有価証券報告書-第14期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は前事業年度末より611,482千円減少し、2,048,524千円となりました。これは、売掛金が55,053千円、原材料及び貯蔵品が93,881千円増加した一方で、研究開発等に関する支出により現金及び預金が755,753千円、無形固定資産が10,436千円、投資その他の資産が11,189千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当事業年度末における負債は前事業年度末より152,168千円減少し、1,817,805千円となりました。これは、買掛金が38,014千円、退職給付引当金が8,860千円増加した一方で、長期借入金が160,008千円、未払費用が26,847千円、長期未払金が12,636千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末より459,314千円減少し、230,718千円となりました。これは、第三者割当増資による新株式発行により、資本金及び資本剰余金それぞれが99,964千円増加した一方で、当期純損失659,244千円を計上したことが主な要因であります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府による追加的な経済政策により、一時的に景気が持ち直したものの、再び新型コロナウイルス感染症が全国的な規模で再拡大し、2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、依然として同感染症の収束が見通せず先行き不透明な状況で推移しました。また、国内の医薬品事業につきましては、伸び続ける医療費が過大とならないよう、医療費抑制政策が推進されており、より一層厳しい環境下で推移しました。
一方、海外においては、同感染症のワクチン接種が進み、さらに米国や中国等の一部の地域では、政府による経済政策が功を奏し、景気が緩やかに回復基調となるものの、欧州では再びロックダウン(都市封鎖)が実施され経済活動が制限されるなど、景気はより一層不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社は、2020年5月にホウ素中性子捕捉療法(以下「BNCT※1」という。)におけるホウ素薬剤「ステボロニン®点滴静注バッグ 9000 mg/300 mL」(一般名:ボロファラン(10B)、開発品名:SPM-011、以下「ステボロニン®」という。)」の薬価収載を受けて、販売を開始いたしました。また、2021年3月には東京証券取引所マザーズへの上場承認を取得するに至りました。
結果、当事業年度の売上高は205,968千円(前事業年度は売上高の計上はありません。)、また予算管理の徹底によるコスト削減に取り組んだ結果、営業損失は680,567千円(前事業年度は営業損失951,414千円)、経常損失は656,392千円(前事業年度は経常損失959,351千円)、当期純損失は659,244千円(前事業年度は当期純損失962,238千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
<創薬パイプラインの状況>(ⅰ)SPM-011[対象疾患:再発悪性神経膠腫]
日本国内において、2015年12月に治験届を提出し、2017年4月には厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。
その後、2020年7月に治験終了届を提出いたしました。独立行政法人医薬品医療機器総合機構と一部変更申請に向けた協議を行っており、追加の臨床試験の実施の可能性も視野に入れながら早期の一部変更申請に向けて準備を進めております。
(ⅱ)SPM-011[対象疾患:再発高悪性度髄膜腫]
大阪医科薬科大学附属病院において、医師主導治験として第Ⅱ相臨床試験を実施しており、本試験で使用される治験薬は当社が提供しております。
(ⅲ)SPM-011[対象疾患:悪性黒色腫及び血管肉腫]
日本国内において、2019年9月に治験届を提出し、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。なお、本試験は株式会社CICSが開発した加速器中性子捕捉療法装置「CICS-1」を用い、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において実施しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、837,952千円(前事業年度末は1,966,030千円)となり、前事業年度末に比べ1,128,077千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は772,811千円(前事業年度は913,583千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失656,392千円を計上、たな卸資産が87,320千円増加、売上債権が55,053千円増加、その他の負債が35,719千円減少した一方で、仕入債務が38,014千円増加、減価償却費を31,449千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は22,864千円(前事業年度は1,557,990千円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出20,764千円、無形固定資産の取得による支出1,680千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は332,402千円(前事業年度は68,579千円の支出)となりました。これは株式の発行による収入199,929千円があった一方で、引出制限付預金の純増加372,324千円と長期借入金の返済による支出160,008千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は市場動向の予測に基づく見込み生産を行なっており、受注生産は行なっておりません。
c.販売実績
当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当事業年度の販売実績は以下のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を会計上の見積りに反映するにあっての仮定については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金は、金融機関からの借入であります。当事業年度末における現金及び現金同等物は837,952千円であり、充分な流動性を確保しております。当社は、研究開発投資が資金需要の大部分を占めており、今後も継続して研究開発投資を実施する方針であります。必要な資金につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入によるデットファイナンス等により、資金調達を行う方針であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社の経営上の目標は、BNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益の獲得及びそれに伴う事業基盤の確立であります。そこでBNCTの実施症例数の伸長に基づく月次売上高(ステボロニン®の受注数量)を上記目標の達成状況を判断するための主要な経営指標としております。
2020年5月にステボロニン®の販売を開始したことに伴い、当事業年度の月次売上高の推移は次のとおりとなっております。
今後もBNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益獲得が実現できるよう経営資源を重点的に配分してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は前事業年度末より611,482千円減少し、2,048,524千円となりました。これは、売掛金が55,053千円、原材料及び貯蔵品が93,881千円増加した一方で、研究開発等に関する支出により現金及び預金が755,753千円、無形固定資産が10,436千円、投資その他の資産が11,189千円減少したことが主な要因であります。
(負債)
当事業年度末における負債は前事業年度末より152,168千円減少し、1,817,805千円となりました。これは、買掛金が38,014千円、退職給付引当金が8,860千円増加した一方で、長期借入金が160,008千円、未払費用が26,847千円、長期未払金が12,636千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末より459,314千円減少し、230,718千円となりました。これは、第三者割当増資による新株式発行により、資本金及び資本剰余金それぞれが99,964千円増加した一方で、当期純損失659,244千円を計上したことが主な要因であります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府による追加的な経済政策により、一時的に景気が持ち直したものの、再び新型コロナウイルス感染症が全国的な規模で再拡大し、2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、依然として同感染症の収束が見通せず先行き不透明な状況で推移しました。また、国内の医薬品事業につきましては、伸び続ける医療費が過大とならないよう、医療費抑制政策が推進されており、より一層厳しい環境下で推移しました。
一方、海外においては、同感染症のワクチン接種が進み、さらに米国や中国等の一部の地域では、政府による経済政策が功を奏し、景気が緩やかに回復基調となるものの、欧州では再びロックダウン(都市封鎖)が実施され経済活動が制限されるなど、景気はより一層不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社は、2020年5月にホウ素中性子捕捉療法(以下「BNCT※1」という。)におけるホウ素薬剤「ステボロニン®点滴静注バッグ 9000 mg/300 mL」(一般名:ボロファラン(10B)、開発品名:SPM-011、以下「ステボロニン®」という。)」の薬価収載を受けて、販売を開始いたしました。また、2021年3月には東京証券取引所マザーズへの上場承認を取得するに至りました。
結果、当事業年度の売上高は205,968千円(前事業年度は売上高の計上はありません。)、また予算管理の徹底によるコスト削減に取り組んだ結果、営業損失は680,567千円(前事業年度は営業損失951,414千円)、経常損失は656,392千円(前事業年度は経常損失959,351千円)、当期純損失は659,244千円(前事業年度は当期純損失962,238千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
<創薬パイプラインの状況>(ⅰ)SPM-011[対象疾患:再発悪性神経膠腫]
日本国内において、2015年12月に治験届を提出し、2017年4月には厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されました。
その後、2020年7月に治験終了届を提出いたしました。独立行政法人医薬品医療機器総合機構と一部変更申請に向けた協議を行っており、追加の臨床試験の実施の可能性も視野に入れながら早期の一部変更申請に向けて準備を進めております。
(ⅱ)SPM-011[対象疾患:再発高悪性度髄膜腫]
大阪医科薬科大学附属病院において、医師主導治験として第Ⅱ相臨床試験を実施しており、本試験で使用される治験薬は当社が提供しております。
(ⅲ)SPM-011[対象疾患:悪性黒色腫及び血管肉腫]
日本国内において、2019年9月に治験届を提出し、第Ⅰ相臨床試験を実施しております。なお、本試験は株式会社CICSが開発した加速器中性子捕捉療法装置「CICS-1」を用い、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において実施しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、837,952千円(前事業年度末は1,966,030千円)となり、前事業年度末に比べ1,128,077千円減少いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は772,811千円(前事業年度は913,583千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失656,392千円を計上、たな卸資産が87,320千円増加、売上債権が55,053千円増加、その他の負債が35,719千円減少した一方で、仕入債務が38,014千円増加、減価償却費を31,449千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は22,864千円(前事業年度は1,557,990千円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出20,764千円、無形固定資産の取得による支出1,680千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は332,402千円(前事業年度は68,579千円の支出)となりました。これは株式の発行による収入199,929千円があった一方で、引出制限付預金の純増加372,324千円と長期借入金の返済による支出160,008千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
| 事業部門の名称 | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 医薬品事業 | 683,352 | - |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は市場動向の予測に基づく見込み生産を行なっており、受注生産は行なっておりません。
c.販売実績
当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当事業年度の販売実績は以下のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 医薬品事業 | 205,968 | - |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社エス・ディ・コラボ | - | - | 205,968 | 100.0 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を会計上の見積りに反映するにあっての仮定については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金は、金融機関からの借入であります。当事業年度末における現金及び現金同等物は837,952千円であり、充分な流動性を確保しております。当社は、研究開発投資が資金需要の大部分を占めており、今後も継続して研究開発投資を実施する方針であります。必要な資金につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入によるデットファイナンス等により、資金調達を行う方針であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社の経営上の目標は、BNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益の獲得及びそれに伴う事業基盤の確立であります。そこでBNCTの実施症例数の伸長に基づく月次売上高(ステボロニン®の受注数量)を上記目標の達成状況を判断するための主要な経営指標としております。
2020年5月にステボロニン®の販売を開始したことに伴い、当事業年度の月次売上高の推移は次のとおりとなっております。
| (単位:千円) | |||||||
| 売上高 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 年間累計 |
| ― | 107,796 | 1,924 | ― | ― | 38,498 | 205,968 | |
| 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | ||
| 7,699 | ― | ― | ― | 48,123 | 1,924 | ||
今後もBNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益獲得が実現できるよう経営資源を重点的に配分してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。