訂正有価証券報告書-第7期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2022/03/02 15:01
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【項目】
135項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、12,341,523千円となり、前連結会計年度末比で4,286,829千円の増加となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より4,174,717千円増加し、11,183,308千円となりました。これは主に、売掛金が84,779千円、営業出資金が62,502千円、たな卸資産が4,591,223千円増加した一方、現金及び預金が545,188千円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末より112,112千円増加し、1,158,214千円となりました。これは主に、無形固定資産が53,240千円、投資その他の資産が67,821千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,497,893千円増加し、4,461,635千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より1,022,840千円増加し、1,843,595千円となりました。これは主に、短期借入金が722,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末より2,475,053千円増加し、2,618,040千円となりました。これは主に、長期借入金が2,470,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末より788,935千円増加し、7,879,887千円となりました。これは主に、新株予約権の行使及び株式報酬制度の導入により資本金が44,843千円、資本剰余金が44,843千円増加したことによるものであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が667,021千円増加しております。
なお、自己資本比率は63.5%となっております。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により個人消費や企業活動が大きく収縮し、深刻な影響を被りました。緊急事態宣言等を経て、一部では経済活動の再開の動きが見られたものの、2020年通年の実質GDP成長率は4.8%減と厳しい状況が続いております。一方で、このコロナ禍に対応する産業界の動きとして、業界横断的にデジタルトランスフォーメーションの機運が高まり、成長加速ないし厳しい状況からの再生に向けた取り組みが各所でみられます。
こうした中、当社グループは「A DECADE AHEAD 今の先鋭が10年後の当たり前を造る」をミッションに掲げ、大きく2つの事業を展開してまいりました。1つ目の事業は、不動産業界を中心とする様々な業界の業務改善に向けて、機械学習等の先進テクノロジーを活用したモジュールをベースに、パッケージ型クラウドツールやテーラーメイド型アルゴリズムを提供する「AI クラウド&コンサルティング」事業であります。2つ目の事業は、不動産プロフェッショナル集団にテクノロジーを積極導入することで高度化・効率化させた不動産売買仲介等の不動産流通事業と、IoT技術を活用した高付加価値のマンション開発・販売等を行うスマートホームサービスを展開する「不動産テック」事業であります。
不動産事業という実業(リアル)を自ら手掛け、業務上の非効率や課題に直面することで、機械学習等の高度なテクノロジーの活用の可能性を見出し、当社グループの内部オペレーションにそのテクノロジーを取り込み、競争力・効率性の改善を図っております。同時に、不動産事業のテック化により生まれた業務推進・効率化ツールは、当社自身がユーザーとして使い勝手をフィードバックすることで実務有用性を磨き込み、不動産業を手掛ける同業他社のお客様や金融機関に提供しております。加えて、ツールのベースとなるモジュールを活かすことで、差異化されたコンサルティングを幅広い産業のお客様にご提供するビジネスモデルを構築しております。
実業(リアル)を手掛けることが、実務有用性の高いAIソリューション・クラウドツールを提供していくことに密接かつ効果的に機能しており、この「リアル×テクノロジー」の掛け合わせを通じた顧客提供価値の追求により、不動産業界や金融業界など様々な業界のデジタルトランスフォーメーションや事業拡大に貢献しております。
当社グループが手掛けるAIクラウド&コンサルティング事業の業務環境をみれば、新型コロナウイルス感染症拡大により露呈した日本のデジタル化の遅れを解消すべく、2020年9月に発足した菅内閣がデジタル庁設置を目指すなど、デジタル化の加速の動きがみられ、当社事業においても追い風となっております。
不動産事業の業務環境をみれば、当社が「AIFLAT(アイフラット)」の名称で開発・販売を手掛ける個人向け賃貸マンションの需要は底堅く推移し、居住用不動産に対する投資ニーズにも高まりが見られます。また、個人向け住宅の仲介事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により2020年4月~5月こそ低調だったものの、徐々に回復の兆しを見せており、在宅時間が長くなったことによる居住環境の見直し等の新たな需要も生まれております。ただし、新型コロナウイルス感染症は終息が見通せず、不透明感が高まっている状況です。
このような業務環境下、当社グループは、不動産売買契約書の作成業務をオンラインで手掛けることが可能な「不動産売買契約書類作成クラウド」等、不動産業界、金融業界に対して積極的にクラウドサービスを提供し、その他産業に向けても自社の持つAIモジュールを活かしたコンサルティングサービスを幅広く提供してまいりました。また、中長期的な成長を見据えて、日本ユニシス株式会社との需要/発電予測の実証やグリッドデータバンク・ラボへの参画等、不動産領域を超えた多様な産業向けのAIモジュール創出に向けたデータアライアンスを進めるとともに、優秀なエンジニア・コンサルタントの採用も計画以上に実施し、体制強化を順調に進めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、AIクラウドサービス・AIコンサルティングサービスともに獲得数が大幅に伸長し、着実にARR(アニュアルリカーリングレベニュー)を積み上げた他、不動産仲介サービスは上期のコロナ禍での一時的な活動自粛やニーズ停滞の影響等から復調、スマートホームサービスも収益性が良化したことで、売上高7,339,626千円(前年同期比3,489,273千円増(90.6%増))、営業利益1,056,663千円(前年同期比309,916千円増(41.5%増))、経常利益1,023,205千円(前年同期比305,738千円増(42.6%増))、親会社株主に帰属する当期純利益667,021千円(前年同期比193,579千円増(40.9%増))、と大幅な増収増益となりました。
当連結会計年度のセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、「3 事業の内容」に記載のとおり、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較においては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
AIクラウドサービス(不動産価格推定エンジンなどのディープラーニング技術を核とするパッケージ化されたAIを用いたクラウドサービス)や、不動産売買プラットフォーム「おうちダイレクト」を通じた他の不動産仲介会社向けの業務支援サービスは、コロナ禍の影響と菅内閣によるデジタル化推進の動きが相まって不動産業界のデジタライゼーションの機運が高まってきたことが追い風となりました。加えて、確かなプロダクトメリットをご提供し、販売体制を増強したことで、契約数を着実に増やすとともに、解約率も非常に低い水準を維持してまいりました。
AIコンサルティングサービス(不動産会社や金融機関をはじめとする各種業界におけるマーケティング活動、営業活動といった顧客企業の様々な経営課題に対して、将来予測分析ツールを用いた解決策の提供又はシステム提供を行うサービス)は、上期に新型コロナウイルス感染症の影響による活動自粛や商談の遅れがあったものの、コンサルタントの拡充、顧客獲得フローの整備、成功事例の横展開を進める等、当連結会計年度において着実に事業を拡大させてまいりました。
また、中長期的な成長を見据えて、日本ユニシス株式会社との需要/発電予測の実証やグリッドデータバンク・ラボへの参画等、不動産領域を超えた幅広い産業向けのAIモジュール創出に向けたデータアライアンスを進め、多様な産業向けのAI SaaSプロバイダーとしての土台を構築することができました。
その結果、AIクラウドサービス・AIコンサルティングサービスともに獲得数が着実に伸長し、着実にARRを積み上げたことで、当連結会計年度におけるAIクラウド&コンサルティングセグメントの売上高は1,135,135千円(前年同期比336,502千円増(42.1%増))、営業利益は726,895千円(前年同期比117,870千円増(19.4%増))となっております。
<不動産テックセグメント>不動産仲介サービスにつきましては、伝統的な仲介業務にAI不動産査定ツール等の当社テクノロジーを活用した新たな仲介サービスを提供するとともに、スマートホームサービスとして、マルチファンクションライトやスマートロック等のIoT技術を活用した個人向け賃貸マンション「AIFLAT(アイフラット)」の開発及び投資家や富裕層向けの販売を計画に沿って実施しております。また、将来的なアセットマネジメントフィービジネスの展開を見据え、当連結会計年度において計画どおり私募ファンドを活用した物件売却を実施し、オフバランス化を図っております。当社グループは、これらの不動産事業の全てにおいてテクノロジーを活用したDXを推進するとともに、その中で生まれた気付きを幅広いお客様に提供するAIソリューション・ツールに反映しております。
不動産仲介サービスの復調やスマートホームサービスの収益性良化により、当連結会計年度における不動産テックセグメントの売上高は6,512,114千円(前年同期比3,307,453千円増(103.2%増))、営業利益は380,744千円(前年同期比243,022千円増(176.5%増))となっております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ545,188千円減少し、2,637,195千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は3,566,962千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,023,205千円、減価償却費221,240千円等の資金増加要因が、売上債権の増加額84,779千円、たな卸資産の増加額4,591,223千円、法人税等の支払額366,271千円等の資金減少要因を下回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は253,796千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出244,575千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,275,569千円となりました。これは主に、短期借入れによる収入261,000千円、長期借入れによる収入3,411,000千円等の資金増加要因が、長期借入金の返済による支出480,000千円の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績は下記のとおりであります。
売上分類の名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
AIクラウド&コンサルティング827,51128.2
不動産テック6,512,114103.2
合計7,339,62690.6

(注)1.当社グループは、前連結会計年度まで『AI×リアル』ソリューション事業の単一セグメントとしておりましたが、当連結会計年度より「AIクラウド&コンサルティング」及び「不動産テック」の2区分に変更しております。なお、前年同期比につきましては前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを比較対象としております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は下記のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)
A社920,93223.9--
B社--3,672,07350.0

※1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
※2.成約した案件は非公開案件であるため社名の公表は控えさせて頂きます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。また、経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要は、継続的な事業成長実現に向けた人件費、採用費、業務委託費、広告宣伝費、AIクラウド&コンサルティング事業の開発費、及びIoTスマートホーム物件取得に係る借入金の返済や営業用不動産の取得費用となります。財政状態等を勘案しながら、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。
流動資産と流動負債のバランスを注視し、財政状態の健全性を評価しており、当連結会計年度末時点で健全な財務体制であると判断しております。

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