有価証券報告書-第19期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/24 14:59
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139項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 不動産分譲事業について
① 不動産市況について
当社グループの不動産分譲事業は、景気動向、金利動向、地価動向及び物価動向の変動、住宅税制や消費税等の税制変更等の影響を受けやすい傾向があります。
当社グループは、居住用の住宅分譲を主としていること、用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務を自社一貫体制で行いコスト削減を図っていること、及びストック収益である賃貸事業により収益の安定を図っていること等から、不動産市況変動への耐性を強化しておりますが、諸情勢に不利な変化があった場合には、お客様の購入意欲を減退させる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループは、主に札幌市を事業エリアとして、分譲マンション事業等を行っておりますが、大手不動産会社、大手ハウスメーカーから地元ハウスメーカーに至るまで様々な競合他社が多数存在しており、厳しい競争環境にあります。また、首都圏でも事業展開しており、札幌エリア以上に厳しい競争環境となっております。
当社グループでは、用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務の自社一貫体制に基づくコスト削減を行いつつ、「炭パワークリーンシステム」に関する特許権の他、「寒冷地用水跳ね防止カバー」に関する実用新案権、意匠権及び商標権等の知的財産権の取得を進めて、マンションブランド「グランファーレ」、RC3階建て戸建住宅ブランド「エステティカ」及び木造3階建て戸建住宅ブランド「ラ・レジーナ」の各ブランド力及び品質を高めるとともに、お客様のニーズに沿った商品開発を積極的に行う等競合対策を講じておりますが、競合他社の動向によっては、事業計画の遂行に問題が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業用地の仕入について
当社グループの主力事業である不動産分譲事業においては、マンション用地及び戸建住宅用地仕入の成否が売上高に影響を及ぼします。用地取得の競争激化等から、仕入価格の高騰や、用地取得時期の遅れが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 在庫リスクについて
当社グループは、中期的な需給見通し、事業用地の選別仕入、商品差別化の取り組みによる早期完売により、在庫リスクの低減を図っておりますが、景気動向・金利動向・不動産市況の悪化や競合激化等により販売が長期化する可能性があります。かかる状況となった場合、当初想定していた販売価格の下落や棚卸資産の評価損の発生等から、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 土地仕入時において予想できないリスクについて
当社グループでは、事業用地の仕入に際して、地質及び地盤調査等さまざまな調査を行い、事業用地の仕入の意思決定をしておりますが、事業用地の仕入時には予想がつかない地中障害物等が発見された場合には、プロジェクトの工程に遅れをきたすと同時に、追加費用が発生する場合があります。
当社グループの開発物件におきまして、これまで事業収支に大きく影響を与える地中障害物等が発生した事例はありませんが、今後、当社グループの予想を超える事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 建設工事の外注について
当社グループの不動産分譲事業における、マンション建設及び戸建住宅建設については、建設工事を外注しており、建設会社の選定に当たり、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案した上で決定しております。しかしながら、建設業界の環境変化等により外注先を適時適切に確保できない場合、労務費及び原材料並びにエネルギー価格高騰等から建設工事の建設コストが当初計画に比べて上昇した場合、職人不足等により工期が遅延した場合、外注先の倒産や請負契約の不履行等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのマンション及び戸建住宅の品質管理については、建設会社に対して施工品質の確保を求め、合わせて当社グループの1級建築士による厳格な施工監理を行う体制を整えておりますが、物件の品質に問題が発生した場合には補償問題が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 近隣住民の反対運動について
当社は、マンションの建設に当たり、関係する法律、自治体の条例等を遵守し、周辺環境との調和を重視した開発計画を立案するとともに、周辺住民に対しては、事前に十分な対策を講じております。
しかしながら、今後、事業開発計画地域にて電波障害、日照・眺望問題等による近隣住民の反対運動の可能性は否定できません。その問題解決に時間を要する場合、又は計画変更を余儀なくされる場合には、工事遅延や追加工事費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 有利子負債への依存について
当社グループでは、プロジェクト毎の用地の取得資金及び建設資金の一部を主に金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債の依存度が高い水準にあります。今後においても、事業拡大に伴い有利子負債の依存度が高い水準で推移することが想定され、資金調達に支障が生じた場合や、金利が上昇した場合、プロジェクトに予期せぬ変更が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(単位:千円)
(連結)第18期第19期
連結会計年度末連結会計年度末
(2021年3月31日)(2022年3月31日)
有利子負債残高(a)3,734,4724,165,773
総資産額(b)8,765,2568,263,804
有利子負債依存度(a/b)(%)42.6150.41

(注) 有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)、リース債務(短期及び長期)の合計額であります。
⑨ 業績の季節変動について
当社グループの不動産分譲事業の売上高の計上基準は引渡基準を採用しております。そのため、引渡し時期により売上高の偏りが生じる傾向があります。
不動産業界では、住宅の引渡しは、一般的に2月、3月が多いため、売上高が第4四半期に集中する傾向があります。また、不測の事態の発生及び新型コロナウイルス感染症の感染再拡大等により、住宅の引渡しが建築工事の遅延等で翌期にずれ込む場合には、当該期間の売上高が翌期に計上されることになり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度における四半期ごとの売上高及び売上高比率は、第4四半期にマンションの引渡しがあったため、以下のとおりとなっております。
(単位:千円)
第19期連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期通期
売上高840,017573,755597,3682,654,8134,665,954
売上高比率(%)18.0012.3012.8056.90100.00

⑩ 建物の基本構造部分の契約不適合責任について
当社グループの不動産分譲事業は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、新築住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分について10年間の契約不適合責任を負っております。また、2009年10月1日以降より、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づき、住宅の品質確保措置のために国土交通大臣の指定する保険法人と保険契約を交わしており、保険金の支払によって契約不適合部分の補修工事等に必要な資力を確保しております。しかしながら、何らかの事情により当社グループの品質管理に不備が発生し、保険で担保することのできない補修等が生じた場合には補修工事等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 不動産賃貸事業について
① 固定資産の減損について
当社グループの不動産賃貸事業では、減損会計の対象となる固定資産を保有しております。不動産賃貸事業の収益性が大幅に低下し、その事業に関連する固定資産の投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を回収可能額まで減損処理を行う必要があります。
当該減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② サービス付き高齢者向け住宅の運営について
当社グループの不動産賃貸事業は、一般賃貸住宅とサービス付き高齢者向け住宅がありますが、サービス付き高齢者向け住宅は、入居者が高齢者であることから、転倒事故の発生や容態が急変する危険性が高いものと考えられます。そのため、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があります。
これらの問題により、当社の信用力の低下、並びに当社に対しての損害賠償請求、訴訟の提起、又は風評被害等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 入居率低下リスクについて
賃貸不動産に対するニーズは、不動産分譲事業に比べ、景気の変動に影響を受けにくく、当社の収益の安定を図っております。当社では、賃貸不動産において、安定的に入居者を確保しておりますが、近隣同業者の入居費用等の相場状況が大きく下落した場合、信用の失墜等による場合、また、今後、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大等、何らかの諸事情により賃貸不動産の稼働率が大きく低下した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不動産関連事業について
① マンション管理組合から委託を受けて管理する財産について
当社グループが、マンション管理組合から委託を受けて管理する財産については、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。財産管理等の受託業務は法令に基づき適正に実施し、万全な検査、点検をいたしておりますが、財産管理において適正を欠き損害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 共用施設の管理について
当社グループが管理を受注しているマンションは、浴場施設、フィットネスジム、屋上庭園等、多様な共用施設があり、万全な検査、点検が求められております。当社グループでは人員を適切に配置し、研修・巡回指導等による人材育成、マニュアルによる業務手順の統一及び安全管理等を徹底しておりますが、施設管理面で適正な安全確保を欠いて事故等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 当社グループ全体について
① 開発・販売地域について
当社グループは、札幌市及び首都圏を事業エリアとしております。当該地域で重大な災害が生じた場合や、経済状況、雇用状況、地価等の動向で市況に変化が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制について
当社グループが属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」、「建築士法」、「建設業法」、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び自治体で定められている建築に関する条例等の法的規制を受けております。また、不動産関連事業のグランコミュニティ株式会社におきましては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。当社グループは法令遵守を事業の根幹に据え、関連する社内規程の整備、社内研修の実施、内部監査部門や監査役による法令遵守の確認等、積極的にコンプライアンス活動に取り組んでおります。しかしながら、これらの法令・規制等が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、有資格者や業種経験者等を適正に配置できない場合、又は何らかの事情により許認可の取消、又は更新が認められない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
会社名法令名免許・許可・登録等有効期限
日本グランデ株式会社宅地建物取引業法宅地建物取引業者免許
国土交通大臣(3)第7575号
2022年9月13日
日本グランデ株式会社建築士法一級建築士事務所登録
北海道知事登録(石)第4881号
2023年4月27日
日本グランデ株式会社建設業法建設業許可
北海道知事許可
(特-3)石第19392号
2026年12月6日
日本グランデ株式会社金融商品取引法第二種金融商品取引業登録
北海道財務局長(金商)第43号
登録日2014年5月28日から廃止届出日まで有効
日本グランデ株式会社金融商品取引法一般不動産投資顧問業登録
国土交通大臣一般第1194号
2024年7月25日
グランコミュニティ
株式会社
宅地建物取引業法宅地建物取引業者免許
北海道知事石狩(1)第8925号
2025年6月17日
グランコミュニティ
株式会社
マンションの管理の適正化の推進に関する法律マンション管理業者登録
国土交通大臣(3)第013094号
2022年7月20日
グランホーム株式会社宅地建物取引業法宅地建物取引業者免許
北海道知事石狩(2)第7953号
2022年6月21日

③ 個人情報の管理について
当社グループは、各事業を通して取得した個人情報を多数保有しております。これらの個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」等により規制を受けていることから、個人情報保護規程及び特定個人情報取扱規程を制定し細心の注意を払って管理しております。しかしながら、万一、外部漏洩等の事態が発生した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用に毀損が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟等の可能性について
当社グループでは、コンプライアンス体制を整備し、役職員に対して法令遵守を徹底させることで法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業ブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定人物への依存について
当社グループの代表取締役である平野雅博は、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、事業活動上の重要な役割を果たしております。当社グループにおいては、同氏に過度に依存することがないよう、合議制や権限委譲の推進を図っておりますが、今後、同氏が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 優秀な人材の確保及び育成について
当社グループは小規模組織であり、事業の持続的な成長のためには、人材の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループでは、今後、事業の拡大及び経営計画の推進に当たり、将来の担い手として期待される若手人材、有資格者を含めた即戦力として活躍できる人材等優秀な人材を確保すべく積極的な採用活動を進めておりますが、優秀な人材の確保及び人材の育成・後継者の育成ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ストック・オプションについて
当社は、ストック・オプション制度を採用しており、当社グループの取締役及び従業員に対して会社法の規定に基づき新株予約権を付与しております。当連結会計年度末の発行済株式総数は1,300,100株であり、ストック・オプションによる潜在株式は93,500株の7.19%に相当しております。これらは当社グループの事業発展のために優秀な人材の確保・定着を目的として実施しており、必ずしも既存株主の利害と相反するものではありません。しかしながら、新株予約権の行使が行われた場合には、当社1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は市場の需給バランスに変動を生じ、適正な株価形成に影響を与える可能性があります。
⑧ 新型コロナウイルス感染症による影響について
新型コロナウイルス感染症による事業活動への影響について、現時点では当社グループの事業活動に重要な影響を与えておらず、軽微なものであると認識しておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大により個人消費や経済活動が低迷し、不動産に対する購入マインドの低下や金融情勢の変化等により、主力事業である不動産分譲事業において販売計画の遂行が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、社内での新型コロナウイルス感染症の感染予防対策を徹底しておりますが、万が一、当社グループの従業員が感染した場合には、健康被害や事務所の部分的又は一時的な閉鎖などの処置により営業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。