有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/13 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
96項目
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、すべてのステークホルダーを尊重し、企業の健全性、透明性を高めるとともに、長期的かつ安定的な株主価値の向上に努めるため、迅速で合理的な意思決定体制及び業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築し、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいります。
(親会社からの独立性の確保について)
当社の親会社であるノーリツ鋼機株式会社は、当社の議決権の85.9%を有する支配株主であります。
当社は、「持続可能な国民医療制度の実現」という大きな社会的課題の解決に向け、当社自らが上場会社となることでグローバルスタンダードに準拠した透明性のある経営システムを構築することとしております。
一方で当社の親会社であるノーリツ鋼機株式会社は、上場子会社としての部分最適を認めながらも、グループ全体としての企業価値の最大化の観点から、当社の上場後も引き続き当社の株式の過半数を所有する方針であると伺っております。
かかる状況において、親会社と一般株主との間に利益相反リスクが存在していることから、当社では、独立社外取締役の選任にあたって独自の配慮を行う他、社外取締役のみから構成される任意の指名・報酬諮問委員会の設置を行っており、当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、当社グループが独立して主体的に検討可能な体制を確保しております。
上記を鑑み、一般株主の保護を果たしながら、グループ経営を効率的に行い、企業価値を高める体制として、当社は、現在の体制が適切であると考えております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、企業の持続的価値向上とコーポレート・ガバナンスの一層の強化を目指し、2019年4月1日開催の臨時株主総会の承認をもって、「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」に移行しております。当社のコーポレート・ガバナンス体制に係る各機関、組織は以下のとおりであります。
0204010_001.png(取締役会)
当社の取締役会は、代表取締役社長兼CEO 松島陽介が議長を務め、社外取締役 岡山太郎、社外取締役(常勤監査等委員)霜田恒夫、社外取締役(監査等委員)林南平、及び社外取締役(監査等委員)藤岡大祐の取締役5名(うち社外取締役4名)で構成されております。取締役会は、原則月1回の定時取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、迅速な経営上の意思決定を行える体制としております。取締役会は、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規程に基づき重要事項を決議し、取締役の業務執行状況を監督しております。
なお、取締役会の開催状況は、2018年3月期14回、2019年3月期18回開催しており、取締役の出席率は2018年3月期100.0%、2019年3月期100.0%となっております。
(監査等委員会)
当社は監査等委員会制度を採用しております。当社の監査等委員会は、社外取締役(常勤監査等委員)霜田恒夫が議長を務め、社外取締役(監査等委員)林南平、及び社外取締役(監査等委員)藤岡大祐の3名(社外取締役3名)で構成しており、毎月1回の監査等委員会を開催するとともに、代表取締役及び業務執行取締役の法令・定款遵守状況及び職務執行の状況を監査し、業務監査及び会計監査が有効に実施されるように努めております。
また、監査等委員会は会計監査人及び内部監査責任者と緊密に連携するとともに、定期的な情報交換を行い、相互の連携を深め、監査の実効性と効率性の向上に努めております。
(執行役員会議)
執行役員会議は、執行役員社長兼CEO 松島陽介が議長を務め、執行役員会長 木村真也、執行役員副社長兼CFO 山元雄太、執行役員兼COO 杉田玲夢、執行役員 小平紀久、執行役員兼CHRO 松本孝、執行役員 小間井俊輔、社外取締役(常勤監査等委員)霜田恒夫、及び執行役員会議の議長により指名された者で構成され、原則として月1回開催されております。執行役員会議は、業務執行に関する事項について意思決定の権限を有しており、経営上の重要事項等を執行役員会議規程において付議事項として定め、審議を行い、経営活動の効率化を図っております。
(指名・報酬諮問委員会)
当社は取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬諮問委員会を設置しております。当社の指名・報酬諮問委員会は、社外取締役(常勤監査等委員)霜田恒夫が議長を務め、社外取締役(監査等委員)林南平、及び社外取締役(監査等委員)藤岡大祐の3名であり、全員が社外取締役で構成されております。指名・報酬諮問委員会は、取締役(監査等委員である取締役を含む。)及び執行役員の選任・解任議案の検討及び報酬基準等の決定を行い、取締役会に意見として提案を行う仕組みを担っております。
(内部監査室)
内部監査室は、内部監査室長 阿久津誠1名で構成されており、内部監査規程に基づき、各部門・グループ会社の業務活動に関して、運営状況、業務実施の有効性及び正確性等を年間計画に沿って監査を行っております。監査結果及び是正状況は代表取締役社長に随時報告しております。また、監査等委員会及び会計監査人と連携して活動しております。
(監査等委員会と内部監査部門と会計監査人の連携状況)
当社の監査体制は、監査等委員会監査、内部監査及び会計監査人による会計監査の3つを基本としております。
監査等委員会と会計監査人は、定期的な会合をもち、相互の監査計画の交換及び監査結果等について説明、報告を行い、監査の品質向上を図っております。
監査等委員会と内部監査室の連携状況は、内部監査室は監査等委員会に対して監査計画や監査結果の報告を行うとともに、必要に応じて共同で往査を実施するなど、常に連携を図っております。
内部監査室と会計監査人は、会計監査結果や内部監査結果について、適宜情報共有する等連携を深めていく予定であります。
以上の連携により、継続的に意見及び情報交換を行い情報共有することで、監査の有効性と効率性の向上に努めております。
当社の経営体制は、当社の事業に精通している取締役と独立した立場から職務を遂行できる社外取締役で構成される取締役会設置会社であり、また、独立した監査等委員である取締役で構成される監査等委員会設置会社であります。これらの体制は、適切で効率的な経営監視が機能していると判断できるため、採用しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
・内部統制システムの整備の状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、2018年9月18日開催の取締役会にて、「内部統制システムの整備に関する基本方針」を定める決議を行っており、現在その基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。その概要は以下のとおりであります。
a.当社グループの取締役及び使用人の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)当社グループを対象範囲としたコンプライアンス基本方針・行動規範他、取締役会規程をはじめ社内規程に基づき、法令・定款違反行為を抑止する。取締役が他の取締役の法令・定款違反を発見した場合は、直ちに監査等委員会及び取締役会に報告するなどガバナンス体制を強化する。
(b)法令違反やコンプライアンスなどに関する事実についての社内報告体制として、内部通報制度を設置し、運用規程に基づき運用を行う。
(c)社長直轄の内部監査室による内部監査を実施し、内部統制の有効性を確保する。
(d)コンプライアンスに関する研修体制を整備する。
(e)監査等委員会は、当社の法令遵守体制及び内部通報制度の運用に問題があると認めるときは、意見を述べるとともに、改善策を求めることができる。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社取締役の職務執行に係る情報については、社内規則に基づき保存・管理を行う。
c.当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a)当社は当社グループを対象範囲としたリスクマネジメント規程を制定し、リスク管理体制の基本事項を定める。また当社は社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、同様に子会社にも「リスクマネジメント委員会」等を設置しリスクに関する事項を審議する。
(b)重要リスクが顕在化した場合、速やかな初動対応をとるために事業継続計画書(BCP)及び各種マニュアルの整備を進める。
d.当社グループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)当社は、取締役会を月1回開催するほか、必要に応じ適宜臨時取締役会を開催し、取締役会規程に定める付議事項について決議する。
(b)子会社は、1ヶ月に1回以上の割合で適宜取締役会を開催し、取締役会規程に定める付議事項について決議する。
e.当社グループ及び親会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a)当社グループの取締役の職務執行の報告並びに当社グループ及び当社の親会社から成る企業集団における業務の適正性を確保するために、実質的な親会社であるノーリツ鋼機株式会社のグループ運営の基本方針を踏まえ、以下の体制を整備する。
(b)子会社を主管する部署を定め、子会社の自主性を尊重しつつ、事業の状況に関する定期的な報告を受けるとともに、重要事項については事前協議を行うなど、必要に応じて主管部署から指導、助言を行う。
(c)子会社管理規程及びその他のルールを定め、子会社は、各々の重要規程を定める。
f.監査等委員会がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
当社は、監査等委員会の意見を尊重して、当該使用人を選任し補助させる。補助使用人は、専任又は兼職とし、監査等委員会の意見を尊重し決定する。
g.監査等委員会の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項及び当社の監査等委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(a)監査等委員会の職務を補助する使用人の独立性を確保するために、人事関連事項(異動、評価等)については、監査等委員会の意見を徴しこれを尊重する。
(b)当該使用人は、監査等委員会の指揮命令に従うものとする。また、当該使用人が兼務の場合は、監査等委員会の指揮命令に優先的に従うものとし、会社は業務負担について配慮する。

h.当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
(a)当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者は、会社に著しい損害及び不利益を及ぼすおそれがある事実が発生した場合は、当社監査等委員会に速やかに報告する。
(b)当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者は、取締役の職務の執行に関して不正行為、法令・定款に違反する重大な事実が発生する可能性若しくは発生した場合は、その可能性及び事実を当社監査等委員会に速やかに報告する。
(c)当社監査等委員会は、必要に応じて当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人に対して報告を求めることができる。
(d)法令違反やコンプライアンスなどに関する事実についての社内報告体制として内部通報制度運用規程並びにコンプライアンス規程に基づき、監査等委員会への適切な報告体制を確保する。
(e)前(a)号及び(b)号の報告をした者は、当該報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことをルール化し、適切に運用する。
i.当社の監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、当社の監査等委員会の職務執行について生ずる費用の前払い又は償還の手続き等について、速やかに当該費用又は債務を処理する。
j.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(a)代表取締役と監査等委員会の定期的な会合(年4回程度)を継続し行う。
(b)監査対象・責任の明確化、監査スタッフの増強など監査機能の充実を図る。
(c)監査等委員会の要請に基づき、監査等委員が当社グループ各社の会議に出席する機会を確保する等、当社の監査等委員会の監査が実効的に行われるための体制を整備する。

・リスク管理体制の整備の状況
当社は、継続企業の前提として、経営の安定性、健全性の維持が非常に重要な課題であると認識しております。リスクの防止及び万一リスクが発生した場合に当社が被る損害を最小限にとどめることを目的に、リスクマネジメント規程を定めております。当規程について、社内に周知徹底を図るとともに、各部門との情報交換及び情報共有を行うことで、リスクの早期発見と未然防止に努めております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。
また、当社の内部監査部署である内部監査室が、リスク管理体制全般の適切性、有効性を検証しております。
・提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
「子会社管理規程」に基づき各子会社の経営状況の定期的な報告や重要案件について事前協議を行うなど、企業集団としてのグループ連携による事業最適化と業務の適正化に努めております。
また、子会社と適時にグループ会議を開催しリスク管理やコンプライアンスの徹底などについて情報を共有しております。
・責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)は、会社法第427条第1項及び当社定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する責任限定契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は法令が規定する額としております。当該責任限定が認められるのは、当該取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)がその責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
・取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
・取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する旨、また、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
・取締役会で決議できる株主総会決議事項
(剰余金の配当等)
当社は、剰余金の配当等を機動的に実施することを目的として、剰余金の配当等に関する会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることができることとする旨を定款で定めております。
(取締役の責任免除)
当社は、取締役(取締役であった者を含む。)が職務を遂行するにあたり、その能力を十分発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的として、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議により免除することができる旨を定款に定めております。
・株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。