有価証券報告書-第18期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 14:05
【資料】
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【項目】
115項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は5,243,479千円となり、前事業年度末に比べ1,614,187千円増加いたしました。これは、現金及び預金が1,153,767千円、売掛金が638,438千円、仕掛品が95,833千円、製品が18,694千円増加した一方で、有価証券が300,943千円減少したことが主な要因であります。
固定資産は173,625千円となり、前事業年度末に比べ17,705千円減少いたしました。これは、有形固定資産が15,006千円、無形固定資産が3,287千円減少したことが主な要因であります。
この結果、総資産は、5,417,104千円となり、前事業年度末に比べ1,596,482千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は390,444千円となり、前事業年度末に比べ65,155千円減少いたしました。これは、未払法人税等が4,222千円が増加した一方で、買掛金が52,976千円、未払金が18,899千円減少したことが主な要因であります。
固定負債は1,819,175千円となり、前事業年度末に比べ831,164千円増加いたしました。これは、預り保証金が1,000,000千円増加した一方で、長期借入金が165,152千円、長期未払金が12,636千円減少したことが要因であります。
この結果、負債合計は、2,209,619千円となり、前事業年度末に比べ766,009千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,207,485千円となり、前事業年度末に比べ830,473千円増加いたしました。これは、新株予約権の行使による新株の発行により資本金と資本準備金がそれぞれ476,549千円、当社従業員を割当先とする譲渡制限付株式制度の導入による新株の発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ12,586千円増加した一方で、当期純損失140,811千円を計上したことが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は59.2%(前事業年度末は62.0%)となりました。
② 経営成績の状況
当事業年度における国内の医薬品業界は高齢化の進展による医療費の抑制、後発医薬品の普及や薬価制度の改定による薬価引き下げ等により、厳しい事業環境の中で推移いたしました。
このような事業環境のもと、当社は「中期経営計画2027」を当事業年度からスタートしましたが、初年度にあたる当事業年度において、売上高、営業利益は目標値を上回ることができました。あわせて、将来のBNCTの業容拡大を見据え、短期的な視点のみならず中長期的な視点で取り組みを進めました。
まず、開発パイプラインについて、血管肉腫は、第Ⅱ相臨床試験の主要評価に関する90日間の観察期間が完了いたしました。また、再発悪性神経膠腫ならびに再発髄膜腫を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けました。次に、胸部悪性腫瘍については、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の治験計画届をPMDAに提出いたしました。この治験を進めるにあたり、国立研究開発法人国立がん研究センター、住友重機械工業㈱ならびに㈱CICSと胸部固形悪性腫瘍患者に対する第Ⅰ/Ⅱ相バスケット試験に係る契約の締結を行っております。
加えて、BNCTの更なる進化のため、より深い部分にある腫瘍への適応を目指して、学校法人藤田学園、Atransen Pharma㈱、住友重機械工業㈱、㈱フジタとBNCTによる深部腫瘍治療の研究開発を推進するための覚書を締結いたしました。
海外展開の活動として、米国バイオテクノロジー企業であるTAE LIFE SCIENCES US, LLCと欧米における臨床試験の実施を含めた共同開発および商業化の基本合意の契約を締結いたしました。開発地域については欧米を最初の対象とし両社合意のもと、順次対象国を広げていくこととし、対象疾患についても頭頸部癌に続いて日本で治療を実施している疾患なども視野に入れ、今後両社で協議のうえでBNCTの事業拡大を目指してまいります。
そして、当事業年度における短期的な事業活動としては、中国・海南島医療特区へのBNCT用ホウ素医薬品「ステボロニン®」の初回出荷を行い、第4四半期だけでみますと初の黒字化を達成し、経営成績に大きく貢献いたしました。
財政面においては2022年12月に発行した「第三者割当による第4回新株予約権」が2024年7月をもって全ての権利行使が完了いたしました。しかしながら、当初予定していた資金調達額に至らなかったことから、㈱三井住友銀行をアレンジャー兼エージェントとして、金融機関3行が参加するシンジケートローン契約を締結いたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績としては、売上高は海外向売上高の計上により、961,058千円(前事業年度比256.6%増)と大幅な増収となりました。利益面では増収要因に加えて、海外展開の本格的な活動が翌事業年度に持ち越しになったことなどにより、研究開発費をはじめとした販管費の減少もあり、営業損失は90,246千円(前事業年度の営業損失は760,300千円)となりました。経常損失は、シンジケートローン契約の締結により、アレンジメントフィー45,000千円が発生したこともあり、137,869千円(前事業年度の経常損失は760,208千円)、当期純損失は140,811千円(前事業年度の当期純損失は763,749千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,161,471千円(前事業年度末は
2,012,233千円)となり、前事業年度末に比べ1,149,238千円増加いたしました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は140,408千円(前年同期は876,837千円の支出)となりました。これは主に、アレンジメントフィーの計上45,000千円、減価償却費の計上34,723千円、預り保証金が1,000,000千円増加した一方で、税引前当期純損失137,869千円を計上、売上債権が638,438千円増加、棚卸資産が114,472千円増加、仕入債務が52,976千円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は287,576千円(前年同期は9,010千円の支出)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入300,000千円となった一方で、有形固定資産の取得による支出3,913千円、無形固定資産の取得による支出8,500千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は721,253千円(前年同期は228,353千円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入730,500千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入941,828千円があった一方で、長期借入金の返済による支出946,520千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社は、医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
a.生産実績
事業部門の名称当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
医薬品事業1,080,184218.3

(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
事業部門の名称当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比(%)受注残高
(千円)
前年同期比(%)
医薬品事業629,969---

(注)当社は、前事業年度までは市場動向の予測に基づく見込み生産による国内販売のみを行っておりましたが、
当事業年度より受注生産による海外販売を開始しております。
c.販売実績
事業部門の名称当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
医薬品事業961,058356.6

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前事業年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社エス・ディ・コラボ269,491100.0331,08934.5
PENGBO(HAINAN)MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.--629,96965.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金は、新株式の発行と金融機関からの借入であります。当事業年度末における現金及び現金同等物は3,161,471千円であり、充分な流動性を確保しております。当社は、研究開発投資が資金需要の大部分を占めており、今後も継続して研究開発投資を実施する方針であります。必要な資金につきましては、自己資金のほか、新株式の発行や金融機関からの借入等により、資金調達を行う方針であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社の経営上の目標は、BNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益の獲得及びそれに伴う事業基盤の確立であります。そこでBNCTの実施症例数の伸長に基づく月次売上高(ステボロニン®の受注数量)を上記目標の達成状況を判断するための主要な経営指標としております。
当事業年度の月次売上高の推移は次のとおりとなっております。
(単位:千円)
売上高4月5月6月7月8月9月年間累計
23,09915,39923,09946,19823,09938,498961,058
10月11月12月1月2月3月
15,399-69,297-38,498668,467

今後もBNCTの認知度の向上と上市後の安定的な収益獲得が実現できるよう経営資源を重点的に配分してまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

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