有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/18 15:00
【資料】
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【項目】
98項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業展開その他において、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下のとおり記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、本文における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済環境の影響について
当社グループの事業は、注文住宅販売・分譲住宅販売を中心とする住宅販売が連結売上高の大半を占めておりますが、住宅及び住宅用土地の需要は、景気の他、雇用・所得環境、金利、住宅税制、助成制度及び地価動向並びにこれらの将来予測の影響を受けやすく、これら諸要因の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 分譲用地の調達について
当社グループの不動産事業における分譲用地の仕入に際しては、周辺の販売状況を調査・検討し、その調査結果に基づいて土地仕入を行っております。しかし、周到な調査にもかかわらず周辺の市場価格の変動等により仕入相場よりも高価格な土地購入となった場合には、当社グループの採算が悪化する可能性があります。
また、立地条件に恵まれた用地の仕入が困難になる場合、当社の事業展開する各地域から特定の地域に偏ることなくバランスよく用地が確保できなかった場合、及び土地の仕入価格高騰等により計画どおりの用地調達が行えない場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 不動産の保有在庫及び固定資産について
当社グループの不動産事業においては、分譲住宅用土地、中古不動産及び収益不動産の仕入を行っており、常に一定規模の棚卸資産を所有しております。総資産に占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産等の割合は、第16期連結会計年度末において66.9%、第17期第3四半期連結会計期間末において72.9%となっております。
しかしながら、経済環境の変化等により、想定していた価格での販売が困難になる場合、値引きによる販売の実施に伴い利益が減少する場合やたな卸資産の評価損が多額となる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、想定どおりの販売が行えないことにより在庫の保有期間が長期化することで評価損が発生する場合、期限までに引き渡しができなかった場合、又は、顧客の住宅ローン審査の結果等により引き渡しができなかった場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、収益不動産の時価が著しく下落した場合、又は、住宅展示場の収益性が著しく低下した場合等には、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債への依存について
当社グループは、分譲用地並びに物件取得資金及び運転資金を、主として金融機関からの借入金によって賄っております。当社グループの連結有利子負債残高は、第16期連結会計年度末において8,588,772千円、第17期第3四半期連結会計期間末において9,584,919千円となっており、総資産に占める有利子負債の比率は、第16期連結会計年度末において65.2%、第17期第3四半期連結会計期間末において63.8%となっております。現在の金利水準が変動する場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後金融情勢の急速な変化等何らかの理由により十分な資金が調達できない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 外注管理について
当社グループは、注文住宅・分譲住宅の建設に際して、多くの施工業務を外注委託していることから、外注先を十分に確保できない場合、又は外注先の経営不振及び工期遅延が発生する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 『人財』の確保について
当社グループは、今後も注文住宅事業・不動産事業を中心に展開してまいります。顧客のニーズに合った良質な商品及びサービスを提供していくためには、高い潜在能力を持ち、経営理念でもある「All Satisfaction~すべての人に満足を~」を実践することのできる『人財』に、教育訓練を実施して戦力化していくことが経営上の重要な課題であります。当社グループは、今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な『人財』を採用していく方針でありますが、そうした『人財』が十分に確保できない場合、又は現在在籍している『人財』が流出する場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 訴訟等のリスクについて
当社グループは、販売及び施工した物件に意図せざる瑕疵が生じた場合に備えるため、住宅瑕疵担保責任保険及び地盤調査会社による地盤保証を行っております。また、各関連法令を遵守した事業活動を推進しておりますが、顧客との認識の齟齬その他に起因して、販売及び施工物件、仲介物件にトラブルが生じる場合や、借地権者・借家権者との交渉に伴いトラブルが生じる場合、あるいは建築に際して近隣住民からクレーム・トラブル等が発生する場合があります。
当社グループにおいては、弁護士等の関与のもと必要と考えられる相手先との協議・対応を行っており、現在訴訟事件等は生じておりません。
しかしながら、今後これらのクレーム・トラブル等に起因して重大な訴訟が提起された場合には、当社グループにおける顧客からの信用・信頼の低下及び損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 風評被害について
当社グループの事業は、その性質上、顧客から品質やサービス、納期等に対する指摘・意見・不満等のクレームを受ける可能性があります。また、顧客との契約締結に至るまでの過程で、営業行為に対しても同様にクレームを受ける可能性があります。このような否定的な風説や風評がマスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・拡散した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループの事業の展開、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 法的規制について
当社グループは、事業運営上、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、国土利用計画法等による法的規制を受けております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(許認可等の状況)
許認可等の名称会社名許認可(登録)番号/有効期限規制法令
特定建設業許可当社国土交通大臣許可(特-1)第27733号
2025年3月5日まで(5年ごとの更新)
建設業法
宅地建物取引業者免許当社国土交通大臣免許(3)第7460号
2022年4月9日まで(5年ごとの更新)
宅地建物取引業法
㈱アールプランナー
不動産
愛知県知事免許(1)第24170号
2024年8月13日まで(5年ごとの更新)
一級建築士事務所登録当社愛知県知事登録(い-27)第11026号
2020年9月7日まで(5年ごとの更新)
愛知県知事登録(い-30)第13611号2024年1月28日まで(5年ごとの更新)
東京都知事登録 第63407号
2024年10月9日まで(5年ごとの更新)
建築士法

(各許認可等の取消要件)
特定建設業許可:建設業法第29条に定める事項に該当した場合
宅地建物取引業者免許:宅地建物取引業法第66条に定める事項に該当した場合
一級建築士事務所登録:建築士法第26条に定める事項に該当した場合
(10) 個人情報の管理について
当社グループは、見込顧客情報及び取引顧客情報等、各事業をとおして取得した個人情報を保有しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。これらの個人情報については、個人情報を有する当社グループの各社にて細心の注意を払って管理しております。しかしながら、万が一、外部への漏洩等の事態が発生する場合には、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 生産期間について
新築住宅販売の戸建住宅分譲は、需要を予測しての見込生産となります。用地仕入から建物完成までの生産期間は通常9~10ヶ月程度(大規模な開発行為が伴う案件はさらに長期間)を要し、大幅な生産期間の短縮や生産期間中の商品の代替が困難であるという特性があります。このため、用地仕入後に販売計画に影響を及ぼすような経済情勢の変化や競合物件の発生があった場合、天災その他不測の事態による工期の遅延等完成が決算期を越えて遅れる事態が生じた場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 資材価格の高騰について
当社グループが扱う新築住宅は、木材や石油関連の資材を使用しております。このため、市況や為替変動により資材の仕入価格が上昇し、これらのコストダウンや価格転嫁等が難しい場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 業績の季節変動性について
当社グループが行う注文住宅事業・不動産事業は、年末年始の休暇や新生活の始まる4月に向けて顧客が引渡を希望する傾向にあり、当社の事業年度末である1月を含む第4四半期の引渡が、他の四半期に比べて多くなる傾向があります。また、建築工期の遅延や天災等の不測の事態により、引渡が遅延して売上計上が翌期にずれ込む場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 営業エリア及び競合等の影響について
当社グループは、愛知県を中心として注文住宅事業・不動産事業を行っております。愛知県は、他の都道府県と比較して注文住宅は全国第1位、分譲住宅(一戸建)は全国第4位とその需要が高いことから、競合他社が多く競争が激化する可能性があります(出典:国土交通省 建築着工統計調査 2019年 年次データ)。それら競合他社の影響により、当社グループの土地の仕入力・販売力が低下する場合、又は価格変動等により需要が低下する場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後は新規の営業地域として首都圏での事業展開を計画しておりますが、同様に、競合他社の影響等により、当社グループの土地の仕入力・販売力が低下する場合や価格変動等により急激に需要が低下する場合、又は協力会社を適時に確保できなかった場合には、当社グループの業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等は、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 品質管理・安全管理について
当社グループは、品質管理・現場の安全管理に万全を期しておりますが、建築・工事等の発注先や業務委託先、あるいは建築素材メーカーの製造過程等に起因する建築素材等に関わる重大な品質問題、労災事故及び想定されない瑕疵担保責任等が発生した場合には、当社グループの信用失墜や多額の損害賠償請求等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 自然災害について
火災・地震・台風等の大規模な自然災害の発生時には、被災した自社保有設備や建設現場の修復に加え、建物の点検や応急措置等の初動対応や支援活動等により、多額の費用が発生する可能性があります。また、社会インフラの大規模な損壊で建設現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。このため、万一に備えて各種保険への加入や耐震性能の高い住宅仕様の導入に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 感染症等の影響(新型コロナウイルス感染症問題)について
当社グループが扱う新築住宅の一部に、海外生産の資材を使用しております。当社グループに資材を供給する企業が感染症等の蔓延により生産停止を余儀なくされた場合、資材調達の遅延が生じる可能性があります。また、当社グループは、注文住宅・分譲住宅の建設に際して、多くの施工業務を外注委託しており、外注先に感染症等が発生した場合、工期遅延が生じる可能性があります。さらに、当社グループが事業展開している地域や拠点に感染症等が蔓延した場合、人的・物的被害や業務停止及び遅延、集客の減少等が生じる可能性があります。これら諸要因の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 消費税率引き上げの影響について
2019年10月に消費税率は8%から10%に引き上げられましたが、消費税率の引き上げにより消費者の購買意欲が低下し、住宅購入を手控える場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 特定人物への依存について
当社の代表取締役会長である古賀祐介及び代表取締役社長である梢政樹は、当社グループの経営方針及び経営戦略全般の決定等における役割が大きく、当社グループは両名に対する依存度が高いと認識しております。
現在、事業規模の拡大に伴い、当社グループは経営組織内の権限委譲や人員の拡充を行い、経営組織の強化を推進する一方、事業分野の拡大に応じて諸分野の専門家・経験者を入社させ、組織力の向上に努め、個人の能力に過度に依存しない体制構築を進めております。
今後も、両名に過度に依存しない経営体制の構築を進めるべく優秀な『人財』を確保し、役職員の質的レベルの向上に注力していく方針であります。しかしながら、両名が何らかの理由で当社グループの経営に携わることが困難となった場合、当社グループの業績、財政状態及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 大株主について
当社の代表取締役会長である古賀祐介(同氏の資産管理会社であるKo. International㈱を含む)及び代表取締役社長である梢政樹(同氏の資産管理会社であるTreeTop㈱を含む)の所有株式数は、本書提出日現在で発行済株式総数の100.0%を所有しております。
本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。
両氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。