有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/03 15:00
【資料】
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【項目】
155項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下の通りであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) グループの経営全般についてのリスク
① 許認可及び法的規制について
当社グループのマニュファクチャリングサポート事業及びコンストラクションサポート事業は、主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業にて構成されております。製造請負事業については、管轄省庁の許認可を必要としておらず、製造派遣との区分が明記された「厚生労働省告示第518号(旧労働省告知第37号)」に則り、事業を運営しております。製造派遣事業及び技術者派遣事業は、労働者派遣法に準拠して厚生労働大臣からの「労働者派遣事業許可」を受けて事業を運営しております。当該許可は5年ごとの更新を行っております。
当社グループはコンプライアンスの徹底を図っており、関係法令の教育、周知に努めているため、本書提出日現在で当社グループが認識している限り、これら許認可等の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、万が一法令違反等が発生し、許可欠格事由に該当した場合、付された許可条件に違反した場合、労働者派遣法若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反した場合(労働者派遣法第14条)には、監督官庁による許認可の取消し等の処罰により、当社グループの事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの許可・届出状況
会社名許認可等の名称所管官庁等許認可等の番号取得年月有効期限
株式会社ウイルテック労働者派遣事業許可厚生労働省派 27-1800272003年8月2021年7月31日
株式会社ワット・コンサルティング労働者派遣事業許可厚生労働省派 13-3045932009年11月2022年10月31日

② 個人情報の取り扱いについて
当社グループは、多数の従業員や求職者の個人情報を保有しております。これらの個人情報を適切に管理するため、個人情報の保護に関する法律を遵守するとともに、個人情報管理基本規程等に則り、社内体制を整備しておりますが、万が一個人情報の漏洩が発生した場合には、損害賠償等の法的責任を追及される可能性があり、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引先情報の取り扱いについて
当社グループは、取引先企業の顧客情報を保有しております。また当社グループの従業員は、取引先企業の生産計画や製品の製造に関する機密情報に接する場合があります。これらの取引先情報が第三者に漏洩しないように、情報セキュリティ管理規程等に則り、従業員に適切な教育を施し、社内管理体制を整備しております。
しかし、万が一これらの情報が第三者に漏洩した場合には、取引先企業からの損害賠償等の法的責任を追及され、また社会的な信用が著しく低下する恐れがあり、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 為替変動について
当社グループはベトナムとミャンマーに海外連結子会社を有しております。為替相場の変動は、連結決算における海外連結子会社財務諸表の円貨換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 労働者派遣法等の改正について
平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法については、キャリア形成支援や教育訓練が義務付けられるとともに、雇用安定措置が明記されました。雇用の安定と、派遣事業の健全な発展へ向けての法改正と認識しており、無期雇用の派遣社員は期間制限なしでの雇用が可能となったことから、当社グループにとって事業機会が拡大するものと考えております。しかしながら、競争激化等により、当社グループの想定通りに需要が拡大せず、事業が進まない可能性があります。
⑥ 情報セキュリティについて
当社グループの顧客情報や個人情報は主にファイルサーバーに保管されておりますが、アクセス権限の適切な設定により閲覧者を制限することで、セキュリティを確保しております。各種個人情報、顧客情報については、一定のセキュリティ基準を満たした上で、アクセス可能な担当者に制限を設けることで対応しておりますが、万が一これらの情報が漏洩し、流出した場合は当社グループの事業及び業績に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ カントリーリスクについて
当社グループはベトナム、ミャンマーに在外連結子会社を有していることから海外各国の独自のビジネス環境を前提として事業を展開しております。海外でのビジネスには、各国の政治、経済の諸条件の変更、各種法制度の見直し等、ビジネスに大きな変動が生じる恐れがあります。当社グループは、こうした事業遂行上の環境変化に対して各国の行政窓口、取引先、各種専門家等から常に最新の情報を収集するよう努めておりますが、予期できない政治、経済の変化や自然災害、紛争の勃発などが生じた場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 同一労働同一賃金の導入について
当社グループは労働者派遣事業を営んでおりますが、「働き方改革実行計画」に基づくパートタイム・有期雇用労働法、労働契約法及び労働者派遣法の改正に伴い、同一労働同一賃金が導入、適用されることとなります。同一労働同一賃金は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものであるため、当社グループにおいては、支払給与の増額や退職金の積み立て等が見込まれ、費用の増額が見込まれております。増額する費用は人件費であるため、当社グループとしては増額する費用に見合った収益の増額を顧客先企業に対して求めてまいりますが、その増額が計画通りに進行しない場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 人材についてのリスク
① 人材投資について
当社グループは、長期的な成長を目指して経営をしており、そのための新規事業開拓に注力しております。新規事業を推進するための人材投資を先行して強化しており、短期的な財務成果より投資を優先することがあります。採用人材の多様性、育成機会を担保する等、人材投資の効果向上を図っておりますが、人材の確保や能力開発が計画通りに進まない等の場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 無期雇用社員について
当社グループは、法令を遵守し派遣社員の無期雇用社員化を促進しております。顧客との派遣契約や請負契約が終了した場合、無期雇用社員には職場異動等により働く場所を確保します。しかしながら、就業場所の確保ができない場合には、無期雇用社員の雇用維持費用が発生し、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 社員の定着について
当社グループは、製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業など主として人材サービスを展開しており、事業の発展のためには、当社グループへの人材の採用と定着が重要な位置を占めております。当社グループでは、Web面接を導入する等採用力向上の取組みを行い、また自社の研修センターを設け、研修を強化することで定着率の向上を図っております。しかし、労働市場の状況によっては、当社グループが必要とする人材を当社グループが計画通りに採用または定着が進まず、十分な人材を確保できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 事業についてのリスク
① 取引先業種の景況による影響について
当社グループの取引先企業は、電子部品、電気機器、情報通信機器関連のメーカーが中心であり、連結売上高の約62%を占めております。当社グループは当該分野で製造請負・製造派遣のノウハウを培ってまいりましたが、現状では特定業種に売上が偏った状態となっております。取引先企業の増産減産といった生産変動に対応することで取引先企業のコスト構造をより変動費化する役割を担っているため、電子部品、電気機器、情報通信機器関連分野の景気の影響を受けやすく、これらの顧客業種の市況が悪化した場合には当社グループの売上が急激に変動する等、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 製造拠点の海外移転について
取引先企業であるメーカーが製造拠点を海外に移転し、国内における製造拠点が減少、あるいは生産量が減少した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 業界の競争激化について
当社グループが属する製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業は、多数の競合が存在し、またM&Aも積極的に行われる業界であります。そのため、営業面においても経営面においても事業規模の拡大を目指し、競争が激化することが予想されます。当社グループも、既存顧客のシェア拡大、新規顧客の開拓、事業計画に応じたM&Aを展開してまいります。しかしながら、競争の影響を受け、事業が想定通りに進まず、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 製造請負の請負事業者責任について
当社グループが営む製造請負事業は、取引先企業の工場構内の設備等を賃借し、事業所を設け、製品を製造する事業であります。そのため、賃借した設備の管理や製品の生産管理、在庫管理に責任を負うことになります。当社グループは製造請負事業改善推進協議会から「製造請負優良適正事業者」の認定を受ける等製造請負事業の適正運営に努めておりますが、製造請負事業における取引先企業の設備の破損、不良品の発生等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 製造物責任(PL)について
当社グループの製品には、製造物責任法(PL法)に基づくリスクが内在しております。製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 労働災害等について
当社グループが営む製造請負、製造派遣、EMSでは、取引先企業の工場構内あるいは自社工場において当社グループの従業員が従事しております。製造派遣は法律上、人材を取引先企業に派遣し、派遣された労働者は派遣先の指揮命令等に従うこととなり、労務管理が派遣先に委ねられます。一方、製造請負は法律上、請負事業者の指揮命令等に従いますので、労働者の労務管理は請負事業者である当社グループがその責任を負うこととなります。このように製造派遣と製造請負では労務管理の責任主体が異なり、当社グループは製造請負と自社工場にて営むEMSにおいて責任を負うこととなります。
労働災害に関しては、基本的に労働保険の適用範囲内で解決されるものと考えておりますが、当社グループの瑕疵が原因で発生した労働災害において、当社グループが労働保険の適用を超えて補償を要求される等、訴訟問題に発展した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害について
当社グループの従業員が就業している場所は主として工場であり日本各地に点在しておりますが、その地域において大規模な自然災害が発生した場合、工場の被災、就業維持困難、物流の停止等による工場稼働停止が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 疾病について
当社の連結子会社である㈱宮崎ウイルファームは、子牛の繁殖と販売を行う畜産業を営んでおります。口蹄疫など家畜の疾病が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。