有価証券報告書-第9期(2023/03/01-2024/02/29)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,697,743千円となり、前事業年度末に比べ481,418千円減少しました。これは主に、現金及び預金が217,659千円、のれん償却額によりのれんが259,810千円減少したことによります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、1,954,523千円となり、前事業年度末に比べ389,699千円減少しました。これは主に、長期借入金が200,000千円、長期前受金が103,899千円減少したことによります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、3,743,219千円となり、前事業年度末に比べ91,719千円減少しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が88,924千円増加し、配当金により利益剰余金が182,863千円減少したことによります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、7,649,933千円となり、前事業年度末に比べ176,256千円減少しました。これは主に、有形固定資産が68,761千円、無形資産が47,607千円増加し、現金及び現金同等物が217,659千円、棚卸資産が70,920千円減少したことによります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、2,101,770千円となり、前事業年度末に比べ345,447千円減少しました。これは主に、流動負債の引当金が44,260千円、非流動負債の借入金が200,000千円及びその他の非流動負債が118,072千円減少したことによります。
(資本)
当事業年度末における資本合計は、5,548,163千円となり、前事業年度末に比べ169,190千円増加しました。これは主に、当期利益の計上により利益剰余金が347,604千円増加し、配当金182,863千円により利益剰余金が減少したことによります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の懸念材料も多く、景気を下押しするリスクが存在しています。
当社を取り巻くセキュリティサービス市場の環境としては、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、近年ではランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。2023年3月には「Emotet(エモテット)」の活動再開が確認され、国民の誰もがサイバー攻撃の懸念に直面しております。
このような環境下、当社は主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて当事業年度より人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウェア開発等の事業投資を行ってまいりました。
そして、当事業年度においては、ネットワーク機器、Wi-Fiアクセスポイントのファームウェアのアップデートやネットワークトラブルの早期発見を行い、オフィスLAN環境を健全に維持する運用アウトソーシングサービスを開始しました。また、自社のセキュリティ環境の脆弱性を診断する「脆弱性診断サービス」の提供を行い、企業のニーズに対応したサービスラインナップを拡充しました。
このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.70%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。一方で、ワンショットの収益モデルであるインテグレーションサービスにおいては、統合セキュリティ機器(UTM)の販売低迷により、前年を下回りました。
費用については、中期経営計画の初年度として、積極的な投資(人材採用、サービス開発等)を行ったことから拡大しましたが、売上原価については引当金の戻し入れ等により前年より減少しました。
以上の結果、日本基準に準拠した当事業年度の業績は、売上高2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益257,571千円(同19.6%減)、経常利益246,848千円(同10.6%減)、当期純利益88,924千円(同19.4%減)となりました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の業績は、売上収益2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益520,791千円(同10.4%減)、税引前利益509,156千円(同6.1%減)、当期利益347,604千円(同9.3%減)となりました。
なお、当社は、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12)
③キャッシュ・フローの状況
日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、336,792千円(前年同期は424,521千円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益の計上246,848千円、減価償却費109,078千円、のれん償却額259,810千円、主な減少は、契約損失引当金の減少額44,260千円、法人税等の支払額188,382千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前年同期は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形固定資産の取得による支出107,719千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、380,544千円(前年同期は364,267千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、414,903千円(前事業年度は522,291千円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益509,156千円、減価償却費及び償却費185,257千円及び棚卸資産の減少額70,920千円、主な減少は、引当金の減少額44,260千円、その他の非流動負債の減少額118,072千円、法人所得税の支払額181,763千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前事業年度は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形資産の取得による支出107,719千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、458,654千円(前事業年度は266,496千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で提供するサービスは、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、サービス毎に記載しております。
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。
財務諸表の作成に当たっては、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「(2)国際会計基準による財務諸表 財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
(売上高、売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上高は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上高が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上高が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上高が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上高が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上高が82,951千円減少しました。
当事業年度の売上原価は1,196,345千円となり、前事業年度に比べ67,282千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,643千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。
この結果、売上総利益は1,444,078千円となり、前事業年度に比べ73,328千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,186,506千円となり、前事業年度に比べ136,089千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を
採用)に係る人件費63,432千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、257,571千円となり、前事業年度に比べ62,760千円減少しました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、178千円となり、前事業年度に比べて1,354千円減少し、営業外費用は、10,901千円となり、前事業年度に比べ34,901千円減少しました。
この結果、当事業年度の経常利益は、246,848千円となり、前事業年度に比べ29,213千円減少しました。
(法人税等合計額、当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は157,924千円となり、前事業年度に比べ7,824千円減少しました。
この結果、当事業年度の当期純利益は、88,924千円となり、前事業年度に比べ21,389千円減少しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績の分析は以下のとおりであります。
(売上収益、売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上収益は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上収益が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上収益が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上収益が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上収益が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上収益が82,951千円減少しました。
当事業年度の売上原価は1,176,785千円となり、前事業年度に比べ66,758千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,685千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。
この結果、売上総利益は1,463,638千円となり、前事業年度に比べ72,804千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、943,015千円となり前事業年度に比べ132,093千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を
採用)に係る人件費63,722千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、520,791千円となり前事業年度に比べ60,507千円減少しました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
当事業年度の金融収益は8千円となり、前事業年度に比べて2千円増加しました。金融費用は11,643千円となり前事業年度に比べ27,267千円減少しました。
この結果、当事業年度の税引前利益は、509,156千円となり前事業年度に比べ33,237千円減少しました。
(法人所得税費用、当期利益)
当事業年度の法人所得税費用は161,552千円となり、課税所得の減少等により前事業年度に比べ2,474千円減少しました。
この結果、当事業年度の当期利益は、347,604千円となり前事業年度に比べ35,712千円減少しました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、ソフトウエア開発によるものであります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより、大部分の運転資金の確保や設備投資の支払いが可能となっております。
なお、第9期事業年度末における日本基準に準拠した有利子負債の残高は1,300,000千円(IFRSに準拠した借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,402,658千円)となっております。また、第9期事業年度末における現金及び現金同等物の残高は822,301千円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、①景気の動向によるインターネットセキュリティサービスに対する顧客ニーズの変化やクラウド環境への移行等の技術環境の変化に対応できないリスク、②人材の採用と育成が思ったように進まず成長を阻害するリスク、③意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生したり、法令違反によるレピュテーション低下のリスク等の情報管理体制及びコンプライアンス体制に起因するリスク等が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
⑤経営者の問題認識と今後の課題について
経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社が今後、業容を拡大し、持続的な成長を続けていくためには、a.人材の育成・確保、b.経営体制の強化、c.新技術、社会変化に対応したサービス開発に対処していくことが必要であると考えております。
⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、IFRSに基づく、売上収益及び営業利益を重要指標としております。当事業年度は、上記「②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b. 経営成績の分析」に記載のとおり、売上収益は前期比増収を確保したものの計画未達となり、販売費及び一般管理費は中期経営計画に基づく増員計画により採用コストや人件費は前期比で増加となりましたが、期初計画の採用コストの低減及び入社時期のずれにより人件費は期初計画より減少となったことで営業利益は計画過達となりました。今後の持続的な収益及び営業利益を確保していくためには、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 c.新技術、社会変化に対応したサービス開発」に記載のとおり、市場の変化に対応したサービスを提供することにより、リカーリングレベニューモデルによる収益を拡大していくことが必要であると認識しております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
日本基準に準拠した当事業年度における財政状態の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、5,697,743千円となり、前事業年度末に比べ481,418千円減少しました。これは主に、現金及び預金が217,659千円、のれん償却額によりのれんが259,810千円減少したことによります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、1,954,523千円となり、前事業年度末に比べ389,699千円減少しました。これは主に、長期借入金が200,000千円、長期前受金が103,899千円減少したことによります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、3,743,219千円となり、前事業年度末に比べ91,719千円減少しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が88,924千円増加し、配当金により利益剰余金が182,863千円減少したことによります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度末における財政状態の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、7,649,933千円となり、前事業年度末に比べ176,256千円減少しました。これは主に、有形固定資産が68,761千円、無形資産が47,607千円増加し、現金及び現金同等物が217,659千円、棚卸資産が70,920千円減少したことによります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、2,101,770千円となり、前事業年度末に比べ345,447千円減少しました。これは主に、流動負債の引当金が44,260千円、非流動負債の借入金が200,000千円及びその他の非流動負債が118,072千円減少したことによります。
(資本)
当事業年度末における資本合計は、5,548,163千円となり、前事業年度末に比べ169,190千円増加しました。これは主に、当期利益の計上により利益剰余金が347,604千円増加し、配当金182,863千円により利益剰余金が減少したことによります。
②経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されています。一方で、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の懸念材料も多く、景気を下押しするリスクが存在しています。
当社を取り巻くセキュリティサービス市場の環境としては、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、近年ではランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。2023年3月には「Emotet(エモテット)」の活動再開が確認され、国民の誰もがサイバー攻撃の懸念に直面しております。
このような環境下、当社は主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて当事業年度より人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウェア開発等の事業投資を行ってまいりました。
そして、当事業年度においては、ネットワーク機器、Wi-Fiアクセスポイントのファームウェアのアップデートやネットワークトラブルの早期発見を行い、オフィスLAN環境を健全に維持する運用アウトソーシングサービスを開始しました。また、自社のセキュリティ環境の脆弱性を診断する「脆弱性診断サービス」の提供を行い、企業のニーズに対応したサービスラインナップを拡充しました。
このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.70%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。一方で、ワンショットの収益モデルであるインテグレーションサービスにおいては、統合セキュリティ機器(UTM)の販売低迷により、前年を下回りました。
費用については、中期経営計画の初年度として、積極的な投資(人材採用、サービス開発等)を行ったことから拡大しましたが、売上原価については引当金の戻し入れ等により前年より減少しました。
以上の結果、日本基準に準拠した当事業年度の業績は、売上高2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益257,571千円(同19.6%減)、経常利益246,848千円(同10.6%減)、当期純利益88,924千円(同19.4%減)となりました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の業績は、売上収益2,640,423千円(前期比0.2%増)、営業利益520,791千円(同10.4%減)、税引前利益509,156千円(同6.1%減)、当期利益347,604千円(同9.3%減)となりました。
なお、当社は、インターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12)
③キャッシュ・フローの状況
日本基準に準拠した当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、336,792千円(前年同期は424,521千円の収入)となりました。主な増加は、税引前当期純利益の計上246,848千円、減価償却費109,078千円、のれん償却額259,810千円、主な減少は、契約損失引当金の減少額44,260千円、法人税等の支払額188,382千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前年同期は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形固定資産の取得による支出107,719千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、380,544千円(前年同期は364,267千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
当事業年度末における資金は、前事業年度末に比べ217,659千円減少し、当事業年度末には822,301千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、414,903千円(前事業年度は522,291千円の収入)となりました。主な増加は、税引前利益509,156千円、減価償却費及び償却費185,257千円及び棚卸資産の減少額70,920千円、主な減少は、引当金の減少額44,260千円、その他の非流動負債の減少額118,072千円、法人所得税の支払額181,763千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、173,907千円(前事業年度は138,668千円の使用)となりました。主な減少は、無形資産の取得による支出107,719千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、458,654千円(前事業年度は266,496千円の収入)となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出200,000千円、配当金の支払額182,764千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で提供するサービスは、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社はインターネットセキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、サービス毎に記載しております。
| サービスの名称 | 当事業年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | 前年同期比(%) |
| マネージドセキュリティサービス(千円) | 2,308,116 | 103.0 |
| インテグレーションサービス(千円) | 332,307 | 84.4 |
| 合計(千円) | 2,640,423 | 100.2 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自2022年3月1日 至2023年2月28日) | 当事業年度 (自2023年3月1日 至2024年2月29日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社USEN ICT Solutions | 711,354 | 27.0 | 797,465 | 30.2 |
| ソフトバンク株式会社 | 605,994 | 23.0 | 584,728 | 22.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しているほかに、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づく財務諸表も作成しております。
財務諸表の作成に当たっては、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」及び「(2)国際会計基準による財務諸表 財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態及び経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
日本基準に準拠した当事業年度における経営成績の分析は以下のとおりであります。
(売上高、売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上高は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上高が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上高が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上高が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上高が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上高が82,951千円減少しました。
当事業年度の売上原価は1,196,345千円となり、前事業年度に比べ67,282千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,643千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。
この結果、売上総利益は1,444,078千円となり、前事業年度に比べ73,328千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,186,506千円となり、前事業年度に比べ136,089千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を
採用)に係る人件費63,432千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、257,571千円となり、前事業年度に比べ62,760千円減少しました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、178千円となり、前事業年度に比べて1,354千円減少し、営業外費用は、10,901千円となり、前事業年度に比べ34,901千円減少しました。
この結果、当事業年度の経常利益は、246,848千円となり、前事業年度に比べ29,213千円減少しました。
(法人税等合計額、当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は157,924千円となり、前事業年度に比べ7,824千円減少しました。
この結果、当事業年度の当期純利益は、88,924千円となり、前事業年度に比べ21,389千円減少しました。
参考情報として、IFRSに準拠した当事業年度の経営成績の分析は以下のとおりであります。
(売上収益、売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上収益は、2,640,423千円となり、前事業年度に比べ6,046千円増加しました。これは、マネージドセキュリティサービスでは、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスにおいて、主に上位機種へのアップセル等により売上収益が15,872千円増加しました。VDaPは、前期及び当期の新規契約に係る上位機種の月額課金の積み上がりにより売上収益が3,123千円増加しました。Vario EDRは主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数増加により売上収益が45,704千円増加しました。また、インテグレーションサービスについては、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)においては、人員を増加し納品件数が増加したことで売上収益が21,323千円増加しました。VCRにおいては、前事業年度より競合環境が激化しており当事業年度も販売数の回復に至っていないため売上収益が82,951千円減少しました。
当事業年度の売上原価は1,176,785千円となり、前事業年度に比べ66,758千円減少しました。これは、主にマネージドセキュリティサービスに係る業務委託費が48,115千円、支払手数料が27,685千円及び減価償却費が18,924千円増加となりましたが、仕入先との契約に関する最低購入保証に係る引当金の戻入額を44,260千円計上(前事業年度は94,858千円の引当金の計上)したことにより減少となりました。
この結果、売上総利益は1,463,638千円となり、前事業年度に比べ72,804千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、943,015千円となり前事業年度に比べ132,093千円増加しました。これは、主に、中期経営計画に基づく積極的な事業投資(サービス企画、エンジニア、運用サポートなどの人員を
採用)に係る人件費63,722千円及び広告宣伝費17,716千円の増加、研究開発費24,627千円の増加によるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、520,791千円となり前事業年度に比べ60,507千円減少しました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
当事業年度の金融収益は8千円となり、前事業年度に比べて2千円増加しました。金融費用は11,643千円となり前事業年度に比べ27,267千円減少しました。
この結果、当事業年度の税引前利益は、509,156千円となり前事業年度に比べ33,237千円減少しました。
(法人所得税費用、当期利益)
当事業年度の法人所得税費用は161,552千円となり、課税所得の減少等により前事業年度に比べ2,474千円減少しました。
この結果、当事業年度の当期利益は、347,604千円となり前事業年度に比べ35,712千円減少しました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、ソフトウエア開発によるものであります。資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより、大部分の運転資金の確保や設備投資の支払いが可能となっております。
なお、第9期事業年度末における日本基準に準拠した有利子負債の残高は1,300,000千円(IFRSに準拠した借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,402,658千円)となっております。また、第9期事業年度末における現金及び現金同等物の残高は822,301千円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、①景気の動向によるインターネットセキュリティサービスに対する顧客ニーズの変化やクラウド環境への移行等の技術環境の変化に対応できないリスク、②人材の採用と育成が思ったように進まず成長を阻害するリスク、③意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生したり、法令違反によるレピュテーション低下のリスク等の情報管理体制及びコンプライアンス体制に起因するリスク等が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
⑤経営者の問題認識と今後の課題について
経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社が今後、業容を拡大し、持続的な成長を続けていくためには、a.人材の育成・確保、b.経営体制の強化、c.新技術、社会変化に対応したサービス開発に対処していくことが必要であると考えております。
⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、IFRSに基づく、売上収益及び営業利益を重要指標としております。当事業年度は、上記「②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b. 経営成績の分析」に記載のとおり、売上収益は前期比増収を確保したものの計画未達となり、販売費及び一般管理費は中期経営計画に基づく増員計画により採用コストや人件費は前期比で増加となりましたが、期初計画の採用コストの低減及び入社時期のずれにより人件費は期初計画より減少となったことで営業利益は計画過達となりました。今後の持続的な収益及び営業利益を確保していくためには、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 c.新技術、社会変化に対応したサービス開発」に記載のとおり、市場の変化に対応したサービスを提供することにより、リカーリングレベニューモデルによる収益を拡大していくことが必要であると認識しております。
| 指標 | 2024年2月期 (期初計画) | 2024年2月期 (実績) |
| 売上収益 | 2,685,712千円 | 2,640,423千円 |
| 営業利益 | 456,780千円 | 520,791千円 |