有価証券届出書(新規公開時)

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2020/02/20 15:00
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
① コーポレート・ガバナンスの取組みに関する基本方針
当社は、「世界中の人々が安心安全に使えるサイバー空間を創造する」という経営理念のもと、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、その実現を効果的、効率的に図ることができるガバナンス体制を構築します。また、コンプライアンスの重要性をコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方として、株主の権利を重視し、また、社会的信頼に応え、持続的成長と発展を遂げていくことが重要であるとの認識に立ち、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
② 企業統治の体制
当社の業務の意思決定・執行及び監査についての体制は、下図のとおりであります。
当社は、会社法関連法令に基づき、強い法的権限を有する監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監査する体制が、経営の効率性と健全性を確保し有効であると判断し、監査役会設置会社制を採用しております。
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a 取締役会
当社の取締役会は、本書提出日現在、取締役4名(うち社外取締役1名)より構成されており、毎月の定時取締役会の他、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。取締役会では、経営上の意思決定機関として、取締役会規程に基づき重要事項を決議し、取締役の業務執行状況の監督、意思決定の公正化を図っております。
b 監査役会
会社法関連法令に基づく監査役会設置会社制を採用しております。監査役会は、監査役3名(うち社外監査役3名)より構成され、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。
監査役は、株主総会や取締役会への出席や、取締役・従業員・会計監査人からの報告収受など法律上の権利行使のほか、重要な会議への出席や重要書類の閲覧など実効性のあるモニタリングに取り組んでおります。
c 経営会議
経営会議の構成者は、常勤取締役及び部長以上の職位の者、常勤監査役、また、必要ある場合は、代表取締役の指名する者、とされております。経営会議は、毎月1回以上開催し、主に取締役会において決定した方針に基づく事業の具体的運営に関する事項の協議を行っております。
d 内部監査
当社は独立した内部監査室は設置しておりませんが、代表取締役の命を受けた内部監査人2名が、自己の属する部門を除く当社全体をカバーするよう業務監査を実施し、代表取締役に対して監査結果を報告しております。代表取締役は、監査結果の報告に基づき、被監査部門に対して改善を指示し、その結果を報告させることで内部統制の維持改善を図っております。また、内部監査人と監査役、会計監査人が監査を有効かつ効率的に進めるため、適宜情報交換を行っており、効率的な監査に努めております。
e リスクコンプライアンス委員会
当社は、リスク管理の基礎として定める「リスクコンプライアンス規程」に基づき、全社的なリスクを管理する「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメント活動を推進しております。リスクコンプライアンス委員会の構成者は、取締役・監査役・内部監査人としており、代表取締役を委員長とし、原則として四半期に1度開催しております。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、2017年11月14日開催の取締役会にて、「内部統制システム構築の基本方針」を定める決議を行っており、現在その基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。その概要は以下のとおりです。
1 当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制並びに当社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な体制
イ 当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合すること並びに当社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するため、「リスクコンプライアンス規程」等を定める。
ロ 当社の取締役は、当社及びその子会社に関し重大な法令違反、コンプライアンス違反その他重要な事実を発見した場合、速やかに取締役会に報告する。
ハ 当社の監査役は、「監査役監査規程」に基づき、取締役の職務執行について監査を行う。
ニ 当社は、法令、定款及び社内規則に違反する行為が行われ、又は行われようとしている場合の報告体制として「内部通報規程」を定め、社内通報窓口を設置する。当社及びその子会社は、当該通報を行った者に対して、解雇その他いかなる不利益な取り扱いも行わない。
2 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ 当社の取締役の職務執行に係る文書その他重要な情報については、法令、定款及び「文書保管管理規程」ほか社内規則に則り作成、保存、管理する。取締役及び監査役は、必要に応じてこれらの情報を閲覧することができるものとする。
ロ 当社は、「個人情報保護規程」、「機密情報管理規程」等の社内規則に基づき、情報の保存及び管理に関する体制を整備する。
3 当社及びその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ 当社は、リスク管理の基礎として定める「リスクコンプライアンス規程」に基づき、全社的なリスクを管理する「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、リスクマネジメント活動を推進する。
ロ 当社は、経営会議等において定期的に実施される業務執行状況の報告等を通じ、当社及びその子会社におけるリスクの状況を適時に把握、管理する。
ハ 当社の内部監査人は、「内部監査規程」に基づき、当社及びその子会社におけるリスク管理の実施状況について監査を行う。
4 当社及びその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ 当社は、取締役会を毎月1回以上開催し、重要事項の決定ならびに取締役及び執行役員の業務の執行状況について報告を行い、当社の取締役及び執行役員の職務の執行について監視・監督を行う。
ロ 当社は、取締役会の決定に基づく業務執行については、「業務分掌規程」「職務権限規程」において、それぞれの分担を明確にして、職務の執行が効率的に行われることを確保する。
ハ 当社は、職務の執行が効率的に行われることを補完するため、経営に関する重要事項について協議する経営会議を毎月1回以上開催する。
5 当社及びその子会社の従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ 当社の取締役会は、「取締役会規程」に基づき重要事項について決定するとともに、役員及び従業員に業務の執行状況を報告させ、法令、定款及び社内規則の遵守状況を把握する。
ロ 当社は、「リスクコンプライアンス規程」を、職務を遂行するにあたり遵守すべき行動基準とし、全ての役員及び従業員に対し周知徹底を図る。
ハ 当社は、「内部通報規程」に基づき社内通報窓口を設置し、不祥事の未然防止を図る。
ニ 当社の内部監査人は、社内規程に基づき内部監査を実施し、当社及びその子会社の従業員の職務における法令、定款及び社内規則の遵守状況並びにその他業務の遂行状況を検証する。
ホ 当社の監査役会は、当社及びその子会社の法令、定款及び社内規則等の遵守状況に問題があると認められた場合は、改善策を講ずるよう取締役会に要求する。
6 当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ 当社は、グループとしての統一的な事業戦略に基づく意思決定及び業務の適正を確保するため「関係会社管理規程」を定め、経営管理責任を明確化する。
ロ 当社は、「関係会社管理規程」に基づき、子会社の業務執行上重要な事項は当社の取締役会等の決定機関において事前承認を得たうえで執行する。また、子会社において業務執行上発生した重要な事実については、当社の関連部門に報告するものとする。
ハ 当社内部監査人は、当社が子会社を有する場合には、各子会社に対しても定期的な監査を行う。
7 当社の監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項及び当該従業員の取締役からの独立性に関する事項
イ 監査役が監査役補助者の登用を求めた場合、当社の従業員から監査役補助者を任命することができるものとする。
ロ 監査役補助者の任命、解任、人事異動、賃金等の改定については、監査役会の同意を得たうえで、取締役会で決定することとし、取締役からの独立性を確保する。
ハ 監査役補助者は業務の執行に係る役職を兼務しないものとする。
8 当社の取締役及び従業員が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制並びに子会社の取締役、監査役等及び従業員又はこれらの者から報告を受けたものが当社の監査役に報告をするための体制
イ 当社の取締役及び従業員並びにその子会社の取締役、監査役及び従業員等は、法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見したときには、当社の監査役に対して、当該事実に関する事項を速やかに報告しなければならない。また、当社の監査役から業務執行に関する事項の報告を求められた場合においても、速やかに報告を行わなければならない。
ロ 当社及びその子会社は、前項により当社の監査役に対して報告した者が当該報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことを確保するための体制を構築する。
9 その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ 当社の監査役は、当社及びその子会社の取締役会、経営会議その他経営に関する重要な会議に出席し、経営において重要な意思決定及び業務の執行状況を把握するとともに、意見を述べることができる。
ロ 当社の代表取締役は、当社の監査役と定期的に意見交換を行う。
ハ 当社の監査役は、内部監査部門の実施する内部監査に係る年次計画について事前に説明を受け、その修正等を求めることができる。また、内部監査の実施状況について適宜報告を受け、必要があると認めるときは、追加監査の実施、業務改善策の策定等を求めることができる。
ニ 当社の監査役は、会計監査人から必要に応じて会計の内容につき説明を受けるとともに意見交換を行い、効率的な監査のために連携を図る。
10 当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に関する方針に関する事項
当社は、当社の監査役の職務の執行に協力し監査の実効性を担保するために、監査費用のための予算を確保する。
11 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方・措置
イ 当社は、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力による被害を防止するため、「反社会的勢力排除宣言」を宣言する。
ロ 反社会的勢力に対しては、警察、暴力追放運動推進センター及び弁護士等の外部専門機関と連携して組織的な対応を図るものとし、平素より情報収集に努め、速やかに対処できる体制を整備する。
④ リスク管理体制及びコンプライアンス体制
当社は、リスク管理及びコンプライアンス体制を整備するために「リスクコンプライアンス規程」を定めています。リスクの発生可能性、発生状況及びコンプライアンス状況について、正確な把握に努めるとともに、必要に応じてリスクを未然に防ぐため対策を検討し、実行するため、代表取締役を委員長とした「リスクコンプライアンス委員会」を設置し、四半期に1度開催しております。なお、コンプライアンス体制の確立・強化のため弁護士と顧問契約を締結し、内容に応じてそれぞれ適宜アドバイスやチェックの依頼を行っております。
⑤ 内部監査及び監査役監査の状況
内部監査は、当社が定める「内部監査規程」に基づき、会社の健全な経営管理に寄与することを目的とし、当社の業務、会計、組織及び制度の適正を確かめ、不正、誤謬の防止を図るとともに、会社財産の保全、経営能率の向上及び業績の進展に関する助言を行っております。当社は独立した内部監査室は設けておりませんが、内部監査人として代表取締役の命を受けた内部監査人が、各部署に対して業務監査を実施しております。また、内部監査人が所属するチームについては、他部署に所属する内部監査人が業務監査を実施することで、相互牽制の体制を構築しております。なお、内部監査人は2名であります。
監査役監査につきましては、監査役監査計画にて定められた内容に基づき監査を行い、原則として月1回開催される監査役会にて情報共有を図っております。
監査役と内部監査人は、適宜に会合を持ち、相互補完体制として、年度活動方針の事前調整、月次報告会、合同監査など、効果的な監査の実施に努めております。また、監査役と会計監査人は、定期的に会合を持ち、会計監査及び業務監査結果を共有し、積極的な連携により、監査の品質向上及び効率化に努めております。さらに、内部監査人と会計監査人は、必要に応じて会合を持ち、主に財務報告に係る内部統制の評価に関する監査計画及び結果についてミーティングを実施しております。このような三者間の連携及び相互補完体制をもって、当社の健全な経営及び継続的な発展に不可欠な内部統制の整備・運用状況の有効性の検証及び評価を推進しております。
⑥ 会計監査の状況
当社は、三優監査法人との間で監査契約を締結しております。同監査法人及び同監査法人の業務執行社員と当社との間に特別の利害関係はありません。
当社の会計監査業務を執行した公認会計士は山本公太氏及び井上道明氏であり、三優監査法人に所属しております。また、監査業務にかかる補助者の構成は公認会計士7名その他1名であります。なお、継続監査年数が7年以内のため、年数の記載を省略しております。
⑦ 社外取締役と社外監査役の関係
当社は社外取締役1名及び社外監査役3名を選任しております。
社外取締役の伊倉吉宣は、弁護士として企業法務に精通し、その専門家としての豊富な経験、法律に関する幅広い知見から有益な助言・提言をいただけることを期待して、社外取締役として選任しております。なお、当社との間で人的・資本的関係及び取引関係その他の利害関係はありません。
社外監査役の安田英介は、公認会計士として財務及び会計に関する豊富な知識や経験を有していることから、社外監査役として選任しております。なお、当社との間で人的・資本的関係及び取引関係その他の利害関係はありません。
社外監査役の村田育生は、社外取締役・社外監査役として多くの会社役員の経験を有しており、幅広い知見から有益な助言・提言をいただけることを期待して、社外監査役として選任しております。なお、当社との間で人的・資本的関係及び重要な取引関係その他の利害関係はありません。
社外監査役の泉健太は、社外取締役・社外監査役として多くの会社役員の経験を有しており、幅広い知見から有益な助言・提言をいただけることを期待して、社外監査役として選任しております。なお、当社との間で人的・資本的関係及び取引関係その他の利害関係はありません。
当社は経営の意思決定機能と業務執行を管理監督する機能を持つ取締役会を構成する取締役1名を社外取締役とするほか、監査役3名のうち3名を社外監査役とする事で経営への監視機能を強化しております。
コーポレート・ガバナンスにおいて、外部からの客観的、中立の経営監視の機能が重要と考えており、外部からの経営監視機能が十分に機能する体制が整っているため、現状の体制としております。
なお、当社は、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針は定めておりませんが、選任にあたっては株式会社東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考にしております。
⑧ 役員報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(2018年12月期)
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる役員の員数(名)
基本報酬ストック・オプション賞与
取締役
(社外取締役を除く。)
29,32529,325--2
監査役
(社外監査役を除く。)
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社外取締役3,1503,150--1
社外監査役7,3507,350--3

ロ.提出会社の役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
ハ.従業員兼務役員の従業員給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
ニ.役員の報酬等の額の決定に関する方針
取締役の報酬額は、株主総会にて決定する報酬総額の限度内で、取締役会にて決定しております。監査役の報酬額は、株主総会にて決定する報酬総額の限度内で、監査役の協議により決定しております。
⑨ 株式の保有状況
イ.投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
該当事項はありません。
ロ.保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有目的
該当事項はありません。
ハ.保有目的が純投資目的である投資株式の前事業年度及び当事業年度における貸借対照表計上額の合計額並びに当事業年度における受取配当金、売却損益及び評価損益の合計額
該当事項はありません。
⑩ 取締役の定数
当社の取締役は、10名以内とする旨を定款に定めております。
⑪ 取締役の選任及び解任決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数を持って行う旨、解任決議は議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑫ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和する事により、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
⑬ 責任限定契約の内容と概要
当社は、定款に取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役の責任限定契約に関する規定を設けており、当該定款及び会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を、社外取締役及び社外監査役と締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。
⑭ 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年6月末日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能とするためであります。
⑮ 自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。