について、2024年12月2日にシンガポールのZKDigimax社とデジタルサイネージの拡販に関する業務提携契約を締結しました。同社のシステムはインドネシア国内の2大コンビニエンスストアやファストフードチェーンの店舗で採用されるなど、インドネシアのデジタルサイネージのシェア90%を獲得し、世界22ヵ国で導入されており、モニターとAIカメラを連動させて来客属性などをシステム上で一元管理し、即時配信や配信予約ができるAI搭載モニターです。同社システムの拡販を通じて販売促進活動のDX化のスマートリテールソリューションとして国内企業に展開してまいります。オーダーグッズ制作につきましては、引き続きIP(知的財産)コンテンツ関連の受注を進めるとともに、アパレルEC販売会社との連携によるノウハウの確立と内製化による生産体制の強化を進めます。
オフセット印刷やシルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷等の少品種多量生産型のプリントソリューション及びオーダーグッズ制作については、東京に加えて大阪にも専任担当を配置してサポート体制を強化し、認知度向上と受注拡大を目指します。
ウェブプロモーション事業については、ECサイト運営を行うネット販売部門と、ウェブ集客活動を通じて当社が得意とする対面営業に繋げるマーケティング部門に分割し、顧客開拓を推進いたします。
生産体制については、引き続き高収益体質の生産体制を構築し、生産性や品質管理の向上に繋げるべく、約100,000千円の設備投資を予定しております。業務標準化により属人化しない技術による「人に依存しない」生産工程の実現、スマートファクトリー化を推進します。また、材料費高騰への対応として代替品への切り替えや新素材の発掘を進めます。
また、今後の当社グループのさらなる成長及び企業価値の向上を実現させるため、引き続き社内で編成したM&Aのプロジェクトチームによる各種情報収集や調査を積極的に行い、当社グループの事業との相乗効果、成長性、利益率等の観点から投資案件の調査を進めてまいります。
さらに、事業拡大に向けた人材獲得のため、変形労働時間制の廃止に伴うワークライフマネジメントの支援や健康経営優良法人認定制度の認定に向けて従業員の働く環境の見直しを進めており、パーパス経営の実現に向けて各種取り組みを推進します。